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中村(なかむら)やすひろ

日曜日でしたが今日は朝から議会 ― 集中審議

「減税自治体構想」を具体的に進める減税基金条例(案)に関する集中審議を行いました。

全議員のトップバッターとして、公明党代表の一員として質問を致しました。関心が高い内容のためか、雨の日にもかかわらず多数の傍聴者の方々に来て頂きました。

同構想については、2月13日の活動報告を参照下さい。

私が質問をした内容は以下の通りです。

【2月28日の集中審議の質問内容】

冒頭に際し、昨日南米チリでマグニチュード8.8の大地震があった。甚大な被害が出ているとの報道がある。亡くなられた方々に対して、心より哀悼の意を表するとともに、被災された方々に、お見舞いを申し上げる。

◆ さて、本日の集中審議に当たり、まず区長にお伺いしたい。今回の減税基金条例、及びその基礎となる「減税自治体構想」について、区長は、これま でどのような問題認識を持ち、どのような思索を経て、今回の提案に至ったのか、そして本構想を実施することは、杉並区及び杉並区民にとってどのような意味 を持つのか、提案者である区長ご自身のお考えをお聞かせ頂きたい。

(区長より答弁あり。とても良い内容でしたが、長いため正式な議事録が出来次第、この部分に記載しておきます)

私ども杉並区議会公明党は、会派として、また個々にも、本構想について、これまで様々研究し、真剣に検討を重ねてきた。

本構想を単に「お金を貯める、貯めない」だけの議論ではなく、近年進められている地方公共団体の公会計制度の改革や財政健全化法の制定など、フロー からストックへという財政運営のあり方、またコストや投資効果を重視した公共経営という考え方、更には国依存や横並びの体質を排した、「自律へ」という地 方分権の流れ。こういった地方公共団体を取り巻く時代の変化も見据え、「自治体の財政運営とは何か」、また「税金を徴収して行う行政サービスとはどうある べきか」などのテーマと合わせて、研さんを進めてきた。

と同時に、多くの区民と膝詰めの対話や地域での会合などを通して、本構想についても、様々な形で区民とのコミュニケーションに取り組んできた。

そのようなプロセスを経て、先日の本会議での会派代表質問でも表明させて頂いたが、我が会派としては、本構想の考え方には賛同できるとの結論に立っている。

その主な理由は、

  1. 本構想は、単年度主義の「使い切り予算」から脱却し、これまでの自治体財政運営のあり方に一石を投じる構造的な改革であること。
  2. 長期的な構想のもと積み立てを行い、減税をめざしながらも、いわゆる「財政のダム」を構築することで、大規模災害などの大幅な減収といった事態にも備える、安定的な公共サービスの提供を可能にする仕組みであること。
  3. 将来世代のために「正の遺産」を残すことが、地方分権の時代にあって、杉並区独自の高付加価値サービスとなり得ること。
    である。

本区の区債残高ゼロが、いよいよ現実味を帯びてきたこの時点で、「その先」にある将来へ向けて、全国初となるこの試みを、この杉並区において、ぜひとも成功させていきたい、そのように考えている。

その上で、本基金条例案の中身と、構想を運用するにおいての個別具体の内容について、時間の許す範囲で様々質問をさせて頂きたいと思う。
◆ 最初のポイントとして、「基本方針」について質問する。条例案の第2条第1項に基づき「恒久的な減税を計画的に実施するための基本的な方針を策定する」ことになっており、この基本方針に基づいて一定額を毎年度の予算で積み立ていくことになる。

今回の基本方針の案として示されているものは、① 恒久的減税の実施時期は10年後、② その減税の規模は10%相当額、そして③ 積立方針は一般会計当初予算額の1割を目途とする、といった内容で構成されている。いわゆる約10年という中長期スパンの枠組みである。

そもそも、この基本方針とは何なのか。行政計画上の体系的な位置付けにおいては、どういった位置にあるのか、お示し頂きたい。

(「基本方針は行政計画の『基本計画』 に位置づけられる」 との答弁)

この基本方針の策定、変更については、条例では「区長が行う」ことになっている。その際、その時々の区長の判断により、ある区長は積立額の基本方針 を予算の20%、また別の区長は「私の任期中は積み立てを0にする」などのような変更も可能性としてはあり得る。減税の規模や実施時期についても同様であ る。
今後様々な状況が考えられると思うが、いずれにしても、このような計画推進の基本的な内容については、区長の専権的な判断のみにゆだねるので はなく、民主主義として議会や区民の意思が反映されるべきものと考える。この点については、先の代表質問でも指摘をさせて頂いた際、区長も「重要であると 考える」と答弁されているが、改めて区の認識を伺う。また、それはどのようにして担保されるとお考えか。

