財政運営の精度と下振れリスク対策
財政運営について、基金の運営及び運用について、時間があれば区民参加型予算について質問いたします。使う資料は資料ナンバー138、141、区政経営計画書、予算の編成方針とその概要、区立施設再編整備計画、令和2年度から4年度までの資金管理計画、途中、パネルを提示させていただきます。
午前中の質疑の中で、本当初予算に関しては、基幹一般財源である区税収入、それと特別区財政交付金、地方消費税交付金等、それぞれ前年度から堅調に増加するとの認識が示されました。では、その財政当局の見込みの精度について確認をしたいというふうに思います。
まず、この資料141番で過去4年間の特別区民税と特別区財政交付金の予算額と決算額の対比の表を作っていただきました。特別区民税については、過去4年間で、令和2年度0.8%、5.2億円下回った以外は、決算が予算を全て上回っており、それも1%未満の差に収まっております。また、特別区財政交付金は全て増額となった決算でございます。これらを見ると、当区の予算編成における基幹歳入の見通しは非常に精度が高いと、かつ堅調に見積もられているというのがこれまでの経験則であります。ただ、万が一ということも起こり得るわけでありまして、この下振れリスクに関してどのようなことが考えられるのか、また、そのリスクに対して区はどのような対策を検討しているのか、確認いたします。
委員御指摘いただきましたように、歳入予算については堅く見積もるということにしております。年度の途中で歳入が不足するというような事態を招かないためにも堅く見積もっているという状況がございます。それで、下振れのリスクという御質問かと存じますけれども、例えばリーマンショックのような急激な景気の後退、さらには、大震災、そうした事態というのが1つ考えられるというところでございます。また、今般のコロナについても、結果的には堅調な歳入という状況をキープできましたけれども、当初はかなりの影響が出るんじゃないかというようなことも想定していたところでございます。そうした事態になった際には、状況により歳出事業の見直し、また行政サービスの一部中止、停止、そうしたことも考えなければならないという状況ではございますけれども、そういう状況に陥らないためにも、基金としてしっかり備えを行うという状況でございます。
分かりました。コロナが起きて丸3年たちました。景気への影響により、コロナが発生した当初は、区の財政状況に関しても相当な危機感を財政当局は有しておりました。例えば令和3年度予算編成に関する基本方針では、リーマンショックを超える景気の落ち込みも予想され、長期化は避けられず、今後、数か年にわたり区財政の厳しい状況は継続すると大変強い危機感を抱いておりました。これは令和2年9月時点での財政部門の認識であります。今に至って、過去3年間を振り返り、コロナの区財政に与えた影響というのは実際にどのようなものであったのか、歳入歳出両面から現在における区の所見をお聞かせいただきたいと思います。
まず歳入でございます。委員が御紹介いただきましたとおり、当時、私も財政課長でおりましたけれども、このコロナの影響が区財政にどの程度及んでくるのかということは全く見えない、これはもう全世界的にそういう状況だったかと思いますけれども、最悪の状況を想定しまして、100億円程度の減収も場合によってはあり得るのではないかというふうに考えておりました。予算編成に当たっては、全庁的にしっかり歳出事業の精査を行うようにということでお願いをしたところでございます。ただ、蓋を開けてみますと、この歳入というのは、特別区税はじめ、特別区財政交付金もそうですが、堅調に推移をしたというところでございます。このあたりをどのように分析するのかというのは難しいところなんですが、結果としては、区民の所得には大きな影響が出なかった。法人税収でいえば、堅調な企業が、一部中小事業者は厳しい状況になっていたということでございますが、その部分を補って余りあるような状況が、法人税収という意味では出たのかなというふうに捉えております。
歳出事業につきましては、コロナ対策ということで、14回、16回、2年間で30回の補正予算編成をいたしました。その歳出事業については、その大半が後からという意味も含めてですけれども、国や都の補助金で賄われたということでございます。一部当初、財政調整基金を取り崩して、国や都の対応を待つことなく、区として取り組んだという取組もございますけれども、結果的に通してみますと、区の財政への影響という意味では、この歳出で見た際にもそれほど大きくなかった、そのように分析しております。
つまりこの3年間、コロナに対してはいい意味で予想が外れたというふうに言えるかなと思います。
