令和3年10月1日 決算特別委員会

地域医療体制の現状と課題

中村 康弘

地域医療体制について。途中でパネルを提示させていただきます。

北明範 委員長

許可します。

中村 康弘

昨年来、私たちは、医療崩壊というこれまで経験したことがない恐怖を味わいました。そうした中で、地域の医療機関へ区として独自の支援体制を行いました。1つ、入院・外来体制強化補助事業、2、入院患者受入医療機関支援事業、3、休業期間経営継続支援事業、4、転院支援事業、この4つについて、実績と成果について検証していきたいと思います。
 まず、昨年度当初、入院・外来体制強化補助事業、4機関への包括補助につきましては、先ほど来ありますけれども、予算額は22億2,900万円、決算は17億円。改めて、予算化から執行までのプロセスを確認させていただきたいと思います。
 手続は、ちなみに、今年度まで継続されていると思いますけれども、最終確定までの過程を整理して御説明いただきたいと思います。

杉並保健所副参事(土田)

まず、予算化までのプロセスですけれども、これまでも他の委員に対しても御答弁しておりますが、病院のほうでコロナの患者を受け入れるために、これまで以上に多大な経費がかかるということ。人員の確保も必要になってくること。さらには、通常診療、ベッドを縮小しなければいけないということに伴った減収が起きる。そういったことで病院経営が危ぶまれるという事態を目の当たりにしまして、病院からも緊急的な財政支援の要望があったといったところがございます。そのため、区としましては、速やかに、4月20日だったかと記憶してございますけれども、補正予算を立てまして予算化をしたものでございます。
 その後、まずは概算で2回に分けまして、病院のほうに補助金をお支払いしてございます。11月以降になりますと、病院のほうでは都の補助金がだんだん入金されてくるといったことがございましたので、それをもって実績の報告ということで、区のほうにしていただいております。
 年が明けまして、1月、2月に際しまして、区のほうで、病院からお示しいただいた実績報告書を基に中身を精査した。その際に、公認会計士の先生にも一緒に見ていただいて御助言をいただき、最終的な金額の精算を行った。そこまでが令和2年度になってございます。
 令和3年度に入りまして、7月に病院の決算が確定しましたので、決算書を提出していただき、さらには、私どもと公認会計士の先生とともに、今度は病院の中の、実際に管理している帳簿等の確認をしてございます。そこで今、中身の精査をしているところでございますけれども、今年度中には、令和2年度に精算した額に誤りがないか等を確認した上で、必要があればまた精算を行うといったプロセスを予定してございます。さらに今度は、この事業についてどんな効果があったかとか、そういった検証等を行っていく。それも今年度中に考えてございます。

中村 康弘

本事業は昨年の4月から6月のみの対応で、それ以後は、基本的に国や都の補助や診療報酬の加算等によって支援を受けられたというふうに理解しておりますけれども、そういう意味で、当初のもくろみの、区が懸念していた病院の経営基盤の安定化というものに関しては、現在そういった不安は払拭されていると言ってよろしいのかどうか。令和2年度の決算等を見て、どのように区は判断しておりますでしょうか。

杉並保健所副参事(土田)

病院の決算書等を拝見してございますけれども、最終的な収支は、それぞれ病院のこれまでのいろんな体制というのもありますので、そこについては申し上げることはできませんけれども、医業収益という部分に関しましては、令和2年度、その前の年に比べて96%といった形になってございますので、おおむね例年に戻ってきているというふうに理解してございます。

中村 康弘

何とか安心できそうです。
 ちょっとはしょります。補正11号で実施された転院支援事業、このとき、今年の1月ぐらいの時期だったと思いますけれども、どのような課題があってこういう事業を計画化されたのか、お示しいただきたいと思います。

在宅医療・生活支援センター所長

転院支援事業を開始しました令和3年1月当時の状況でございますが、杉並区においてもコロナ感染者が急増しておりまして、区内4基幹病院のコロナ病床は、満床割合が年明けから90%前後で推移するなど、逼迫した状況にございました。患者の多くが高齢者でございましたが、治療後、退院基準を満たしているにもかかわらず、高齢による虚弱状態、それから基礎疾患があるということのために、入院治療の継続が必要な方も含まれておりまして、結果としましてコロナ病床が空かないというケースが生じておりました。
 こうした患者を区内の他の病院へ円滑に転院していただくために、協力の得られた10病院、これは後ほど1病院加わりまして11病院になりますが、そこと協定を締結いたしまして、必要な財政的支援を実施することとした次第でございます。

中村 康弘

先ほど他の委員の質疑の中で、実績が24人、221床というふうな御説明がございました。ただ、予算計上が6,576万で、決算が496万、執行率にして7.6%ということで、想定とかなり違ったということなんですが、これはどういうことでしょうか、御説明をお願いします。

在宅医療・生活支援センター所長

転院支援事業を開始しました当時は、さきに申し上げましたとおり、コロナの病床が満床に近い状態にございました。このリスクを回避するために、当時の受入れ可能な最大病床数として35床を見込みまして、協定を結びました1月21日から3月31日までの70日間を全て個室対応で、フルに近い状態で利用するという想定で算定をいたしました。したがいまして、最悪な状況を想定した予算ということで計上いたしました。
 結果として、実績でございますが、転院受入れ実績は、先ほど申し上げましたように実人員で24人。利用病床数は、実は予算上は全て個室対応で延べ2,345床分を算定しておりましたのに対して、実績としましては、延べ221床、うち個室対応は160床でございました。
 実績が下回りました一因といたしましては、事業を開始した頃をピークとしまして感染状況が下降傾向になり、コロナ病床の満床割合も減りつつありました。2月の終わりから3月の初めてにかけては5割を切るなど、想定を下回る状況になったことが影響したものと考えます。

