持続可能な財政運営に向けた区の認識
財政運営について、公会計の財務諸表について、そして資金の管理運用について。使用する資料は、区政経営報告書、杉並区資金管理方針、平成26年度資金管理計画、資料ナンバー、いただいた資料は46、48、50、51、52でございます。
まず、財政について伺います。
午前中も質疑がございましたが、経常収支比率とか実質収支比率等、26年度の財政指標については、ほぼ例年どおりで推移しており、経常的経費の増加傾向が懸念されるところではありますけれども、当該年度に関しては、特段問題はないと考えております。
区債の残高に関しては、これも若干増加傾向にはありますけれども、説明にもありましたとおり、必要な事業に伴うものであり、公債費比率についても1.4%ということで、23区平均の3分の1程度ということで極めて低いので、私は問題視するものではないと考えております。
基金については、これまで標準財政規模に対する積立額の低さが懸念されておりましたが、5つのルールに基づいて、財政調整基金を初め、着実に積み増しをされておりまして、評価するものでございます。ただし、これはまだ道半ばでございます。今後も持続可能な財政運営への取り組みを進めていただきたいと要望いたします。
ところで、先日の新聞記事によりますと、25年度決算結果におきまして、財政健全化法に基づく財政破綻の懸念がある財政健全化団体の指定団体が、平成21年度のこの法律の完全施行以来初めて全国でゼロになったと。そして、全国的に地方自治体の財政の立て直しが進んでいる、そういう報道がございました。
この法律、財政健全化法につきましては、本区は26年度、当該年度を含めて、これまでずっと一貫して、いずれの基準、判断指標も、早期健全化基準や財政再生基準を大きく下回っている状況で、この基準が果たして本区の財政状況を分析するのに本当になじんでいるのかどうかということも疑問を感じるぐらいで、また、これまでも本決算議会でも、この法律の基準に基づいての深い議論がされてきたということは余りなかったというふうに私も記憶しております。私自身も過去に、この法律とは別に、杉並区独自の指標を用いてはどうかというふうなことを提案したこともありました。
この法律の問題点は、実質公債費比率や将来負担比率等、負債に対して現状の財政がどうあるかということ、そういう視点からの判断基準でございます。しかし、本区にとりましては、先ほどの基準と乖離しているということも含めまして、大規模災害への備えはもとより、少子高齢化や施設の更新等に対応できる、将来を見据えた準備がなされているかという視点からの財政運営を強く意識する必要があるというふうに私は考えております。
私は、財政のダムというのを再三訴えてまいりましたけれども、基本的には、そういった将来を見据えた上での今現状どうなのかという角度から、その必要性を訴えてきたわけであります。今、長々と申し上げましたけれども、こういった視点を踏まえて、改めて区の認識をお伺いしたいと思います。
現在の景気等を見ましても、昨年ですとか、これまでのギリシャ危機ですとか、ことしの中国経済の景気の停滞などによりまして、日本経済にも大きな影響を及ぼして、杉並区自身もいつ大幅な減収に見舞われるかというのがわからない状況が続いています。
そうした中で、少子高齢化も進む中で扶助費等経費は増加が見込まれ、また、そういった中でも区民サービスの充実を図りつつも、ご指摘いただいた老朽化が進む施設などの更新といった新たな需要に対応できる財政運営を強く意識していくことは、今後やらなければならないものというふうに、こちらのほうも重々認識はしてございます。
ただ、そうした中で、より強固で安定した財政基盤を構築して、災害時ですとか大きな経済変動に備えるため、まずは、これまで再三お話ししておりますとおり、標準財政規模の2分の1を目標といたしまして、基金の積み立てに現在努めているところでございます。まずは、その目標額達成に全力を尽くして、その上で、長きにわたり財政の健全を保ちつつ、持続可能な財政運営ができる行政サービスの安定的な供給体制を確保するための区の財政について、指標を設け、検討していきたいというふうに考えているところでございます。
引き続き、将来を見据えた財政運営というものを意識していただきたいというふうに思います。
そして、それを行う上におきまして、私もこれまでも主張してきたとおり、やはり複式簿記に基づいた公会計の考え方が非常に重要だというふうに私は考えております。今回も財務諸表が作成されておりますけれども、なかなか実態は、有効に活用されているという状況ではなかったというふうに思っております。いろんな背景がありまして、難しいというのは重々承知しておりますけれども、私もこれから効果的な提案をさまざま考えてやっていきたいと思っております。
