積立基金と財政のダムの運用状況
財政運営について、インフラ資産管理について、資金調達について。使用する資料は、資料No.022、あと、区政経営計画書並びにその他関連する資料に関しては、その都度引用させていただきたいと思います。
まず、財政運営、特に積立基金と財政のダムの関係についてお聞かせいただきたいと思います。
平成24年9月に基本的な考え方が示されまして、これが今運用の基礎になっていると思います。午前中からも議論がありましたけれども、24年度と25年度の実績についての総括、進捗状況をお聞かせいただきたいと思います。
24年度と25年度の積立基金の実績ということでございますが、24年度は積み立てを98億円余、25年度は102億円余を積み立てましたが、それぞれ財政運営上の必要から取り崩しも行いましたので、24年度末で358億、25年度末の残高は364億と、こういう形になってございます。
それを踏まえた上で、26年度を迎えるに当たりまして、財政のダムということに関しましてはどのような考えで臨んでいくお考えか。
財政のダムにつきましては、先ほど来申し上げているとおり、委員もご指摘のルールに基づいて、26年度も財政運営を行っていくという形になろうかと思います。具体的に申し上げますと、決算剰余金が出ます第3回定例会における補正予算と最終の補正予算において、それぞれ財政状況を踏まえた形で積み立てていくという形になろうかと存じます。
そういうふうな形で毎年度行っているわけでありますけれども、26年度を迎えるに当たりましても、さまざまな不確定要素、また予測される課題等が出てくる可能性もあると思うんですけれども、その辺に関してはどのような対策を考えているのか。
現時点で予測される課題と申しますのは、やはり法人住民税の国税化の動きでございます。27年度から本格的に影響を与えてくるというふうに考えております。
また、景気の変動も当然区民税等に影響が出てきますので、消費税の増税に伴う駆け込み需要の反動だとか、そういったことの景気の減退なども不確定要素になるかなと、そういったところでございます。
財政のダムにつきましては、考え方が示された段階で、23年度末の数字で、基金積立額が標準財政規模に対して当時31%、23区の中でも20位という状況を鑑みた上で、今後の行政需要を考えると、現在の基金規模では大変心もとない、まずは標準財政規模の50%ということで目標を定めた経緯があります。
これは私も十分理解しております。ただし、それをいつまでにやるのかということについては、これまでもさまざまな方が、私も含めて質問をしてまいりましたけれども、大体、時々の財政状況を考慮して、可能な限り積み上げを行っていきたいと、そういうふうな類いの答弁が繰り返されてきたという状況があるというふうに認識しております。
これに関しては、いたし方ない、理解できる部分もありますけれども、ただ、ここで注意をしないといけないのは、例えば区民福祉を向上するためですとか、喫緊の行政課題に対応しますというふうな、そういった名のもとに、財政のダムの構築というものがなし崩しに停滞してしまう、そういうふうな事態が起きる可能性も否定はできないのではないかと思いますけれども、その点に関しては、当局はどう考えておりますか。
その辺、ちょっと委員と見解が異なる部分もあるかもしれませんけれども、私ども、基金の増額は財政運営上重要な取り組みだということは十分認識しているところでございます。ただ同時に、これはこの間繰り返し申し上げてきたことではあるのですけれども、財政運営の目的というのはあくまでも区民福祉の向上でございますので、喫緊の行政需要が発生した場合には、それに迅速に対応していくというのはやむを得ないというか、当然の私たちの責務というふうに考えているところでございます。
また、こうした中にあって財政のダムの構築につきましては、繰り返しになりますけれども、基本的な考え方がございますので、これに従って、そうした財政状況を踏まえて適切に取り組んでいくということでございます。
先ほども申し上げたとおり、区民福祉の向上というのが大原則であるのは私も否定しません。ただ、財政のダムの必要性というものも、財政の健全性を保ちつつ、持続可能な財政運営を確保するための1個の取り組みというふうに区も認識していると私も考えているところであります。
