令和8年度予算編成方針と区政の自律性・協調性
おはようございます。杉並区議会公明党の中村康弘です。会派を代表して、令和8年度予算の編成方針とその概要について質問をいたします。既に昨日他会派からも関連する質疑が行われておりますが、当会派としての考えを踏まえ、改めて御答弁をお願いいたします。
2月8日に投開票が行われた第51回総選挙は、高市総理による通常国会召集直後という異例のタイミングの解散で始まり、極めて短期間での実施となりました。結果は、自由民主党が歴史的な圧勝を収め、政権基盤を一層強固なものとしました。一方、生活者目線の政治を掲げ、政権与党の対立軸を目指し急遽結成された中道改革連合は、政策や理念を十分に浸透させることができず、大変厳しい結果となりました。
今回の選挙戦では、物価高騰対策や消費税減税を含む経済運営の方向性についても各党が公約を掲げ、争点の一つとなりました。これらは杉並区民にとっても日々の暮らしに直結するもので、消費税率の変更は区の一般財源に大きな影響を与えることになります。選挙結果を受けて、今後の国会における議論や政策判断がどのように進んでいくのか、引き続き注目されるところであります。
こうした広域的な政策は、防災、医療・介護、教育、公共交通など、ほかに区が日常的に行う分野においても国や東京都の取組や財政措置と切り離せないものが数多くあります。したがって、基礎自治体である杉並区としては、独自に行政サービスの充実を進める一方で、施策の性質や影響範囲によっては、国や都との密接な連携、協調が求められる場合も当然あります。
そこで伺います。区長は、基礎自治体である杉並区としての自律性、独自性をどのように考え区政運営に努めてきたのでしょうか。一方で、国や東京都との協調的な関係についてはどのように考え、その関係構築にどのように取り組んできたのでしょうか、お聞かせください。
予算の編成方針とその概要において、区長からは基本的な考え方が3点述べられました。まずは、その3点について概括的に伺ってまいります。
まず、1点目の区民の命と暮らしを守るための取組に予算を重点的に計上したことについて伺います。
本年は、東日本大震災から15年という節目であります。あのときの経験と教訓を決して忘れることなく、実効性のある防災・減災の取組を着実に進めていくことが求められております。区長は、防災・減災対策を推進し大規模災害から区民の命や財産を守ることを区政の最重要課題の一つと述べていますが、地域、まちの防災力を上げるためには、自助、共助の充実に加え、公助としてのハード面における都市構造の安全性向上も重要な要素であることは言うまでもありません。この点について、区長の認識を改めて確認いたします。
まちづくりについては、区長は就任以来、地域住民との対話を重視した取組を進めており、来年度においても治水対策や都市計画道路などをめぐり、同様の姿勢で対応していく考えが示されております。防災・減災の観点から対話によるまちづくりを進めるに当たり、区長はどの段階までを対話の期間と位置づけ、どの状況において事業内容や実施の可否を判断するのか。その判断に当たり、どのような要素を考慮するのか。また、最終的には行政として判断すべき局面において、区長はどのような姿勢で挑む考えか、お答えください。
総合計画の進捗評価と財政健全性維持の考え方
次に、2点目の総合計画の計画期間の後半を見据え、総合計画、実行計画等の取組に要する経費を確実に予算に反映させたことについて伺います。
来年度は、第2次実行計画の最終年であり、総合計画の前半期間を締めくくる極めて重要な年であります。これまで総合計画において設定した目標や指標に照らし、現時点での進捗状況をどのように評価しているのでしょうか。区長自身が十分に成果を上げられたと評価している取組は何か。また一方で、期待したほどの成果には至っていない、あるいは進め方に課題があると認識している点をどのように受け止め、今後どのように改善していく考えか、率直な見解を伺います。
基本構想「みどり豊かな 住まいのみやこ」の実現に向け、総合計画後半期間を見据え、来年度の施策を通じてどの分野にどのような布石を打ち、それを今後の事業執行にどのように戦略的に生かしていく考えか伺います。
3点目の先行き不透明な社会経済状況の中においても、将来にわたって区民福祉の向上を図るため、財政の健全性の確保に努めたことについて伺います。
