一般質問しました。
昨日より、杉並区議会第2回定例会が開催されています。6月21日までの会期です。
2日目の本日、一般質問をいたしました。テーマは、「地域公共交通について」「住宅施策について」です。
長文となりますが、以下質問全文を掲載します。
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杉並区議会公明党の一員として、地域公共交通について、住宅施策について質問を行います。
昨年3月に策定された「杉並区地域公共交通計画」で、区長は「今後の20年、30年先を見据え、区の魅力を持続可能かつ発展的に高めるために、交通をまちづくりのダイナミズムを支える軸として位置」付けると述べています。
そのような意義をふまえながら、本日は、同計画の中の施策4-2「MaaSの実装と自動運転技術の活用検討」について、1.交通事業者等のプラットフォームを活用したMaaSの実装、2.オープンデータの整備・活用、3.都市OSを見据えた交通のデータ整備とその他各種データとの連携、4.自動運転技術等の実証実験、の取組に基づいて質問いたします。
まず、施策の中心に位置づけられているMaaS(Mobility as a Service)について伺います。
先日、杉並区産MaaSシステム構築等業務委託事業者の公募があり、現在選定作業が行われています。公募要領では、MaaS を基軸として、移動から派生する都内住宅都市部固有の課題解決並びに新たな移動価値を創出するためのシステム構築等を目的としており、実行計画終期の令和8年度までを見据えた委託契約となっています。
【1】 現在進めている杉並区産MaaSの具体像をお示し下さい。その上で、公募要領にある「都内住宅都市部固有の課題」とは、「新たな移動価値」とは何か。またMaaSが、その課題解決や価値の創出にどのように寄与し、私たちの生活がどのように変化し得るとお考えか、お聞かせ下さい。
公募要領では、MaaSを推進する体制として、区を含めた複数の企業・団体による共同体、コンソーシアムを組織して運営にあたるとしています。
【2】 推進組織をコンソーシアムとしている理由を伺います。法人格を持つ組織を想定しているのでしょうか。その中で区はどのような位置づけで、どのような役割を担うことになるのでしょうか、お答え下さい。
今回受託する事業者は、既存のMaaSプラットフォームを活用してMaaSのユーザーインターフェイスの構築を担うことになります。ここでいうインターフェイスとは、スマートフォンアプリやインターネットサイト等の利用者のフロントエンドツールを指しているものと理解します。
【3】 MaaSのユーザーインターフェイスは、具体的にどのような機能をもつのでしょうか。また、MaaSプラットフォームについては、地域公共交通計画では、JR東日本のRingo Pass、京王電鉄のTAMa-GO、トヨタ自動車のmy Route が例示されていますが、区が求めるプラットフォームの機能、特長はどのようなものなのか、お聞かせ下さい。
次に、取組2「オープンデータの整備・活用」について伺います。
計画では、区が主導となって、既存の鉄道やバス、その他の民間事業者に移動データの提供を促し、地域交通に係るデータを誰もが収集・分析できる体制を構築し、活用を推進するとしています。
この「移動データ」、あるいは「地域交通に係るデータ」とは、国が10年に一度実施しているパーソントリップ調査のデータ、GTFSと呼ばれる世界共通のフォーマットに基づく公共交通機関の時刻表や停留所、経路等に関するデータ、さらには携帯電話の基地局データやGPSデータ、Wi-Fi アクセスポイントデータなどを指していると理解します。
GTFSなどは主に交通事業者から供給されると思われますが、事業者にとってのデータは彼らの情報資産であり、競争優位の源泉でもあります。そういう中で、データ供給についての事業者側の全面的な同意や協力を得ることが必要であり、そもそも事業者側がデジタル化されていることが前提となります。
【4】 現在の区内交通事業者におけるデータ供給環境の整備状況について、区の認識をお聞かせ下さい。
