令和元年10月2日 決算特別委員会

公会計情報の活用による行政評価とセグメント分析

中村 康弘

私の質問は、内容が変わります、公会計情報を活用したセグメント分析と行政評価について質問させていただきます。
 昨日、総括の款で、地方公会計制度についてさまざま伺いました。きのう伺った側面は、財務会計という形で、いかに区の財務情報を外部に伝えるかというところに重きを置いた内容でございまして、きょうは、一方で管理会計という形で、内部マネジメントの材料として使う、そういう意義で質問していきたいというふうに思います。
 地方自治法でも最少の経費で最大の効果をとうたわれているように、税金を使っての事務執行において、無駄なものは当該年度でなかったのかどうか、もっと改善できる余地はないのか、また、傾向としてよくなっているのか悪くなっているのか、そういった効率性や経済性についても、しっかりと数字に基づいてマネジメントしていかなければならない、そういう考え方でセグメント分析というのがございます。このツールとしてセグメント分析、改めてどういうものか、御説明いただきたいと思います。

会計課長

セグメント分析でございますが、財務書類の情報をもとに、何を管理するために使うのかという分析の目的に応じて、施設、事業、部署などのより細かい単位、つまりセグメントでコスト等の分析を行うものでございます。

中村 康弘

私自身も、今おっしゃったような形でセグメント分析をぜひ実施してもらいたいというふうなことを何回も、事あるごとに訴えてきたわけでありますけれども、当該年度の30年度、区はどのような取り組みを行ったのか、お示しください。

行政管理担当課長

30年度の取り組みでございますけれども、まず試行的に、区の一部の施策とその施策を構成する予算の事務事業を単位に、行政コスト計算書というのを作成いたしました。これを作成した目的ですけれども、行政評価と公会計制度と連動するためにどのような手順が改めて必要か、あるいは評価をしていくためにどのような情報が必要かというようなことを確認することを目的に行いました。

中村 康弘

試行実施をされて、その結果どのように評価されているでしょうか。

行政管理担当課長

試行した結果でございますけれども、まず、決算データを財務指標に置きかえるためのルールづくりというのがどうしても詳細なところで必要だと。それから、コスト計算書につきましても、見やすくてわかりやすい、こういうレイアウトをつくっていく。また、コストや評価対象として適正な単位とするためにどのような工夫をしたらいいかというような、これから実行していく上での検討が必要だということがわかってきたところでございます。

中村 康弘

昨年度、施策、事業、そういった単位で一応セグメントをつくってみたという形なんですが、それ以外にもさまざまな単位、対象が考えられると思うんですけれども、昨年度の実績を踏まえて、どういったことが今後また対象として、単位として考えられるのか。その辺に関して、最も今区の状況にふさわしい形というのはどういうものが考えられるのか、その辺いかがでしょうか。

行政管理担当課長

マネジメントの観点からいえば、図書館事業ですとかあるいは集会施設事業といった施設別の単位、こういったところと、あと個別に重要な施策単位というようなところで対象にしていくのがよろしいかなと、効果的かなというふうに考えてございます。

中村 康弘

そういったことも一つ一つ学習していきながら、さらにこの取り組みを推進していただきたいと思っているのでありますけれども、ただ、その上で技術的な課題があるんじゃないかと思います。
 まず、仕訳の作成方法ですね。予算上の予算科目と財務書類の勘定科目のひもづけ、この問題があるというふうに思います。現在、このひもづけに関してはどのように作業を行っているのでしょうか。

会計課長

歳入歳出の仕訳に関しましては、国のマニュアルに示されました資金仕訳や変換表をもとに、公会計システムで仕訳を行っております。予算科目の多くは勘定科目と1対1のひもづけができるんですが、例えば、できないものがございます。工事請負費などは勘定科目と1対1のひもづけができませんので、個別に個々の取引内容を確認しまして、例えばその工事費が資本的支出に当たるのか、それとも費用計上すべき修繕に当たるのかというような仕訳を行っております。