まず、前提となる国内経済情勢の見通しと認識について伺います。政府見通しでは、令和8年度は所得環境の改善が進む中で、各種政策効果も下支えとなり、個人消費や設備投資が増加し、国内需要を中心とした実質GDP1.3%程度、名目3.4%程度の経済成長が期待されるとしています。もっとも、こうした経済指標は経済全体の動きであり、区民生活への影響をはかる上では、家計の購買力に直結する賃金動向、とりわけ実質賃金の推移が重要であると考えます。近年、名目賃金については一定の上昇が見られるものの、物価上昇の影響を受け、実質賃金は年ベースでは伸び悩む状況が続いており、安定的なプラス基調に対しては、なお慎重な見方があります。
こうした状況を踏まえ、区として現在の国内経済の状況について、特に個人の生活実感に直結する実質賃金の動向をどのように評価し、それが区民の消費行動や生活実感にどのような影響を与えていると考えているのか伺います。
区長は、海外経済の不確実性や金融市場の変動などにより、今後も不透明な経済状況が続くとの認識を示しています。こうした外部環境を踏まえ、物価や金利の動向が区財政や区民生活に与える影響を本予算案にはどのように織り込み、政策の優先順位や資源配分について、どのような点に留意して編成を行ったのか確認いたします。
税制や歳入構造への影響という観点から、ふるさと納税や税制改正の動向、特別区財政交付金をめぐる制度変更の可能性、さらには消費税減税の可能性など、区を取り巻く財政環境は不確実性が高まっています。こうした状況下において、現時点では不確定なリスクについて、歳入見通しや財政収支への影響をどのように把握、分析し、今回の予算編成に具体的に反映させ、また、財政的備えを講じてきたのかお聞かせください。
関連して、財政の健全性と持続可能な財政運営を維持するための基本的な考え方――以下基本的な考え方――について何点か伺います。
来年度は、総合計画をはじめとする各種計画のローリングに合わせて、基本的な考え方についても見直しが行われる予定です。現行の基本的な考え方は、単年度の収支均衡や中長期的な財政の健全性、現金主義、発生主義といった区財政を多角的に捉える指標を設定するとともに、財政調整基金や施設整備基金の運用に具体的な数値を示すことで、これまで財政規律の明確化や健全性の確保に大きな役割を果たしてきたものと評価しております。財政調整基金450億円の維持については、大規模災害や経済情勢の急変による減収への備えとしての機能の精度を高めた制度設計にしていくべきと考えます。特に、災害対策としては、現行で30年以上前の阪神・淡路大震災当時の西宮市の事例を人口比で算定したものが基礎となっていますが、物価水準や町の耐震性、国による財政支援の枠組みなど、当時とは大きく異なっております。区は、直近の被害想定を踏まえ、発災直後から復旧復興に至る行政需要や財政負担を想定した検証を行ってきたと理解しておりますが、その検証状況についてお聞かせください。
施設整備基金について、区はここ数年、積めるときには積むとの方針の下、毎年40億円以上とする所定の積立額を上回る積み増しを行ってきており、こうした柔軟な対応は評価するものです。一方で、近年の資材費や人件費の高騰により建設コストが大きく上昇している現状を踏まえると、毎年40億円以上としている積立額の水準そのものについて実態に即した見直しが必要でないかと考えます。建設コストの上昇を適切に織り込んだ上で、今後、積立額の基準をどのように考え、見直しを検討していくのか、区の考えを伺います。
現行の基本的な考え方では、各指標が逸脱した場合の対応や、指標間の優先順位について十分な整理がなされているとは言い難いと思います。そのため、平時には一定程度機能するものの、有事や経済環境が大きく変化する局面においては意思決定が曖昧になりかねないのではないか。実際、コロナ禍の際は財政調整基金の戦略的な活用についてトップダウンで判断され、私どももその考えに賛同し、対応が進められたという経緯があります。今後、緊急時の局面に備えるためにも、意思決定に当たっての判断基準や考え方をあらかじめ整理しておく必要があると考えますが、区の所見を伺います。
昨年来、日本の長期金利は上昇傾向が鮮明になっており、今年の年初には、10年物国債利回りが一時27年ぶりの高水準とされる2%台前半にまで上昇しました。この背景には、日銀による利上げの観測や、政府の支出拡大などへの市場の警戒感が影響しているとされております。今後も一定程度金利の上昇傾向が継続することが想定されますが、現行の基本的な考え方は低金利環境を前提としており、金利上昇局面におけるリスクが十分に反映されておりません。金利水準に応じた区債発行や基金活用のルールを明確化するとともに、金利変動が財政指標に与える影響について定期的に試算、検証する仕組みを構築して、環境変化に耐え得る持続可能な財政運営を確立すべきと考えますが、区の所見を伺います。