(区側としては、委員会・議会・パブリックコメント等を通して民意を反映させたいとの答弁)

このことについては、減税基金委員会の活用も一つの選択肢ではないかと考える。減税基金委員会とは条例案第10条で設置が定められているが、同委員会の設置目的、役割等について概略をお示し頂きたい。

(区側より減税基金委員会の概要について説明あり)

ただいまご説明頂いた委員会が、例えば、基本方針の変更についても、何らかの形で関与するということについてはどのように考えるか。

(区側より「委員会の趣旨が違う」との理由で否定的な答弁あり)

◆ 2つめのポイント。我々はこれまで「将来の減税が、現在の区民に対する行政サービスの低下を犠牲にしてまで行われる」ことがあってはならない。 それでは本末転倒であると主張してきた。その点については区側も同様の認識を持っている旨を何度も議会の質疑の中でも確認してきた。これは本構想の前提条 件であると理解している。

「将来の減税が現在の行政サービスの低下という犠牲の上に行われてはならない」―― この前提条件について区側の認識を改めて確認させて頂く。

(区側も同様の認識である旨改めて答弁)

この原則論は理念として掲げるのは簡単だが、現実的にそのことが実行されているかどうかを、いかにして検証・証明していくのかが大切になってくる。 個別の行政需要を見て判断することは人それぞれニーズが異なるので全体観に立てていない。杉並区の行政サービスのレベルを客観的に検証し、先ほどの前提条 件を確保していく方法、仕組みについてはどう考えるか。

(区側より、透明性・客観性を高め、検証していく改革の取り組みについて説明)

行政サービスのレベルを客観的に検証、分析し、そして情報公開を経て改善を行っていく、このような、いわゆるPDCAのしくみは、これまでも私が常 々訴えてきたことであり、いま答弁があったような、本区の改革の取り組みは評価している。この制度を更に充実させ、区民満足度の高い行政サービスをこれか らも推進して頂きたい。

◆ 3つめのポイント、災害対策という点について質問する。本構想については、恒久減税の財源を運用益で賄うという側面がクローズアップされている が、我々としては、この構想のもうひとつの機能、つまり大規模災害や急激な区の収入の悪化にも対応する、いわゆる「財政のダム」機能について、その重要性 に着目している。

これまで災害対策について論じられる時に、阪神・淡路大震災の時のデータが良く引用されている。現段階において、この東京・杉並で大規模な地震が発生した場合、杉並区において必要な追加的財政措置はどのように見積もっているか、改めて確認する。

(西宮市での事例では、3300億円の追加的財政措置があったという数字が提示された。「人口割合/当時の西宮42万人→現在の杉並区52万人で考えると4200億円という推計もできる」との答弁)

その財政支出の国、県、更には市独自、その他もあると思うが、どのような負担割合であったか。

(「国の負担は約4割。県は数パーセント。基礎自治体の西宮市が独自に支出した額としては2000億円弱」との答弁)

その財源について西宮市ではどのように対応したのか。またそのことが、その後の同市の財政にどのような影響を及ぼしてきたのか。市債の発行状況や、経常収支比率等、できればデータもお示し頂きながら説明願いたい。

(区側からは、西宮市は以前は不交付団体(裕福な市)であったのが、震災を機に莫大な借金を抱え交付 団体になってしまったということ。その後約10年経ってもいまだに財政的に苦闘しており、弾力性(自由に使えるお金の割合)が著しく下落しているというこ とを同市の財政データを引用しながらの説明があった)

本区において4200億円という数字は計算がかなり雑駁な印象を受ける。例えば本区では、「地域防災計画」という計画の中で、具体的な被害予測の上 に綿密な応急対策の計画、復興の計画が立てられている。これらの計画をベースにもっと綿密な財政的なシミュレーションをしておくべきと考えるがどうか。

(財政シミュレーションについては慎重な答弁。数字が一人歩きするかも知れないとの杞憂が)

また、いざ震災が起こった時に、実際に基金が処分され、財政支出が行われるプロセスについても良く検証をしておくべきであると考える。基金の処分に ついては、条例案第9条では、「委員会の意見を聴いた上で」とある。震災が発生し追加的財政措置が必要となった場合、委員会の開催・協議・決議、区長が積 み立ての処分を決定、支出のための補正予算を組み議会において決議。更に、取引先の金融機関での現金化の業務の実行。すなわち処分から支出までのプロセス における業務継続計画と事業継続計画、いわゆるBCPも確認しておくべきではないか。そういったリアリティを持った上での、積み立てであるべきではないか と考えるが、区はどのように認識されているか。

(本区ではBCPを作成中、金融機関もBCPを作成しているとの答弁)