その上で歳入ということでありますけれども、一方で、この当該年度の歳出予算に関して、区政経営計画書では、既定事業に係る経費や区立施設の更新経費などが増加しているという言及があります。昨今の今度は物価、エネルギーの高騰による影響について、最終予算案の編成過程において、どのタイミングで、どの程度の規模の影響をどのような計算方法でこの予算案には算入しているのか、概略で結構ですので、お示しください。
エネルギー高騰、物価高騰への影響ですけれども、予算要求段階、9月、10月時点でもう一部発現しておりました。ということで、各所管から来年度の予算見積要求を出す時点において、一定それはもう反映した状態で出てきております。ただ、各施設ごとに、例えば光熱費で申しましても、増加率が様々でございます。それは過去の実績等を踏まえて一部査定はしておりますが、その上昇分については必要経費ということで財政当局としては基本的に予算化したという状況でございます。
分かりました。その歳入歳出ともに、確かに予想がなかなか難しい今環境であると思います。ただ、そういった状況においても、今回の予算案、財政運営に関しては、財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方について、当該年度も基づいて行われました。私自身これまでも何度も述べてまいりましたが、この考え方は、区財政を多角的、つまり単年度の収支均衡、中長期的な財政の健全性、そして現金主義、発生主義という時間軸と会計制度という2つの軸から捉えるスキームであり、この5つの設定指標を管理している限り、区財政の健全性は知らない間に著しく悪化することはないというふうに考えております。したがいまして、来年度予算もこの考えを継続したことについては、私は高く評価しております。改めてこの基本的な考え方の意義について、財政課の考えを伺います。
今、委員御紹介いただきました。私も全く同じ考えでございます。先行き不透明なこの社会経済状況の中で、災害でしたり、新たな行政課題に適時適切に対応していくためには、やはり健全な財政運営というものは欠かせないという認識でございます。そのためにこの基本的な考え方を定めているものでございます。
分かりました。今後も継続していただきたいと思います。
その一方で、区財政を取り巻く環境は日々変化しておりまして、その基本は踏まえつつも、状況の変化に応じて柔軟に対応していくというスタンスも重要であると考えます。その上でこの5つの指標項目について順に伺っていきたいと思います。
まず、項目1の財政調整基金の年度末残高350億については後に回します。
項目2の施設整備基金への40億円以上の積立てについて、改めて40億円以上の計算根拠について、これは昨年度の予算特別委員会でも提示させていただきましたが、このパネルを示させていただきたいと思います。これは40億円以上というこの計算根拠となる区立施設再編整備計画で示されている、今後40年間の区立施設の改築改修経費から毎年度の必要経費の平均を出したら、121億円というふうな試算の基となるこの根拠のグラフでございます。
これに対して、私は、昨年この40年というのは長過ぎるのではないかと、現在の総合計画の令和12年度、2030年度までの期間とするべきではないかというふうに申し上げさせていただきました。そのとき、区は、確かに今後検討していくとの考えを示されました。このグラフを見ても、40年間という長いスパンじゃなく、この前半のほうに区立施設の財政需要というのが集中しているということが分かります。その上で、まずこの40年間の期間に関して、区の所見を改めて確認いたします。
昨年度も御指摘いただきまして、また分かりやすい御質問だったかと記憶しております。委員の御指摘がございましたとおり、この施設の再編の今のスケジュールを40年間で見ますと、前半にその一つのピークがやってまいります。そのために、施設整備基金という形で幾ら必要なのかということを試算したということになっております。委員御指摘のとおり、まず前半のピークに対してどの程度の必要額があるのかという試算の方法も確かにあろうかと思います。現状は、我々40年という施設再編整備計画での試算をベースに、この施設整備基金の必要額を導き出したということでございますので、40年という期間になっておりますが、来年度の計画改定の際に、この施設整備基金の必要額を検討していくときには、その期間についても、改めて考えてまいりたいというふうに思います。
よろしくお願いいたします。
