平成28年10月3日 決算特別委員会

産業融資制度の改正内容と運用

中村 康弘

産業融資制度について、外部人材を活用した商店街サポートについて、時間があれば、財務書類と資金管理について質問したいと思います。
 それでは、まずは産業融資制度について質問させていただきます。
 本制度は、27年度の運用から抜本的な改正が行われました。どのような改正が行われたのか、内容を御説明ください。

事業担当課長

まず、制度全体を整理いたしまして、利用者にわかりやすい制度としたというところが基本でございます。その中で、産業経済団体の加入を促進することですとか、住環境と調和したビジネスを中心に、地域での成長発展を支援していける制度としたということ。内容としましては、限度額、返済期間等の融資条件を見直しまして、あわせて区の利子補給率の見直しも行って、利用者の負担軽減を図ってまいりました。

中村 康弘

このような抜本的な改正は久しく行われてこなかったと思うが、いつ以来の改正でしょうか。また、どのような背景があって、このたび改正が行われたのか。

事業担当課長

抜本的な改正は平成10年度以来となります。
 背景としましては、これまで融資実行額が低くとどまっているなど、制度が十分に機能していない状況が見受けられておりました。また、この間の経済情勢の変化、あとは今の実績も踏まえまして、杉並区産業振興計画に基づき、制度の見直し、充実を図ることといたしました。

中村 康弘

そういった改正に伴う見直し作業におきまして、どのような方法で課題及びニーズの把握と分析を行ってきたのでしょうか。

事業担当課長

資金のニーズや制度の内容については、制度の申込者へまずアンケートを実施いたしました。それと制度の課題等について、産業経済団体ですとか取り扱い金融機関からも意見をお伺いしました。あとは近隣区の融資条件、利子補給の状況など、その辺を十分に把握しまして内容を固めております。

中村 康弘

結果、資料170番にも記されておりますけれども、27年度が改正後の初年度という形で、その前の状況と比較してどのような変化、実績があったのか、概要をお示しいただきたいと思います。

事業担当課長

改正前ですが、平成26年度は申込件数が581件、申込金額が21億円余に対しまして、改正後の27年度は692件、金額は40億円余となりました。

中村 康弘

これまでの23年度以降の実績も示されているんですけれども、実際右肩下がりでずっと来たのが、融資額からしまして、27年度で見事にV字回復したというふうに見受けられます。当然ながら、低金利といった外的な要因も関係しているのかなと思いますけれども、区としては、特に、先ほどさまざま改正がございましたけれども、具体的にどういったところが一番効果があったというふうに見込んでいらっしゃいますか。

事業担当課長

ずばりこの分野ということは言いにくいところなんですが、比較的規模の大きい事業者にとっては、限度額の見直しが効果的であったと考えられます。あとは返済期間も延ばしておりますし、利子補給も高めておりますので、その辺が相まって相乗したものと考えております。

中村 康弘

今、限度額のお話ございましたが、それとは逆に、小口という形で、これまではそれぞれの融資資金が一般と小口に分けられていたものを、今回は小規模企業小口資金が新たに設けられまして、一くくりに小口という形でされました。これは何を意図したものか。

事業担当課長

今回の見直しは、最初にお話ししましたとおり、まず、利用者の方にわかりやすくということをポイントとしております。これまでは資金種類ごとに、一般と小口の異なる条件があり、わかりにくくなっておりました。他区のほとんどは小口を1つの種類にしておりますので、当区におきましても、小規模企業資金として取りまとめて、わかりやすいものといたしました。

中村 康弘

それで、新事業展開資金というのと創業支援資金の中に、住環境と調和した業種優遇という特別な枠が新たに設けられましたが、これはどういった業種が対象となるのか。
 また、27年度の融資実績としてはどのような事業者が実際に融資を受けられたのか。また、優遇の内容についても御説明をいただきたいと思います。

事業担当課長

住環境と調和した業種というのは、住宅都市杉並の中で、良好な住環境を保全しながら発展していける業種ということで枠を設けております。具体的には、ITですとか、アニメを含んだアートクリエイト、福祉、介護、生活関連サービスなどの業種になります。
 27年度の実績ですけれども、新事業展開資金では、申込件数が8件、申込金額が9,000万のうち、今の住環境と調和した業種というのが、申込件数4件、金額4,600万となっております。
 創業支援資金については、件数63件、3億9,000万円余のうち、住環境と調和した業種はその中で24件、金額1億6,000万円余となっておりまして、これまでの制度では、申込者のほとんどは飲食、小売りだったんですが、制度が変わりまして、住環境と調和した業種の比率が高まっております。
 優遇の内容は、区の利子補給を0.2%上乗せをしたということでございます。

中村 康弘

わかりました。またこれからもしっかり取り組んでいただきたいと思います。

外部人材活用による商店街サポート事業の実績

中村 康弘

 続きまして、外部人材を活用した商店街サポートについて伺います。
 この事業に関しましては、具体的にはチャレンジ商店街サポート事業補助金という形で行ってきていると思いますけれども、27年度の実績をお示しください。