【5】 今回の公募要領では、委託事業者が「各種モビリティサービスの移動データ、購買データ等を連動させ、分析・可視化可能なデータ収集及び管理」を担うものとなっています。では、収集したデータを分析し、課題解決や価値の創出につなげるための活用は、どのように行うのでしょうか。お答え下さい。
なお、データの収集、分析、活用には、拡張性や包含性、またベンダーロックインを回避するという観点からも、フォーマットの標準化やAPIとの連携は必須です。この分野の環境整備についても、着実に進めていただきたいと思います。
次に、取組3「都市OSを見据えた交通のデータ整備とその他各種データとの連携」と、取組4「自動運転技術等の実証実験」について伺います。これらは、MaaSの実装がある程度進み出した先のフェーズにあるものと理解します。
取組3では、「サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合したデジタルツインの活用を含め、交通分野のデータ整備をはじめ、将来的に防災、観光、福祉、環境等の他分野のデータとの連携基盤となる都市OSについても、国や東京都の動向を注視しつつ検討を進める」とあります。
「デジタルツイン」とは、現実世界と対になるふたご(ツイン)をデジタル空間上に構築し、モニタリングやシミュレーションを可能にする仕組みのことであり、「都市OS」とは、データ連携基盤、交通機関、医療、教育といった分野をまたがったデータを集積・分析し、自治体や企業が横断的に活用するためのプラットフォームのことです。昨年第4回定例会での、デジタル技術を活用した災害対策についての一般質問でも、区の3Ⅾ高精度地図情報のオープン化を通して、これらのツールを積極的に活用するよう訴えました。
そこで、改めて伺います。
【6】 防災、福祉、環境等、他の分野のデータとは、どのようなものを指すのか。また、それらの分野から有益なデータを取得し活用するには、どのような環境整備が必要か、お示し下さい。
併せて、【7】他の分野のデータを交通分野のデータと連携させることの意義は何か。そのことによりどのようなことが可能となるのか。また、【8】これらの取組における国や東京都の動向は、現状どのようになっているのか、これらの点についてもお答え下さい。
自動運転について伺います。区では、2018年度に井草森公園と荻窪駅南側にて、「条件付運転自動化」のレベル3の実証実験を行いました。私も井草森公園を周回する自動運転の車に乗車させていただきましたが、まったく違和感なく車が走行していたことを記憶しています。
その後、自動運転の技術開発が進み、道路交通法も改正され、レベル3の機能を搭載した市販車の販売や、レベル4の自動運転タクシーやシャトルバスの開発、実証実験も進んでいます。
【9】 改めて、2018年度に行ったレベル3の実証実験により得られた成果は何でしょうか。計画では、2030年度までの中期目標として、自動運転技術の実証実験を検討し、順次実施するとしていますが、前回よりどのように進展した形での実証実験が考えられるのでしょうか。そもそも、区が自動運転を推進することの意義は何か、お答え下さい。
また、【10】 計画には、「将来的な自動運転社会の到来に向けて、歩車共存空間の拡大や路肩におけるシェアリング車両用の留置、停車スペースの確保、スマートな交差点の運用などもあわせて検討する」との記載があります。これらは、道路整備やまちづくりに関係することですが、ハード面において現状ではどのような課題があるのか、所見を伺います。
関連して、本年11月から運行開始を目指しているAIオンデマンド交通について伺います。
区は、鉄道駅から800メートル、バス停から200メートル圏外となる「善福寺」、「本天沼・清水」、「上荻・西荻北」、「南荻窪・宮前」、「堀ノ内・松ノ木・成田東」の5つの地域を公共交通不便地域としており、AIオンデマンド交通の実証実験は、このうちいずれかの地域で始められることになります。
【11】 現段階における、対象地域の検討状況を伺います。選定作業は、どのような着眼点で行っているのでしょうか。【12】 運行は、タクシーやバス等の公共交通事業者に任せるものと思われますが、事業全体のスキームはどのような形になるのか、お答え下さい。