それで、期間に加えて、40億円以上というこの数字の根拠、この計算式、ブレークダウン、出させていただいております。この一番上の赤字が、暫定ではありますけれども、40年間の平均ということでありまして、ここから何点か指摘する課題がございます。例えばまず121億円というか、このコストの計算に関しては、昨今の物価高、またZEB化という今、新しい概念も入ってきましたけれども、こういった要素が入っておりません。さらには、この95%、これは何かといいますと、再編整備の推進等による改築経費の縮減ということで計画の中で書かれていたわけでありますけれども、これも再編整備計画の見直しに基づいて、この95%という数字も変わってくる可能性があります。そもそも先ほどの令和12年まで取るのか、40年間の平均で取るのかというところによりましても、この一番上の数字の式だけでも大分数字が変わってくるわけでありますけれども、この辺に関して区の認識はいかがか、お伺いいたします。
まず121億という数字ですけれども、40年間の改修改築経費の平均値で表しております。委員御指摘のように、ここには物価高騰の部分でございましたり、今後進めていく必要のあるZEB化、そうしたコスト増の要因というのは当然含まれておりません。したがいまして、見直しに当たりましては、その121億というまず総コストの平均をどのように出していくのかというところも考えていかなきゃいけないと思っておりますので、時点、時点の修正等の必要はありますが、来年度計画改定という大きなタイミングになりますので、コスト増の要因も含んだ形で、当然考えていかなければいけないという認識でございます。
それに加えて、その次のブレークダウンになりますけれども、その費用のうちの、国・都支出金及び区債が大体35%充てられている、それ以外の65%は一般財源で充てていると、こういう比率はこれまでの経験則から導き出しているというふうに理解しておりますけれども、これに関しても将来的に変化していく可能性はあるのではないか、この辺に関しては、区はどのような認識を持っているんでしょうか。区債と、国・都支出金ではまた性格が違いますので、それぞれちょっとコメントいただければというふうに思います。
まず、国・都支出金でございますけれども、施設更新の中でこの補助金を充てていく施設ということでは、学校改築になります。したがいまして、学校改築が今後増えていくというフェーズにおいては、この国・都支出金の割合が増えていくということは1つ考えられます。ただ、ほかの施設については、国、都の補助金が入りませんので、逆に学校施設の価値が少なくなれば、国・都支出金の割合は少なくなるということです。区債につきましては、現在金利の上昇局面に入ってきた、迎えているような状況でございますので、歳入との見合いになりますけれども、区債の活用を金利リスクを避けるために下げるということになれば、ここの部分の割合も下がってくる。結果として、一般財源からの持ち出しの比率が増える、そういう可能性があるというふうに見ております。
今お尋ねしたポイント等を勘案していくと、この項目2の40億円以上という数字は必然的に変わってくるというふうに思われます。多分かなり大きくなってくるんじゃないかなと、積み増さなきゃいけないという金額が導き出されるというふうに思います。その数字と、毎年度積立てでいくという数字と、それと現在、施設整備基金に既に幾ら積み立てられているのかというところ、この辺のところをしっかりと計算に考慮しながら、今後の施設再編需要というところも考慮しながら、しっかりと安定した財源の裏づけというものを固めていく必要があると考えますが、改めて財政当局の所見を伺います。
施設の更新に当たっては、当然財源の裏づけというのが最も重要だというふうに考えております。安定的に施設の更新を進めていき、区民サービスに影響のないような、そういう施設の更新を行ってまいりたいというふうに考えておりますので、委員から少しございましたけれども、この40億円以上という数字についても、当然そこから増額する方向になってこようかなという認識は持っておりますが、いずれにいたしましても、来年度の計画改定に合わせて、施設再編整備計画の見直し等も踏まえた上で検討してまいりたいと存じます。
公債費負担比率シミュレーションの精度向上
続きまして、項目3、公債費負担比率5%を超えない、この指標についても、昨年私は、この負担比率の分子となる公債費は、これは古くは20年前、25年前に起債した区債の当該年度における返済額ということで、財政健全化維持のための事前統制の指標として、果たしてこれは適切なのかどうかという疑問を呈させていただきました。それに対して区は、中長期的に先を見据えた段階で、今と同じような区債の活用状況を継続し、施設の更新需要を見定めた場合に、5%を超えるようなシミュレーション結果として出る場合には、起債を一定程度抑制するなど、中長期的、予防的にこの数字を見ていきたいと、そういう御答弁がございました。
