令和8年3月6日 予算特別委員会

財政運営の基本的な考え方と来年度のスタンス

中村 康弘

まず、財政運営について、2つ目が資金の管理、運用について、使う資料は、頂いている資料70番、71、72、73、それと区政経営計画書も使います。
 では、財政運営に関してまず伺ってまいります。来年度の計画改定に合わせて財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方──以下、基本的な考え方と言わせていただきますが──これも見直しが行われる予定でございます。そこで、今回基金と区債の活用に関して、現行のこの基本的な考え方の評価と今後の在り方というものについて確認していきたいというふうに思っております。
 まず前提として、午前中もございましたが、ここ数年、また来年度の見通しも含めて、歳入面は非常に好調であるというふうに見られております。しかし、税制や国の財政運営の動向は先行き不透明であるということ、また物価や金利上昇により区民生活は依然として厳しい状況にあるといったこと、こういったところから、区は来年度も財政規律の維持と区民生活を支援するための機動的な財政支出も求められる場面もあるというふうに思っております。そういったことを踏まえて、来年度、区は、この両立、財政規律の維持と機動的な財政支出、これをどのようなスタンスで実現する考えか、改めて確認をさせていただきます。

財政課長

委員御指摘のとおり、我々としても区民福祉の向上と、あとは財政規律の維持、この両面をしっかり確保することが重要と考えてございます。令和8年度当初予算案におきましても、こういった考えから、区民の命と暮らしを守る取組に確実に計上する、その一方、財政運営の基本的な考え方を踏まえまして、基金と区債をバランスよく活用した健全性ある財政運営をするというところを両立したところです。これは年度を通じた財政運営におきましても、この考えをしっかり堅持して臨んでまいりたいと考えてございます。

中村 康弘

そうした財政運営を行うに当たっての基本的な考え方を確認していきます。これは、平成24年度以降、区においては基本的な考え方というのを明文化したルールという形で定めて財政運営に努めてまいりました。財政規律自体を明文化したということは、透明性が担保されるということでありまして、意義は大変大きいというふうに考えております。
 そこで、改めてこの基本的な考え方が最初に策定された当時の区としての財政に関する課題認識を確認するということと、またその後、何度かにわたり、もう10年以上たちますけれども、改定が行われてきましたけれども、これまでの変遷と、その時々においてどのような財政的、経済的な課題があり、その都度どのような修正を行ってきたのか、概括的にお示しいただきたいと思います。

財政課長

現在の基本的な考え方の前身は、平成24年度に遡るというところでございます。当時、持続可能で健全な財政運営を行っていくということを目的に、ルールという名称で定めてございまして、経常収支比率80%以内を目指すなどの今の指標とは異なる設定をしておったところです。その後、時代の変化に合わせたより適切な指標に見直すべきとの議会からの御指摘等もございましたので、平成30年度に今の5つの指標の原型となる形に変更いたしました。その後、令和3年度にはルールから基本的な考え方に名称を変更するとともに、新たな視点として公債費負担比率というものを加えたところです。直近では令和5年度、計画改定に合わせて見直しを行いまして、物価高騰を踏まえ、基金残高の目標値を引き上げたなどがございます。
 この間の総括的評価というところでございましたが、それぞれの時点における社会経済状況等を踏まえて、適切にこの間、アップデートをすることができてきたものと受け止めてございます。

中村 康弘

それで、単年度の収支均衡や中長期的な財政の健全性、そして現金主義から、また発生主義からと、こういった視点に基づいた、今、課長のほうが述べられました今の原型、この5つの項目は、平成30年度につくられまして、その後、令和3年度、5年度と修正が加えられたということで、それぞれ何をどういう角度から捕捉することを意図してつくられたものなのか、現行の形式に基づく、4年度以降でいいですけれども、3年度に修正されたということで、4年度以降、6年度決算と7年度見込みまでの各項目、5項目の達成状況はどういう状況か、併せて伺いたいと思います。