【13】 AIを活用することの意義は何でしょうか。当該事業に関するAIシステムを提供できる事業者は現在どの程度存在しているのか。そして区は、これまでどのように比較検討してきたのか。区が最も重視するポイントは何か。それぞれお示し下さい。
先日、会派で、2022年度からAIデマンド交通の実証実験を行っている三鷹市の取組を視察しました。市民からの評価も高く、今年度から対象地域を拡張させている一方で、独立した事業としては採算性が非常に厳しい状況も伺いました。【14】 運賃設定また事業の採算性について、区はどのような考えを持っているのか、お伺いします。
この項の最後に、【15】 AIオンデマンド交通の、システムや事業者の選定を含め事業開始までの今後の取組予定を伺って、次の項目に移ります。
住宅施策について伺います。
現在開催中の通常国会にて、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」、いわゆる『住宅セーフティーネット法』の改正案が可決・成立しました。
この法律は、既存の賃貸住宅や空き家等の有効活用を通じて、高齢者、子育て世帯、低額所得者、障がい者、被災者などの「住宅確保要配慮者」が入居しやすい賃貸住宅の供給促進を図ることを目的としているものです。
【1】 今回の同法の改正に至る背景と改正内容についてご説明いただきたいと思います。また、改正に伴う区の住宅施策への影響について、伺います。
区では、現行法に基づく取組として、セーフティネット専用住宅家賃低廉化補助事業を昨年度から始めています。住宅確保要配慮者のみが入居可能なセーフティネット専用住宅の賃貸人に対し、家賃を引き下げた額を補助することで、低廉な家賃で入居できるように支援するものです。月額最大4万円の減額が可能で、財源として国が2分の1、残りを都と区がそれぞれ4分の1ずつで分担する補助スキームであり、期間は原則10年間にわたります。昨年12月から事業を開始し、これまで5件の実績があります。
この制度について、先の予算特別委員会における当会派の斉藤りか議員の質問に対し、区営住宅の抽選から外れてしまった方の受け皿となる程度の対象物件数を確保していきたいとの区の考えが示されています。現状は、区営住宅とみどりの里を合わせて抽選で外れて入居できない方の数が300名ほどですので、まだ大きな乖離があります。
【2】 セーフティネット住宅の拡充を今後進めるに当たり、整備目標とそのための具体的な取組を明確にするべきと考えますが、所見を伺います。
区が現在検討を進めている、杉並区としての家賃助成制度についても伺います。
この事業案は、セーフティネット住宅とアプローチは異なりますが、住宅に困窮する方々の経済的支援という政策目的は同じです。この点についても、先の斉藤議員の質問に対する答弁では、両事業のすみ分けを行うものではなく、それぞれを実施して支援していくとの区の意向が示されています。
しかし、【3】 政策目的が同じ事業を別々に実施することにより、冗長化や資源の分散などにより中途半端な状況になるのではないでしょうか。区として両事業の位置付けを明確に立て分け、それぞれが独自の効果を生み出し、お互いに補完し合うものであるべきと考えますが、所見を伺います。
【4】 また、区の家賃助成制度は、対象を住宅確保要配慮者を仮に高齢者のみに絞ったとしてもその数が膨大にのぼることから、財政面からの持続可能性に疑問を抱かざるを得ません。住宅に困窮する方々の経済的支援という幅広いものから、事業の対象をもっと絞り込むべきではないでしょうか。この点に関して、区も同様の考えをお持ちであれば、絞り込みを行うにあたっての課題認識をお聞かせいただきたいと思います。
次に、単身高齢者等の民間賃貸住宅への居住支援について伺います。
国土交通省の調査では、大家などの貸し手の約7割が高齢者の入居についての拒否感があるとされています。区内においても、単身高齢者が民間の賃貸住宅に入居することのハードルが高いことは、日々相談を受ける中で実感しています。
核家族化により連帯保証人の確保が困難であることに加え、入居者が自宅で亡くなった際、その後の手続きや処理、特に特別清掃を伴うなどの事故物件になると、心理的瑕疵(かし)物件となり、次の賃料を大幅に減額しないといけなくなるなど、貸し手側が単身高齢者との賃貸契約に二の足を踏んでいるというのが実態です。こうした課題は、家賃を低廉化することで解決できるものではありません。