その上で、分子に関しては、先ほどのグラフではないですが、ある程度想定することができますが、ただ分母については、その将来、年度、年度の一般財源の額ということを予想しなければ、きちっとした公債費負担比率というのは出てこないわけであります。これが非常に難しいんじゃないかなと私は思っております。そういう意味で、課長も昨年述べられましたが、シミュレーションということに関して、この精度について今現状どのように認識しているのか、またそれを、シミュレーションの精度を上げていく工夫というものはどういうことが考えられるのか、その辺いかがでしょうか。
この数値、指標でございますけれども、分母が一般財源等総額というものを使用している関係で、将来のシミュレーションをするときに、それをどう捉えるのかというのは1つの課題だというふうに認識をしております。昨年度お話しした際のシミュレーションにつきましては、令和3年度の数値、固定で将来のシミュレーションを行ったところでございます。なかなか将来の歳入の状況等を見極めるのが困難な現状の下で、正確なシミュレーションというのは難しいんですけれども、1つは、計画改定等のタイミングで最新の数値を入れ込むと。そういうことで将来どういう状況になるのかというのを見極めていく、そういうことを定期的に行うことでこの精度を高めていく必要があるというふうに捉えております。
分かりました。
関連して、区債の発行に関して伺います。これは項目5の債務償還可能年数にも関係する内容でございます。区は過去2年間にわたりまして、低金利の状況を鑑み、区債を最大限活用するということで、区債充当事業の拡大を行ってきたと理解する、私自身も提案させていだきました。改めて低金利の状況において、区は区債の活用をどのように実施してきたのか、これまでの取組を確認いたします。
区債の活用につきましては、この間も御答弁しておりますとおり、この低金利の状況を踏まえて最大限活用したいという方針でやってまいりました。適債事業については、その充当率の上限で活用してまいりました。また、この起債対象となるその経費につきましても精査を行い、起債の対象を膨らませてきたという事情がございます。
その上で、令和5年度、この当該予算に関しては、その考えを踏襲しているのか、あるいは何らかの変更を加えたのか、その辺に関してはいかがでしょうか。
基本的な考え方については変更しておりません。適債事業について起債を活用し、その活用の範囲というのは充当率の上限で活用するという考えです。ただ、歳入の状況を踏まえ、令和5年度については、一部の適債事業について区債を活用しないという判断はいたしました。
その上で、当該年度は6事業、54億円の区債発行を予定しているということで、改めて確認いたしますと、総務省が示している充当率というのと、それと実際区が区債を活用する割合といいますか、何%かというところ、その辺の割合の加減というのは、この6事業に関してはどのような形で設定されているのでしょうか。
来年度の6事業につきましては、全て学校の改築改修ということになりますので、教育債になってまいります。教育債の場合、充当率は90%ということで定められております。対象経費の90%ということでございますので、この充当率で活用することを予定しております。
その上で、区政経営計画書、21ページに借換債の記述があります。改めてこの借換債とはどういうものか、また何を目的としたものなのか、また、区がこれまで行ってきた借換債の実施状況について説明を求めます。
借換債につきましては、平成29年に初めて導入をいたしました。その後、30年、元年と3か年についてこの借換債、実施をいたしております。これは利子負担の軽減の観点から、一部の銀行等引受債について、10年債よりも利率が低い5年債を活用することで利息の負担を抑えたいということなんですけれども、5年後の利率がどうなるのかということによって、この利子負担の軽減の割合というのが決まってくる、そういう仕組みでございます。
今、御答弁がございました利息の負担の軽減を目的ということでありますけれども、逆にこの金利上昇局面に入りまして、金利が上昇した場合、借換債を行うことによって逆に利子負担が増加してしまうというリスクも考えられるわけでありますけれども、その辺に関して区の現状の見立てはいかがでしょうか。
金利の上昇局面においては、この借換債で5年後の金利上昇により、利子負担が逆に増えてしまうということも当然想定されると考えております。現状の、今の現下の状況ではなかなか借換債というものを実行しにくい環境ではないかと見ております。平成29年のときに導入した際ですけれども、5年債、10年債の利率の差で申しますと、10年債が0.2、5年債が0.1、この5年債が5年後に0.9までの上昇であれば、利子負担の軽減につながったということになります。現状、この5年債の利率0.4ということですので、29年度に行ったこの借換債の取組については利子負担の軽減につながるのではないかと、3月の借換えですので、もうほぼつながったと言える状況でございます。
行政コスト対税収等比率の実績と分析