財政課長

これは様々な視点からということで設定してございまして、指標の1点目、財調基金残高は中長期の視点、かつ現金主義の視点から、2点目の施設整備基金については、単年度、中長期どちらも視野に入れた現金主義の視点から、3点目の区債については、単年度、現金主義、4点目の行政コスト対税収等比率は、単年度、発生主義の視点、5点目の債務償還可能年数は、中長期、発生主義の視点というように、それぞれの視点ごとに設定をしてございまして、多角的に財政を捉えられるものとして設定をしたというところでございます。
 5つの指標の達成状況ですけれども、この間達成ができておる状況というふうに捉えておるところでございます。

中村 康弘

今御説明がございましたこの5項目、それぞれ多角的なんです。多角的という反面、お互いに整合し得ない性質の指標とも言えるわけであります。例えば施設整備基金の積立てを優先すれば、行政コスト対税収等比率が影響を受ける。また、区債の繰上償還を行って、公債費負担比率は改善するわけでありますけれども、その一方で、そのために基金を取り崩したら、債務償還可能年数の数値が悪化する。そういうような形で、これは結果的に特定の指標のみを追求することによる偏った財政運営を防ぐ機能がある、そのように捉えておりますけれども、これら逆に言えば、相互的なトレードオフの関係、これをどういった形で調整をして、全体のバランスを図っていくのか、それはどのような考え方で区は財政運営に努めてきたのか、確認させていただきます。

財政課長

委員御指摘のように一部トレードオフの関係になる項目もあるものと承知をしてございますが、区としては、5つの指標をそれぞれ意識しながら財政運営を行うことで、まさに委員からもあったように、バランスの取れた財政構造を築くことができるものと考えて、この間財政運営を行ってきたというところでございます。

中村 康弘

この件に関しては、実は代表質問でも取り上げさせていただきましたけれども、先ほど来の各指標が、逆に言うと、どれか1つとか、複数もそうですけれども、逸脱した場合の意思決定基準の明確化、またその各指標が5つありますけれども、先ほどトレードオフ、これは優先順位はどっちを取っていくんですかとか、その時々の情勢で変化することもあると思いますけれども、一定の考え方というのを定めておくべきではないかと考えますけれども、所見を伺います。

財政課長

この間、区においては、コロナ禍では区内病院の支援等に柔軟に財調基金の活用を図ってきたというところがございます。また、現在の物価高騰下においては、目標を大きく上回る形で施設整備基金に積立てを行っているというところで、この間、社会経済状況の変化に応じて適切に対応を行ってきたものと考えておるところで、恐らく委員からは、こういったケースをあらかじめ想定して、事前にそのケースごとの基準を作成しておくべきではないかという御提案かと受け止めてございます。ただ、この基準という意味では、多様なケースを想定することの難しさですとか、あらかじめ定めることで、かえって柔軟な対応が難しくなるというところのリスクもあるかなと承知してございまして、こういった様々課題があろうかなと思いますけれども、来年度、基本的な考え方の見直しを行ってまいりますので、今いただいた御提案はしっかり参考にさせていただきたいなと思ってございます。

中村 康弘

かなり具体的なシミュレーションは難しいと思うんですけれども、ただ、考え方として、こういう考え方でいくというふうなざっくりなものでもいいので、ある程度まとめておいたほうがいいかなというのは私の考えであります。
 この基本的な考え方、この5項目、これまで地方財政を専門にしている大学教授の意見を聞くなど、評価を得てきたというふうに私も理解しておりますけれども、改めてまた今回見直しを行うに当たりまして、外部の専門家の視点や評価、アドバイスを受けることも検討してはどうかと考えますけれども、いかがでしょうか。

財政課長

来年度の見直しに当たりましては、必要に応じて学識経験者から御助言をいただけるように予算を計上しておるところでございます。

中村 康弘

計上しているんですね。分かりました。
 では、5項目個別に伺ってまいります。まず1つ目の財政調整基金の450億円の維持、これは災害への備えとして、まずこの450億円の内訳として、集中復興期間とされる5年間に必要な額を基に200億円の財調基金の積立てを定めております。これまでも何回もお伝えしてまいりましたが、この200億円の計算のベースというのは、30年以上前の阪神・淡路大震災の西宮市の事例を人口比で算定したものでありまして、その算定の根拠に荒さがあるというのは否めないというふうに思っております。これは区も認めていると思います。
 今回見直しに当たりまして、直近の被害想定を踏まえて、発災直後から復旧復興に至る行政需要や財政負担の推計作業を行っていってはどうかということも提案させていただいて、区は現在行っていると理解しておりますけれども、その上で、この資料ナンバー73番を出していただいたんです。これで積算の根拠とする被害想定と5年間の集中復興期間に行われる想定事業はどんなものがあるのかということを示してくださいというふうに出させていただいたんですけれども、改めてこの73番、概略で結構なので、どういった内容、シミュレーションを考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

