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中村(なかむら)やすひろ

予算特別委員会で意見を述べました。

本日、令和5年度の各会計予算について審議する予算特別委員会が終了しました。
杉並区議会公明党として、同特別委員会に付託された全ての議案に賛成いたしました。賛成理由について、会派を代表して意見を述べました。
長文になりますが、以下賛成意見の全文です。
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杉並区議会公明党を代表して、議案第20号令和5年度杉並区一般会計予算他、本予算特別委員会に付託された諸議案について、賛成の立場から意見を申し上げます。
岸本聡子区長による初の本格予算案と令和5年度に予定される各種事業の計画に対して審議に臨むにあたり、私どもは、
1.防災・減災の取組みやコロナ対策をはじめ、区民のいのちと暮らしを守るための予算措置が図られ、着実に実行する計画となっているか。
2.基本構想に掲げる区の将来像である「みどり豊かな住まいのみやこ」の実現に向けて必要な予算措置が図られ、着実に実行する計画となっているか。
3.子どもにやさしい社会は、全ての人にとってやさしい社会、「チルドレン・ファースト」への歩みを進める予算措置が図られ、着実に実行する計画となっているか。
4.喫緊の区政課題に機動的に対処しつつ、将来にわたる諸課題にも的確に応えられる財政の健全性が保たれた予算編成となっているか。

との視点で審査に当たりました。

審査の結果について、以下、私どもの考えを申し上げます。

第1に、いのちと暮らしを守るための施策について、耐震化促進や狭あい道路拡幅整備、感震ブレーカーの設置促進、スタンドパイプの追加配備、災害備蓄倉庫の整備・拡張など、地域防災機能の強化と災害に強いまちづくりへの取組みが着実に進められていることを確認しました。また、安全パトロール隊による防犯パトロールや街角防犯カメラの設置推進、自動通話録音機の無償貸与等による振り込め詐欺被害の防止など、安全・安心のための事業経費も盛り込まれています。さらには、新型コロナウイルス感染症対策、がん検診、認知症予防等、区民の健康を支える事業予算も計上されています。とりわけ、帯状疱疹ワクチン接種費用の一部助成や、がんのアピアランスケアへの補助、高齢者補聴器購入費助成など、当会派が要望していた事業が、新たに盛り込まれたことを評価いたします。

第2に、基本構想実現に向けた総合計画・実行計画に定められている各種事業について、実行計画上の計画額に対し、本予算案には全体で約95%の予算額が計上されていることを評価します。施策分野別では、7つの分野で80%代後半以上の予算額が計上されています。唯一、文化・スポーツ分野は、27%となっていますが、これは東京都による下高井戸おおぞら公園地下調節池工事を踏まえた、管理棟建設工事の時期の見直しによるものとのことです。状況の変化に対応しつつ、基本構想実現に向けた取組みを着実に努めていただきたいと思います。

第3に、子ども・教育施策について、児童虐待防止、子どもの居場所づくりと育成支援の充実、子育て家庭の利便性向上、学童クラブの待機児童解消と安全・安心な育成環境の確保のための小学校内等への整備、6年連続での達成が見込まれる保育園待機児童ゼロと、保育の質と量の充実、さらには就学前教育施設への教育支援、小中学校の児童・生徒の専用タブレット端末を活用した学習の充実、不登校特例校等の設置に関する調査研究等の経費が盛り込まれています。当会派がかねてより要望しておりました、高校3年生までの医療費の無償化が来年度より開始されることを評価いたします。

第4に、財政の健全性が維持される予算編成であることを確認しました。「財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方」が、本予算案にも適用されています。これまで何度も述べてまいりましたが、区財政の健全性を、時間と会計制度という2つの軸から捉え、5つの指標により多面的に可視化するものであり、今後もしっかりと活用されるべきものと考えます。
また当予算は、区の基幹一般財源である特別区民税や特別区財政交付金等が、前年度から堅調に増加することが見込まれていることが前提となっています。区財政当局の見込み通り歳入が推移することを期待しておりますが、万が一の下振れリスクや、緊急的な財政需要への備え、そして不断の行財政改革にも抜かりなく取り組んでいただきたいと思います。
日銀総裁の交代を迎え、今後の金融政策の行方が注目されます。金利の動向に加え、本区の基金の積み上げ状況に伴う財政のダムや基金運用のあり方、投資事業に伴う施設整備基金と区債の活用のあり方、また財政需要と資金の流動性の確保といった要素をよく調整した上で、今と未来を見すえた、柔軟かつ最適な財政運営に努めていただきたいと思います。

