政治と宗教について【2】
○旧統一教会と多くの自民党の議員との関係が次々と明らかになっています。霊感商法や高額献金など多くのトラブルを抱え、社会問題にもなっている団体にも関わらず、です。名称の異なる関連団体もあり、相手の素性をよく知らずにお付き合いしていたのか、後ろめたさを感じつつやむを得ずだったのか、確かなことはわかりませんが、今回の問題の本質は、政治と宗教の関わりではなく、政治と「トラブル団体」との関わりであるとの意見に、私も同感です。
.
***
○既に決着済みの公明党と創価学会との「正教分離」の議論は、時折政局が絡んで頭をもたげてきます。
.
○自公連立政権が誕生する前の90年代半ばに、こういったことがありました。
○当時、公明党は、国会では「新進党」に合流し、自民党と対峙していました。前年に下野した自民党は、94年6月に自社さ政権として、政権に復帰しましたが、新進党に対する強い警戒感、とりわけ新進党の最大の支持基盤が創価学会であるとして、創価学会をターゲットとする攻撃を激化させてきました。
.
○95年3月にオウム真理教による地下鉄サリン事件が起き、宗教法人法見直しの論議を進めていた与党自民党は、あからさまな創価学会対策へとすり替えてきました。同党の幹部議員は、独自の「正教分離」論を展開します。
■「宗教は・・・本質的に議会制民主主義と相いれない」 (加藤紘一政調会長 ※の役職は当時)
■「特定の宗教が突出すれば、他の宗教が侵される。憲法の保障する信教の自由が侵される場合は、何らかの形で制約しなければならない」 (島村宜伸文相※)
■「(宗教法人法改正の目的は)創価学会ですね。はっきり申し上げて」 (亀井静香広報本部長※)
.
○宗教法人法の「改正」案は、審議会では反対もしくは慎重な意見が多く出たにもかかわらず、審議は一方的に打ち切られ、異例の早さで国会へ送られました。法案は、宗教法人の所管を文相に移管、所轄庁への書類提出義務、所轄庁の報告聴取と質問権など、権力による宗教法人への介入を意図していたことは明らかでした。
.
○学会に対する攻撃はエスカレートし、池田名誉会長を名指しで、国会で証人喚問すると言い出し、「一回の招致、喚問じゃすませない。何十回でも来てもらいますよ」(加藤紘一幹事長※)など、恫喝まがいの発言までありました。オウム事件の再発防止目的ではなくなってしまっています。結局、秋谷会長※が参考人として国会に招致され、“住民移動”など根拠のないウワサや週刊誌情報などに基づく質問も含め、学会の選挙支援活動が、さも違法であるかのように描き出そうとする意図が明らかな審議でした。当然、根も葉もないデマは一蹴され、イメージダウンの目論みは失敗に終わりました。
.
○最終的に可決、成立した同法の「改正」案は、その意図、目的、手続き、手順、内容いずれも「問題あり」でした。日経新聞の社説に、「自信を失った自民党はいま、新進党=創価学会たたきに血眼になっている。・・・自民党は第一党としての責任をもっと真剣に自覚した方がいい」(95年11月30日)と書かれる始末でした。
.
○懲りない自民党は、その後も、憲法違反の疑いが強いとみられる「宗教法人基本法」「政教分離基本法」(仮称)の制定を試みましたが、さすがに断念、国会提出には至りませんでした。
.
《参考》 『大衆とともに ― 公明党50年の歩み』
.***
.
○時の政権与党が、信教の自由を政争の具に利用し、一宗教団体に対して猛烈な圧力をかけてきた事例です。
○なお現在では、自民党は20年以上に亘る連立の良きパートナーであることは周知の通りです。