したがって、私が言っているのは、堂々めぐりじゃないですけど、それがなし崩しになってしまうんじゃないかというリスクに関しては、どう回避していくのかということは、これはこれとして考えていかなければならないんじゃないかと思いますけれども、改めてもう一度見解をお聞きします。
これは中村委員と東日本大震災後いろいろ議論した中でも、あのときはたしか女川に行った経験を踏まえていろいろお話をしましたけれども、今やらなくてはいけない課題というのは現に迫っているわけでございまして、それで震災の問題。先ほど島田委員からは、高齢化、高齢社会への対応ということで、そういうような本当に今早期に進めていかなければならない課題、これについてはしっかりとやっていきたいと思います。
それとあわせて、財政の健全化、持続可能な財政運営ということ、これもまた必要だということでございます。では、どういうところで担保をとるのかということで、いろいろな考え方はあると思うんですが、現時点では、我々がまず予算編成をする、そしてまた行政運営をする、その際に、今まで述べてきた視点、考え方をしっかりと申し上げて、それに対して議会の皆様がご意見あるいはチェックをするという、そういうお互いの関係の中で、一定のいい意味の緊張関係も保ちつつ判断をしていくということだろうと思います。
ぜひ信頼してくださいというふうに申し上げたいところですが、それだけでは話にならないと思いますので、そういった一定の緊張関係のもとにいろいろ議論をさせていただく、それが何よりも重要かというふうに思っております。
基本的には信頼をしておりますけれども、そういった万が一ということもあり得るというふうな考えでこういった質問もさせていただきました。震災もありましたので、減税基金も廃止というふうなこともありましたけれども、基本的には使い切りをしない、事前予防的な財政運営というのも1つの考え方としては大事であるというふうに思います。健全性と安全性に十分配慮した財政運営にこれからもしっかりと努めていただきたい。
これは、例えばいつまでにとか幾らとか、そういったすぱっと切れるような話じゃないというのは十分わかります。喫緊の課題といっても、人さまざまあると思いますから、そういった部分に関しては全体的に見ていかなきゃならない課題であるというふうに私も思っておりますので、この辺に関しては、そうは思いつつも、ただこういった財政的な部分もしっかりとリスク管理という部分で見ていきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
当初予算の歳出の財政計画を俯瞰すると、既定事業の既定経費というところが、24年度が939億、25年度が1,018億、26年度が、今回の予算が1,080億と、3年間で既定事業の経費が15%増えているんですね。歳出予算の合計に含める割合も、24年度が65.3%だったのが、26年度が67%ということで、既定事業がどんどんどんどん右肩上がりというふうに見えるわけですけれども、この傾向について解説をお願いいたします。
既定事業というのは、新規事業が始まって、それが翌年度には既定事業に入っていくということもまず1つあるわけでございますが、この間の伸びと申しますのは、この間充実させてきた保育だとか障害者だとか高齢者施策の充実のその成果が、また予算のところには出てきているということでございます。
そうですね。さまざまな案件も出てきているということで、それに関して日常的な経費が全体としても増額しているということですね。当然、区民福祉という部分に関しては、必要なことをやっていかなきゃいけない。これは先ほどの話からも一貫しておりますけれども、ただ一方で、区の立場としては、こうした財源というのはほぼ全て税金によって賄われているわけでありますので、区は、最少の経費で最大の効果を生み出す努力と、また一方で、納税者、区民に対しての説明責任を果たしていかなければならないというふうな立場も、両方あるというふうに思います。
今のような厳しい環境にあるからこそ、各施策、各事業の効率性の向上と、それを見える化していくことにもしっかりと尽力をしていかなければならないと思いますけれども、こういったことについては、区は、今現状どのような取り組みを行っているのでしょうか。