そのような中で、国としても公会計制度の新たな動きがあります。区政経営報告書52ページにも書かれておりますけれども、「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」との記載がありまして、そこでは、平成29年度、いわゆる28年度決算までに、より詳細な固定資産台帳管理項目の追加や事業別財務情報提供への対応などへの取り組みを進める旨が記載されておりますけれども、この2点について、もう少し具体的に、これからどういうことを行っていくのかというご説明をいただきたいのと、またこの2点以外に、新たに杉並区が進めなければならないものはどのようなものがあるのか、その辺をお示しいただきたいと思います。
区が採用してございます基準モデルでございますけれども、この台帳項目は38項目ございます。今回、統一的な基準におきましては、複合施設等の所有割合ですとか建物の階数、こういった11項目、項目を増やして49項目とする。また、長寿命化における履歴等を含めての、任意ではありますけれども、10項目を増やすというような形になっております。これらの追加項目に対応していきたいということでございます。
また、情報提供に限りましては、1月の総務大臣通知におきまして、予算編成等に積極的に活用することを要請されてございます。こういった意味で、事業単位などの財務情報の作成ですとか、それの活用というようなものについて進めていかなければならないというふうに考えてございます。
今、予算編成に活用を積極的にしていくべきだというふうなお話がございましたが、私も、PDCAの観点からもそのことを常々訴えてまいりました。
今回の総務大臣の通達も含めて、予算編成に活用していくということに関して、具体的に区は今どういう取り組みをしているのか。
どのように活用するか、その前に、活用するのにどのような課題があるか、こういった基本的なことが必要だと考えております。そのため、企画、財政、会計の現場職員が、現在の財務書類を基礎といたしまして、どのような課題があるのかということの基本的な検討を開始したところでございます。
1つ、これは前も質問しましたけれども、仕訳の処理の仕方に関してなんですけれども、現在、杉並区では期末一括仕訳を行っておりますけれども、一方で、東京都も含めて、日々仕訳という考え方があります。これらの期末一括と日々仕訳の違いについて説明をいただきたいのと、また、業務フローにおいてはどのような違いが具体的にあるのか、その辺に関してはどうでしょうか。
期末一括仕訳は、現在区では会計課職員が出納閉鎖後、一括いたしまして仕訳を行って、財務書類を作成してございます。一方の日々仕訳におきましては、各予算執行課の職員が、歳入の調定ですとか支出命令、これらを起案する際に、調定書、命令書を作成した上で、その都度仕訳を実施していくというような形になってございます。
業務といたしますと、今申し上げましたとおり、一括ですと職員が1人で行うということで、これまで現場職員については変わりはございませんけれども、日々仕訳ということになれば、各現場職員の作業量が増えてくるということになります。
業務フローに関しても、会計課の職員がする仕訳と、現場というか各所管でやるというふうなところが違いがあるという説明がありましたけれども、今ちらっと、作業量が増えるんじゃないかというふうなお話もありました。期末一括と日々のメリット、デメリット、代表的なものをそれぞれ対比するような形で挙げていただきたいのと、区は、このメリットということを踏まえてなんですけれども、日々仕訳に転換していくという考え方はあるのかどうか、その辺に関してはいかがでしょうか。
期末一括につきましては、対応システム等の改修経費が非常に少なくて済むということと、それにかかわる職員も、先ほど申しましたように少なくて済むということがございます。こういったメリットの一方で、出納閉鎖後に一括で行いますので、業務量が一時的にがっと増えるということがございます。
一方、日々仕訳では、所管職員がその都度仕訳を行うために、業務が分散して業務量が上がらない。また、それの集積によって財務書類ができるということで、平均的な業務量になってくるというメリットがございますけれども、一方、職員全てが対応するということで、財務会計システムの大幅な改修が必要になる。また、それを扱う職員の能力、簿記等の能力もつけなければいけないということで、こういった経費ですとか期間がかかるというデメリットがございます。
また、区としましては、そういったことから、システムの改修を行う時期、そこに財務会計システムの更新と合わせるような形で日々仕訳への移行をしていきたいと、現在慎重に検討を進めてございます。