財政課長

御指摘のとおり、来年度、財政調整基金の積立目標額を検討する際の資料とするために、今現在、区の被害が最大となる多摩東部直下地震を前提におきまして、発災直後から5年間で想定される11の事業で財政負担の推計を行っておるところでございます。委員御指摘の資料でございますけれども、この11の想定事業のうち、例えば災害応急対策や災害援護資金の貸付け、被災家屋等の応急修理の3事業は、全額都区財があって区の持ち出しがないですとか、残りの8事業については、内容に応じて区負担が生じるなど、想定される事業内容の今整理を行っている、そういった資料となってございます。

積算作業の進捗と具体的な量的推計

中村 康弘

実は資料請求のときには、私はこの内容に加えて積算に伴う数量、単価、金額についても情報の提供を求めるという資料を出させていただいたんですけれども、頂いた資料にはそういった記載はありません。さきの代表質問の際には、現在積算の作業を進めているところで、積算結果は、来年度の見直しの際に活用するとの答弁がありましたけれども、これは具体的な量的な推計というのは今の段階では出せないんですか。その辺に関してどういう状況なんでしょうか、確認いたします。

財政課長

現在、積算途中の項目がちょっと数多くございまして、現時点でお示しすることが困難な状況かと存じております。ただ、来年度の検討の結果、こうした実際の積算経費を基に残高目標を設定することとなった場合には、当然、内訳資料としてお示ししていく必要があるものと認識しておるところでございます。

中村 康弘

その出されたときにはしっかり見ていきたいというふうに思っております。
 それで、1項目の450億円の内訳のもう一つの対策のシミュレーションというか、もう一つは経済事情の著しい変動ということで、その減収への備えについて想定がこちらは250億円と定めているということで、この250億円という額を導き出した根拠について、これも資料ナンバー70番で出していただいておりますけれども、改めてこの250億円というのはどういったところから導き出されたのか御説明いただきたいということと、そもそもこの250億円という現在の設定の数字というのが妥当な額であるのか、区はどういうふうに認識しているのか、その辺に関してお聞かせいただきたいと思います。

財政課長

こちらの額につきましては、平成20年のリーマンショック後、平成22年度から25年度までの4年間、財政調整基金の取崩し額約200億円を基にいたしまして、当時の特別区税の減収率を令和5年度当初予算額に乗じて、著しい経済変動への備えとして250億円というものを算出している数字ということになります。200億円から250億円に引き上げた令和5年度ですけれども、そこからさらに特別区税が増加しておりますし、また物価高騰も見られるという状況がございます。来年度の検討では、この額の妥当性も改めて確認していくことになろうかと考えておるところでございます。

中村 康弘

資料では、リーマンショックの後の4年間で特別区税と特別区財政調整交付金の減収額が4年間合計で214億円、またそれとちょっと時期をずらしてですけれども、1年ぐらいずれた形になりますけれども、その後の4年間で年度内の取崩し額が208億円、それに対して今の予算規模というのを掛け合わせて計算したということですけれども、そこに関しては、またさらに細かい計算をこれからしていただけると思いますので、しっかり問題意識を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。
 実はコロナ禍のときに、この450億円というのを不測の事態に備えてということで、財政調整基金を活用して機動的な財政出動を行いましたと。代表質問でも先日取り上げましたけれども、類似事態、これから類似する事態が発生したということを踏まえて、基金の取崩しの判断基準、前回はコロナは大規模災害に匹敵するんだというふうな形で、私もそうだという思いで機動的に取り崩したという経緯がございました。それはそれで私は評価しているところでありますけれども、ただ、先ほどのシミュレーションの話もありましたけれども、これからいろんなことが起こり得るということもありますので、そういったことも踏まえて、基金取崩しの判断基準とか、またそういったところのどういった形で意思決定プロセスを組んでいくのかとか、改めて、先ほどのことも含めて、一定程度整理しておいたほうが恣意的にならないんじゃないかなというふうに私は思うんですけれども、その辺に関して区の所見はいかがでしょうか。