この後は、それぞれの個別分野について伺ってまいります。
まず、防災、防犯について伺います。
区は、昨年実施した防災・防犯用品カタログギフト事業などを通じて、区民のいざというときへの備えに対する防災・防犯意識の向上に一定程度寄与したとしています。ただ、こうした効果が一過性のものにとどまってはならないと考えます。区民一人一人が自らの身を守るという危機意識を継続的に高めていくために、今後、区としてどのような取組が必要であると考えているのか見解を伺います。
区は、これまで外部機関と255件に及ぶ災害時協力協定を結んできました。直近では、昨年12月にNTT東日本株式会社と災害時における通信障害復旧の連携等に関する協定を締結しています。本協定では、重要施設や避難所情報、通信障害や道路復旧状況などの共有が想定されており、災害時の初動対応や行政機能の維持に資するものと考えます。この協定に基づく連携が、区の防災力向上にどのような意義を持つと認識しているのでしょうか、区の見解を伺います。
この協定には、ドローンを活用した被害状況の情報収集、情報提供や、デジタル技術を活用した安否確認及び情報収集の高度化が盛り込まれております。これらについて、区はどのような実施体制や役割分担の下で実行することを想定しているのかお聞かせください。
感震ブレーカー設置支援について、平成28年度から始まった累積設置件数は7,715件となっています。優先的に設置すべき木密地域や火災危険度の高い地域においては、現時点での設置状況はどのようになっているのでしょうか。
来年度は具体的に何件程度の申請・設置を想定しているのでしょうか。また、その達成に向け、周知方法や支援内容の見直しを含め、どのような工夫を行う考えなのでしょうか、お答えください。
区内7か所の第二次救援所に母子救援所機能を持たせ、妊産婦や乳幼児等の避難生活への支援体制を強化するとの方針が示されております。これまで母子救援所の設置の必要性を訴えてきた当会派の山本ひろ子議員の問題提起を踏まえたものであり、この取組を評価するものです。現時点で想定している支援の考え方や基本的な内容はどのようなものかお聞かせください。
擁壁の安全対策工事に対する助成制度について、堀ノ内での倒壊事故発生から約4か月が経過しました。大規模な倒壊、かつ現場特有の立地状況から、復旧は大変困難を極めるものと思われます。今回の助成制度は、今後、当該擁壁を安全に造り変えるための費用も対象とされると理解してよろしいのか、確認いたします。
事故直後に実施した区内全域24か所の擁壁調査の結果、安全性に課題があるとされた2か所について、現在の対応状況はどのようになっているのか伺います。
まちづくり・地域産業振興策と居住支援の強化
次に、まちづくり、地域産業の分野について伺います。
浜田山駅南口改札の新設は、浜田山地域のみならず、南口改札の利用が想定される下高井戸地域や高井戸東地域に住む住民の長年の悲願です。区内の京王線で唯一、線路の南側地域からの改札がない浜田山駅については、早急な区の対応が望まれると考えますが、いかがでしょうか。
検討に当たっては、地域住民や町会、商店会などの意向を十分に取り入れるとともに、あらゆる想定を視野に、京王電鉄をはじめ、専門家の意見も聴取しながら浜田山駅南口改札の実現を追求していただきたいと思いますが、区の見解を伺います。
AIオンデマンド交通の実証運行は、来年度も継続するとしています。区は、これまでの実証運行を通じて、移動に困難を抱える方々の潜在的な移動需要の可視化を図ってきたものと認識していますが、現時点でどのような成果や知見が得られているのかお答えください。
本格実装や対象地域の拡大を判断していくに当たり、特に高齢者や子育て世帯など、利用者の属性ごとの効果や利用実態をどのような指標で評価していく考えか、区の見解を伺います。
AIオンデマンド交通は、単独では採算性に課題があると考えられます。今後、既存の路線バスやすぎ丸、タクシー事業者等との役割分担をどのように整理し、地域公共交通全体としての持続可能性をいかに高めていく考えか、区の方針を伺います。
