区議会質問報告①
タイミングが遅くなってしまいましたが、この度の第3回区議会定例会・決算特別委員会での質問内容につき、下記報告します。
①決算特別委員会初日(10月2日)
質問事項:
- 財政運営について
- 公会計の財務諸表について
- 資金の管理・運用について
◆財政運営について
経常収支比率、実質収支比率等26年度の財政指標については、ほぼ例年通りで推移しており、経常費用の増加傾向が懸念されるところではあるが特段問題はない。区債の発行に関しては、若干増加傾向にあるが、説明にもある通り必要な事業に伴うものであり、公債費比率についても1.4%で、23区平均の3分の1程度と極めて低いので問題視するものではないと考える。
基金については、これまで標準財政規模に対する積立額の低さが懸念されていたが、5つのルールに基づいて財政調整基金をはじめ着実に積み増しされており、評価する。ただし道半ば。今後も持続可能な財政運営への取り組みを進めて頂きたい。
新聞記事によると、25年度決算結果において財政健全化法に基づく「財政破たんの懸念がある『財政健全化団体』の指定団体」が平成21年度の法の完全施行以来、初めてゼロになり、全国的に地方自治体の財政の立て直しが進んでいるとのことであった。
本法律については、本区は26年度を含めて一貫して、いずれの判断指標も早期健全化基準や財政再生基準を大きく下回っている状況。基準が本区の財政状況を分析するのになじんでいると言えず、これまで本決算議会でも、この基準についての深い議論があまりされてこなかったと記憶する。私自身も、法律とは別に区独自の指標を設けてはと提案したこともあった。
同法律は、実質公債費比率や将来負担比率等、負債に対して現状がどうであるかという視点からの判断基準である。しかし本区にとっては、大規模災害への備えはもとより、少子高齢化や施設の更新等にも対応できる、将来を見すえた準備がなされているかという視点からの、財政運営を強く意識する必要があると考える。再三訴えてきた「財政のダム」の構築もそういう考えからによるものである。
改めて区の認識を伺う。
◆公会計の財務諸表について
将来を見すえた財政運営という点からも、これまでも主張してきた通り複式簿記に基づく公会計の発想が必須だと考えている。今回も財務諸表が作成されているが、なかなか有効的に活用されているという状況ではない。
公会計制度の新たな動きもある。「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」(総務省通達)では平成29年度(28年度決算)までに、「より詳細な固定資産台帳管理項目の追加」や「事業別財務情報提供への対応」などへの取り組みを進めるとのこと。この2点について、もう少し具体的に説明を頂きたいのと、これ以外にも新たに進めなければならないのはどのようなことがあるのか。
総務省は予算編成に活用する旨の意向が示している。PDCAの観点から私もそのことを訴えてきたが、このことに対し区は現状どのような取り組みを行っているのか。
仕訳の仕方について現在区では「期末一括仕訳」を行っており、一方で「日々仕訳」もある。これらの仕方の違いについて説明を。また業務フローにおいてはどのような違いが発生するのか。
それぞれメリット・デメリットがあると思うが、どのようなものがあるか。また本区としては日々仕訳に転換していく意思はあるのか。
財務諸表の中身について聞いていく。まず貸借対照表B/S(特別会計を含んだ単体) について、資産、負債、純資産、それぞれについて25年度と比較して概ねどのような変化があったのか。また26年度末は、どのような状態と総括できるのか。
財務諸表に基づき「固定資産の建物の減価償却率」、また「現世代負担比率」、「世代間負担比率」といったB/Sの指標の推移が示されている。ここから区の資産、負債、純資産のバランスではどのような変化があると見受けられるか。
行政コスト計算書には経常費用合計及び純行政コストの過去5年間の数値が一覧されている。経常費用合計が増加、逆に差引の純行政コストのマイナス額が増加の一途をたどっている。このことについての区の評価は。