産業振興センター所長

この制度は平成25年度より開始したものでございまして、商店街の会員以外の企業だとか団体が商店街活性化をサポートする事業に対して補助を行うものでございます。200万円を上限として実施するものでございまして、平成27年度につきましては、阿佐谷ジャズストリート実行委員会と阿佐谷の12商店会が行った商店街PRなどの取り組みを初め、4件に助成を行ったところでございます。

中村 康弘

いわゆる商店街と外部人材とのマッチングという部分に関しまして、区のほうとしては、そういったものを皆さんで企画をしていただいて、上がってきたものを検討して採択する運びになっているというふうに私、理解しておりますけれども、そういった外部人材あるいは団体と対象商店街とのマッチング、また事業内容の企画、こういったものはそれぞれでやられているという状況なんですか。その辺に関して御説明いただけますでしょうか。

産業振興センター所長

おっしゃるとおり、基本的には外部の企業、団体によるいわゆる持ち込みの企画というものでございます。ただし、事前に商店会や持ち込みたいというような企業からの御相談があれば、その都度、産業振興センターでマッチングなどに応じている、そのような状況でございます。

中村 康弘

これはマッチングという、要するに持ち込みですけれども、実際、外部団体から申請が出た場合、その対象となる商店街が本当にこのプロジェクトをやる気があるといいますか、同意されているのかどうか、その辺の確認作業というのは行っているのでしょうか。

産業振興センター所長

おっしゃるとおり、当然、補助申請の時点で、対象となる商店会からの協力の承認が得られてないという場合につきましては補助の対象にしてございませんので、申請時には商店会からは協力同意書というものを提出いただいているところです。

中村 康弘

先ほど所長のほうから、27年度4件というふうな実績がございました。これは資料171番では、25年度、26年度もそれぞれ5件実施しております。それぞれ終わった後どういうふうな形で進んでいるといいますか、どういった状況になっているのかというフォローは行っているのでしょうか。

産業振興センター所長

申請書に、事業終了後に効果を維持するための工夫というような記載欄を設けてございまして、そこに記載をしていくことを求めてございます。実施後の状況などの確認も含め、フォローはしているところでございますが、イベント的な取り組みになってしまうこともありまして、継続的なフォローにはなかなかつながらないところもあるというのも現状としてはあります。

中村 康弘

実際、1回イベントをして一過性で終わってしまうという状況ではなくして、今所長がお話しになりました効果の検証とフォローをしていくという状況が、ある程度継続的に商店街、地域の発展につながっていくものでなければいけないというふうに思います。こういった課題があるというふうに所長のほうから今お話がございましたけれども、では、課題に対してこれから改善していく考え方とか、どういうふうにすればそういったことができるのか、その辺に関しての区のアイデアは今いかがでしょうか。

産業振興センター所長

この制度ももう25年から4年を経過しましたので、少し見直しを図っていこうかなと思っております。現在、チャレンジ商店街サポート事業のほかに、若手支援事業だとか、地域特性に合った商店街支援事業のようなメニューを用意してございますけれども、どのメニューを選択するかは商店街の自由となってございます。これを少し見直しまして、まず、人材不足によるアイデアの実現を支援するチャレンジ商店街サポートと、商店街内部のアイデアを生かす若手の支援、これによりまして、各商店会や地域ブロックでの新たな活性化を始めるきっかけづくりをまず最初にサポートしていく。これによって生み出された地域特性が見つけられたというような形に結びつけまして、継続的な取り組みに発展させるための支援事業に結びつけるという、3段階の支援をしたいと考えております。
 また、より実効性を高めるというためには、事業終了後には、商店街アドバイザーの派遣をするなど、フォロー体制の整備も欠かせないと考えています。
 それと、地域の偏りがあるという現状がありますので、商店街の7つのブロックから1つずつアイデアを出してもらいまして、その実現への支援をするようにしまして、全体の底上げにつなげていきたい。今般実行計画を改定してございますが、そのような趣旨で改定をしたものでございます。
 区の考えにつきましては、説明会だとか懇談会だとか、あらゆる機会を活用しまして、商店会の方にしっかり理解していただけるような形で、今後積極的に進めたいと思ってございます。

公会計財務書類の活用と種類

中村 康弘

丁寧な御説明ありがとうございました。本当にイベントだけで終わって、イベント疲れで終わってしまうというような状況にならない形をぜひ検討していただきたいと思います。
 また、今7つのエリアというお話がございましたけれども、エリアによっては、自分たちの自力だけでは本当に大変な、高齢化も進んでいるということもありますので、こういった外部の人材をいかに効果的に御協力いただくかというふうなところも、これから大事な視点であるというふうに思っております。先ほど渡辺委員のほうからもエリアマネジメントというお話がございましたけれども、地域によってはそういったことから抜本的に見直していかなきゃいけない。そのためには外部の人材もこれから必要になってくるのかなと思いますので、今後さらに地域と、また商店街の発展のためにぜひ御検討いただきたいと思います。
 それでは、時間も余りありませんが、公会計の財務書類について伺います。
 今年度も、27年度も公表されておりますけれども、ちょっと抜本的なことを聞かせていただきます。公会計の財務書類なんですけれども、普通会計に基づくもの、特別会計を含んだ単体、また連結、こういった3つのものが毎回提示されておりまして、これが逆にわかりにくいというふうなこともあるんじゃないかなと思います。この3つの財務書類、どういったものなのか、それを場面場面でどういうふうに使うのが一番ふさわしいのか、その辺に関して御教示いただけますでしょうか。