区民の方に、当然、今の財政状況なりそれぞれの事業の状況についてお知らせしていく、知っていただくということは非常に重要なことだと考えております。広報や「財政のあらまし」を通じてお知らせしております。
また、中身につきましては、行政コストの管理という意味では、事業別コスト計算書や行政評価などを通じて、各事業のコストの管理は評価指標として見える化に努めているところでございます。
毎年11月ぐらいに発表される「ざいせい」、財政白書に事業別行政コスト計算書とかABC分析等があります。これは毎年私も見ていますけれども、大変内容が充実していると思います。これは非常にいい内容だというふうに思っておりますけれども、ただ、対象の事業が毎年限定的に幾つかの対象に限定されている。また、毎年テーマによって内容が変わってくるということで、一部再度検証というのもありますけれども、経年変化がわかりにくいというところと、全体でどうなっているのかというところがわかりにくいという点が課題かなと思いますけれども、この点について、区はどう考えておりますでしょうか。
ご指摘のように、確かに経年で見ていく必要のある事業があるということは、十分認識しております。そのため、ここ数年、保育や子供園などについては継続して見て、追っかけているというような形になっております。それぞれ所管の事務処理上の負担等もございまして現在のような形になっておりますが、今後さらに工夫はしていきたいというふうに考えております。
この事業別行政コスト計算書は、いわゆるフルコストに基づくものであります。これらは新公会計制度の情報が網羅されているものであり、以前より、大分前からやっておりますけれども、会計制度が改革されてからデータの採取がしやすくなったのではないかというふうに思っておりますけれども、新公会計システムの運用によりまして、事業別行政コスト計算書の作成作業は、実際、効率的になっているのでしょうか。
事業別行政コスト計算書の中に減価償却費の算出などがございます。こういった部分は新会計の情報を活用して行っておりますので、そういった意味では効率化がされているということでございます。
公会計情報を活用したコスト分析につきましては、町田が非常に興味深い取り組みを行っております。区もご存じかと思いますけれども、町田の取り組みに関して区としての認識、概要と、区はどのような感想を持っているかお聞かせいただきたいと思います。
町田市の取り組みでございますけれども、平成24年度から東京都方式を採用したと伺っております。その際の特徴といたしましては、日々の財務処理に当たりまして、その処理ごとに仕分けを行っているということ、仕分けを課単位で行うことによって、課別の財務諸表を作成することが可能になっているということ、それから、必要に応じて事業別の財務諸表の作成が可能となっているというふうに伺ってございます。
この東京都モデルなんですけれども、一番最初に言われた特徴の日々仕分け、これは現行、我々の区ではできないと思うんですけれども、それ以外の事業別とか課別の財務諸表の作成に関しては、町田が東京都モデルをやっているからできているんじゃなくて、現行の杉並区の基準モデルでも作成可能だと思いますけれども、区はどのような認識を持っておられるでしょうか。
可能か可能でないかというお尋ねでございますれば、採用するモデルにかかわらず、仕分けの手法によりまして、それぞれは可能というふうに考えております。
可能だと思います。先ほど午前中の質疑で、私もこれは知らなかったんですけれども、施設ごとのコスト、私もホームページを昼休み見て、読ませていただいたんですけれども、正直、こういうのがあるのは知らなかった、恥ずかしい限りなんですけれども。
ただ、これは平成15年度、17年度、20年度のデータに基づいたものが公表されているということで、なおかつ、コストが下がっているものもあれば上がっているものもありますけれども、これは単にこうでしたということだけがグラフになっているだけで、上がっているものに関してはどういう理由で上がっているのか、下がっているのはどういうことが背景にあるのかという分析は一切加えられていないんですね。
それと、20年度というのは非常に古いということで、先ほどの公会計の情報からいきますと、はっきり言ったら24年度も出せると思うんですけれども、この辺に関して、緻密な分析をこれからやっていただきたいなというふうに思っているんですね。