杉並区版MaaSの導入に当たり、利用者の移動履歴や属性データを蓄積、分析することで、より効果的な施策展開が可能になるとしています。これらのデータを、今後政策形成や交通計画の見直しにどのように反映していく考えなのでしょうか。単なるサービス提供にとどめることなく、EBPM――証拠に基づく政策立案としてどのように活用していくのか、区の考えを伺います。
都市OSを見据える中で、交通分野のデータが防災、福祉、環境分野のデータと連携することにより、移動の高度化、高付加価値化が期待されます。区としてMaaSを都市OSの中でどのような基盤サービスと位置づけ、将来的にどのような役割を担わせていく考えか、将来像をお示しください。
自転車駐車場のキャッシュレス決済については、私自身、以前、若者からの声として要望させていただいたので、今回の対応を感謝しております。キャッシュレス決済とは、具体的にどのような形式を予定しているのでしょうか。また、今後の導入へのスケジュールと、さらに対象箇所を拡大する意向なのか伺います。
居住支援策については、今回の方針で言及はありませんが、区として入居前から退去後までを見据えた切れ目のない支援の重要性や、総合的な居住支援の必要性を認識しているものと理解しております。単なる家賃補助にとどまらず、住宅確保に困難を抱える一人一人の状況や、ニーズに応じた居住支援パッケージを構築すべきと考え、これまでも訴えてきましたが、こうした考えについて、改めて区のお考えを伺います。
居住支援は行政のみで完結するものではなく、多様な主体が役割を分担し、連携する体制が不可欠です。そのハブ的役割を担うのが居住支援協議会であると認識しております。同協議会の実効性を一層高めていくため、来年度以降、どのような運営体制や取組を計画しているのでしょうか、お聞かせください。
区内事業者の雇用確保や環境対策を促進するため、融資に係る利率の優遇制度を創設するとしています。人手不足や金利上昇は、中小企業の経営に深刻な問題です。区内事業者における現下の人材確保の状況や金利上昇が資金繰りに与えている影響について、区はどのように把握しているのでしょうか。その上で、今回創設する金利優遇制度を、人手不足や金利上昇といった構造的課題に対し、どのような位置づけで活用しようとしているのでしょうか。また、他の中小企業支援策とどのように組み合わせていく考えなのか、区の考えを伺います。
デジタル技術導入による業務効率化を支援する新たな助成制度について、東京都では、助成上限額100万円の中小企業デジタルツール導入促進支援事業を実施しており、来年度も継続される見込みであります。こうした中、本助成制度と都の事業との役割分担はどのようになるのでしょうか、お聞かせください。
デジタル化は、単なる機器の導入にとどまらず、事業者の課題解決につなげるための実装が重要です。都では、専門家によるヒアリングを通じて、適切なデジタル化を提案するナビゲーター事業などを実施しています。こうした都の事業との連携を図ることで、実効性の高い助成ができるのではないかと考えますが、区の認識を伺います。
商店街が所有する装飾灯などの維持管理体制強化については、これまで商店街が設置している街路灯は各所に多数あり、中には相当年数がたっていると思われるものも見受けられます。安全確保の観点から、管理点検ルールの徹底に加え、現状の全体像を把握することが必要ではないでしょうか、区の所見を伺います。
万が一、灯具の落下や倒壊等により、通行人や周辺住民の身体や財産に損害を与えた場合、設置者に賠償責任が及ぶおそれがあることから、賠償責任保険に加入していくことが望ましいと考えます。現在、区内商店街の街路灯について、賠償責任保険の加入状況はどのようになっているのか確認いたします。
製品プラスチック収集拡大とみどりの保全・活用
次に、環境、緑の分野について伺います。
一部地域で試行実施していた製品プラスチックの収集が区内全域に拡大されることになります。プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律では、分別収集したプラスチックについては、再商品化への取組も自治体の努力義務とされております。再商品化の実効性は、分別の質に大きく左右されると考えられますが、試行実施における分別状況や異物混入率をどのように把握、評価しているのでしょうか。また、全域展開に向けて、区民への周知や分別の精度向上のためにどのような取組をしていくのかお聞かせください。
二次電池の回収について、区民が利用しやすく安全に回収、保管できる環境を構築するとしていますが、現状では回収拠点まで持ち込む際の負担や、出し方に対する不安が適正な排出を妨げている面もあるのではないかと思います。こうした点を踏まえ、区としては、区民が迷わず安全に排出できるよう、回収方法の見直しや周知をどのようにしていく考えか、お答えください。