それでは、以下、予算に関連する個々の施策・事業に対し、意見・要望を申し上げます。

来年度から開始予定の公民連携プラットフォームにより、「新たな公共の担い手」がつながり、地域課題の解決や活性化が促進することを期待します。とりわけ、地域の若い方々の力が糾合できるよう、幅広いPRに努めるとともに、安全かつ円滑な事業の実施をお願いします。
行政のデジタル化については、事務の効率化と、キャッシュレスの促進、「書かない窓口」の実現などを通した区民の利便性の向上を着実に進め、併せてデジタル・デバイドへの対策も充実させることを要望します。
防災行動計画(タイムライン)については、現状では、「行政の動き」がわかりにくいとの印象があります。行政として、「いつ」「誰が」「何をする」というタイムラインのネット上での公表を要望します。水害時の要配慮者の個別避難計画をより実効性の高いものにすること、さらには、過去に何度も水害に遭ってきた堀ノ内2丁目地域のハード面での対策を強化することも要望いたします。
昨年、改正航空法が施行され、ドローンの「有人地帯の目視外飛行」が認められるようになりました。私どもが、これまでも度々提案してきた通り、災害時の被害状況の確認や情報収集など、ドローンやAIなどの先端技術を活用し、災害対策の強化を進めるよう要望します。

がんのアピアランスケア支援が創設されます。この10年以上一貫して、区のがん対策の強化を推進してきた私どもとして、高く評価します。がんの生存率が大きく改善する中、がんと共存し「どのように生きるか」が問われている時代、患者に寄り添った柔軟な制度の運営をお願いいたします。
高齢者施策について、高齢者人口がピークを迎える2040年の壁に対して、いち早く取り組み、検討し、備えることが重要です。区は、バックキャスティング思考で、着実に対策を進めていただきたいと思います。
「地域共生社会」の実現に向けた取組みにおいて、「共生型サービス事業所の開設促進」については、障がい者の円滑な利用に向けて、高齢者分野と障がい者分野の連携を強化していただきたいと思います。また、厚労省が養成事業を実施している「心のサポーター」は、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築に向けた施策として今後の取組に期待します。

区がめざすゼロカーボンシティについて、二酸化炭素を吸収する森林は、脱炭素社会を実現する上で不可欠な役割を果たしています。区が予定している「カーボンオフセット事業」は日本の森林整備が進み、森林のCO2吸収量の維持・拡大につながります。区の公共建築において国産木材の利用を積極的に進め、我が国の森林の再生につながる取組を、環境先進都市である本区から発信していただきたいと思います。
「小中学生環境サミット」は、子どもたちが環境学習の成果について発表し合い、質疑を交わすことで、環境への意識を高めていく非常に有意義な場です。子どもも大人も環境意識を高め、持続可能な社会の創り手として、環境配慮行動につながるよう、更なる事業の充実を要望します。

来年度、制定の検討を開始する、子どもの権利に関する条例については、「子どもの最善の利益を実現する」、「子どもにとっての幸せを第一に考える」との視点に立って、条例制定により子ども施策の理念が明確になり、多くの方々の共感が得られるものとしていただきたいと思います。
「ヤングケアラー」については、早期発見のための研修や実態調査に取り組むことを評価しますが、適切で手厚い支援体制をいかに整備するかが重要です。部門の垣根を超えた重層的な支援体制の構築を目指していただきたいと思います。また、「ダブルケアラー」についても、的確に把握し、適切な支援につなげる取組の強化を要望します。
学校の改築計画に関して、神明中学校では、校庭面積を出来るだけ確保することや、校舎の内装材へ国産木材を利用することを要望します。学校改築を学校関係者や地域の方々とともに進めていくという区教委の姿勢通り、基本設計終了後も、パース図や模型等を公開し、地域の意見をその後の実施設計にできる限り反映していただきたいと思います。
また済美養護学校中等部の移転についても、保護者の意見に加え、地域住民の意見を踏まえて、例えば、済美教育センター増築・改修工事中の自由通路の安全確保、スクールバス運行に関する地域住民への配慮、道路拡幅の検討など、学校を取り巻く様々な課題を洗い出して、的確に対応いただくよう、要望いたします。
本区の学校の卒業生が母校を応援することは、現在在席する子ども達にとっても大きな力となり、世代を超えた交流や若者の出会いの場、居場所づくりにもなります。ふるさと納税メニューの出身校への寄付は、本来のふるさと納税のあり方にも通じるものと考えます。郷土愛を持つ同窓会も一つのコミュニティとして、区も何らかの支援ができないか検討していただくよう要望します。
通学時のランドセルが重く児童の大きな負担になっていることなどについての、文科省による「登下校時の携行品の軽減に関する通知と徹底」に関して、子どもたちの健康を守るという観点から、教育委員会で改めて検討を行うよう、要望します。