財政課長

委員御指摘のとおり、今は450億円しっかり積みながら、その残高を維持しながらも、他の予測し得ない事態が発生したときは柔軟に対応するということで、コロナのときにも80億円を超える財調基金からの活用を行ったというところでございます。これを事前に定められるのか、設けられるのかという視点も含めて、来年度検討の中でもう一度検討してまいりたいと存じます。

中村 康弘

2つ目の項目の施設整備基金の積立て、またさらにそれに関連して区役所庁舎の整備基金について伺ってまいります。今現行の、この項目の考え方の明文上では、毎年40億円以上という形で積立てをしていくというふうに記載をされております。改めてこの40億円以上という計算式をざっくりとおさらいさせていただきたい、確認させていただきたいというふうに思います。それに合わせて、実際に、では、令和5年度、6年度、7年度見込みも含めて、施設整備基金の積み立てた額と、実際に年度内に取り崩した額をお示しいただきたいというふうに思います。その上で、今お聞きした40億円以上という計算式、このことに対して、その結果も含めて、現段階における区の所管の考え方、どのような感想をお持ちか、その辺に関してもお聞かせいただきたいと思います。

財政課長

この40億円という数字ですけれども、今後40年間の区立施設の改築改修経費である年平均約139億円から、改築経費の縮減や特定財源を除いた残りの経費に対しまして、55%相当を施設整備基金で賄うと想定した場合に、毎年度約47億円が必要になるという算出をしたところです。ここに当時の基金残高を勘案しまして、毎年度40億円以上の積立てが必要と見込んでおる数値ということになってございます。
 この間の実績でございますが、令和5年度は積立て78億円、取崩しが24億円、令和6年度は積立て60億円、取崩し37億円、令和7年度は積立て121億円、取崩し42億円となっておるところでございます。これは目標超える形でその時々の財政需要に応じてしっかり積立てができている状況を表しておるのかなと考えておるところです。また、現在の額でございますけれども、これは令和5年度の試算が基になっておりますが、物価上昇等も見られますので、こちらも来年度改めてその経費の試算というものをする必要があると認識しておるところでございます。

中村 康弘

今御説明いただいたとおり、基本的にはこれから支出していくであろう施設整備に関する費用を、長期にわたるものを平準化してその分を積み立てていこうというふうな考え方なので、47億円でしたっけ、そういうのを計算してきたと。ただ、実際この3年間を振り返ると、取崩しと積立ての差額が大体毎年度50億前後、7年度を見込みますと80億円ぐらいプラスになっているということで、相当想定を上回った形で積立てを行っているということもあるので、これを明文化していく上でしっかり見直ししていくべきじゃないかと思いますので、その辺、改めて現状に即した形で計算をしていただきたいというふうに思います。
 関連して伺いますけれども、この区役所本庁舎の建て替えに関しまして、現在想定している総事業費の概算といつ頃の予定なのか、先ほど十数年後というような話もありましたけれども、基金積立目標額と起債をどうしていくのかとかといったところの財源はどうしていくのか、そういった考え方、それに関して今の段階で分かる範囲でお聞かせいただきたいと思います。

財政課長

こちらは令和6年10月の庁内の課題検討報告書で試算を行っているものとなってございます。その当時の平米単価等を用いまして建設工事費を400億円と見込み、その75%、300億円を基金で、差引き100億円の75%相当、これは66.9億円ですけれども、こちらを地方債、残余の33.1億円のうち10.7億円を基金運用益、その残り22.4億円を一般財源で賄うとして考えておるものでございます。この基金ですけれども、300億円を15年間で積み立てることにいたしまして、庁舎整備基金に毎年度20億円積み立てることとしたものでございます。

