本年度予算編成における財政運営の考え方
財政運営、区債と基金について伺います。使う資料は、区政経営計画書と27年度の決算の財務書類と、いただいている資料が、020、021、022、023、111、391、以上です。
まず、午前中も質疑がありましたけれども、改めて私のほうからも、本年度予算編成における基本的な財政運営の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
29年度の予算編成に当たっての考え方でございますけれども、29年度につきましては、改定いたしました実行計画事業を確実に予算に反映させるとともに、歳入に関しては、交付金の大幅減など厳しい状況の中にあっても、保育定員の確保ですとか学校の老朽改築など、今必要とする事業に予算措置を行う一方、必要な経費を精査して、財政の健全化を維持したということでございます。
区財政の運営につきましては、私もこれまでも折々に、事前統制的な仕組み、あるいは仕様の見直し等について問題提起をさまざまさせていただいたことがあります。それに対して区からは、総合計画の改定のタイミングに合わせて検討していくというふうな考えが示されているところであります。
現行の5大ルールを初めとする区の財政運営のシステムあるいはルールについて、現状、何が課題かというふうに認識しているでしょうか。
この間、委員を初め、さまざま御指摘いただいておりますけれども、やはり単体の指標だけでは状況がわかりにくいということと、また、その中でも経常収支比率などによりましては、景気の動向に左右されやすく、自律的な対処がなかなか今難しくなっているようなこと。また、今のルールですと、単年度、ことしの予算をどうこうということはできるんですけれども、ある程度長期的な視点での区財政の健全性をあらわすものになっていない、そういったものが課題かなと考えてございます。
財政運営は、指標も大事なんですけれども、初めに指標ありきではなくして、どのように財政状況を分析して、それをマネージしていくのかという理論的なフレームワークを明確にして、それを説明あるいは実行するためのものとして、どういった指標が採用できるのかということを検討するべきであると考えます。したがって、まずはしっかりとした理論的なフレームワークを固める、あるいは明確化することが重要であると思いますが、所見を伺います。
明確なフレームワークという、なかなか難しいお答えになりますけれども、まず、しっかりとしたフレームワークを構築するためには、一定程度、将来にわたる財政負担を把握した上で、突発的な経済変動にも対応できる安定的、継続的な行政サービスを提供していくための財源の見通しを立てて、これに対する財政のダムというべき基金の確保と、また歳出額の設定等を行っていく必要があるのかなというふうに考えてございます。
今の答弁にちょっと重ねるような聞き方になるんですけれども、区が考える健全な財政というのはどういった状況なのか。今挙げられたことが達成したということなのかわからないですけれども、改めて、できるだけ具体的に、どういった状態が健全なのかというのをお聞かせいただけますか。
具体的にといいますか、短くなるかもしれないんですけれども、ちょっと繰り返しにもなるんですけれども、単年度だけでなく、やはり複数年を見据えまして、必要な行政サービスを安定的、継続的に提供できる財源を確保した財政運営を行っていることというふうに捉えております。
私個人の意見を述べさせていただきますと、簡単に言うと、資金繰りに問題がない状態、これは現金主義の観点から、あと債務の償還能力に問題がない、これは発生主義の観点から、この両方の点から見て、最終的にはこの2つに集約されるんじゃないかというふうに思えます。それらの観点を、単年度と、特に償還能力については中長期という2つの時間軸で捉えて管理運営していくことが財政運営の基準となるというふうに考えますけれども、区の所見をお聞かせください。
御指摘のとおり、短期、中長期で把握していくというのが重要でございますので、まず、御指摘いただきました、単年度だけではなくて中長期の財源の確保を図った上で、資金繰りに困るほどの過度な支出増を避けて、借金たる起債額が大き過ぎる、債務の償還ができなくなるような事態に陥らない状況にあるということは、すなわち、財政は健全であると言えるのかなと思ってございます。
単年度における資金繰りの確保という点については、一番わかりやすいのが、形式収支あるいは実質収支の黒字化が維持されている状況であるというふうに思います。本区ではこれまで、私が調べた限りでは、過去にかなりさかのぼっても、70億円程度の毎年の形式収支あるいは実質収支の黒字化が続けられておりまして、現行の実行計画や予算編成のシステム、そういうシステムが、統制がきいているというふうにも言えると思います。