中村 康弘

今、費用に関して御説明ございましたが、それ以外にも、負債あるいは資産、あるいは収益においても、個々に仕訳ができないような、いわゆる複数のセグメントにまたがるような、そういうふうなものが少なからず区を見てもあるんじゃないかなと思います。それらをどのように合理的に配賦、いわゆる割り当てをしていくのかというのが1つの大きな課題であるというふうに考えますけれども、その配賦の方法についてはどのような考え方があるのでしょうか。

会計課長

費用、負債、資産、収益等の配賦に当たりましては、特定のセグメントのみに関係するものは、そのセグメントに直接関連づけております。複数のセグメントにわたるものにつきましては、合理的な基準を設定しまして、各セグメントのほうに案分して配賦してございます。例えば、複数のセグメントで一括契約している経費や複合施設などの減価償却費などの費用につきましては、延べ床面積、数量、職員数等に基づく合理的な基準をまず設定しまして配賦をしております。ただし、金額が少額な場合や分析目的に与える影響が低いと判断される場合には、配賦しない、または主たるセグメントに一括して計上することも考えられます。
 ただし、歳入につきましては、例えば施設使用料と施設のようにある程度直接関連づけられるものもあるんですけれども、特定のセグメントへのひもづけが難しい場合もありまして、どのように配賦するのかが課題となっております。その他、指定管理制度などを導入している事業につきましては、費用と収益自体をどう計上するかなどの課題もございます。

中村 康弘

今るる御説明ございました。それで、具体的にそういったまたがるものの経費として、人件費、賞与等引当金の繰り入れ、また退職手当引当金の繰り入れ、あるいは区債、地方債ですね、等が複数セグメントにまたがり配賦されることになると思いますけれども、今申し上げたようなものが、それぞれどのような配賦の方法でできるのか、その辺の考え方はいかがでしょうか。

会計課長

複数のセグメントを、まず人件費、賞与等引当金の繰り入れ、それから退職手当引当金の繰り入れにつきましては、その複数のセグメントに従事する職員の従事時間数や業務割合などに基づく合理的な基準を設定しまして、各セグメントの職員数を算出した上で、例えば人数掛ける平均単価で配賦することが考えられます。
 それから地方債につきましては、地方税法によりまして建設事業の財源に制限されておりますので、発行目的の施設整備等が比較的明確にされておりますので、問題は余り生じておりません。

中村 康弘

もう一つ、非財務情報との連携について伺います。これは、すなわち行政評価のプロセスと公会計の数字データをいかに組み合わせて評価材料としていくのかということであります。
 行政評価は、御存じのとおり、施策、事業ごとの費用対効果の検証やPDCAサイクルを行う、そういったことを目的としております。行革推進計画でも、行政評価を地方公会計制度との効果的な連動というものがうたわれているところでありますけれども、こういった分野においてのこれまでの取り組みと現状の課題認識について見解を伺います。

行政管理担当課長

行政評価におけるPDCAサイクルに、今御指摘をいただいたような非財務情報、こういったものを連動することによって、フルコストでコストの評価を進めていけないかというようなことについて試行なども行い、検討を進めているところです。特にこういった取り組みに先進的に取り組んでいる自治体などにも視察に行って、どういうことができるかということを検討しておりますけれども、先ほど会計課長のほうからも御答弁ありましたけれども、いろんな意味でのルールづくりというようなところでまだまだ課題がございまして、こういったものを1つずつ解決して、効果的な連動を図っていきたいというところでございます。

中村 康弘

さまざま課題はありますけれども、合理的な基準をしっかりまた考えていただきたいと思います。
 実際それを形にして進めていく上において、先ほど渡辺委員のほうからもございましたが、情報システムの対応能力が大きく左右するというふうに思われます。改めて、今言ったセグメント分析、また行政評価との連携、こういったところに関しては、どのようなシステムに関連してくるのでしょうか。