今までも、例えば1人当たり幾らの資産がありますとか、コストはこうでしたというのは、よく区も区政経営報告書なんかでも出されますけれども、私の印象では、結果をぽんと出しているだけで、それに至るまでどういうことがあってこういう結果になったのか、今こういう課題があるんじゃないか、ここはちょっとコストが高くなっているんじゃないかというふうなところは、そういった分析をして、それをどうしていくんですかと、何年後にはそれがどうなりましたという、単なる現状の見える化ではなくて、プロセスの見える化というのが非常に大事ではないかなというふうに思っております。
今後、会計処理に関してもしっかりとやっていかなきゃいけないなというふうに思いますけれども、これまで公会計改革をリードしてこられた会計管理室長にお聞きしたいのですけれども、こういったことに対する課題認識、また提言等、もしございましたらお聞かせいただきたいと思います。
リードしてきたというほどではございませんけれども、公会計情報につきましては、毎年度少しでもわかりやすい形にしようと努めてまいりましたし、また今後とも、それが基本姿勢だと思います。
今おっしゃったことについては、大きく2つ道があると思いますけれども、1つは、現行の基準モデルでの期末一貫の財務書類をご提供しているわけですけれども、この範囲の中でさらに緻密な分析を行って、その情報をご提供していくというのが1つです。これは今の延長線上ということで、これからも努力していきたい。
もう1つは、町田市を例に挙げられたような日々仕分け、あるいはそういう形での柔軟な財務書類、例えば時期的にも年1回ではなくてとか、あるいはもう少し区全体ではなくて事業ごととか、町田の取り組みはそういうわけですけれども、そういう形をとるとすると、日々仕分けだけとっても大きなメリットはございますけれども、一面で大きな課題もございます。というのは、現在の財務会計システムに仕分けの考え方を組み込んでいかなきゃいけない。それから、現実にその仕分けの作業を行うのは各所管の職員ですから、職員の研修という課題もございます。そういう意味では、大きな環境整備が必要となってくると思うんですね。
それともう1つ、一番大事だと思っておりますのは、そうやって作成した情報をどう役立てるのか、何に役立てるのかということが、非常に明確な導入目的というか意識を持っておりませんと、なかなか手間もお金もかかることですので、その費用と見合わせてよく見きわめていかなきゃいけないなというふうに思っています。
ただ、これも以前、委員からご指摘がございましたけれども、昨年の今後の新地方公会計の推進に関する研究会でも、方向性としてはご指摘になったようなことが出ておりますので、まず、本当に革新的な取り組みを行っている自治体をお訪ねして、実地に見せていただきたいなというふうに思っていまして、そういう見学からまず始めたいと思っています。非常に大きな課題ですので、すぐに結果が出せるとか実現できるというよりは、むしろ環境整備をきちんとやっていくべき問題だというふうに思っておりますので、まず会計部門としてできることは、そういう先進事例に端的に謙虚に学ぶ、見せていただいてどういう活用をしているのか。本当にすぐれた活用方法であるならば、それを見せていただきたいというふうに、その方向性づけだけはしておきたいと思ってございます。
私も町田の担当の方から直接お話を伺いましたけれども、とにかくすばらしいものができているんですけれども、今、室長おっしゃったとおり、どう使いこなすかというところが、町田市も多分これからの課題なんだろうなというふうに思いました。というのは、予算、決算のシステムの問題とか、また監査のあり方とか、もっと言えば議会のあり方もそうですし、庁内の組織のあり方とか、あと行政評価のあり方、そういったこともしっかりと全体的に融合して動いていかないと、なかなか効果というのが出てこないのかなというのが正直な感想です。ただ、大事な課題でありますので、これは会計課も含めて、財政当局も含めて、しっかりと検討していただきたいというふうに思います。
杉並区のインフラ資産概要
続きまして、インフラ資産管理につきまして。