視覚障害者が徒歩で移動する際に特に困難を覚える交差点での安全確保のために必要なエスコートゾーンの支援性が確保されているか、また歩車道境界部周辺の誘導ブロックが適切に敷設されているかなど、視覚障害者の立場に立った歩行スペースの点検をお願いしたいと思います。

以上、主な施策・事業についての意見を、要望を付して述べてまいりましたが、総合的に勘案し、杉並区令和5年度一般会計予算案は妥当であると認め、賛成いたします。

次に、議案第12号「杉並区性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例」について、賛成の意見を述べます。
遡ること2018年、当会派に当事者の方々からパートナーシップ制度を求める声が寄せられて以来、理解促進のため区職員と議員を対象とした研修会の開催、パートナーシップ制度導入を視野に含めた「LGBTに関する施策の促進を求める陳情」「杉並区におけるパートナーシップ制度の創設に関する陳情」の審議と採択に尽力、さらに会派の議員による議会質問などを通してパートナーシップ制度導入を推進してまいりました。
2022年に採択された陳情理由に、「『昼間の星々』のように、明らかに存在するのに見過ごされがちになる性的少数者の課題解決は、誰一人置き去りにしない生命尊厳の共生社会、多様性を認め合い輝いていく社会を築いていく上で大変重要な課題である」とあるように、私ども公明党は、「人権の党」として、多様性が尊重される地域社会を実現し、それをしっかりと次世代に引き継いでいかなければならないと考えます。
ある当事者の方からは、「杉並区に住んで20年、今までずっと、理解してもらうために、必死で生きてきた。私は子どもを持つことのできない人生だったが、これから育っていく子供たちへ、誰一人として、自分の存在を理解してもらうために頑張る必要のない社会を渡したい。みんなで手をとり合って、皆が自分の存在に、性に、誇りを持ち安心して暮らせるよう力を尽くしていきたい」とのお言葉がありました。
トランスジェンダーの方々の権利を、トランスジェンダーによるものではない性犯罪の可能性と結びつけて論じられることがあります。そのような心配を持つ区民に対して、本条例の本来の意義を正しく理解していただけるよう、引き続き区には努力していただきたいと思います。私たちもこれまで以上に尽力してまいる決意です。
また、本条例では事実婚が対象から除外されたことを残念に思います。本条例が制定された暁には早期に事実婚を含めた検討を進めていただきたいとの要望を付して本議案に対する賛成の意見といたします。

その他の、本特別委員会に付託されました全ての議案についても賛成といたします。

本委員会審議において我が会派から出されました意見、提案、要望につきましては、今後の区政運営に当たり、検討、反映していただくよう重ねて要望いたします。

「政治とは、情熱と判断力の両方を駆使しながら、硬い板に力を込めてじわじわとゆっくりと穴をあけていくような仕事である」とは、マックス・ウェーバーの有名な言葉です。私どもは、これからも「大衆とともに」の精神で、声なき声に耳を傾け、区民福祉の増進に粘り強く取り組んでまいります。

結びに、本委員会の審議に当たり、誠意を持って御答弁いただきました区長はじめ理事者の皆様、資料の作成に当たられた職員の皆様に感謝申し上げますとともに、円滑な委員会運営に御尽力いただきました正副委員長に感謝を申し上げ、杉並区議会公明党を代表しての意見開陳を終わります。

以上