← 戻る
中村(なかむら)やすひろ

「旧杉並中継所」視察報告

本日、旧杉並中継所の跡地を視察してまいりました。

旧杉並中継所は、平成8年よりプラスチック等の不燃ごみの圧縮施設として稼働していましたが、リサイクルの推進やプラスチックごみが可燃ごみとして処理されたことにより、平成21年3月末で閉鎖されました。当初は、東京都の施設として開設し、平成12年度に都から杉並区に移管されました。移管の際の条件(負担付譲与)として20年間は清掃事業として利用することとされていたので、閉鎖後はほとんど利用されることがない状態が続いていました(平成28年度に特例措置として、一部に認可保育園を設置しています)。

昨年度で負担付譲与の期限が切れたため、その後の活用について杉並区として検討を重ね、区の災害対応力の向上を図るため、災害時の防災拠点として活用する方針が先月発表されました。

施設の概要としては、敷地面積 8919.46㎡、地上1階建、地下2階建(延床面積6311.73㎡)という広大な面積を有しています。

旧杉並中継所1F-B1-B2平面図

建物は、ごみ処理工場として特異な構造をしています。特に地下に設置されている堅牢な設備が、現在もそのままになっています。

【1階】  会議室は、現在はリサイクルの軽作業場として使用しており、時々地元住民の集会に開放しています。浴室もあります。防災拠点としての事務を行うことを想定しています。

【地下1階】  稼働時は、ごみ収集車が直接乗り付け不燃ごみをホッパーに投下するヤードでした。現在は主に防災や清掃関係の備品の倉庫として使われています。また屋外の搬入口は広大な空地となっており、現在では消防団の操法訓練にも使われています。

【地下2階】  圧縮装置、集塵・脱臭設備等、重厚な機械が設置されています。上階へのアクセスは、階段と人が数人乗れるエレベータが1台あるだけで、設備を撤去するだけでも相当な労力を要すると思われます。この部分で1800㎡あります。

区は、防災拠点としての機能としては、以下のことを検討しています。
〇災害拠点倉庫・・・発災後3日間を乗り切れる体制を確保するため、2日目以降の食糧等を備蓄する倉庫。
〇重機保管場所・・・災害時に発生するがれきなどを除去するための重機の保管場所。
〇本庁代替施設・・・災害時、阿佐谷南の本庁舎が被災等により、建物被害や電気の喪失が起こり、本庁が使用不能となった場合の指揮・命令等を行う本部施設。
〇地域内輸送拠点・・・災害時、国や東京都、他の自治体からの救援物資を受入れ、荷卸し荷捌きを行い、震災救援所等へ配送を行う施設。

大規模で耐震性もあることから、備蓄品や重機の保管場所としての活用が可能。緊急輸送道路である環状八号線と新青梅街道からの交通アクセスがよく、大型車両の搬出入にも適している。区の北西部にあり、地震被害シミュレーションでも被害予測が区役所の本庁舎より小さく、本庁舎と同時に被災するリスクを低減することができるため、本庁舎の代替施設としての活用が可能、といったことが防災拠点として活用する理由です。

一方で、平時については、緑の多い井草森公園内に位置していることから、公園と一体的に活用することで、地域の方々から愛される活用も検討していきたいと思っています。今後、”サウンディング型市場調査”(※注) を行い、民間の事業者から災害時の防災拠点であることを前提とした活用のアイデアや参入の可能性等を確認し、活用策を検討することになります。地域の方々を対象とした意見交換会等も行います。

私自身も、様々な方からのアイデアやご意見をお聞きしながら、財政的な制約もある中でも価値的な活用策の提案をしていきたいと思います。

※注 サウンディング調査とは、事業の発案段階や事業化を行う段階において、事業内容等について、直接の対話により民間事業者の意見や新たな提案を受けることで、どのような活用方法があるか情報収集を目的とした調査の手法。