分かりました。
続いて、次の項目、項目4、行政コスト対税収等比率が100%を超えない、この手法について令和3年度までの過去5年間の決算数値からの実績をお示しいただきたいと思います。
平成29年度が93.6%、平成30年度が92.9%、令和元年度が92.1%、令和2年度が95.4%、令和3年度が92.1%でございます。
大体この過去5年間を見ても、この数値に関しては100を超えることはないと、92から95%の間で大体収まっている状況でございます。例えば一番直近の決算の令和3年度の決算で見ると、純経常行政コストが1,918億円、分子です。税収等の財源が2,083億円と、分母が、結果、92.1%であります。仮にこれが100%を超えるとなると、165億円の規模の収支差が出てしまうということでありますけれども、そういったことは実際起こり得るのか。どういったときに起こり得るのか、何か考えられる事態があればお示しいただきたいと思います。
杉並区において具体的にどういう例かというのは非常に難しくて、お示しするのはちょっと困難なんですけれども、大きな歳入減、大きな歳出増、さらには分子、分母双方が上がる。例えば定額給付金のような事業であれば、分子も上がる、分母も上がる、分子、分母の数値が両方上がれば、結果この行政コスト対税収等比率という比率自体も上がるというような関係にはなっております。杉並区においては、100を超えるような状況ではございませんが、23区内を見渡しますと、100を超えている区というのは複数出ておりますので、全く意味のない数値であったり、100を超えるような事態が想定されないのかと言われると、そうでもないというような受け止めでございます。
分かりました。起こらないとも言えないということでありますね。
仮にそのような、ある意味、当区にとってみれば非常事態というふうに言えるかと思いますけれども、そのような事態、100を超えるような事態が発生した場合、発生することが予想される場合、予算編成時、あるいは年度途中の予算執行時、それぞれどういうことが財政課として対策が取れるのか、それに関してはいかがでしょうか。
この数値自体基本的に決算時に出てくるという数値になってまいりますので、なかなか状況は難しいんですけれども、非常時という観点で見ればですけれども、まず予算編成時においては、大規模な歳出削減に取り組む必要が出てくるということかと存じます。行政サービスを一部縮小する、中止する、そのようなことも場合によっては出てくるというふうに考えております。ただ、この行政サービスを中止する、縮小するというのが区民生活へ大きな影響を与えるということになってまいりますので、そうした事態は何としても避けなければならない。そうしますと、やはり基金での対応というのが現実的かなというところでございます。
まさに財政のダムの存在目的がそこ、存在意義がそこにあるわけです。福祉サービスというのは簡単に、経済状況の変化によって上下できるものではないということであります。そういったことを回避するための財政のダムであります。
では、話を戻します。逆に例えばある年度で100%を超えてしまった場合、それが区財政にはどのような影響を及ぼすのか、あるいはこの100%超えというのが常習的に継続して発生した場合、区財政はどのような状況になるのか。改めて何ゆえ100%を超えてはいけないのか、説明を求めたいと思います。
この行政コスト対税収等比率でございますが、100%を超えるという状況になったということは、資産を取り崩している、基金を取り崩しているというような状況、または将来への負担が増えている、そういう状況、借金が増えているという状況を意味します。そのような状況が、単年度であればさほど大きな影響は出ないのかなというふうには見られますけれども、恒常的にそういう状況が続くということになれば、貯金は減る、借金は増える、当然健全な財政運営とは言えないような状況を担っているということでございますので、それが進行すれば区民サービスへの影響というものも避けられない、そうした状態になると認識しております。
財政調整基金の運営と見直しのポイント
改めてその財政運営というのは、区民サービス、福祉サービスへの非常に重要なものであるということを改めて確認させていただきました。
では次に、基金の運営及び運用について聞いていきます。それに関連してこの財政の基本的な考え方の項目1、いわゆる財政のダムに関しても伺ってまいります。
昨年の第3回定例会で私が一般質問した際に、区は財政調整基金というダムが築かれているからこそ、区民生活や地域経済を支える取組が、時期を逸することなく実行することができたのであり、区政運営にとって極めて重要であると述べられました。そして、強固で安定したダムを築いていくため、基金の積立額や算出の考え方について、状況の変化に合わせて見直しを行っていくとの考えが示されました。具体的に財政調整基金の在り方については現状どういうところが見直しのポイントと認識しているのでしょうか。