杉並区みどりの条例では、区が緑の保全、育成を進める目的を、現在及び将来の区民の健康で快適な生活の確保に寄与することとしています。しかし、個人所有の樹木に起因する住民間トラブルが生じ、裁判にまで発展した事例もあります。さらに、今後は高齢化により自身で樹木管理が困難となるケースが増えると考えられます。こうした状況を踏まえ、区は、住民間の調整や相談、樹木の適正管理のルールの明確化、維持管理支援等に主体的に関与する体制を構築すべきと考えますが、所見を伺います。
荻外荘公園は、開園後1年で当初の想定を大きく上回る来園者を迎え、人気を博しております。この施設の魅力は、近代住宅建築としての価値、日本政治史の舞台としての歴史的価値、そして住宅地の中に残された緑豊かな空間としての価値などが重なり、それらを同時に体感できる点にあると考えます。単なる保存史跡にとどまらず、杉並の歴史、文化、環境を象徴する拠点として、次世代に継承していく重要な資源であります。区は、さらなる魅力の発信に努めるとしておりますが、来年度に予定している具体的な取組を伺います。
健康寿命延伸に向けた予防医療と地域福祉支援
次に、健康・医療分野について伺います。
区の基本構想で将来像と示されている「『人生100年時代』を自分らしく健やかに生きることができるまち」の実現に向け、予防が重要であると考えます。改めて健康政策における予防の重要性について、区の見解を伺います。
予防の視点には、医療体制の整備や普及啓発に加え、区民が積極的に健康づくりを進めるための環境整備が重要と考えます。そこで、昨年区が導入した健幸アプリすぎなみチャレンジは、目標を上回る登録があり、好評を得ているとのことですが、年齢階層別の登録状況と事業評価について伺います。
女性特有の健康課題への取組の一つとして、骨粗しょう症検診の実施に向けた準備に取り組まれておりますが、準備検討の中で予防の視点がどのように組み込まれているのか、お聞かせください。
人生100年時代を自分らしく健やかに生きるためには、高齢期の機能維持が大切であり、特に食事や会話は人生を豊かにするために欠かすことはできず、歯科保健対策が重要となります。昨年、東京科学大学がオーラルフレイル対策と健康寿命の影響について論文を発表しておりますが、区は、オーラルフレイルと健康寿命の関係についてどのように認識し、どのような取組を行っているのか伺います。
次に福祉、地域共生の分野について伺います。
地域福祉コーディネーターを増員するとの考えが示されておりますが、重層的支援体制における位置づけと役割、また、これまでの活動実績をお示しください。さらに、来年度の増員計画に基づいた今後の事業展開について、どのような体制強化や支援拡大を計画しているのか伺います。
火葬事業の在り方について。
火葬事業は、本来高い公共性と継続性が求められますが、現状は、一民間企業の経営判断に区民の福祉が委ねられている状態にあります。既に会計情報の開示は行われているものの、赤字を理由としたさらなる料金引上げを拒否できない懸念が残されており、情報開示のみでは限界があります。もはや民間への指導、要望という段階にとどまるのではなく、行政が主体性を取り戻すべく、実効的、具体的な検討について、特別区長会や都との協議を加速させていただきたいと考えますが、改めて区長の決意を伺います。
介護予防・日常生活支援総合事業の見直しについて、地域の実情に応じた住民等の多様な主体の参画、要支援等の高齢者の健康維持・増進と介護度の中重度化の抑制、中長期的な視点、この3つの点が見直しのポイントとして挙げられております。これらについての背景と現状の課題を伺います。
ケア24の開所時間の変更は、何に基づいて、どのような狙いによるものなのかお聞かせください。
介護職員、介護支援専門員に対する居住支援補助並びに介護人材の採用活動に対する補助を創設するとしておりますが、その背景にある介護人材不足をめぐる区内の現状をどのように捉えているのかお答えください。
障害者の移動支援事業について、区では、利用者の生活実態やニーズの変化を踏まえ、これまで支給基準や運用の見直しを重ねてきました。今年度においても、児童の利用を含めた制度の見直しや、利用者、事業者との意見交換を通じた検討が行われてきましたが、改善要望として当事者からはどのような要望が出されているのか、お聞かせください。