中村 康弘

分かりました。よろしくお願いします。
 次、3番目の区債発行、また公債費負担比率5%に関して伺っていきます。これも資料71番を作っていただきました。改めて令和3年度から6年度までの公債費負担比率、どういうふうな形で推移しているか、お示しください。

財政課長

令和3年度が1.9%、令和4年度1.6%、5年度1.8%、6年度1.8%となってございます。

中村 康弘

過去4年間を見ても、全て1%台ということで、ただ、目標自体は5%を超えないという設定なんです。ということであれば、この水準はどのようなリスク想定や将来需要を前提として定めたものなのか、そもそもこの5%の妥当性というものに関してはどのような考え方か。

財政課長

一般的には10%未満が適正水準とされておるところでございますが、この設定した当時、今後の施設更新に伴う区債発行によりまして公債費の増が見込まれていたこと等を踏まえまして、過度な区債発行を抑制するために設定をしたという数値でございます。現状の実績、先ほど申し上げました2%未満となってございますが、現状においては金利が上昇傾向にあること、今後も施設更新に区債を活用することが見込まれる中におきましては、その一般の水準の10%というところよりも厳しめの水準としては、現時点では適正と考えておるところでございます。

中村 康弘

分かりました。1回令和2年度、先ほどの中にはなかったんですけれども、4.9%というときがありました。改めてこのときの状況を御説明ください。

財政課長

こちらの大きな要因でございますけれども、平成28、29年度に富士見丘小学校の移転用地購入、それに当たって起債をした公共用地先行取得等事業債、これは43億円ほどでしたけれども、この一括償還が公債費に計上されていたということが原因でございます。

中村 康弘

突発的なイレギュラーな扱いということですよね。
 区債は、この中に、原則として赤字区債を発行せずという記載がございます。そもそも赤字補填のための地方債発行というのは法律上認められておりません。地方財政法第5条で例外的に認められている区債発行の目的をお示しください。

財政課長

地方財政法5条では、5つのケースが定められてございまして、まず公営企業の財源とする場合、出資金等の財源とする場合、地方債借換えの財源とする場合、災害応急事業等の財源とする場合、公共施設の建設事業等の財源とする場合の5つが規定されているという状況です。赤字債はこの規定の特例として、第33条の5の2以降に限定列挙されている、あくまで例外的なものと承知しておるところでございます。

中村 康弘

分かりました。これも見直しする際は、法律でそもそも認められていない赤字区債の発行という記載ではなくて、今の答弁があったような形で限定していくというふうな記載をしたほうがいいと思いますけれども、所見はいかがでしょうか。

財政課長

我々といたしましては、この特例的に認められる赤字区債も原則として発行しないということをしっかり確認する意味合いで記載をしておるところでございますが、来年度の見直しに向けてどのような表現がより適切かというのを改めて確認してまいりたいなと考えてございます。

中村 康弘

分かりました。
 では次、この積立基金に関して運用益に関して聞いていきたいと思います。資料ナンバー72番を出していただいておりますけれども、積立基金に関する運用益の推移と利子負担率、この推移を出していただいておりますけれども、それぞれ3年度から7年度見込みまでの推移をお示しいただきたいと思います。

会計課長

運用益の推移でございますけれども、令和3年度が0.063%、令和4年度が0.063%、令和5年度が0.103%、令和6年度が0.179%、令和7年度が0.461%でございます。

中村 康弘

利子負担率も聞いたんですけれども。

会計課長

失礼いたしました。利子負担率が令和3年度が5.5%、令和4年度が8.8%、令和5年度が18.3%、令和6年度が25.9%、令和7年度が43.5%でございます。

中村 康弘

今の利子負担率は、区債の残存利子の総額と、それを区債残高で割ったものなんですけれども、この4年間で5.5%が43.5%に、物すごい増額している。利子負担に関しても、令和3年は2億1,000万に対して、令和7年の見込みでは18億ということで、相当金利上昇がもう明確になっているということでありますけれども、こうした数字も無視できなくなってきている状況になってきております。現状ではこの基本的な考え方には、金利動向等を見据え、繰上償還を行い、公債費の削減に努めますの記載しかありませんけれども、今後は区債発行に伴って金利負担と基金運用による金利収入なども、バランスの重要な一要素として検討するべきではないかと思いますけれども、所見を伺います。