やはり金額、積立額というところだと考えております。現在、350億円の年度末の維持というのが基本的な考え方でお示ししている金額になっています。一方で、この財調基金の在り方については、他区との比較で杉並区は多いのではないか、そうした議論もある中ですので、この必要額をどのように説明していくのかというところも、併せて維持すべき金額について検討していくべき課題だと認識しております。
改めて確認します。令和4年度末の財政調整基金の残高見込額を伺います。併せて、この見込額と必要額との差に関して、区は現状どのように分析しているのか、その点に関してもお聞かせください。
まず、4年度末の見込みは576億円という状況です。同時補正で一部数億円取り崩すという状況は出ておりますが、この程度の残高ということになっております。必要額が350億を維持するということになっておりますので、この基本的考え方に示した額は大きく超えている状況はございます。
どういう背景で、分析はどのように、その理由です。
失礼いたしました。この間の歳入の状況というのが大きなところかと存じます。コロナ禍で必要な対策はしっかりと行ってきたわけですけれども、区民税をはじめ、基幹収入が堅調であった。その結果、財政調整基金への積み増しができた。そのように受け止めております。
改めてこの必要額350億円の内訳をお示しいただきたいと思います。
大規模災害への備えとして150億、経済事情の著しい変動への備えとしての200億、合わせて350億でございます。
経済変動はリーマンショックのときの経験から導き出していると。この災害対策用の150億円、この算出根拠について、もう少し具体的に詳しく説明をいただきたいと思います。
これは阪神・淡路大震災の際の西宮市の例を参考にしたものでございまして、集中復興期間である5年間に充てた一般財源をベースに、杉並区の人口に置き換えて算出した額のおよそ半分については、基金として備えておく必要があるだろうということで算出した額でございます。
この部分に関しては、これも一般質問でも昨年言及いたしましたが、1つは、阪神・淡路大震災という30年近い前の事例に基づいているということ、また、参考とする西宮市と当区の人口比率によってこの計算をしているなど、いささか算出の方法が粗いというのが私の印象であります。区も再検討すると考えが示されておりますが、具体的にこの災害時と非常時への備えということであれば、どういう点をもっと深掘りして精度を高めていくことができるかと区は考えているのでしょうか。
直近の状況を踏まえますと、30年前の状況と物価の状況も大きく違ってきているのではないかというふうに考えております。また、災害等に対する法整備、国の支援等の状況も変わってきているというふうに思います。ただ一方で、この150億円という算出の際には、後年度の負担という部分が含まれていないという状況がございます。西宮市にしても、地方債を発行して復興復旧に努めてきたということで、後年度、この地方債によって相当財政が苦しめられたというような状況がございます。そうしたことを踏まえますと、最低限区として準備しておく金額というのはどうあるべきなのか、改めて後年度の負担という部分も含めて考えていく必要があるのかなという認識です。
私も西宮市に行って直接財政当局の方からお話を伺った経験がございます。もう二十数年たってもいまだ市債の償還、公債費の負担というのが当市の財政状況に対して負担となっているという状況もございました。その辺もこれからしっかりと加味して考えていかなきゃいけない課題かなというふうに思いました。
一方で、災害への備えということであれば、これは財政調整基金ではなくて、災害対策基金を復活させればいいじゃないかというふうな意見もございます。この災害対策基金としてこの災害対策用の備えを置いておくということと、あるいは現状のように、財政調整基金として災害の備えをしておくということ、これはそれぞれのメリット、デメリットはどういうものがあるとお考えでしょうか。
まず、この災害対策基金ということで設置している23区内、複数の区がございます。メリットですけれども、やはり災害時に取り崩すという前提になっておりますので、災害復興のための経費が確実に確保されるという意味でメリットがあろうかと思います。デメリットというところまで言えるかどうかですけれども、これは柔軟な財政運営が現状よりは狭められるという認識でございます。現在、財政調整基金の財布の中の仕切りとして、災害時の備えの150億というふうに見せておりますので、災害に限らずともこの150億については、状況によって取り崩すことも可能な状況になっておりますが、災害用という形で別基金を設けますと、それのみの活用ということが基本になってまいります。これはメリット、デメリットとまでは言えないかも分かりませんが、財政調整基金がたまり過ぎているのではないかというような国の目もありますけれども、分けることによって、今の残高自体が下がる、そういうことも1つとしては考えられるというところです。