課長は前職の職員課ということがありまして、職員の業務に関しては非常にお詳しいというか、心配されているということなんですけれども、ただ、財務分析をしていくということもありまして、途中の半期とか四半期ごととか、そういった形でも実績を比較することもできますので、そういったこともあわせて検討していただきたいと思います。
今度は財務諸表の中身について、当該年度聞きたいと思うんですけれども、バランスシート、貸借対照表に関して、これは特に特別会計を含んだ単体ですけれども、資産、負債、純資産それぞれ、25年度と比較して26年度はどうであったのか、また26年度末はどのような状態と総括できるのか。
積立金の増が、手持ち現金や預金など資金の減を上回っております。金融資産が増加するとともに、土地などの事業用資産のほうも増加するという非金融資産の増もございまして、総資産額が25年度より55億8,000万円余増加しております。
一方で、保管金等でございますけれども、こちらが減になりまして、負債総額が5,000万円ほど減少している。純資産額が56億3,000万円余の増で、1兆4,158億円余という形になってございます。
26年度末の財務状況でございますけれども、将来のための投資を実現するために、新たな公債を発行してございますが、負債合計額は変わってございません。その中で純資産が増えているという状況でございますので、良好な財務状況だと考えてございます。
ちょっと細かくなりますが、報告書に固定資産の建物の減価償却率の推移も書かれております。また、現世代負担比率、世代間負担比率という、これはバランスシート、複式簿記ならではの指標が書かれておりますけれども、こういった5年間の推移が示されております。これらから区の資産、負債、また純資産のバランス、この5年間でどのような変化が起きているというふうに区は見ておりますか。
減価償却率の推移からは、資産の老朽化が進んでいるということが読み取れます。このため、資産更新のために、現役世代並びに次世代の方とバランスよく負担していただけるような形で資産を増加させるということが必要かと思っております。この意味で、資産が増加しながら負債の増加を抑えているということで、区債の発行を行いながら、現世代負担比率の横ばいの状況、それから世代間負担比率の若干の上昇という中で、負担比率なども横ばい状況ということを考えますと、いいような状況で進んでいるのかなというふうに判断してございます。
行政コスト計算書における純行政コストの評価
続いて、行政コスト計算書。報告書48ページ、経常費用合計及び純行政コストの過去5年間の数値が一覧にされております。これを見ると、経常費用合計が増加の傾向がありまして、逆に、差し引きの純行政コストのマイナス額が増えているということで、このことについての区の評価はいかがでしょうか。
生活保護費などの社会保障費、それから特別会計の保険給付費などでございますけれども、この増加によりまして経常費用が増加しております。一方で、それに充てますお金が、使用料とか手数料、また分担金などの経常収益、これだけでございますために、これが横ばいになっている。このためにマイナスが増加しているというふうに考えております。このマイナスは、経営報告書49ページの純資産変動計算書に示してございますけれども、税収ですとか国や都からの補助金などの移転収入等で賄われております。こういったことから、いわゆる国や都へ負担の適正化に向けた取り組みについて、区のほうもまた現状と同様に進めていかなければならないかなというふうに考えてございます。
また、そのコストの中で、退職給付費用が25年度、前年度が4.2億円であったものが、当該年度は31.6億円に大きく増加しておりますけれども、この増加の背景についてご説明いただきたいと思います。
退職給付金の費用は、年度末に在籍する全職員が退職した場合に必要な金額を貸借対照表上は計上してございます。この金額が300億円余という形になってございます。前期末の引当金の計上額、25年度ですけれども、299億円ございましたが、実際に執行した退職手当の額は30億円余というような形になっております。299億から30億を引いた金額に足りない分を、300億にするために入れなければいけない。その金額をここで計上しました。それが31億ほどで、その形ですので、年度間での金額差がかなり増えたということでございます。
あと、資産売却損というのが発生しております。当該年度2.65億円マイナスがあります。これは何でしょうか。
売却いたしました「杉菜」でございますけれども、この固定資産台帳上の価格と実売却額との差額を、こちらのほうで計上しているものでございます。