財政課長

御指摘の視点は、区債発行の必要性や区債発行の要否を検討する際の一つの参考指標になり得るものと考えておるところでございます。現在の区債に関する考え方は、一定の金利上昇を見込んだ指標として設定しているところではございますけれども、今後も金利上昇が見込まれる中、どういった指標とするのがふさわしいのか、委員の御意見も参考に検討してまいりたいと考えてございます。

中村 康弘

分かりました。
 次は、行政コスト対税収比率100%を超えない、これに関してはちょっとはしょります。また改めてしっかり検討していただきたいというふうに思います。
 最後の債務償還可能年数5年以内について、この数値についても改めて御説明をいただきたいと思います。債務償還可能年数とは何か、また過去5年間はどういう状況で推移しているのか、お示しください。

財政課長

債務償還可能年数でございますが、これは実質的な債務を経常収支の黒字の何年分で償還できるかを示す指標でございまして、この年数が短いほど中長期的な財政の健全性が確保されていると言われる数値でございます。直近5年の比率でございますが、令和2年0.5年、令和3年マイナス0.2年、令和4年が0.3年、令和5年が0.4年、令和6年が0.1年と推移しているところでございます。

中村 康弘

一方で、今、債務償還可能年数、どれぐらいの期間で借金を返せるかというふうなことを年数で示したものなんですけれども、一方で現在の区の区債、いわゆるその借金の平均償還年数も過去5年間の実績を資料ナンバー71番で出していただいております。改めてこの平均償還年数に関して説明いただきたいのと、そしてその年数の5年間の実績を示してください。

財政課長

平均償還年数の意味合いでございますけれども、これは区が発行する地方債は償還期間が5年から25年と様々でございますので、加重平均の手法を用いることで、地方債総額を何年かかって償還しているかを示す数値として出してございます。5年の数値でございますが、令和3年から17.7年、19.4年、20.1年、20.7年、令和7年の見込みで21.1年と推移してございます。

中村 康弘

分かりました。
 債務償還可能年数は極めて少ない1.何とか、それとマイナスもありましたけれども、そういう水準にある一方で、現在の区債の平均償還年数は約20年前後ということです。すなわち、今現在の区の財政体力上は短期間で返済できる状況ではありますけれども、ただ、実際の区債の運用というのは長期償還、20年とか25年とか、そういうような形を前提とした運用を行っていると。これから今後、この財源の部分と区債の残高の部分というのをどのように評価して、今後の区債発行の判断や財政運営にどのように活用していくのか、区の所見を伺います。

財政課長

確かに数値上は短期間で返済することが可能ということで数値が出てございますが、それを行うとなると、資産である基金を大きく減少させることにつながるというところがございますので、実際には年度間の負担の平準化、また世代間の負担の公平という地方債の趣旨、こちらを果たすために、長期にわたる償還を行うことが妥当であろうかなと考えておるところでございます。この指標は決算時点で明らかになってまいります指標となってございますので、予算編成時の活用はちょっと限定的になるものと考えてございますけれども、今後も中長期の財政の健全性を推しはかる指標としてしっかり活用してまいりたいと考えてございます。

中村 康弘

いわゆる先ほどのバランスというところですよね、偏らないということで。

基金・資金管理運用の課題認識と対処方法

中村 康弘

 次に、基金と資金の管理運用について伺ってまいります。当区の資金管理は、先ほども午前中にございましたが、安全性、流動性、収益性の確保、これを原則としているというふうに理解しております。ただ、この3つの要素は同時に最大化することはできないものでありまして、どれかを高めると別の要素が必ず弱まると、これもトレードオフの関係というふうになっております。例えば安全性を重視すれば利回りが低くなってしまいます。流動性を高めれば運用益は下がってしまう。収益性を追求すれば価格変動リスクが増大することによって、安全性や流動性が低下してしまうということで、先ほどありましたけれども、当区の基金管理監は、こういった現在の区のポートフォリオは非常にバランスがよく取れたものだというふうにも評価していただいているところでありますけれども、改めて安全性、流動性、収益性のこの3つの要素を踏まえた上での来年度の資金、基金の管理と運用について、課題認識と対処方法について御説明いただきたいと思います。