財産というものに関しましては、金融財産のみではございません。金融資産以外に非金融資産もありますけれども、資産の概要というのを、24年度末でどういう状況かお聞かせください。
総資産に関するお尋ねでございますけれども、平成23年度と24年度を比較しますと、総体では減少しておりますが、総額で1兆4,718億円でございます。内訳といたしましては、土地や建物などの取得によります増であるとか、施設の減価償却を行ったことや事業用資産の評価替え等がありまして、増減がございました。その結果として、金融資産は全体でプラス2億円の607億円、非金融資産がマイナス341億円で、総額で1兆4,111億円となってございます。お示しをしました数字でございますけれども、非金融資産である固定資産が全体の96%ほどでございまして、ほとんどが道路や公園などのインフラ資産という状況でございます。
96%が金融以外の資産ということで、トータルで1兆4,000億に及ぶと、そういうふうなものがあります。であるからこそ、ややもすれば金融資産にのみ多いとか少ないとかというところに特化しがちな部分もありますけれども、トータルの部分で考えますと1兆4,000億ということで、非金融資産に関しましても、今後どのように効率的に管理し、活用していくのか、この点に着目するというのは大変重要であると思いますけれども、区の認識はいかがでしょうか。
インフラ資産は、道路の用地であったり公園であったり、区民生活を支える貴重な財産でございます。区民が安全、快適に利用できるよう、引き続き財産として維持していく必要があるというふうに思っております。
若干話はそれますけれども、先日、他の方の一般質問でも触れられていましたけれども、資料はありますけれども、「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針(案)の概要について」という事務連絡がことしの1月に総務省より出されたと思いますけれども、この「公共施設等」とは具体的に何を指すのか、区の状況に当てはめてお示しをいただきたいと思います。
この「策定にあたっての指針」の中で言っております「公共施設等」というところでございますけれども、この計画では、地方公共団体が所有する全ての公共施設を対象にするとしておりまして、公営企業の分野に係る施設も計画の対象となっております。ですので、杉並の場合ですと、シルバー人材センターですとか障害者の雇用支援事業団などの使用している施設というのも対象になってくるということでございます。
「等」以外の公共施設の中に、今話ししている区立施設の再編対象となるのもあれば、さっきありましたもっと金額の大きいインフラ資産、道路、橋、公園等も全部含んでという意味なんでしょうか、ちょっと確認お願いします。
道路や河川などについては、国のほうでインフラ長寿命化計画というのをつくっておりますけれども、それと整合性を図って、個別でつくっていくというような位置づけになっているかと思います。
そういうのも含めて、全体的に全て管理していくということなんですけれども、今回示されている指針の中身というのはどういうものなのか、改めて概要をお示しください。
まず、公共施設の全体の所有施設等の現状を把握するということですとか、施設全体の管理に関する基本的な方針を定めるとか、施設の類型ごとに基本方針を定めると記してございます。
管理とは具体的にどういう管理をしていくのかということを聞きかったんですけれども、まあいいです。
橋梁に関しては、ちょうど1年前に区でも橋梁白書がつくられました。道路につきましても、先日の島田委員の代表質問に対しまして、道路の舗装や道路標識の管理水準、ライフサイクルの維持管理等を定めた道路維持白書を策定すると、そういう答弁がありました。現在進めている区立施設再編整備計画のもととなる施設白書というのがあります。こういったそれぞればらばらにつくられている白書を、現状を把握した上での管理計画を総合的につくっていきなさいと、そういうふうなことだと思うんですけれども、こういったところ、内容を読みますと、点検、診断をこれからどうしていくのか、維持補修、更新、修繕、また長寿命化、そしてそれに関連する財政負担の軽減、平準化への数値目標も入れていってはどうか。こういったことが、総務省から言われたからやるような話でもないと思うんですけれども、このようなデータの収集、また組み合わせ等については、現状どのような体制になっているのか、わかる範囲でお示しいただきたいと思います。