会計課長

財務会計システム、公会計システム、行政評価システム、この3つがそれぞれ独立したシステムとして関連しております。

中村 康弘

これらの3つのシステムのそれぞれの課題、あるいはそれら3つを連動させる上での課題、こういったものに関しては、現状どのように認識されているでしょうか。

会計課長

システム上の課題ですけれども、セグメント分析では、まず、分析の目的に沿ったセグメントの単位を設定することになります。歳入歳出の執行データがその単位で入力され、セグメント別のコード等によりひもづけがされていれば、効率的な配賦作業が可能となります。ただし、ひもづけがなされていないものにつきましては、各セグメントに係る支出を調査しまして、手作業で関連づけを行う必要がございます。
 例えば、セグメントを施設とした場合ですけれども、財務会計システム上は、執行伝票に施設コードというものがないんですが、もしもコードが付されていれば、セグメントに関連づけ、配賦をすることができます。これは今、現行システムではできておりません。また、セグメント単位での入力が必要となって、作業の負担も増加します。効率的な観点からまとめて執行しているものや共通経費もある中で、支出金額を施設別に適切に案分して入力していくことができるのかなどといった課題があります。また、歳入のセグメントへのひもづけにつきましては、どのようにひもづけていくかというような課題がございます。

中村 康弘

仕訳に関しても、現在では区は期末一括仕訳の方法を採用しておりますけれども、行く行くは日々仕訳も導入していきたい、そういうふうなこともこれまでも議会で伺ってきたわけでありますけれども、改めて、財務会計システム、公会計システム、そして行政評価システム、こういった関連するシステムの改修予定について、今どのように検討されているのでしょうか。

会計管理室長

日々仕訳によりますと、財務書類の作成速度が高まります。そういうことで、月次での財務書類の作成というのも可能になるということですけれども、区は、日々仕訳だけではなくて、御質問にも出ている公会計の活用を図ることが非常に重要だと、そんなふうに考えてございます。
 活用のためには、財務会計システムのほうの大きな改修が必要となります。財務会計システムや公会計システムの改修というのは、現在進行しております基幹系システムの再構築作業が終わった後ということになりますけれども、区は現在、活用についての考え方を検討しております。そういうところで、現時点で両システムの改修時期というところは未定でございます。

中村 康弘

まだ未定ということなんですね。何とか形にしていただければというふうに思います。
 いずれにしましても、今ちょっと短時間でしたけれども申し上げた段階で、さまざまなニーズ、制度設計の考え方が出てくるわけでありますけれども、まだ数年間ありますので、こういったことをしっかりとまとめた上で、よりよい形での業務効率の向上を図っていけるようなシステムの構築をしていただきたいと思うんですけれども、考え方のまとめ作業というのはこれからどのように行っていくのか、最後にお聞きします。

会計管理室長

杉並区の場合、財務会計システムが文書管理システムとも連携しておりまして、改修には結構な経費が必要となります。この間、杉並区は、和光市の予算仕訳に注目いたしまして研究を進めてまいりました。予算仕訳というのは期末仕訳の一種ではございますけれども、予算の性質を細分化しまして、予算科目と公会計の勘定科目、これを相対させるというものでして、仕訳の精度につきましては、日々仕訳と同程度の効果を得ることができます。また、現行の区の財務会計システムの改修はほとんど不要というメリットもございます。予算科目ですけれども、これを公会計の仕様に対応させる作業というのは、将来日々仕訳に移行するに当たっても、効果的にその作業を行うことができるというようなことでございます。
 公会計データの活用面におきましては、日々仕訳が有効であるとか、作業が容易になるとか、そういうわけではございません。例えば施設別のコスト計算をしたいというのであれば、日々仕訳でも期末一括仕訳でも、施設コードを設定して、先ほども会計課長が説明していたように、収入伝票に施設をひもづけて執行するというようなことが有効であるというのは、同じなんです。システム改修をするのであれば、公会計活用については、コスト計算とかセグメント分析といった管理会計的な活用だけでよいのかというのを今私ども考えてございまして、財務会計、すなわち開示、すなわち区政の健全化というか、そういうところの分析に資する活用があるべきだと、そんなふうに考えてございます。そういうところで有効な指標は何なのか、補完し合う指標、相関関係にある指標、そういうものの活用を図るという視点で、今後財政や行革部門との議論を深めていきたい、そんなふうに考えているところでございます。