ただ、問題は、午前中もありましたけれども、これから将来もこの状態が維持できるのかどうかというところにあると思います。この収支額の黒字額の大幅な減少や、あるいは赤字に転ずることになるというリスクはどのような場合があり得るのか、その辺に関してはいかがでしょう。
いわゆる形式収支のものですと、やはり急激な経済変動によりまして歳入が急に落ち込んだ場合、また物価等の急な上昇等による過度な歳出が起こった場合、そういった片方に偏った場合には減っていくというような形で考えてございます。
まさしく急激というところが1つ大きな、そういった要因になるというふうに思います。
そういった急激に変化が起きたとしても、形式収支あるいは実質収支の増減を調整するものとして財政調整基金があるわけであります。これは単年度の資金繰りと中長期の債務償還能力の両方に関係してくるものでありまして、29年度予算では、財政調整基金からの繰入額は46億円、これも午前中ありました。この取り崩し額は、資料111をつくっていただきましたけれども、リーマンショック、そして東日本大震災と続いた平成22年度からの4年間のころと同等のレベルまで大きな額であります。改めて、今回の46億円の取り崩しの額で対応するということについて、区の所見をお聞かせいただきたいと思います。
リーマンショックの際には、かなり急激な景気の落ち込みということでございましたけれども、今回に関しましては、リーマンショック級の景気悪化による歳入減ではなくて、景気は緩やかながらも回復基調にあるという中で、やはり扶助費ですとか老朽改築需要の増大といった必要経費の押し上げによる基金の繰り入れをしているということで、この状況は、単年度だけではなくて、ここ複数年継続する可能性があると見ておりますので、これにいつ景気の悪化が加わるかもわからないということで、なかなか厳しい状況にあるというふうに考えてございます。
財政調整基金は、文字どおり、読んで字のごとく、年度間の収支バランスを埋める役割を担うわけでありますけれども、今引用した資料111では、一般財源の歳入の前年度からの増減、どれだけふえたか減ったか、財政調整基金はそれに対応して取り崩しをどれだけ行ったかという状況を、過去10年間にさかのぼって履歴をまとめていただきました。
これによりますと、一般財源は平成19年度から4年間連続して下落し、このときは、4年間の下落額の合計額が154億円下がった。特に21年度は都区財調の交付金が前年から73億円も下落して、それを受けて、翌年の22年度から4年間、毎年50億円程度、合計で208億円の財政調整基金の取り崩しを行ったというふうな経験をしております。このときの財政調整基金が果たした役割について、区はどのように評価しておりますか。
確かにこの当時、区税も40億程度の落ち込みがあり、厳しい状況の中で、もしこの財政調整基金がなければ、例えば実行計画事業を初め、必要な行政サービスの提供に支障が出ていた可能性もございますので、そういった中で行政の安定的、継続的な運営を行うことができたということに関しましては、非常に大きなものであったというふうに認識しております。
今回つくっていただいた111番という資料は、過去10年間さかのぼってきました。これを、今回お願いしなかったんですけれども、30年ぐらいさかのぼって、年度間の収支バランスと財政調整基金を使用した履歴を分析することによって、どの程度の財政調整基金が最低限必要なのかということ、それに将来の歳入減と歳出増の要素を加味することにより、30年間のデータから、これぐらいあれば大丈夫だろうというレベルを理論的に導き出せるのではないかと考えますが、区の所見はいかがでしょうか。
確かに、長く見ればそういう把握もできるのかなというところではあるんですけれども、一方で、10年スパンでありますと、予算規模の変化、200億円程度なんですけれども、これが20年だと400億、30年だと700億近く予算規模が違うという中で、その中で単純な比較はなかなか難しいのかなというのは若干あるところですけれども、ただ、そういった中でも、いっとき19億円ぐらいまでに減少した時期の予算編成はかなり厳しかったというようなところもありますので、トレンド的なものは見られると思います。ただ、一方で、財政調整基金は、財政のダムに向けた積立基金という位置づけも持っていますので、そういった意味では、その性質によって、経済変動のための財政調整基金の部分と、必要なダムにとっての財政調整基金とありますので、一概に今なかなか言えないのかなというところでございます。
確かに年度間によって予算変わりますので、例えば標準財政規模に対するパーセンテージとか、そういったことも可能かなと思います。今おっしゃったとおり、運用という角度も、今こういう時代じゃないので、私、その辺言わなかったんですけれども、確かにそういうこともあると思いますけれども、そういったことも研究の材料になるのかなというふうに思います。
区債の発行状況と残高の推移
次に、区債の発行状況について伺います。
