平成21年9月30日 決算特別委員会

財政指標の分析と経常収支比率の評価

中村 康弘

まず財政指標について、区政経営報告書について、新公会計制度について、減税自治体構想についてです。
 まず、財政指標についてお伺いいたします。先ほど渡辺委員のほうからもるるありましたけれども、もう少し具体的にお聞かせいただきたいと思います。
 まず、従来のフローの指標に関して、今年度も、平成17年度ぐらいからですか、望ましい、もしくはそれ以上の結果を残しておりますけれども、ただ1点、経常収支比率に関しては、18年度を底に、19年度、20年度と上昇傾向にあります。先ほども話が出たとおりですが、この上昇傾向ということについてどのように分析をされているのか。
 また、一般的に70から80%が適正値と言われておりますけれども、20年度は79.5で、言ってみれば上限いっぱいになってしまった、このことについてどう考えているのでしょうか、お聞かせください。

財政課長

確かに、ここ数年、80%以下は確保しているとはいえ、上がってきてございます。これについて、私どもの分析では、特に今年度については、財政調整交付金の減少であるとかあるいは区民税の減少であるとかということで、言ってみれば分母の減がかなり大きかった。分子の部分についても、経常的な経費の削減に努めてきたわけですけれども、人件費等は削減が進んでいるわけですけれども、歳入部分が減ってきたということで、分母分子の関係で、残念ながら少し、2ポイントほど上がってしまったというようなことでございます。今後、いわゆる経常経費の削減というものに努めていくべきというように考えてございます。

中村 康弘

今、分母のお話がございましたけれども、ただ、19年度、20年度に関しては、特別区全体の数値よりも杉並区が高いといいますか、状況的には悪いということに関しては、分母はある程度同じトレンドじゃないかなと思うんですけれども、特に杉並区が特別区全体よりも下回っているということに関しては、どういう観点があるんでしょうか。

財政課長

私ども、他区との違いを少し見てみたんですけれども、実は収入の部分において、23区のうち2区だけ、私どもともう1つの区が特別区税が減少してございます。そういったこと。それから、他区との比較をすると、分子のほうになりますけれども、私ども物件費の比率が他区よりも少し高かった。これは廃プラスチックとかペットボトルの全域回収なんかをやってきたというようなことに伴うものだと思っておりますが、そういったことで、23区の平均より少しポイントが上がったというふうに考えてございます。

中村 康弘

先ほどもお話が出たんですが、スマートすぎなみ計画、第4次行財政改革実施プランで、平成22年度までに80%以下というのが1つと、もう1つは、区債の残高を23年度までにゼロという目標を立てられております。
 まず、区債の償還状況について確認させていただきたいと思うんですけれども、今議会で、総務財政委員会で21年度の補正第3号が上程されておりまして、21年度に関しても34.7億の教育債の繰り上げ償還を予定しております。20年度末では245億円の区債残高でしたけれども、今後、21年度、22年度、23年度、それぞれ区債の償還計画を、もしわかれば、元金と利子分それぞれ幾らぐらい予定されているのか、お聞かせください。

財政課長

すみません、今元金と利子分に分けてお答えできないんですけれども、今現在、今回補正で繰り上げ償還を出しましたので、残高は179億になります。来年度、22年度末は、これを80億以下に持っていきたいというふうに思ってございます。それから、最終年度、23年度の目標が、23年度末残高ゼロということですので、それに相応した来年度、再来年度の償還の計画を今後立てていくというふうに考えてございます。

中村 康弘

21年度に関しては、公債費、元金66億で、合わせて79.5億、22年度に関しては元金だけでも100億前後ですね。23年度で80億前後、これが段階的に減っていくということなんですけれども、先ほどお話もあったとおり、区政を取り巻く環境としては、分母が非常に厳しいという状況が、これから特に特別区税に関してはそういう状況が見受けられる中、そのようなことでこの2年間で、もしくはこの3年間で区債の残高ゼロという目標と、一方でまた経常収支比率を80%という、今の段階で79.5%なんですけれども、これを同時に達成するというのは、ちょっと考えても結構大変なのかなというふうに考えます。まさに正念場に来ているんじゃないかなと思うんですけれども、今後数年間の行財政プラン、第4次プランにおける財政的な数値目標の達成に向けて、区としては率直にどういうふうに認識しているのか、また今どういうふうな意気込みでいらっしゃるのか、お聞かせください。