中村 康弘

ちなみに、この事業、今も継続していると思うんですけれども、今御説明ございましたとおり、利用率等は低いものの、あくまでも最悪を想定しての事業の制度設計であるということなので、リスク管理という考え方で、これからもその事業はしばらくは継続するという考えでよろしいか。

在宅医療・生活支援センター所長

転院支援事業は、昨年度末、3月31日で一旦終了しておりますけれども、今年度に入りまして、4月の半ば頃からコロナ病床の満床割合が再び8割に迫るという状況が生じました。そこで、5月から転院支援事業を再開してございます。
 再開後8月末日までの4か月間の利用状況でございますが、実人数で12人、うち7人が8月の利用でございました。全て65歳以上の高齢者の方であり、うち4分の3が80歳以上の方でございました。
 転院受入先の状況でございますが、5つの病院で、病床数にしまして延べ110床で対応しております。このうち63床は個室対応となってございます。
 なお、コロナ第5波の特色といたしまして、比較的若い方に感染が拡大したという状況がございました。そのため、これまでの転院支援事業の実績も、想定よりも低くなったものと考えております。

中村 康弘

ここで資料、よろしいでしょうか。

北明範 委員長

はい、どうぞ。

中村 康弘

今、第5波の御説明がございました。このグラフは、棒グラフが今年に入ってからの感染者数です。週の合計です。折れ線グラフに関しましては、区内の病床数の推移でございます。赤色のマークをしている部分が、病床数をがっと上げた時期でございます。よく見ていただくと分かると思うんですけれども、特に第5波は顕著なんですが、病床数をがっと増床している、実はその三、四週間前が感染者数のピークであった。
 今、病床数は最大の125床になっておりますけれども、直近のデータでは、約3割程度しか埋まっていないということで、要は、何が言いたいかといいますと、これまでの段階を踏まえて、感染者数、ニーズの急激な上昇に対して、区内の病床数の整備が追いついていかない。機敏性、機動性の大きな課題があるんじゃないかと思いますけれども、この件に関して区はどういう認識でしょうか。

保健予防課長

なかなか感染者数の増加のスピードが予測し難い中で、病床数を最大限増やしていただいたわけでございますが、こういった経験を基に、次の感染拡大が起きた際に迅速な対応がしていただけるよう、関係機関と協議を続けてまいりたいと思います。

中村 康弘

具体的に何をするのかというのを明確にしたほうがいいと思います。早くしてくださいというお願いだけでは変わらないと思います。
 具体的には、初動体制を早める、初動の時期を早めるということと、キャパシティーを多く持っておくということじゃないでしょうか。要するに分母を大きくしておく。いざというときに、Aという病院が駄目だったらBという病院とかCとか、いろんな選択肢を区内で用意しておくということが、今125床ですけれども、要するに医療版BCPですね、そういったことを今のうちから多くの病院と協力して協議しておくことが必要じゃないかと思いますけれども、具体性が必要だと思います。この件に関して、改めてもう一度認識を伺います。

杉並保健所長

委員おっしゃるとおり、患者の増加の兆しが出た時点で早めに情報共有を医療機関と行うといったようなところと、今、国、都が感染症法に基づいた病床確保を全医療機関にお願いしているところです。そういった国、都の動きに合わせて、今現在区内で病床を確保している5病院以外の医療機関にも働きかけを引き続き行っていきたいというふうに考えております。
 また、病床確保にとどまらず、杉並区として、役割分担ではないんですが、抗体カクテル療法を行える医療機関を増やしていく、そういった考え方もあるのではないかというふうに考えているところです。

中村 康弘

ちょうど私もそれを言おうと思っていたんですけれども、125床なので、今回の第5波だと全く追いつかないわけですよね。ということでありますので、在宅療養、在宅診療を充実強化していくという方向性も併せて必要だと思います。その突破口となるのが抗体カクテル療法であるというふうに思います。
 区内には現在120の訪問診療の医療機関があると思います。個々に対応していただくと、例えば、1時間の点滴、2時間の経過観察、そして緊急時の受入れ状態、こういったことを全て個々の先生がやるのは大変だと思いますので、エリアごとにチームを組んで、区が重症化リスクの情報を持っているわけですから、そういったところが司令塔になって、BCPという形で、120の訪問診療の先生方に地域を巡回していただく、在宅の療養者を巡回していただく、そういう体制を早急に医師会と協議していただきたいと思いますけれども、最後に改めて伺います。

杉並保健所長

今、中村委員、また先ほどの川原口委員のほうからも、抗体療法の重要性について御指摘を受けたところです。抗体療法自体は7割ないし8割の効果があるというふうなことが指摘されていまして、区としても大変期待しているところです。
 区といたしましても、医師会等と協議しまして、なるべく多くの医療機関の先生方に訪問診療していただき、また、在宅によるカクテル療法を実施できる医療機関を増やしていきたい、そういうふうに考えております。