資金収支計算書におけるプライマリーバランスの変動要因
次に、資金収支計算書、キャッシュフロー計算書について伺います。
当該年度は、プライマリーバランスがマイナス23億となっておりました。これも過去5年間の推移を見ますと、前年度がプラス8億ということなので、合計で31億円減少というふうになっております。また、5年間の推移で見ますと、平成22年度はプライマリーバランスがプラス45億、23年度がプラス17億、24年度がマイナス18億と大きく下がりまして、25年度は1度盛り返してプラス8億となりましたけれども、また26年度で再び下がり、マイナス23億になった。5年間で一番低い状態でありますけれども、これはどう受けとめればよろしいでしょうか。
プライマリーバランスのマイナス23億でございますけれども、税等の手がたい伸びなどによって、経常的収支の黒字が102億円になったわけでございますけれども、それをもってしても資本的収支の赤字125億円をカバーできなかったというところでございます。その要因の1つは、資本的収支での基金の積み立て104億円余に対して取り崩しが51億円、結果、マイナス53億円、そういうバランスがあるのかなと思ってございます。税などの基幹収入が順調に伸びる見込みで、基金の取り崩しを多く見込まないで済む状況であったわけで、その結果、一時的にバランスが崩れたということで、区の財政状況が悪いわけでは決してございません。
プライマリーバランスというのは、持続可能性を見る指標でございますけれども、その推移を見ることが大切かと私は思っております。この23億円のマイナスをもって、いきなり高らかに警鐘を鳴らす、そういうものではなくて、マイナスの原因、そういうものを分析して正しく理解する、それでこれからの財政運営に生かしていくということが肝要かと思っております。
よくわかりました。あくまでもこれは単年度のキャッシュフローのプラスマイナスで、マイナス23億になっているだけですけれども、先ほど来お話ししている基金の積み立てがかなり順調に増えてきているということと、取り崩しが逆に少なかったということが、こういったところの背景にあるということで、あわせて全体として見ると順調というか健全、そういうふうに判断されるのかなというふうに私も思いました。引き続き財政運営のほどよろしくお願いいます。
杉並区の金融資産の内訳と残高
次に、資金の管理運用について伺っていきたいと思います。
26年度末時点における本区の金融資産、その内訳とそれぞれの残高を、先ほどお示しした単体のバランスシートに基づいてご説明をいただきたいというふうに思います。
26年度末でございますけれども、資金、これは資金収支計算書のほうになりますけれども、そこから導き出されました期末の資金残高が102億円余、資金を除く金融資産の530億円余のうち、債権につきましては94億円余、出資金の5,000万円、それから基金積み立ての424億円余などを積み上げました投資等が435億円余となってございます。
今回質問する資金管理計画に関しては、今言った金融資産の中から収入未済等の債権の95億円と、あと出資金としている5,500万円を除いて、資金、いわゆるキャッシュというか手持ちの資金、103億円。積立基金が418億円ということで、合計約520億円を対象とした管理計画というふうなものでありますけれども、26年度の資金管理計画、どのような考え方に基づいて策定されたんでしょうか。
26年度の資金管理計画でございますけれども、私ども、今後の金利動向の予想を立てながらつくってございます。資金管理におきましては、まずは安全性、それから流動性、効率性を確保する視点で、これを資金管理の基本としてございます。
26年度は、25年度に引き続き、満期金利の平準化を図る運用を行い、将来、金利上昇に転じた場合に的確に対応できるポートフォリオをつくることとしたものでございます。このことは、今後実施される施設再編整備計画の推進や、また社会保障、移転支出の増に伴う区の資金需要の増に機動的に対応できるものとしてつくりました。
いわゆるラダー型ということで、当該年度も引き続き行ったということで、その中で、先ほど室長のほうからもお話ございましたが、経済・金利動向について、これは年度当初に立てられた計画でありますけれども、26年度1年間振り返って、経済・金利動向、区の見通しはどうだったのか、結果はどうだったんでしょう。
26年度は、私どもは、日銀の量的・質的金融緩和政策によって、物価の安定的上昇のもとに金利が上昇に転じるにはなお一定の時間を要するであろう、そのように考えまして、26年度中の金利上昇の可能性は低いと考えまして、委員もおっしゃったような中期のラダーといいますか、中期債の運用をしたものでございます。