財政課長

確かに、先ほど景気の今後の見通しの話も出ましたけれども、非常に税収等も厳しくなってくるという中で、今委員おっしゃった、両方の目標値を達成していくということは非常に難しいと思います。
 ただ、私ども、これまでも続けてきました行革をさらに継続して進めていくというようなこと、それから、もちろん基金の活用等も含めて、それから、当然のことで歳入の確保に努めるということで、何としても計画に沿ってやっていきたい、万全の力を発揮していきたいというふうに思ってございます。

中村 康弘

大変だと思うんですけれども、しっかりと我々も応援していきたいと思っています。
 その中で、22年度、23年度で建設事業債の繰り上げ償還という形になるわけですね。総財でもちょっとお聞きしたんですけれども、この繰り上げ償還を行うことによって区民にとってどういう利点があるのか、それは率直にどうですか。

財政課長

これは、一言で言えば、そのまま満期までずっと数年にわたって返済をしていくというよりも、ここで一括返還をしますので、補償金という形で幾分か相手方に払うということはございますが、その分の財政効果はその差として出てくるということでございます。現に19年、20年のところでございますが、減税補てん債は2年続けて繰り上げ償還を進めたわけでございますけれども、そこでの財政効果も2年で15億ほど出ているということでございますので、今回どのぐらい出てくるかというのは今後の事務の折衝のことになりますけれども、そういったものが出て、それが行く行く区民のために回っていくというふうに考えてございます。

中村 康弘

2年で15億は大きいですよね、これは財政効果ですから。普通に返していたら15億多く払わなきゃいけなかったものが。現在価値とはまた違うんでしょうけれども。
 その上でもう少し、これから2年間、3年間、さっき言ったような大変厳しい財政運営をしつつも区債の繰り上げ償還を行っていく、これのメリットというものを、総財でもちょっとお話しさせていただいたんですけれども、もう少しクローズアップしてアピールというか、理解できるような形にしたほうがいいんじゃないかと私は思っております。
 正直、この間、副区長のご答弁で、補償金の問題と利子を償還どおり払うという中で、計算式というところがまだいま一つ、10年物の国債の利率で割り戻ししていくというふうなお話がありましたけれども、その辺に関して、数字がひとり歩きしてもしようがないんですけれども、今までの過去2年間で15億、この2年間、3年間ではどの辺の財政効果があるというふうなざっくり計算というのはあるんでしょうか。数字的なものというのはあるんでしょうか。

財政課長

具体の数字は申し上げられませんけれども、この前、総財でお話をしたとおり、貸し手側は、私どもが元金を返しますとそれを、国債等というふうに聞いておりますけれども、それで運用して、その残期間での得られる利益を計算してくる。最終、満期までの利息分から、その分は貸し手側が稼げる利益でございますので、その差を補償金として支払う、そういうような計算式がございます。私ども、これから来年、再来年と返していく中で、金利の関係もございますけれども、そういったことで一定額の財政効果をねらって、計画どおりに償還をしていきたいというふうに思ってございます。

中村 康弘

ぜひよろしくお願いします。
 かなり先の話になるんですけれども、例えば23年度で区債残高をゼロにしましたと。その後、区債の発行というものに関してはどういうお考えなんでしょうか。

財政課長

地方財政の基本的な運営の基本方針でも、区債は発行しないで運営をするということがもちろんございますけれども、私ども、基本的には区債は発行していかないということで考えてございます。ただ、未来永劫、建設債等を発行しないのかどうかということについては、これからの時々の経済状況等も見ながら考えていくということでございます。

減税自治体構想と区政経営報告書の変更点

中村 康弘

当然、減税補てん債という赤字区債は基本的にやらないということで理解できるんですけれども、建設債に関しては、1つの見方からすると、例えば区有施設等を世代間にわたって平等に受益をして負担もしていく、そういうふうな公平性という部分もあるという意見もあります。その辺に関してはこれから必要に応じて検討していくということなんですけれども、これからは会計制度も変わりましたので、世代間にわたる公平性という部分もこれからの大きな、その意味での減税自治体構想だと思いますので、その辺に関してもしっかりとポリシーを、どういうふうに進めていくのかというところも整理をしてやっていただきたいなというふうに思っております。
 続いて、区政経営報告書に関してお聞きします。
 今回から区政経営報告書が作成されましたけれども、内容、形態等がこれまでと何が具体的に変更になったのか、改めて整理をしてご説明いただけますでしょうか。