まず、29年度起債予定額とその結果の残高について、改めて御説明をいただきたいと思います。残高の推移については、過去5年間についてお聞かせいただきたいと思います。
とりあえず予定額といたしましては、29年度53億円で、これを踏まえますと、残高が306億2,403万円ほどとなる予定でございます。24年から順に、190億円、208億円、231億円、220億円、281億円、そして29年度の306億円となってございます。
29年度の区債発行予定の起債活動の基準の概要、主な目的別の金額、引受先、見込んでいるそれぞれの金利等、概要を御説明いただきたいと思います。
まず、29年度の起債に関しましては、具体的に借りるのが30年の4月か5月になりますので、なかなかまだ金利のほうの見込みは難しいところでございますけれども、重立ったところでは、天沼三丁目複合施設関係で21億円、こちらは市中銀行を対象に考えてございます。柏の宮公園の拡張用地につきましても12億2,000万円ほどで、こちらにつきましては、財政融資、20年物を充てられるのかなというふうに考えてございます。桃二小の小学校改築につきましても5億8,000万円ほどでございまして、こちらも学校ですので、財政融資、25年物を充てられるのかなということで、金利動向につきましては、おおむね現時点では0.1から0.5の間かなというような形で考えているところでございます。
資料021で5年間の起債実績がありますけれども、27年度から28年度にかけて、直近2年間ですね、市中銀行を引受先とする割合がふえております。この背景について御説明いただきたいのと、また、この状況は区の起債活動にどのような影響を及ぼしているのか、お聞かせください。
国のほうも基本的に民間のほうに資金を流すような方向にありますので、区がよく借りておりました財政融資資金につきましても、対象がかなり国の特定財源が充てられるものと限定されてきていることから、これまで保育所ですとか社会福祉施設が地方公共団体金融機構のほうに流れてきてございます。その関係でそちらもかなりふえているということで、借り入れ希望額の大幅な割り落としが行われる関係で、必然的に市中銀行、民間銀行のほうに流れている、そういった理由からなっておりますので、今後、ほかの自治体もやはり改築需要がかなりふえていくと思いますので、この傾向は続くのかなという考えでございます。それで、それに伴いまして、現時点で、民間の場合、5年、10年となっておりますので、そうすると、すぐさま公債費の負担が発生する、そういうことを考えてございます。
償還期間について、市中銀行は5年、10年と短いということでありますけれども、ただ、金融機関も、マイナス金利政策の影響で貸し出しによる規制が厳しくなっている関係上、少しでも利ざやを確保するため、償還年限の長い債券、とりわけ優良な貸出先である地方自治体に対して超長期債の発行を進めている傾向があると聞いたことがありますけれども、そういった傾向については、区は認識しているでしょうか。
こちらにつきましては、大変申しわけないんですけれども、基本的に特別区の場合、前回等もお話しいたしましたとおり、今、23区統一のルールを持ってございまして、金融機関、みずほ銀行1行に限定して、5年物と10年物で借りるというルールがある関係で、他の動向までこちらのほうで把握が不足してございましたが、言っていただきましたとおり、そういう傾向には当然なり得るのかなというふうに考えてございます。
あと、区債の繰り上げ償還については、29年度の予定の有無について、また理由についてもあわせてお聞かせください。
これまで区が借りております起債につきましては、財政融資資金を借りているものが多かったことから、繰り上げ償還をいたしますと、その見返りといたしまして保証金がかかることになっております。これにつきましては、金利が低い場合、あるいは償還期間が短い場合、ほとんど効果が出ないということで、公債費の減額という面ではありますけれども、逆に言えば、それは積んでいたほうがいいということもございますので、利率が低い段階では、繰り上げ償還は現時点では考えていないという状況でございます。
起債の残高が増加傾向にある中で、どこまで借金をしても大丈夫なのかという、午前中もリミッター云々という話もございましたけれども、債務に対しての償還能力について確認をさせていただきたいと思います。その際は、区債の残高だけではなくて、当然、償還する財源の保有状況もあわせて考えなければならないというふうに思います。
そこで、債務償還可能年数という指標がありますけれども、改めてこの指標の内容、意味の説明と、資料391番を用意していただきましたけれども、25年、26年、27年度の債務償還可能年数の実績をお示しいただきたいと思います。