1年を振り返ってのお話でございますけれども、株価は上がりましたけれども、一方で預金金利は低迷を続けたということがございます。つまり、マネタリーベースは拡大しましたけれども、マネーサプライが全くないというところで、預金利息は低いままであった。また、債券の利回りについても、短期から長期までずっと低位で推移いたしました。価格は、その中でオーバーパーになるということで、運用利回りを上げるということは極めて困難な状態でございました。
運用利回りを上げるのは非常に困難ということで、そういう状況が確かにありますね。
ただ、その上であえて聞きますけれども、そういった状況におきましても、それぞれ歳計現金と積立基金、それぞれどのような形で管理運用をこの1年間行われてきたか。
資金管理計画に基づきまして、安全性、元本の保全でございます、それから流動性、現金化の容易性、それから効率性、収益の向上ということを確保すること、これを基本にして行ってまいりました。
歳計現金では、収入支出の時期、それからその金額の規模を考慮して、余剰資金について、短期間の定期預金等としての運用。基金につきましては、大口譲渡性預金に2年、債券に5年以内と、少しでも有利なものを見つけながら運用をしてまいりました。
歳計現金に関してなんですけれども、監査意見書にも月々の月末の残高が記載されておりますけれども、26年度の1年間通した月ごとのキャッシュフローでいくと、どのような傾向が見られたか。他年度と比較して何か特徴的なものが26年度はあったのかどうか、その辺に関してはいかがでしょうか。
26年度は、毎月の平均残高、これは日々の残高を足し上げまして平均を出したということなんですけれども、それでいきますと109億円となっております。かなりあるような形でございますが、歳計現金は支払い準備金ですので、日々の支払いに不足が生じないということが一番でございます。資金収支予定表などに基づいて日々確認はしてございますが、なかなか難しい面がございました。
26年度は、特に財調基金の取り崩しが当初16億円ほどで、税収が安定する7月までの間、両年度の支出もあり、非常に厳しい状況が続いておりました。こういった状況が年間何度か訪れます。そういった場合に、基金よりの繰り入れ運用などを利用いたしまして、資金等の支出に支障を生じないようにしてございました。
意見書は月末残高で、いただいた資料48が平均残高ということで、了解です。
資金管理計画では、支払い準備金は流動性預金、すなわち普通預金で保管して、それ以外の余裕資金は定期制預金を中心に、金利動向を考慮しながら保管するというふうに書かれておりますけれども、それぞれ支払い準備金と余裕資金というのは、どういうふうな形で分類、割合でされているのか。また、それはどういう基準で、どうやって決めているのか、その辺に関して説明いただけますでしょうか。
割合というものは設定してございません。ただ、歳計現金につきましては、支払い準備金であるということから、毎月の定例支払い額等を勘案して、60億円程度は確保していかなければならないということで考えてございます。この額を大きく超える歳計現金がある場合には、短期間の定期預金等で運用をしているという状況でございます。
大体60億が支払い準備金ということで、残り約四十数億円、6対4ぐらいという感じですかね、26年度に関していえば。この両方、預け入れ先は、指定金融機関制度で1行のみということでよろしいでしょうか、確認します。
歳計現金については、支払い準備金という性格から、指定金融機関での預金という形をとってございます。
これらは両方足して110億円あるんですね。先ほどの話じゃないですけれども、非常に利率が低い。110億円、1年間で平均残高預けていて、いただいた資料50番でいくと、利子額が229万円、利回り0.02%ということで、これはちょっとこれから改善していく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。
先ほど、6対4というふうな設定方法、それぞれの保管方法のあり方、また、一時的に資金が不足するということで基金の繰り入れ、繰りかえ運用ですかね、というふうなこともおっしゃっていましたけれども、それを逆に一時借入金にするときと、コストはどうなるんだ、どっちが得かというようなこともシミュレーションをしたり、また、1行だけの指定金融機関でいいのかどうか、引き合い方式をとることによって、よりよい条件を導き出すことができないのかどうか、そういった改善の余地については、会計課としてはどう考えるでしょうか。
資金不足の際には、先ほど申しましたように、基金より繰りかえ運用を行っております。26年度におきましても、7回ほど実施をしております。