区立児童相談所開設準備と子育て支援の拡充
次に、子供分野について伺います。
区立児童相談所の開設に向けて、児童福祉司、児童心理士、スーパーバイザー等の専門職について、国の配置基準や東京都児童相談所の配置水準と比べ、どのような人員体制を想定しているのでしょうか。また、現時点における人材確保の状況と開設に向けた見通しを確認いたします。
区児相の設置に伴い、都から相当数の相談支援ケースが引き継がれることになると思います。引継ぎの内容や規模、特に長期化、困難化の状況次第では、開設直後から支援体制の整備や運用に十分な配慮が求められます。都から区へ引き継がれるケース数の見込みと、その中に占める困難ケースの想定はどのようになっているのでしょうか。また、引継ぎ後の支援方針の見直しや責任の所在について、都とどのような整理を行っているのかお聞かせください。
ベビーシッター利用支援事業の補助対象を、小学校3年生までの病児、病後児や学童クラブ待機児童に拡大するとのことですが、今回の制度拡充を、区は学童待機児童や病児・病後児保育の整備が追いつくまで補完と考えているのでしょうか。学童クラブ整備や病児・病後児保育の充実はどのように関係づけて進めていくのか伺います。
産婦健康診査及び1か月児健康診査について、東京都の都内共通受診方式を導入し、健診費用の助成を実施するとの説明がありました。妊産婦について使いやすさや情報アクセスの向上は重要であり、受診票の統一は事務負担の軽減にもつながります。制度の効果を最大限に生かすためには、分かりやすい周知や医療機関との連携が不可欠であります。助成開始に当たり、これらへの対応と助成内容の設計、さらに区として見込む効果について伺います。
こども誰でも通園制度については、これまで区は、令和6年度は要綱に基づくモデル事業として区保育室1か所で、今年度は子ども・子育て支援法に基づく事業として区立保育園3園で実施してきました。運営・利用状況や安全管理など、これまでのモデル事業を区としてどのように検証、総括しているのか伺います。
来年度からは、区立の実施園を19園へ拡大するとしておりますが、対象となる園はどのような基準や条件で選定したのでしょうか。また、モデル事業の結果をどのように反映するのかお伺いいたします。
教育アシスタント導入効果と学びの多様化学校
次に、教育分野について伺います。
エデュケーション・アシスタントについて、本制度は、低学年においては学級担任制を基本としつつ、担任を支える人材を確保することで、児童へのきめ細やかな対応と教員の勤務環境の改善を図るものであり、重要な取組であると認識しております。今年度、制度の導入後、授業の質の向上や教員の負担軽減、学級運営面においてどのような効果が表れていると受け止めているのでしょうか。また、次年度はどの程度まで拡充、増員をしていく考えなのか伺います。
区費時間講師の試行的追加配置について、検討に至った背景と、試行を通してどのような点を検証する考えかお聞かせください。
令和10年の開校を予定している学びの多様化学校については、昨年12月の文教委員会において、旧高円寺図書館跡地に高南中学校の分教室として、受入れ生徒数を約50名とする計画が示されました。来年度、教育課程編成の検討及び施設の基本設計に着手するとのことですが、受入れ規模や対象の限定性、不登校支援の専門性や体制確保といった点については、現状区教委はどのような考えなのか、見解を伺います。
教育人事・指導課学校問題対応支援係(CEDAR)が発足してから今年の4月で1年となります。教育委員会では、これまでの主な効果と課題をどのように捉えているのか伺います。また、今般、学校問題対応専任弁護士を配置するとのことですが、任用の形態や活用方法についてお聞かせください。
教育委員会事務局では、大規模な組織改正を計画しているとの説明もありました。その目的と概要を伺います。併せて、この組織改正は昨年11月にまとめられた不適切事案等への対応のためのものなのか確認いたします。
平和意識醸成とDX推進、住民情報システム標準化
次に、文化・スポーツ分野について伺います。
平和意識の醸成と次世代の主体的参加について、区長は、戦争の記憶の継承にとどまらず、貧困や差別、環境問題など、現代社会における平和ではない状態にも目を向け、若者が杉並の課題を自らの問題として捉え主体的に参画していくことが重要であると述べております。これは、社会、経済、環境の諸課題を相互に関連するものとして捉えるSDGsの考え方にも通じるものであります。こうした視点を踏まえ、若者の主体的な参加を促す取組や平和事業として、今後どのように具体的に展開していく考えか、お伺いいたします。