債務償還可能年数につきましての指標の内容、意味でございますが、現在、指標として使われております実質公債費負担、こちらのほうがフローの形の負担率、現時点での負担ということ。また、将来負担率というものもございますけれども、こちらはストック、今の段階での公債費によって将来どれだけ負担を及ぼすかということなんですけれども、この2つの指標は連結しないというような、1つの、連結性のないというところが問題になってございます。それを補填するような形で考えられたものが債務償還可能年数ということで、現在の実質的な基金ですとか収入等によって、持っている債券を全額償還したらどのくらいの年数で返せるのかというような形の指標でございます。
25年からの状況でございますが、25年度におきましては3.4年、26年度につきましては2.6年、27年度につきましては1.9年で償還できるというふうになってございます。
今御説明がございました。債務の償還に対して資金不足に陥るおそれがあるのかどうかという、先ほどの2つ目の観点の部分なんですけれども、現在の区債の償還条件と関係してくると思います。
まず、地方債の償還年限に関する法律上の規定としては、地方財政法第5条の2で定められていると思いますが、改めて御説明をいただきたいと思います。
それは条文そのままという形になろうかと思うんですけれども、地方債の償還年限につきましては、当該地方債を財源として建設した公共施設または公用施設の耐用年数を超えないようにしなければならない、また、借りかえる場合も同様とするということで、施設の耐用年数を超えての償還期間は持ち得ない、そういうような内容でございます。
つまり、法律上は、固定資産の減価償却期間よりも先に借金は返し切らないといけませんよというふうな制約があるわけであります。しかし、実際の本区の償還期間はもっと短いです。公的なものでも、長くても25年、市中であれば、先ほどあったとおり5年とかもありますので、今回ちょっと資料請求できなかったので正確な数字はすぐに出ないとは思いますけれども、現在の区の発行済みの区債の平均償還年数、加重平均で結構なんですけれども、大体どの程度で返す程度の借金が今あるのか、その辺に関してはいかがでしょう。
29年度につきましては、先ほど申し上げましたように、市中銀行の比率が多くなってございますので、そういった意味からしますと、10年を切って大体9年ぐらい、5年物が多いので9年ぐらいかなというふうに考えているところでございます。
大体9年ぐらいと。それに対して、先ほどあった償還可能年数、財源の状況はというと、1.9年から3.4年なので、大体9年で返済しなければならない借金に対して、二、三年程度で返済できる財源を今区は持ち合わせているということであります。ということであれば、現在ではまだ償還能力には相当の余力があると言えなくもないんですけれども、区の認識はいかがでしょうか。
確かにこの数値だけを見ますとかなり低い状態でございますし、また、平成12年には起債残高942億円まで行っているというような状況もございますので、そういった点だけを考えますと、区政運営を実施してきておりますので、現時点の段階でいえば、余力があるとも言えるのかなというふうに考えております。
これはどんどん借金をもっとふやせという意味で言っているわけじゃないんですけれども、今おっしゃったとおり、これはあくまでも現状の数値でありまして、大事なのは、これから将来に対してもこういった状況が続くのかどうかというところであります。具体的にどういうことかというと、やはり施設再編整備というところがこれから大きなハードルになってきまして、それに伴い、将来の財政需要の見込みと、それに対して財源がこれからも確保できるのかという、その関係性をこれからどう見ていくかというところに関係してくると思います。
そこで、まず、施設整備基金について伺います。これも午前中質疑がありましたが、私からは、施設整備基金の積み立てをする、そういった活動をする際に、考慮というか検討すべき要素というか、どういうところを見ながら施設整備基金の運用管理をしているのか、その辺に関してどういったところか、お聞かせいただきたいと思います。
若干午前中の答弁と重なる部分がございますけれども、施設整備にはやはり多額の費用を要することになりますことから、一般的に、今現在、起債を活用することとしてございますが、起債には定められた充当率というのがございまして、これを超える分には充てることができません。このため、起債可能な部分を除いた残存部分がさらに多額になっている場合につきましては、一般財源で全てを賄うとなると、他の行政サービスに支障が生ずる可能性があるということから、こういうときにまさに繰り入れ、施設整備基金を充てて財政負担の平準化を図る、そういうふうに充てていきたいと考えてございます。
今課長が御説明されたのは、いわゆる起債の充当率というのは総務省で定められております。要するに、起債ができるのが事業費総額の、例えば施設によって、75%までしか起債できません、90%までできますとか、それぞれ種類によって違うというところでありますね。その残存部分、10%とか25%の部分を起債以外の資金で賄わなければならないというところが、施設整備基金の積み立てにも関係してくるというところであります。