不安要素を軽減するための対策は多岐にわたります。
この表は、身寄りがない高齢者などへの必要と考えられる支援策を入居前から入居中、そして入居後(死亡後)に至るまで一連の流れをまとめたものです。住まいに関する相談から、入居中の安否確認・緊急時の対応、見守り・声がけなどの生活支援。そして入居後・死亡後には、行政への諸手続き、関係者への連絡、死後事務、家財処分・遺品整理、葬儀、納骨などがあります。
この中で、赤いマル印を付けているのは、区の高齢者等アパートあっせん事業と高齢者等入居支援事業で対応しているもの、それ以外は民間の居住支援法人、不動産業者、あるいは実質的に大家自らが行うなど、様々な人や団体により行われています。また東京都防災・建築まちづくりセンターによる「あんしん居住制度」によりカバーできるものもあります。
この中でも、特に強化が求められるのは、先に挙げた通り、賃貸人側での不安要素となっている入居後・死亡後の対応策です。そこで、その強化策の一環として、残置物の処理等に関するモデル契約条項について述べたいと思います。
入居者が亡くなった後、賃借権と居室内に残された家財(残置物)の所有権は、法的には、亡くなった方の相続人に引き継がれることになりますが、相続人の有無や所在が不明な場合、賃貸契約の解除や、残置物の処理に困難を伴います。後々、所有権侵害による民事上の責任や、器物損壊等の刑事上の責任が発生する可能性があるからです。
令和3年6月、国土交通省と法務省は「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を策定しました。これは、単身高齢者の居住の安定確保を図るため、賃借人の死亡後に契約関係及び居室内に残された家財などの残置物を円滑に処理できるように、①賃貸借契約の解除、②残置物の処理に関する条項からなる委任契約書のひな形であります。
入居者が死亡した後の事務委任について、賃貸契約を結ぶ段階で明確にするものであり、入居前に双方が理解、同意することで、賃貸人のみならず賃借人にとっての安心にも繋がります。
【5】 残置物の処理等に関するモデル契約条項については、不動産業界や賃貸人側では、まだ周知が進んでいないと聞き及んでいます。区として、業界及び契約当事者にもこの件の理解が進み、賃貸契約がスムーズに、且つ効果的に実行するための支援体制を、法律の専門家の力も借りながら構築していただきたいと考えますが、所見を伺います。
加えて、入居後支援の補強策として、今年度から港区が行っている「家主あんしんサポート保険」なども一考に値すると思います。これは、単身高齢者世帯等が入居する民間賃貸住宅を対象に、居室内における死亡事故による家主の損害を補償する保険です。
1戸あたり月額690円の保険料を区が負担し、今年度は250戸を見込んでいるとのことです。仮に、先ほど挙げた、本区の区営住宅等の抽選が外れた方300名ほどを対象としても、年間経費が248万円程度で、差ほど、大きな予算を必要とするものではありません。
私は、これらの支援策を区が全て行うものではないと思います。区はコーディネーターの役割を担い、多様な実施主体や仕組み それぞれの連携や連続性を高め、一体的に推進してはどうかと考えます。これらを一つのシームレスで総合的な居住支援パッケージとするのです。
入居者の生活が連続して続いているのと同様に、居住支援も伴走型で行うことで、貸し手、借り手双方の安心につながるのではないでしょうか。
【6】 現存する制度、施策を整理し、入居前から入居中の生活支援、さらには入居後までの伴走型の支援、そこにセーフティネット住宅や家賃助成制度なども組み合わせて、総合的な居住支援パッケージの仕組みを検討しては、いかがでしょうか。
それとともに、【7】 それぞれの役割を担う関係機関、また庁内の関係部門が一体的に実施し、充実させていく体制が必要です。そのため、まずは「顔の見える関係」を構築するのに、例えば区の居住支援協議会の部会のような形で、定期的に一堂に会して情報交換を行うなどの場を設けては、いかがでしょうか。
区の所見を伺って、私の質問を終わります。ありがとうございました。
以上