現状どのような体制でということですけれども、ちょっとずれるかもわからないんですけれども、今、委員ご紹介のとおり、施設白書については3度にわたり更新をして発行しておりまして、最新のが平成22年度です。その後、橋梁白書については23年度、今年度中に道路の維持白書についても策定を予定してございます。
もとより白書というのは、より効率的、効果的に施設、インフラを更新していくための現状分析、シミュレーションを行うためのいわば素材なわけです。この素材を使って計画化をして、今、委員ご指摘のような数値目標を必要に応じて設定をし、計画的に長寿命化、また財政負担の平準化を図っていくということが目的なわけでございまして、それにつきましては、施設再編につきましては、このほど計画を策定しようとしてございます。
今の白書というのは、600近い施設を全て更新したとしたら、これぐらいの費用が各期間かかりますよということですけれども、まだ再編整備計画で全てをつまびらかにできてないところもございますけれども、施設の行く末というものはある程度描いてまいりましたので、それを総合計画、実行計画にまず反映をさせていきたい。
橋梁白書、これからつくる道路維持白書につきましては、これは、いかに長寿命化を図るか、いかに財政の負担の平準化を図るかということが肝ですので、白書の内容につきましては、長寿命化の考え方とか財政シミュレーションなども橋梁白書には落とし込んでございますので、それを同じく総合計画、実行計画のほうで計画化をして、また財政計画のほうにも反映をしていきたい、このような形で一元的に管理をしていきたいと思っています。
固定資産台帳を活用した資産管理データベース構築
それでは、データの収集の方法とか組み合わせ、もうちょっと具体的に言うと、資料No.022いただいておりますけれども、杉並区の資産に関する台帳全て一覧にしていただきました。道路、橋梁、施設、設備、公園、備品、学校等全部で17個の資産台帳があります。それぞれの管理している所管課は、営繕課、経理課、土木管理課、土木計画課、交通対策課、みどり公園課、会計課、学校整備課と多岐にわたっているわけですね。
ここで、私、先ほど来申し上げている公会計の、17のうちの固定資産台帳というのが一番大いに役立つんじゃないかなというふうに思っておりますけれども、公会計の固定資産台帳は、1兆4,000億の全ての資産が網羅されておりまして、また、先ほどの17個のほかの台帳類にはないコストに関する会計情報も備わっております。その意味で、本区が当初より基準モデルを進めてきた意義というのが大変大きいんじゃないかというふうに思います。
固定資産台帳のデータと、それ以外の他の台帳類にある保守点検や維持管理に関する他のデータをつなげて、一元的な資産管理を全て網羅するデータベース、これはかなり大きなデータベースになると思いますけれども、こういうのを作成していって全体的にいくと、この総合管理計画も非常にスムーズにいくんじゃないかと思いますけれども、その辺に関しては、区はどのような考えでしょうか。
社会資本の老朽化の進行と、それに対して、固定資産の更新をどうしていくかということは大きなテーマでございます。区は、現在、施設再編整備計画ということで、これはインフラ資産は除いていますけれども、策定中ということで、施設の規模の縮小あるいは有効活用ということを計画的に行っていく。
ご指摘のように固定資産台帳のデータ、資産別の台帳データ、これを一元的に管理していったらどうかということで、それをつなげて全庁的に有効活用できれば、あるいは1つの理想的な姿なのかもしれませんけれども、現在私どもとしては、新公会計に基づく財務諸表を出しておりますし、固定資産台帳データというのもあります。これを、まずどう分析、活用していくかということが目下の課題ということで、社会資本の更新問題にどのように関連づけて分析、検討していくかということが現状の課題というふうに認識しております。
新公会計については、総務省のほうでも今幾つかのモデルを一元化していく方向でということで検討しているというふうに聞いておりますので、そうした動向にも注意しつつ、ご指摘の件については今後の検討課題、研究課題というふうに受けとめさせていただきます。