会計課長

大きな点で申しますと、今までの決算説明書、それに財政白書だとか行政評価表だとか、そういったものが6分冊ぐらいで皆様方のほうにご提示されていると思います。それを一括して区政経営報告書にまとめたということが大きなところだと思います。

中村 康弘

6種類のが1つにまとまったということで、どのような意図でこういう変更を行ったのか。

会計課長

1つは、区民にわかりやすく財政状況を明らかにしようというところが主眼でございました。そういったところから始めたということと、それから、20年度に既に区政経営計画書というものが発行されておりますので、それと対比できるようにというところで心がけました。

中村 康弘

そうですね。説明に関しても、基本計画の体系をもとに6分野ごとに記載して、予算の経営計画があって、それに対する報告、そういうふうな形で整理されたと思います。この意図は、私も以前一般質問でもさせていただいたんですけれども、基本的に区としては、経営の中で長い視点で基本計画、実施計画というものがありまして、それに対比した形で今年度の予算、単年度の予算というのが経営計画書というのがあって、今回の報告書は、その予算に対して執行状況がどうだったのか、そういったことを一覧できるような、俯瞰できるような、そういう取り組みだ、工夫だというふうに理解しております。
 そういう意味では、予算と決算とを対比するということと、またそこに行政評価という、どう評価されるのかというところも織りまぜながら、経済性、有効性、効率性とかの観点から、この施策に関してはよくなっているのか、いい方向に向かっているのか、悪い方向にちょっと下落しているのか、そういったこと、また計画というところから見て、達成状況はどの程度今至っているのか、そういったところを一覧して、それを受けて、では、来年の予算はこの事業に関しては強化していきましょうとか、もしくはもうちょっと緩めてもいいんじゃないかとか、もしくは抜本的に見直す必要があるんじゃないかとか、そういった判断をしていく、決断をしていく、継続的、有機的に改善していくシステムだというふうにも思っておるんです。
 正直申し上げて、今回1冊に変わったというのはいいんですけれども、さっき言った予算という数字、決算というもの、また行政評価というもの、この辺がちょっと、要は、1冊になったというところはあるんですけれども、もうちょっと、1つにまとまった形ですぐに一覧できるような、俯瞰できるような、そういうふうな取り組みというのをしたほうが、さらにもともと持っている意図というものが実現できるんじゃないかなというのが正直な感想なんですけれども、その辺に関しては、この経営報告書に関しては、今後の課題といいますか、さらに改めるべきところというのはどの辺にあるというふうに考えていらっしゃいますか。

会計課長

ご指摘の点は重々……。我々、これを進めるに当たってチームをつくって検討してきました。まず、検討するに当たって全庁的な取り組みが大事だと思っていまして、そういう形で進めたんですが、つくった後、そういった今委員のご指摘も踏まえまして、今後ブラッシュアップするために、またさらにチームで検討していきたいと思います。

中村 康弘

毎回言いますけれども、PDCAというサイクルにのっとった上での改革だと思いますので、どうかそれが実効性が高まるような取り組みをさらに、これも継続的に改善していただきたい、そういうふうに要望いたします。

新公会計制度における財務書類4表の概要

中村 康弘

 次に、公会計制度についてご質問させていただきます。
 今回の経営報告書に、146ページから財務書類4表がいわゆる基準モデルによって公表されました。この財務書類4表、それぞれの意味するものについて、概要的で結構なので、今回第1回目でもありますので、改めて説明いただけますでしょうか。

会計課長

財務書類4表というのは、新公会計制度でこういったものを公表しなさいというような、そういうことで始めたんですが、一般的には、貸借対照表、いわゆる貸方、借方というところの対比、それから、一般企業では損益計算書と言われているようなものを行政コストという形で見ていくPL、行政コスト計算書、それから、今まであったキャッシュフローという1年間のお金の流れを、これは資金収支計算書として提示しまして、それぞれ純資産がどういうふうに移ったのかというようなところで、純資産変動計算書、これが初めて公表されたというところでございます。

中村 康弘

発生主義のバランスシート等に関しては、これまでも区は財政白書等で作成してきましたけれども、さっき言った4表のうちの3表に関しては、一応と言ったらおかしいですけれども、作成をしてきました。これまでのそういった書類と、今回基準モデルというもので作成されたもの、根本的に何が違うんでしょうか。数字もかなり違ってきていますけれども。

会計課長

私どもは、新公会計制度導入に当たりまして、幾つかの指標の仕方というか、当区の場合は基準モデルというのを採用しまして公表したわけですが、今まで決算統計をベースにやっていたものが、それは国のほうに、総務省に出す、財政状況から割り出してくるわけですが、今般は、伝票会計といって、それぞれの表からこういった形でつくったというところが大きな違いですね。ですから、くくり方がちょっと変わっているというところでございます。