会計課長

普通会計でございますけれども、一般会計と中小企業勤労者福祉事業会計の財務によりまして作成しております。杉並区固有の財政活動、事業活動にかかわる財政状況をあらわしているということで、他の自治体とここを比べる場合には、固有性についての評価ができるということになります。
 単体でございますが、普通会計に3つの特別会計を加えまして、杉並区の実質的な財政状況を表記してございます。この中で資産や負債の増減、そういったものが見られることで、財政状況の健全性というものが確認できるものでございます。連結は、区が50%以上出資をする土地開発公社などの財務状況も含めましてあらわしてございます。
 こういった意味で、区が財政的な責任を持ちまして、関係団体を含めた区の財政状況としてあらわすことによりまして、関係団体と区の財政的な関係及びそれによります財政状況を確認できるというふうになります。
 このように3段階のような形で範囲を徐々に広げることによりまして、一般会計、特別会計、また、区と関係団体との財政上の関連性ですとか関係性、財政状況、例えばどの段階でどのように資産や負債が変動しているかというようなことを示すことができ、区民の方に説明をすることができるというふうに考えてございます。

中村 康弘

今の説明でよくわかりましたとはなかなか言いづらいものがあるんですけれども、そういう内容はまたゆっくり勉強させていただきたいと思います。
 その上で、私もこの決算審議の場においては、今おっしゃる2番目の単体、これが区の財政全体を総括しているのかなと思いますので、毎回単体の書類を使わせていただいております。
 もう時間がありませんが、一般質問でも質問させていただきましたが、来年度から統一的な基準に変わります。今まで資産評価に関しまして、公正価値、時価を評価方法にしていたものを、取得原価あるいは再調達価格を基本とすることになるというふうに変更になります。そもそも今回変更しなきゃいけないということの背景は、どういったことを目的あるいは意図したものと区は捉えているでしょうか。

会計課長

現行の基準モデルでいきますと、企業会計を基準としているということで、区が保有する財産の時価価値で、将来的にどのような行政サービスの力を持っているかということをあらわしてきたというふうに考えてございます。
 今回の統一的な基準に変わることによりまして、全自治体が複式簿記・発生主義の基礎となる固定資産台帳を整備しやすいようにしようということで、建設費のデフレーターから算出しました再調達価格というものによりまして、資産を再整備または更新ということの費用についての把握、これに重きを置こうというふうにしたものと思われます。これは固定資産台帳を資産把握から公共施設のマネジメントに活用しようということが意図されたものと考えてございます。

中村 康弘

わかりました。この評価方法が来年度から変わるということで、区の資産あるいは純資産の額は、変更によってどの程度変化するというふうに区は今見込んでおられるでしょうか。

会計課長

統一的な基準におきまして、インフラ資産と言われます道路等の底地の評価額に大きな影響が出るものと考えてございます。取得価格が不明の場合には、備忘価格という言い方で1円とするため、平成27年度末で1兆125億円ほどございますインフラ資産につきまして、数千億円の減という評価になるというふうに考えてございます。

中村 康弘

私も従来言ってきましたけれども、今区の資産がトータルで1兆5,000億というふうなとてつもない金額で、実際、これを現世代負担比率とか世代間負担比率等にしますと、余りにも数字がよくなり過ぎる。インフラ価格の価値の金額が大き過ぎるというのが1つ違和感としてあったんですけれども、その辺が若干これから改善と言っていいのかどうかわからないですけれども、実際、インフラ価値が評価がえによって下がったとしても上がったとしても、インフラ資産ですから、これは売却することはできないわけですよね。だから、そういった部分ではより実態に応じたというか、そういうような形になるのかなと思います。
 またもう一つは、民間企業と違いますから、資産額が下がったから株価に影響するとか、事業のパフォーマンスに影響するとか、そういうものでもないので、実際来年度から数字も大きく変わるかもわかりませんけれども、改めて仕切り直しという形で、開始台帳という形でもう一回新たなスタートの思いで来年から取り組んでいけばいいのか、その辺に関して区の所見をお聞かせいただいて、終わります。

会計管理室長

委員御指摘のとおり、実際には売却できない、過去からの遺産的な積み重ねの膨大なインフラ資産、これを分母にしていますので、現世代負担比率とか世代間負担比率がこういう金額になるんですけれども、新しい基準では区の非金融資産というのは大幅に圧縮されると思います。そういうところで、特に区の御指摘の世代間負担比率というのは、率も目に見えて大きくなると思います。今後は、世代間負担比率についても現世代負担比率についても、区の資産管理の面では非常に実態を反映させたものになりまして、資産管理をする上では、これまで以上に重みのある、参考とすべき、活用すべき指標になってくる、そんなふうに考えてございます。