そこで伺いますけれども、直近の実行計画に伴う今後3年間の施設整備事業の起債充当率以外、先ほどの残存部分ですね、財源需要額、これから3年間で、起債以外でどれだけの需要額があるのか、それに対して直近の施設整備基金の残高はどの程度か、お示しください。
こちらの実行計画上の3カ年の計画額では270億円余ございます。それで、先ほどの国や都の支出金ですとか起債予定額を除きますと111億円ぐらいございますので、今現在の施設整備基金51億円、そういうような状況になってございます。
ということは、今51億円あるんだけれども、3年間で270億円ぐらい必要ですということであれば、2割ぐらいを施設整備基金で今ためているというところであります。じゃ、それ以外の8割はどうするんだというところについては、先ほど来あるとおり、各年度の一般財源から補充するしかないわけでありまして、例えば、今3年間というと20%という数字が出てきましたけれども、ここでお聞きしたいんです。27年度決算の財務書類の資金収支計算書を見ていただきたいんですけれども、そこの経常的収支の過去5年間、23年度から27年度の黒字額は幾らで推移をしているんでしょうか。
四捨五入による億単位で申し上げます。23年度が52億円、24年度が86億円、25年度が98億円、26年度が102億円、27年度が119億円という形でございます。合計いたしますと457億ほどになります。
この金額が、いわゆるフリーキャッシュフローと言われる、FCFと呼びたいと思うんですけれども、これが基金以外から施設整備の投資経費に充てられる最大の額ですね。これに対して、同じ期間、23年度から27年度の5年間で固定資産形成に支出してきた金額を、同じく資金収支計算書より説明をいただきたい。これは合計もあわせてお聞かせいただきたいと思います。
では、資金収支計算書の固定資産形成支出でございますが、四捨五入の億単位で申し上げます。23年度が52億円、24年度が98億円、25年度が89億円、26年度が71億円、27年度が43億円、5年間計で353億円となってございます。
過去5年間の結果では、施設整備に回すお金が、年度によってはFCFを上回る年もありましたけれども、5年全体の期間で見ると、FCF、フリーキャッシュフローが457億円、それに対して、固定資産に費やしたお金が353億円なので、この5年間で見るとFCFが上回っておりまして、その余剰分が財政調整基金や減債基金等へ充てられたということであると思います。
こうした計画を、今、過去5年間で見ましたけれども、将来の5年あるいは10年という形で将来予測をもとに、1つの数値指標として運営をしていけば、FCFの金額と固定資産に充てるべき金額、それをしっかりと計画を立ててやっていけば、健全で事前統制的なシステムとなり得るのではないかと思いますが、所見を伺います。
確かに理論的には委員御指摘のとおりとは思いますけれども、このために将来予測を限りなく正確に行っていくことは、逆に言えば、5年先、10年先の歳入を含めた財政計画を正確に予測することに近いものなのかなと考えてございまして、現時点で実施していくにはかなり課題が多いと考えてございます。ただ、その辺につきましては、難しいから何もしないというわけにはいきませんので、こちらのほうでもいろいろ手法を講じて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
長期計画につきましては後で触れますけれども、将来の予測の実現性については、施設白書、先ほど来出ておりますデータと財政計画、特に公会計情報と連動した管理が必須となります。29年度は施設白書を更新する予定でありまして、以前、一般質問で私もこの点について伺った際、次の施設白書には公会計情報も組み入れていくとの答弁がありました。施設白書の財務情報と区の財政計画、財政運営とが連動した仕組みが大切と考えますが、所見と、現在の検討状況についてお聞かせください。
来年度作成いたします施設白書におきましては、経験豊富で専門的な知識を有します民間事業者に委託をして作成することとして、現在進めているところでございます。現在、詳細を詰めているところでございますが、統一的な基準によります公会計情報のうち、主に固定資産台帳から施設に関係する情報を活用して編集する予定でございます。また、将来的に施設別の行政コスト計算書によりますランニングコストなどを把握することなどができますと、具体的な財務情報の中から使用可能な情報を集約いたしまして、今後の財政計画等にも反映することができるものと考えてございます。
よろしくお願いします。会計課と所管課と財政課としっかりと連携して、こういったところも取り組みを行っていただきたいと思います。