中村 康弘

今回の作成に当たって、どのような点で一番苦労がありましたか。

会計課長

苦労というか今後の課題になりますが、とりあえず開始の形で始めたものでございます。この中には、区のほうからお金が出ていっている、例えば清掃一部事務組合だとか特別区人事・厚生組合だとか、そういったところの部分が現在ようやっと公表されたという時期がございまして、それとの連結ができてないというところが1つございます。今後そういったところをどうするのかというのが課題です。
 それから、分析についても、いわゆるつくることにとりあえず主眼を置きましてやったというところで、それぞれの指標を出したわけですが、これをさらに深めるためには分析をしていかなきゃならないと思います。今後、それをシステム化して、それをセグメント別なんかにできるような形でやっていきたいなと思っております。

公会計制度における一部事務組合等の連結範囲

中村 康弘

今回は、一部事務組合とか広域連合については、本来であれば、考え方としては連結の中で含めるべきであるが、タイミング等の関係で間に合わなかったというふうなところで、その辺に関しては杉並区単体で努力してできる話でもないと思うんですけれども、例えば特別区のそういう会合とかさまざま、国レベルもそうかもしれませんが、今後そういったところを改めていく動きといいますか、そういうのは今具体的にあるんでしょうか。

会計課長

現在、財政課長会というのがありまして、そこで杉並区のほうから発言をして、隣の財政課長さんにご協力いただいて、団体に対していろいろお話をしたんですが、その団体が今基準モデルではないし、いわゆる旧総務省方式であったりとか独自方式であったりとか、そういったところがございます。それを連結するためには、それなりの工夫といいますか、その辺をしなくちゃならないので、今後それをさらに詰めるには、区のほうからできるだけご協力をお願いしたいということを申し上げていかなきゃいけないのかなと思っております。
 それから、23区の中でこの基準モデルを採用しようと言ったところは数区ございますが、この時期に公表したのは杉並区が初めてなんです。ですから、他の団体との比較がちょっとできないというところは現状ございます。

中村 康弘

基準モデルの件で、ほかの区はちなみに具体的にどこなのかということと、他の区はいつごろ公表する予定なんですか。

会計課長

私どもでとらえているのは、足立区さんとか葛飾区さんとかいうところが始めようという動きがございますが、この時期に間に合わないというところで、年度末か年末あたりに公表できればというところで、特に葛飾区さんは、まずシステムを導入して、そこから始めようというようなところで今進めていると聞いております。

中村 康弘

そういう意味では、基準モデルをつくって、なおかつ、今年度、決算のタイミングで公表したのは杉並区だけなんですか。

会計課長

23区では当区だけでございます。

中村 康弘

他の自治体だと先行して取り組んでいたところもありますから、そういう意味では非常によく、お疲れさまでございました。
 今システムの話もございましたけれども、今回の作成に関してはシステムは利用されなかったのか、また、今後システムに関してはどういうふうに計画されているのか、その辺に関してお聞かせください。

会計課長

今年度、この公表に当たりましては、いわゆる公認会計士さんだとか、そういったところにご支援をいただいて、手処理で行ってきたというところが現状です。今後システム化するに当たって、現在、プロポーザルで公募をかけている最中でございまして、幾つか上がってきましたら、業者の選定を行ってシステムの導入を図って、年度末までには完成というふうにしていきたいと思っております。

中村 康弘

実際運用されるのは22年度からかなという感じですね。
 今、会計課長のほうからは、先ほどのご答弁で、いかにこれを活用して有意義なものにしていくかというところが今後の課題だというふうにおっしゃられたんですけれども、財政という角度からちょっとお聞きしたいんですけれども、実は今回の監査意見書にも、この財務書類4表が作成されたことに関して、区の資産や債務の状況、行政コストなどをわかりやすく、より正確に記述するものであり、区民に対する説明責任を果たし、区政の透明性を高める重要な一歩である、そして、今後の行財政運営に当たっての活用を期待したいというふうにも意見が出されておりますけれども、区といいますか、財政当局としては、この財務書類4表に関しては、今後どういうふうな形で活用していきたいとお考えでしょうか。