歳計現金の余裕資金の預金等につきましては、いざという緊急時での即時対応ということが必要になってまいります関係で、指定金融機関に、短期ではございますけれども、大口または譲渡性預金という形で運用をしているという状況でございます。
基金運用における投資対象の制限と理由
では次に、基金の運用管理について伺います。
年々増えてきております。当該年度も418億円ということで、これは基本的な資金管理計画によりますと、基金の債券による運用を行うということで、国債証券、政府保証債証券、地方債証券が対象となっておりますけれども、改めて聞きますけれども、なぜこれらのみなんでしょうか。もっと利率のいい社債や株式への投資ということはできないのか。物理的にというか、規則的にできないのかどうか。できないのであれば、その理由をお示しいただきたいと思います。
自治法の規定で、最も確実かつ有利な方法によりこれを保管しなさいというふうに規定をされてございます。これに基づいて、総務省の見解では、元本保証がない株式については、取得、保管することができないという見解が示されてございます。
社債につきましては、発行体の状況などのリスク管理をどのように行っていくかという大きな課題もございますものですから、今のところは購入しておりませんけれども、今後につきましては、いろいろな金融債等のものもございますので、検討をして進めていきたいというふうに考えてございます。
地方公共団体でもありますし、地方自治法に基づいて、地方自治法には、具体的にこれしかやっちゃいけないとか書かれておりませんけれども、今おっしゃったとおり、元本保証という安全性という観点から、リスクゼロのところにしかなかなか投資できないのかなと思って、確かにそういう部分もあるのかなというふうに思いますけれども、そうであれば、逆に、長期運用することによって高い利率、先ほどちょっと長期の利回りも低いというふうにおっしゃっていましたけれども、そういうふうな長期化をすることで少しでも利息を稼ぐということに関してはどうかと私は思います。
資金の管理方針では、本区では預金による運用は2年、債券その他は10年というふうに上限が設定されておりますけれども、2年、10年という根拠は何なんでしょうか。
区が計画的に進めるという中での財政需要ですとか金利の動向、こういったものを勘案しますと、流動性の確保ということを念頭に置かなければいけないということで、現在、預金については2年、効率性も含めまして、債券については10年という期間を定めているものでございます。
それで、資料で、では実際26年度はどうだったのかということで、基金の運用に関して、方針では10年というふうになっておりますけれども、実績は最長5年なんですね。5年以内しか投資していないということで、一応方針では10年までやるというふうに認めているにもかかわらず、5年しか実際はやっていないというのは、長期債による運用をしていない理由は何か具体的にあるのでしょうか。
委員のご指摘のとおり、計画の中では10年債まで見ておりますし、中途売却も検討するという、そういう余地も残してございますけれども、私どもの資金管理計画というのは、大体5年先の金利動向というものも考えてつくってございます。その中で金利が上昇する局面があったら、そういう長期債も買っていこう、それから中途売却も考えようというものなんですけれども、昨年度の状況を見ますと、どうも平成30年あたりまではちょっと、金利の上昇というのはなかなか難しいかなというのをその運用の中で、1年間の中で見てまいりました。そういう中で、今後の金利上昇に備えるという意味で、5年の国債を中心としたラダーというようなことで組んできた、これが1つでございます。
あとまた1つは、私ども、心理的なものでして、長期債を買ったときに、将来金利が上昇したときにその長期債をどうするのかというところがございまして、満期まで、満期保有で持ったらオーバーパーですので、当然、運用益が損失になる。それで、中途売却したら、今度は足元を見られて、金利が上昇していますので、これも売却損が出るというようなことで、そういうところでも長期債には至らなかったというところでございます。
では、今現在では5年を境に、区は金利上昇局面が来るということを期待してということなんですかね。なかなかこれは難しい部分がありますよね。確かに金利変動リスクということを考えると、長期がいいのかどうかということもあります。
ただ、区が発行している債券は大体20年とか25年ですよね。ですから、資金調達は20年とか25年という単位でやっていまして、資金の運用は5年単位ということで、実際、金利上昇が来る可能性も当然あると思うんですけれども、ただ、現状を見たら、長期のほうが当然、わずかですけれども金利も高いというふうなこともあるので、その辺、何かうまいことできないのかなというのが正直な感想ですね。ぜひ検討して進めていただきたいと思います。