杉並区の資金調達方法
では、続きまして、資金調達について伺います。
ただいま、ずっとつらつら伺ってまいりましたけれども、資産を保有するということは、それに伴い将来的な資金調達というのが発生します。具体的な資金調達としては、今、区としてはどのようなものが考えられるのか、列挙していただけますか。
施設の改築や改修ということでございますが、まずは国や都からの補助金の活用という形になろうかと。その上で、基金や起債の活用を財政状況を踏まえてどうやっていくかということになろうかと、このように考えているところでございます。
もうちょっといろいろバリエーションがあるんじゃないかと思ってお聞きしたんですけれども。資金調達に関しては、トータルの発生費用の抑制と支出の平準化というのが非常に大きな課題であると思いますけれども、さまざまある方法の中でも、最も効率的、効果的な資金調達方法を検討していくべきであるというふうに思います。
現状あるいはこれまで区が、方法論、起債もそうですけれども、施設整備基金をためていくとか、さまざまそれ以外にもありますけれども、どのような要素で、どういう方法で資金調達をしていくのか。財源調達じゃないですよ、資金調達です。どのように決定しているのか。現状はどのような形でそういうのを決定しているのか。
先ほどのご答弁にも関連するんですけれども、確かに先ほど申し上げた以外の、今民間ではいろいろな資金調達の手法が公的な分野も含めて提起されているということは、十分認識しております。そういった研究もしていかなきゃいけないということは考えているところでございます。
ただ、区といたしましては、区民から預かる貴重な財源を調達していく中で、区にとってのメリットなりリスクなりをきちんと研究していく必要があるというふうに考えているところでございます。お答えになるかどうかわかりませんけれども、予算編成の中で、そういったことをトータルにきちんと考えた上で行っているというところでございます。
では、ちょっと角度を変えますけれども、PFIについて伺います。
区のこれまでの実績及び現状における区の評価をお聞かせください。
これまで杉並公会堂、2つのケアハウスというところで、3施設に導入をしております。
評価でございますけれども、バリュー・フォー・マネーの面でいずれもすぐれていると評価しております。
今バリュー・フォー・マネーがありましたけれども、VFMについてもう一度具体的に詳しく説明いただきたいのと、あと、今おっしゃった3件に関してのVFMはどういう実績でしょうか。
バリュー・フォー・マネーというのは、区が自ら実施する場合に比べて、事業期間全体を通じた財政負担が低くなること。それから、財政負担が同じであったり、またはそれ以上となったとしても、その差を上回るサービス水準を確保できるということと理解しております。
それから、施設の実際のことでございますけれども、例えば杉並公会堂につきましては、将来のライフサイクルコストの可視化ができた。事業化後の区側の事務負担が軽減できた。民間の技術やノウハウの十分な活用ができた。それから、BOT方式で期間が30年となっておりますので、事業者が当事者意識を持って、かなり施設をしっかりと管理が行き届いているような状態になっているというふうに聞いております。それ以外の施設につきましても、当然同じように、コスト面でもサービスの面でも高いものと評価されております。
具体的なバリュー・フォー・マネーの金額とかパーセンテージとか、そういった評価というのは具体的に言えるものなのでしょうか。
今のところ、杉並公会堂の過去のものしか私、押さえておりませんで失礼しますが、導入の当時23%、そういう効果が上がっているというふうに聞いております。
なかなか具体的なところが難しいみたいですけれども、今おっしゃったとおり、トータル費用、ライフサイクルコストに基づいた抑制と、いわゆるVMFの最大化、支出の平準化、また、将来発生するかもしれない追加負担リスクの回避、分散ができるなどのメリットがPFIにはあるというふうに言われておりまして、平成23年にPFI法も改正されまして、対象施設が拡大し、インフラ資産の整備更新から維持管理まで積極的な活用が見込まれるようになりました。