財政課長

委員ご指摘のとおり、あるいは監査の意見のとおりなんですけれども、私どもも、今回、この区政経営報告書の中にそういったものが出てきたということで、多角的にというか立体的に見るといったようなところを分析しながら、いわゆるPDCAサイクルで、最終的には、財務諸表についてもそうですし、あるいは行政評価、決算等も含めて、こういった今回の改革を、決算、行政評価、予算というPDCAの中で来年度の予算に反映していくような、そういったことで活用を展開していきたいというふうに思ってございます。

中村 康弘

よろしくお願いします。
 例えば、それ以外にも、熊本県宇城市でも施設白書に数字も入れながら今後の施設の長期的な計画というものを書かれたりとか、さっき課長のほうからご答弁がございましたけれども、部門別にバランスシートをつくるとか、いろいろな部分で今後活用できるのかなというふうにも思います。私もしっかり勉強していきたいと思っておりますので、ぜひその辺に関しては研究していただきたいと思います。
 その点に関してあわせてお聞きしたいんですけれども、健全化法が今回から正式に施行されているわけなんですけれども、見る限り、健全化法の基準と、我々の杉並区においてはかなりかけ離れているのかなというふうに思います。健全化法の基準に達する達しないというか、そういうレベルのことで云々している状況じゃないというふうにも思いますけれども、そういう意味におきましては、多治見市で、以前ご紹介させていただきましたけれども、フローだけじゃなくてストックのそういった財政指標も独自に検討して、そういったものを1つの財政健全化のための判断基準としていく、そういうふうな取り組みをしている自治体もございますけれども、そういったことに関しては、財務書類の活用も含めて、区としては新たな財政指標をどういうふうに考えていらっしゃいますか。

政策経営部長

いろいろ、この間の区政経営報告書、それから財務諸表のお話がございました。一番のポイントは、区民から見て今の区の財政状況はどうなのかというのをいかにわかりやすくしていくかということ、それをいかに区のこれからの経営に生かしていくのかということだと思います。区民1人当たりで申しますと、今回の財務諸表でいきますと、資産が274万円、借金が16万円ということで、それから純資産は258万円とかありますけれども、それが全体で見てどうなのか、それから経年的にどういうふうに変化しているのかということを区民の皆さんにわかりやすく、今回財務諸表をやって、さらに区政経営報告書という形でトータルでまとめたものをいかにわかりやすくしていくのか、そういった工夫を今後考えていきたい、かように考えてございます。

中村 康弘

ぜひよろしくお願いします。
 今部長のほうからもありましたけれども、純資産比率が94%ということで、非常に杉並区としてはすごい状況じゃないかなというふうに思っております。それに絡めて、減税自治体構想についてお聞きしたいと思いますけれども、総論に関しては以前もお話ししましたし、大事なのは、これから各論、制度設計をどういうふうにしていくのかというところがまだまだ不明な点が、前回予算でも質問させていただきましたけれども、まだこれからという部分が多いのかなというふうに思います。議論をさらに深める意味でも、今回も幾つか質問させていただきたいと思います。
 まず、大前提として、現在の区民の負担、犠牲の上に将来の減税をするものではないというふうな基本方針というのは確認をさせていただきましたけれども、要は、それをどう担保していくのかというところの仕組みづくりが大変になってくるんじゃないかなと思います。個々の議論をしていくと切りがないと思いますので、客観的に、相対的に、区は、将来の負担というものと現在の負担というものをどういうふうにバランスをとっているのか。そういう意味では、さっきのバランスシートなんかもこれから活用していくべきじゃないかなというふうに思いますけれども、その辺に関しては前回若干お聞きしたんですけれども、改めて今回においても、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

政策経営部副参事(白垣)

委員ご指摘のように、減税自治体構想を実行していく上では、現在のサービスの確保、充実と、それから将来への投資ということのバランスをきちんと図っていくことが非常に大事だと思います。そのバランスが図れているかどうかということを区民にわかりやすく説明、開示していくことがそのためには重要だと思います。例えば、今ほどご議論がありました区政経営報告書、これもこの一環だと思いますが、一方で積み立てを行いつつ、他方で区の施策、主要な事務事業については、成果に向かって、目標に向かって向上しているのかどうか、そういう個々の指標を示すことによって、積み立てはやっているけれども個々のサービスも伸びているよと、また、ベンチマークを使って、他の自治体との相対性において杉並区はどうなのかということもあわせてお示ししていくことが納得性につながっていくものと思います。そういうことで、現在のサービスの充実も図っている、他方で将来に向けての投資もしているということを一体的に示していくことが必要だというふうに考えてございます。