ちなみに、資料051をいただきましたけれども、26年度末時点で、基金の運用先に80億円が普通預金に保管されているんですね。これはなぜ普通預金なのか。これは一時的な現象なのか、その辺に関してはどうなんでしょう。
先ほどもご答弁させていただきましたけれども、年度当初等の資金が、忙しいときでございます。そういうときの繰りかえのために、一時的に普通預金に入れまして、繰りかえなどの急な場に備えているというものでございます。
区の金融資産運用における低収益構造とリスク管理の考え方
ちょっと総括してお話しさせていただきますけれども、実際26年度だけ見ても、区債の発行残高が230億円なんですね。それに対して1年間、26年度の区が払った利子、利払いの額が2.7億円。一方で、区が運用管理している積立基金と歳計現金の合計が520億円。それに対して利子収入が7,900万円ということで、2.7億円払って8,000万円弱しか入ってこない。ましてや、運用先の額のほうが倍以上多いわけですよね。これはどう見ても、会計管理室長もしかめっ面されておりますけれども、低収益構造と言わざるを得ないんじゃないかなというふうに私は思っております。
これは当然ながらリスクがつきものでありまして、金融リスクというのが、一般的には、先ほど来お話ししている元本償還に関する安全性の信用リスクというところと、あと流動、お金が必要になったときにそれをおろさなければいけないということで流動性のリスクと、先ほどの長期化による金利変動リスク、この3つにリスクがまとめられると思いますけれども、それぞれの金融リスクに対して、どういうリスクがあるのかということを明確にして、それをどこまで区は許容できるのか。地方自治法に照らして、また区の自治体としてのあり方を考えた上で、どこまで許容できるのか。また、そのリスクをできるだけ回避するにはどのような方法があるのかということを、ぜひ検討していただきたいと思うんですね。
ちなみに、資料請求したときに、区のパフォーマンス、これは相対的にどうなんだということで、他区の情報を調べたところ、他区の情報はありませんという回答が資料で出ました。これは当然公開されていないデータでありますけれども、ほかの自治体と比較して区のパフォーマンスというのはどうなのかというのをまず把握する必要があるんじゃないかなと。その上で対策を考えたり先進事例を見習ったりとか、そういったことをこれからしていっていただきたいというふうに思います。その上で、金融商品、また金融機関の選定の問題とか、また長期化をどうやっていくかというところ、場合によっては歳計現金と基金との一括、一元管理をして、よりよい流動性も生んでいき、そして効率性も目指していく、そういったものをこれから求めていくべきと考えますけれども、最後に、改めて区のこれからの考え方をお聞かせいただきたいと思います。
私ども、収益が低いということは重々認識してございます。今は待ちの時期、待つのも運用というように考えることもございますけれども、収益を上げることは常に考えてございます。
今年度でございますけれども、今の状況を申し上げますと、今こんなふうなことを考えてございます。区は収益が低いという中で、今後どの程度のパフォーマンスを狙っていくのか、そのためにはどのようなクーポンのものを買うのかと、それを今見きわめているところでございます。超長期の運用についても、金利が上昇してきたということになれば、中途売却というものも必要性が出てくる。そういうところで、金利リスクを意識して、金融商品のバランスを今後考えていきたい、そんなふうに思っております。
そういうためには、大分県の国東市、この辺などの先進事例も学びたいと思ってございますが、イールドカーブというのは常に動いてございますので、機械的にロールダウン効果を狙って中途売却するというのはリスクが高いというようなことで、やはりそういう潮目を見ることができる人材の育成というのも大切なのかなと思っております。
あと、委員のお話にありました歳計現金と基金の一元的運用、そういうご提案でございますけれども、これについても課題が多く、これは研究していくというようなことでございますけれども、私の理解としては、委員のご提案は、ロットをもっと大きくして効率性を高めて、それから運用益、運用損の分散を図っていく、そういうようなお話なのかなと思ってございますので、この辺は、今申し上げました課題も多くございますが、研究していきたいと考えてございます。今後ともご指導、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。