実際、愛媛県の砥部町など、このようなFCFと将来の需要を比べて、それを超えないということを1つのルールとして取り組みを行っている自治体もありますので、本区でも何とかこういった仕組みを期待したいというふうに思います。
ちょっと話を変えますけれども、5大ルールとは別に、区はこれまで財政のダムとして、基金全体で標準財政規模の50%という目標を立て、現在もこれまでも取り組んでおります。基金の総額という目標でありますけれども、実質的には財政調整基金と施設整備基金の2つで90%近くを占めているのが現状であります。そして、この2つの基金は、先ほど来さまざま伺っているとおり、目的とあるいは管理する視点が異なるわけであります。したがい、本来はこの2つの基金を一緒くたに考えるんじゃなくして、それぞれで分析し管理すべきであると考えますが、区の所見を伺います。
委員の御指摘もごもっともなところではございますけれども、現在、積立基金の考え方につきましては、平成23年に、新たな総合計画の策定に先立ちまして、今後の財政運営のあり方についての基本的な考え方を定めまして、そこで積立基金と財政のダム構築についての考え方を整理しております。その中で財政調整基金の積み立てルールを定めて、同基金を核として積立基金全体の規模を拡大することとして、この間、おっしゃった基金を積み立ててきたところでございます。しかし、確かに施設整備基金の減少など課題も生じてきているのは事実でございますので、今後、このあたりも含めながら分析して、新たな方針等を定めていきたいというふうに考えてございます。
基金全体の総額の絶対値を上げていくんだということは、私もこれまでも意見を言ってきましたので、そのことに対してはこれからもやっていただきたいと思うんですけれども、そこからさらに突っ込んで、具体的にその中身をどうしていくんだと、実際的なところ今の現状がどの程度なのかということを把握する上でも、先ほど言った別々の視点で分析をして管理していくということも、これからそれに加えてやっていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
また話題を変えますけれども、財政運営の根底には、区民福祉の向上というものが当然あります。財政分析をするわけですけれども、それだけではなくして、財政効果をはかる仕組みも必要であるというふうに思います。区が投入してきた税金が果たして効率的に使われているのか、あるいは効果を上げているのか、これは昨年私も一般質問で訴えたとおり、非財務情報である行政評価との連携が重要であると考えます。この点について区の考えを改めてお聞かせいただきたいのと、現在の取り組み状況について伺います。
ただいま委員からも御指摘がございましたように、財政分析だけではなくて、区が投入してきた財政効果の分析が極めて重要でございまして、杉並区では、全ての事務事業を対象に行政評価を実施してきているところでございます。この行政評価をいかに活用していくかということが非常に重要でして、さきの第4回定例会の一般質問でもお答えさせていただきましたとおり、予算編成により一層有効に活用していくというところで、今、評価表の見直しなども進めてございます。今後、幾つか解決していかなければならない課題がございますけれども、公会計情報とのリンクに向けても検討を進めていきたいと考えてございます。
確かに今、変化の激しい時代でもありまして、またその変化に対応していかなければいけないというのも区長のお考えであると、それは我々も同意するところであります。であるがゆえに、変化というのはどの程度の変化なのか。そのためには、まず現状、今どうなんだと。あるべき姿がどうで、それに対してどの程度変化したのかということを定量的にしっかりと把握するということが大事だと思います。その上で、どれだけまで対応できるのかということを検討していかなければいけないと思いますので、そういう部分においては、全国でも行政評価との連携というのは大変苦心しているというふうに聞いておりますけれども、これもぜひ区としてもさらに引き続き研究を進めて、活用していただきたいと思いますので、重ねて依頼したいと思います。
それで、先ほど来出ました長期的な財政計画ということ、また、将来予測について伺いたいと思います。
今回いただいている資料も含めて、財政状況や歳入歳出の増減のトレンドというのは、年度単位で移動することもありますけれども、大きな流れで見ると、数年単位で波を打っているということがあると思います。そういうふうに考えると、財政を考えるには、今、恐らく実行計画で3年間というところがマックスの長期的な考え方だと思うんですけれども、もう少し、リカバリーのことも考えて、5年ないし10年というスパンで考えていく必要があるというふうに思います。先ほど来出ているとおり、それは理想的ですけれども難しいです、現実的には難しいと、そのとおりだと思います。