そうですね。1つ、財政調整基金という形にしておくと、柔軟性があるというふうに、まず災害対策基金にすると、災害とはどういう状況を指すのかと、それ自体がどういう条件があるのかとか、そういうふうなこともまたはらんでくるんじゃないかなと思っております。
私も記憶しておりますけれども、今回のコロナ禍に対してちゅうちょすることなく財政調整基金を取り崩すといったときに、理事者の方からも、コロナというのは一種の大規模災害に匹敵するというふうな考え方が示されました。そういった運用も財政調整基金であれば可能であるというふうに私個人として思っております。ぜひこの部分に関しても検討を進めていただきたいと思います。
関連して、基金の管理運用方針について伺ってまいります。
資料138番にもありますが、基金全体の残高がかなり増えてまいりました。令和4年度末で893億円となる見込みでございます。杉並区の資金管理方針では、安全性、流動性、効率性、この3つを基本的視点としております。改めてこの3つの視点は、それぞれがややもすれば相反する性質のものでもあるとも言えると思いますが、区の考え方として、この3つ、安全性、流動性、効率性、バランスはどのように現状取っているのか、お示しください。
3つの視点では、安全性に配慮すればするほど効率性が損なわれていきまして、また効率性を第一に考えると、安全性と流動性が失われるなど、御指摘のとおり、相反の関係にございます。基金は区民の財産であることから、まずは元本を確実に保全する安全性を第一としまして、次に、基金の本来目的や緊急時の取崩しに支障を来さないための流動性の確保、さらに運用益を得る効率性を追求しておりますが、それらその時々の基金残高であるとか、金融情勢などを考慮しまして、多少の強弱のバランスを取りつつ、運営を行っておる状況です。
そういうバランスを取りながらやっているわけでありますけれども、現状においては、基金残高が全体的に増えているという現状、今申し上げました。そしてコロナ対策等の社会情勢──これは区民ニーズとも言えると思いますけれども──に備えた資金需要が変化している。また金利動向も変化する要素であると。こういった要素を勘案して、今、課長が述べられた3つの視点のバランスというのは、最近、今現下においては変化が起きているのか、その辺に関してはいかがでしょうか。
基金残高が増えまして、区の資金需要も一定程度見通しがつくようになったことに加え、この数か月間は金利の上昇圧力が増しているということから、現在は、蓋然性を確保した上で、効率性を重視しまして、債券での運用比率を高めているというところでございます。
それで、コロナ対策として令和2年度は、補正予算14号、3年度は16号の補正予算を編成し、対策に当たってまいりました。この間、資金管理には流動性というものが最大限尊重されてきたというふうに理解しておりますが、具体的な流動性対策として、この間どのようなことを行ってきたのか、また、コロナ前、コロナが発生する前と比較して、どのような変更を行ってきたのか、確認いたします。
この間の流動性対策としまして、まずは財政課と緊密に連絡、調整を取りながら、しっかりと資金需要の見通しを立ててきたことと、その上で流動性の高い普通預金、定期預金による運用額を一定程度確保するとともに、償還期間5年未満の債券購入を行ってまいったところでございます。
そういう流動性対策をこの間、取ってきたということでありますが、ただ、令和4年度の補正予算は、この2年度、3年度に比べて今回令和4年度は8号までということで、緊急的な資金需要という意味では、若干落ち着きを取り戻しているようにも見えます。そのような状況を受け、この債券と預金との比率は、今現状においてはどのように変化させているのでしょうか。
令和4年度、今年度につきましては、御指摘のように資金需要が落ち着きを取り戻すとともに、基金残高の増加が見込まれたこともありまして、効率性を向上させるために、債券比率を高めております。具体的には、令和3年度の債券と預金の比率が51対49だったものを、今年度は年度末までには55対45まで債券の比率を高めたいと考えております。
では、来年度の運用方針を確認いたします。先ほど述べられましたが、今申し上げた基金残高という要素、それと資金需要がどう変化しているのかというところ、あと金利がどういうふうに変化しているか、その辺のところなどを見据えた上で、もう一度確認します。令和5年度の運用方針に関しては、今現在、どのような対応を行う考えなのか、お聞かせください。