仮称井草アーバンスポーツ施設について、地下2階を含む堅牢で独特な構造である旧杉並中継所は、災害拠点倉庫、重機保管場所、本庁代替施設、地域内輸送拠点としての防災拠点として位置づけられております。その機能と平時利用のアーバンスポーツ施設の機能を両立させ、最大限に発揮するためには、設計上どのような点に配慮する必要があるのでしょうか。また、これまでの地域住民との意見交換において示された要望について、今後の設計や運営にどのように反映していくお考えかお聞かせください。
最後に行革、DXに関してお伺いいたします。
区は、行政手続のオンライン化やAI・RPAの導入などデジタル化を積極的に進め、令和8年度末までを目途に、法令上の制約があるものを除き、区の全ての手続をオンライン対応とするとしています。この区の姿勢は評価できるものと受け止めております。ただ一方で、既にオンライン対応が完了している手続においては、オンラインによる申請率は4割程度にとどまっているのが実態です。オンライン化は整備するだけでは十分とは言えず、実際に使われてこそ効果があります。デジタルディバイドへの配慮に加え、分かりやすい周知や利用メリットの提示、システムの使いやすさの向上など、利用率向上に向けた取組をどのように進めているのか伺います。
区民の利便性向上に向けて、デジタルディバイド対策は重要です。区が昨年開設したデジタルなんでも相談窓口は、相談内容を限定しないというよさがある一方、人によっては具体的に何を相談できるのか分かりにくいという面もあると思います。オンラインによる行政手続のほか、キャッシュレス決済やSNSの利用など、日常生活の具体例を示して周知することで、より身近な相談窓口となるのではないかと考えますが、所見を伺います。
デジタル化を真に定着させるためには、職員のデジタルスキル向上や業務プロセスそのものの見直し、さらには行政内部で保有する信頼性の高いデータが部局横断で共有され、活用されることが重要です。職員へのDXの浸透、定着とデータに基づく政策立案、行政運営、いわゆるデータドリブンな区政運営を今後どのように実現していく考えか、見解を伺います。
デジタル技術を活用した利便性向上や業務効率化を進める一方で、多額の公金を投入する以上、DXの取組がどのような成果を生み出すのかを明確に示す必要があります。そのためには、短期的な業務効率化を主眼とするのか、あるいは行政サービスや行政経営の在り方そのものを変革する長期的なビジョンを見据えているのかといった評価の前提となる将来像を明確にすることが不可欠です。区は、DXによって目指す行政の将来像をどのように定義し、それを費用対効果の検証や事業評価において、どのような評価軸として位置づけるのか確認いたします。
DXによる効率化によって得られた人的資源や時間を、より付加価値の高い行政サービスへと振り向けることが本来のDXの意義と考えます。効率化によって確保された余力を、対人支援が不可欠な福祉分野や、複雑化、高度化する地域課題への対応など、どの分野、どの業務に、どのように再配分していくのか、区の考えを伺います。
住民情報系システムの標準化について、当初は本年1月の稼働を目指していたものの、ベンダーからの申出を受け、稼働時期を来年度以降に変更したとの説明が昨年区からありました。延期に至った具体的な要因と、これまでの経過について改めて確認するとともに、現時点における新システムの稼働予定を伺います。
標準化及び再構築に係る最終的な経費総額は、現時点で幾らと見込んでいるのでしょうか。あわせて国庫負担額と区独自の負担額の内訳をお示しください。
サイバーセキュリティーについて、自治法の一部改正により、本年4月から地方自治体の執行機関や議会もサイバーセキュリティーを確保するための方針を定め、必要な措置を講じることが義務づけられました。当区においては、これまでも情報セキュリティ基本方針を定め運用してきましたが、今回の法施行を受け、改めて当区のサイバーセキュリティーを確保するための方針は、どのような考え方、体制の下で検討を進めてきたのでしょうか。そして、策定に当たり留意した点や、法改正により何が変わり、何が変わらないのかお答えください。
以上で当会派からの代表質問を終わります。明確な答弁をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
答弁
理事者の答弁を求めます。
区長。
〔区長(岸本聡子)登壇〕