資料020を用意していただきましたけれども、これは、実行計画上の財政計画と、実際その年になった予算、そして決算がどうだったかという差額が示されている一覧表をつくっていただきました。これによりますと、例えば26年度につきましては、財政計画策定時と実際に決算した時期というのは、実は3年間の時間差、タイムギャップしかないんですけれども、にもかかわらず、歳入で250億円、歳出で183億円の差額、いずれもプラス、増額というギャップが生じました。
また、一番直近の実行計画の改定時、これも昨年11月に策定したばかりですけれども、それと今回の予算についても、わずか一、二カ月の話だと思うんですけれども、にもかかわらず、15億円の差異が発生している。ただ、この15億円が大きいと見るのか小さいと見るのかというのは、見方にもよると思うんですけれども、ただ、実際、数カ月でも15億円の差があるということであります。
したがいまして、予測が困難であるのは確かですけれども、そうはいっても、それでじゃ終わるのかという話ではなくして、予測の精度の向上、これにトライしていただきたいと思います。その上で、やはり予測というのは必ず外れてしまうと思うんです。であるならば、変化に対応するときの柔軟性をどこまで許容できるのかという範囲もある程度決めておくとか、そしてその変化が生じた場合、これはしようがないという形で、そのときに回帰計画、リカバリーする計画もあわせて考えておくなど、工夫の余地はあるんじゃないか。難しいから終わりですじゃないと思うんですよね。そういう意味では、長期的な財政計画に基づいてまずマネジメントしていく。変化は当然起きます。どの程度変化が起きたのか、それは何で起きたのか、じゃそれをこれから、この二、三年でどう解決していくのか、そういったことを繰り返し繰り返しやり続けることによりまして、より健全な財政運営が可能になると考えますが、区の認識を伺います。
御指摘いただきましたとおり、長期的な歳入見込みといいますか、そういう財政計画の必要性は重々こちらのほうも認識してございますけれども、一方で、実行計画ですとかそういうのを定めた場合に、確実にそれを充てられる計画を示すということで、どうしてもここのところ、3年間ほどの計画とさせていただいておりますが、昨年の11月に立てたものが、既に歳入などかなり見込みがずれているということで、かなり難しい状況にはあると思います。あとは、委員御指摘のとおり、例えば3年で200億、300億ずれたのが、それを皆様がどこまで許容していただけるか。何でこんな外れているの、意味ないじゃないかと言われることもある中で、どこまで許容できるのか、その辺、こちらのほうも探りながら、そういったトレンド的なものを示すということではやっていきたいと思っております。
ただ、歳入に関しましてはなかなか見込みが難しいというのはございますけれども、歳出、例えば施設の再編ですとか整備ですとか、扶助費の伸びですとか、ある程度歳出は見込めると思いますので、歳入ベースは変わらないまま、歳出を変えるとこうなりますよみたいな形でシミュレーションしながら、そういったことを検討しながら出せるように取り組んでいきたいと思っております。
財政運営の理論的フレームワークと今後の課題
これまで、財政運営における理論的フレームワークを明確にすること、また、それに伴う指標も設定、見直しをしていく、あるいは施設再編整備も含めた長期的な計画とマネジメントの体制など、幾つか本日は問題提起をさせていただきました。さらには、今回はちょっと時間がなかったので触れはしませんでしたけれども、金利動向を見据えた財務戦略との連動なども、これから財政計画を考える上でも大切であると思います。
最後に、こういったことも含めて、総括的に区の考えをお聞かせいただきたいと思います。
さまざまな観点から、今後の区の財政運営について御意見、御提案をいただきました。委員も御指摘ございましたように、変化が激しくて先行き不透明な時代において、なかなか長期的な財政の展望というものを示すことは難しい側面がございますけれども、その一方で、区民の皆様が安心して区に住み続けていくためには、区が増大する行政需要にもしっかりと対応しながら、将来的に安定した健全な財政運営を図っていくことができるということを絶えずお示ししていくことは重要だというふうに認識してございます。ましてや、今後、財政状況が厳しい中で、新たな負担を区民の皆さんに求めたり、大胆な事務事業の改善を行うということがあれば、その理解を得るためには、やはり区の財政の現状や今後の見通しというものをお示しして理解をいただくことが不可欠になるというふうに感じてございます。
本日さまざま御意見、御提案をいただきましたので、そうしたことを十分に生かしながら、今後、区民の皆さんにとってもわかりやすい、より的確な財政運営の指針等について研究をし、ぜひ区民の皆さんと区の財政状況について共有を図りながら、持続可能な行財政運営に努めてまいりたいと考えてございます。