来年度の運用方針につきましては、現在、策定中ですので、現時点の考え方を私のほうから御答弁申し上げたいと存じます。
来年度は、予算上、基金総額は約850億円という今年度と同様、かなりの規模になる見込みとなってございます。このため、効果的な運用を目指して、引き続き債券比率を高めに設定していきますとともに、まずは5年満期のラダー型ポートフォリオの構築を中心と据えた上で、さらに5年から10年の少し長いスパンの債券購入も視野に入れつつ考えていく、そういうことを現在考えているところでございます。
いずれにしましても、財政当局と緊密に連携し、適切に運用してまいりたいと、このように考えてございます。
よろしくお願いします。財政調整基金の残高に話を戻します。来年度、災害対策の備えの在り方を含めて、財政調整基金の在り方自体を見直していくというふうに私自身、理解しておりますけれども、この必要額に対して大きく上回った場合、今もその状況かと言えると思いますけれども、この上回った部分をどのように扱うというのが適切なのか、その辺に関してはいかがお考えでしょうか。
今基本的な考え方でお示ししている350億というのは下限だというふうに私どもも考えております。過去にも議論があったかと思いますが、では、上限をどうするのかというような話がございました。ただ、過去はここまで積み上がっておりませんでしたので、なかなか具体的にどうするという答え、結論が出たということはございません。ただ、この財政調整基金というものの本来の意味というものを考えますと、年度間の財源調整のための基金だというところがございますので、一定割合以上の部分を何か任意に自由に活用するという類いのものではないというところは1点ございます。
いずれにいたしましても、この財政調整基金を幾ら維持していくのかというのは、来年度の計画改定に向けて検討してまいりたいというふうに考えております。
1点、財政調整基金、一定たまり過ぎているといいますか、結構積み上がっているというような表現をされるんですけれども、基金総額で見た場合に、この杉並区の基金総額の額というのは23区でも低位です。そうしたことも踏まえた上で、この基金というものは見ていく必要があるのかなというのが財政当局の考えです。
分かりました。
では、この予算の編成方針とその概要で、区長はこう述べられました。積み立ててきた財政調整基金の一部をその財源として活用するとともに、脱炭素の取組など、今後、注力すべき施策を推進していくと、そういう考えを示されました。しかし、財政調整基金に今、課長のほうでは余剰とは言いたくないようなお考えでしたけれども、仮に想定よりも上回ったとしても、これは財源論から見れば、財政調整基金の積み上げというのは一過性のものなんです。継続的な施策の財源とは根本的に性質が違ってなり得ないんじゃないかなというのが私の考えでありますけれども、この辺に関しては、区はどのようにお考えでしょうか。
ただいま財政課長からも申し上げたとおりで、財政調整基金そのものは年度間の財源調整のためにある、これがまず基本線としてございます。今、確かに積み上げている額がかなり多くなっている、これは堅調な財政状況があるからこそだと思っていますが、これがやはり未来永劫ずっと続くというふうなことも考えてございません。この間申し上げてきたことでもございますけれども、中長期的な課題に対して資金を投入していくということについては、当然ながら計画的に財源を投入していくということが必要だと思っています。その際に、必要な財源を確保した上で、年度間でやはり財源の確保が難しいものについては財政調整基金を充てていく。これは今までのルールと変わらないと思いますが、こうしたことが今後、計画的にやはりやっていく必要があるという考えの下に言っているということで、基本的な考え方としては、財源の投入はやはり計画的に行っていく。これはもうまず基本線としてあって、そこに足らず前といいましょうか、そういったところが生じた場合には、基本的には財政調整基金を充てていく。こうした考えの下に投資をしっかりやっていこうというふうな考え方でございます。
その辺に関してちょっと整理が必要かなと、これまでにない財政的な局面でもありますので、新しい課題といえば新しい課題かなと思います。ただ、あくまで財政調整基金というのは、そういった緊急時に関して柔軟に対応するための財源であるということであります。長期的な施策の財源とあったときに、その間に災害が起きたらどうするんだというふうな話もございます。その辺に関してもしっかりと今後、検討を進めていっていただきたいと、重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。
それでは、島田敏光委員、質問項目をお知らせください。