「退職給付費用」が前年度4.2億円であったものが、当該年度は31.6億円に大きく増加しているが、これについて説明を。
資産売却損が当該年度2.65億円計上されている。これは何か。
資金収支計算書(CF)について伺う。当該年度はプライマリーバランスがマイナス23億となっている。前年度がプラス8億だったので、合計で31億円減少している。またプライマリーバランスの過去5年間の変遷では、平成22年度は+45億、翌年は+17億、翌年は更に下がって-18億、翌25年度は一度盛り返して+8億となったが、26年度では再び下がり-23億となり、過去5年間で一番低い状態。これはどう受け止めれば良いか。
◆資金の管理・運用について
資金管理計画に関しては、歳計現金等約103億、積立基金約418億、合計約520億円を対象としたものであるが、26年度の計画はどのような考え方に基づいて策定されたのか。
経済・金利動向については、年度当初にどのような見通しであったか。そしてその見通しは1年間を振り返ってどのような結果であったか。
同管理計画では「歳計現金等」と「基金・積立基金」それぞれ管理・運用はどのように行ってきたか。
資金/歳計現金等について伺う。監査報告書にも月毎の月末の資金残高が記載されているが、26年度の月毎のキャッシュフローはどのようなものであったか。また当該年度は他年度と比較してなにか特別な動きはあったのか。
資金管理計画では、①支払準備金は流動性預金(=普通預金)で保管、②余裕資金は定期性預金等を中心に金利動向を考慮しながら保管するとされているが、それぞれの割合は。またどのようにして額・割合を設定しているのか。
これらは双方とも銀行預金で利率が非常に低い。歳計現金の平均残高が110億円あるにもかかわらず、利子額が229万円、利回りは0.02%に過ぎない。これについては、特に支払準備金と余裕資金の額の設定方法、その保管・運用のあり方について、例えば一時的に資金が不足するリスクについては、基金の繰替運用と一時借入金によるコストのシミュレーションをしたり、預け入れ先も、指定金融機関以外にも、引合方式を取り入れることにより、より良い条件を導き出したりする等あると思うが、改善の余地についての検討は。
基金の運用管理について伺う。基金の債券による運用として「国債証券、政府保証債証券、地方債証券(以下、国債証券等)を対象と」となっているが、なぜこれらのみなのか。もっと利率の良い社債や株式への投資というのは不可能なのか。できないのであればその理由は。
安全性という観点から難しいのかもしれないが、そうであれば運用期間を長期化することで高い利率を得るという方向で検討を進めるべきではないか。ちなみに、資金管理方針では預金による運用は2年、債券その他は10年と上限設定されているが、その根拠は。
基金の運用先で運用期間別での資料によると、5年を超えているものがない。10年まで認められているのに、長期債による運用をしていない理由は何か。
区が債券を発行する際には、20年や25年という期間で資金調達をするケースが多いので、基金運用についても、長期化を図ることも検討するべきではないか。
26年度末時点で基金の運用先に80億円が普通預金に保管されている。なぜ普通預金に。これは一時的なものなのか。
実際、26年度見ただけでも区からの利払い額が区債の発行残高230億円に対して2.7億円支払っている。一方、利子収入は積立基金+歳計現金で合計528億円に対して合計で8千万円弱。低収益構造を打開する必要がある。
しかし、それにはリスクがつきもの。金融リスクを管理する必要がある。金融のリスクとは、①元本償還に係る信用リスク、②換金に伴う流動性リスク、③金利変動リスク、の3つにまとめられると思うが、それらを明確にした上で、それぞれどの程度まで許容できるのか、またリスクを回避するのにどのような策があるのか。
他の自治体の状況や事例を調査した上で、当区のパフォーマンスはどういう状況なのかということも把握する必要があると思う。
例えば金融商品・機関の選定、運用期間の長期化、歳計現金と基金の一元的な管理運用等、最も効率の良いと思われる方法を模索していくべきと考えるが、区の考えを伺う。
以上