中村 康弘

ぜひ、その辺の透明性と仕組みづくり、公平性の観点からしっかりとしたものを開発していただきたいと思っております。
 ちょっと突っ込んだ話になるんですけれども、積み立てという部分と減税という部分でお聞きしたいんです。
 今後、さっきの経常収支比率も実質収支比率もそうなんですけれども、健全な財政運営を維持しながら減税自治体構想を進めていくということが大前提だと思うんですが、今年度においても実質収支比率が5%を上回っておりまして、今後も、健全ということであれば3%から5%ぐらいを維持しながら、金額にすると、1,500億円の予算だとすると大体60億とか70億とか、その辺の歳計余剰が発生したとして、自治法の233条の2で、決算剰余金に関しては、翌年度の歳入に編入するか、条例や議決によって全部または一部を翌年度に繰り越さないで基金に編入することができるというのが1つありまして、また地方財政法7条では、決算剰余金の2分の1を下らない金額を、剰余金を生じた翌々年度までに積み立てまたは償還期限を繰り上げて行う地方債の償還の財源に充てなければならないというふうにあります。財政の健全な状況を保った、また区債は基本的に発行しない、そういうふうになってくると、今の法律からいって基金に積み立てていく、剰余金に関してはそういうふうになるのかなと。最低2分の1ですから、例えば30億とか数十億が積み立てられる。150億を仮に積み立てたとして、さらにそれにプラス積み立てるというふうな形になるのかどうか、その辺に関してはどういうお考えなんでしょうか。

政策経営部副参事(白垣)

法令の状況については委員が今ご指摘されたとおりでございまして、その辺を含めまして、積立額の算出方法また積み立ての方法、どういう形で当初予算、補正予算を使って積み立てていくのか、また、その際に財調基金や他の基金とのバランスをどのようにとっていくのか、まさにそこが今の喫緊の課題でありまして、そういうことも含めて今後早急に検討を詰めて、仕組みの中でお示ししてまいりたいというふうに思ってございます。

中村 康弘

積立金の運用に関してお聞きします。
 これも自治法で、235条の4で、地方公共団体の歳入歳出に関する現金は、最も確実かつ有利な方法によりこれを保管しなければならないと、一見二律背反するような命題が課せられているわけですけれども、これまでのご答弁等では、現段階では基本的には10年物の国債での運用を基本としていくと。ただ、将来的には、分散型の投資も含めて金融の専門家の登用も考えていくというふうな趣旨のご答弁があったと思いますけれども、確実性と有利性、このバランスについてはどのような基本原則を考えているんでしょうか。

政策経営部副参事(白垣)

確かに、一見二律背反的な命題ではございますけれども、私どもとしては、基本的には日本国債を中心とした公共債によって運用してまいりたいというふうに考えてございます。その中で、日本国債でも10年物、20年物ございますので、それをどのようなポートフォリオでやっていくのかということにつきましては、委員もご指摘ございましたように、今後金融の専門家の登用なども視野に入れて検討していますので、そういう中で、専門家の助言などを受けながら、最も確実かつ有利な方法を探ってまいりたいというふうに考えてございます。

中村 康弘

運用の技術に関しては専門家の力もかりることになると思うんですけれども、前回もお話ししましたけれども、基本的な理念といいますか哲学という部分に関しては、積立金をどういうふうに位置づけるかということも1つ大きな問題じゃないかなと。これまでの答弁では、2つの側面があると。1つは運用益の原資としての積立基金の性格もあれば、災害等にも対応する運用・調整基金的な性格も両方あわせ持つということですけれども、これを具体的に、先ほどおっしゃったようにポートフォリオに反映させるには、例えば2段階で、2種類で金額を設定して運用していくのか、その辺に関してはどういうふうな今計画、ちょっと具体的なんですけれども、どういうふうな考え方を持っていらっしゃるんでしょうか。

政策経営部副参事(白垣)

確かに、この基金の目的は大きく2つあろうかと思います。将来の減税、またその減税の規模の拡大ということに向けて、基本的には一定期間は積み立てていくという積立基金の性格、それから、そうはいっても、万が一大規模災害等の不測の事態が起こったときにはダムの門を開門して流すというような財政調整的な性格と2つございますので、その辺のバランスをまさに図りながら、20年国債1本でいけば、その間に何かあったときに、ダムの水をあけたときに損失をこうむるということも十分考えられますので、その辺のバランスを十分に図りながら、どういうポートフォリオがいいのかということを今後研究してまいりたいというふうに考えてございます。