これまで全国でも400以上のPFIの実績がありまして、成功事例もあれば、それほどでもなかった事例もあるというふうに言われておりますけれども、今後、区は研究をしていくということですけれども、PFIの活用に関しても改めて研究をする必要もあると思いますけれども、いかがでしょうか。
PFI事業ですけれども、私が申し上げるまでもなく、民間の資金やノウハウを活用して公共施設の建設、運営のコスト削減を図るとともに、サービスの向上、質的な充実を図っていくということで、1つのPPPというんでしょうか、有効な活用手法の1つだというふうに考えています。
国でも進めていくということのようです。杉並でも、過去3例ございました。これを導入していくポイントといいますか、かぎは、やはりPFI事業を活用していくことが最も望ましい、そういう公共施設の整備というか運営、それがあるかどうかということの見きわめだと思うんですね。基本はコストの削減とサービスの向上ということで、さらに言えば、雇用の確保とか地域へのいろいろな配慮とか、そういう地域社会への視点ということも今後考えていかなきゃならない視点かと思います。
他の事例のことをご指摘いただきましたけれども、そういった事例なども情報収集しつつ、国のほうでも自治体への支援の仕組みというのはできているということで、専門家の派遣とか、そういったことも聞いておりますので、そういったことも含めまして動向等には十分注視しながら、PFIの活用についても今後研究してまいりたいというふうに考えております。
PFIやりなさいという意味じゃなくて、PFIも一例ですけれども、起債1つとっても、従来コーポレート・ファイナンス型で起債をしておりますけれども、ノンリコース型ということでレベニュー債とか、さまざまこれから資金管理に関しては新しい方法論というのが、外国の事例も含めてあるんですね。今、施設の再編整備をやっていますし、また、これからインフラ資産の管理もしていきます。
と同時に、こういった資金調達のあり方ということもしっかりと、ベストは何かということを常に研究していく体制というのは必要だと思いますけれども、もう一度、政策経営部長、お願いします。
公共施設の整備、インフラ資産の更新、これに当たって財源をどう調達していくかということですね、これは非常に大きな課題というふうに思っています。今コーポレート・ファイナンスとかノンリコース型とかというお話がありましたけれども、それぞれいろいろな性格とか特徴とか効果、課題も多分あるんじゃないかと思いますけれども、我々官の立場からいえば、やはり財源問題は、今施設再編整備計画とかやっていますけれども、避けて通れないというか切り離せない問題。官の立場からいえば、できるだけ財政の負担は軽減していきたい、将来の負担の増というのも回避していきたいということです。そのために、どんな事業スキーム、あるいは財源調達の方法がベストなのか、あるいは民の資本とかノウハウをどう入れていったらいいのかということは、今後しっかりと研究してまいりたいというふうに思います。
副区長による財政運営の総括
最後に、今の一連のやりとりを聞かれまして、松沼副区長、総括的な感想をお聞かせいただきたいと思います。
いろいろなことをご存じで、いろいろ発言が多岐にわたりまして、私もついていくのがやっとということでございまして。
資金調達でいろいろなことを今までやってきました。個人公募債といいますか、杉苗債とかやってきて。ただ、なかなか、打つ手というのがそれほど多くの選択肢がなくて、PFIというのはありました。PFIもいろいろな議論があって、いろいろ皆様方にも評価されたり、あるいはお叱りを受けたりといろいろなことがございましたけれども、それも1つのやり方、調達法だと思います。
あの当時と比べて、法整備も含めまして、それぞれ改善すべきことは改善されてきつつあるんじゃないかなと思いますので、改めて今後のことを考えれば、今、施設再編ということは大きなプロジェクトであり、1つの全体を見渡す計画でございますけれども、そういう中で個別具体的に、じゃこれをどうするんだ、この施設はどうするんだというときに、さまざまな手法というのは検討しなくちゃいけない。そういう点で、中村委員のお話を聞きながら、改めてこれはみんなで勉強しなくちゃいかんなということを感じておるところでございます。