会計課長

委員御指摘のとおり、区の基金運用につきましては安全性、流動性、それから収益性を基本としてございます。この3つにつきましては、相互にトレードオフの関係にございますので、まずは公金管理の観点から安全性と流動性を最優先といたしまして、その範囲内で可能な限り収益性の確保を図る方針でございます。来年度につきましても、金利の動向を踏まえつつ、債券運用において満期保有を原則とするラダー型運用によって元本を毀損させることなく、最適金利で再投資を続けることによりまして収益性を高め、バランスの取れた運用に努めてまいります。

中村 康弘

バランスということでありますけれども、この資料ナンバー72番では、先ほどもありましたけれども、現在ではそのバランスが預金と債券の運用割合でいくと、債券のほうにバランスが寄っているということでありまして、収益性というところはちょっと寄っているのかなというふうな状況でありますけれども、こういったところに利回りや金利上昇が背景にあると思うんですけれども、ただ一方で、金利変動に伴う価格変動リスク、債券の価格変動リスクも定量的に把握していくことが必要であると思います。これは一般的によくデュレーションという数値を使いながら、債券に投資した資金が利息分を含めてどの期間で回収できるかというのを表している数値でありまして、この金利が変動した場合の価格変動幅、いわゆる金利に対する感応度を示すものとして用いられております。区においても、現在、区が保有する債券のデュレーションというものは把握しているのでしょうか。

会計管理室長

委員がおっしゃったデュレーションというのは、いろんな見方があるんですけれども、多分マコーレー・デュレーション、平均回収期間のことをおっしゃっているというふうに思うんですけれども、これは一般に、今、委員がおっしゃいましたが、金利変動に対する価格感応度を示す指標として非常に有効です。ただ、これは売却による利益の確定、それから損切りの判断を前提にした管理手法であるというふうに認識しておりまして、区の運用は、先ほど申し上げたように満期保有を原則としておりますので、この事務負担などを考えまして、個別の債券ごとのデュレーションというのは算出しておりません。ただ、ポートフォリオを構成する債券の平均残存期間を管理することで金利リスクの全体像を把握しているところでございます。ただし、適切な基金運用を行うためには、様々なデータを把握することが必要だというふうには認識しておりますので、委員おっしゃったデュレーション、マコーレー・デュレーション、これの計測については研究してまいりたいというふうに考えております。

中村 康弘

最後にします。今、会計管理室長からもお話がございましたとおり、デュレーションも含めて平均取得利回りとか、残存年限とか、直近の時価評価総額、また含み損、あるいは含み益、こういったこともしっかりと管理をした上で、これから金利ということ、これから非常に大きな重要な要素になってきますので、そういったことをこの部内でしっかりと管理をした上で、区債の発行も含めて基金とのバランスということも戦略的に考えていく、そういった対応をしていただきたいと思いますけれども、改めて今後の基金管理、基金運用に関する区の考え方を最後にお聞きして、質問を終わります。

会計管理室長

繰り返しで恐縮ですけれども、当区の債券投資は満期保有を原則としてラダー型の運用を行って、安全性、流動性、収益性のバランスを取っているものと思いますけれども、委員が、ちょっと短い時間ではありましたが、なかなか難しい宿題をいただいたなと思っています。リスク管理の観点から、定期的にこの運用をモニターするというのは必要だと思っております。
 実はマコーレー・デュレーションを算出していないというお話をしたんですが、基金管理監の指導をいただきまして、現在の債券ポートフォリオを前提に、簡易なモデルをつくりまして、いろんな変数を変えてみる。例えばポートフォリオの変更によるリスク、それからそのリターン、金利上昇への含み損の影響、これなどについてシミュレーションをやっています。これをやると、ラダーを今度多段階にするだとか、そういったことも、また新たな課題といいますか、検討材料が出てくるんです。こうしたものも実は私どもも考えておりまして、今後も金利市場がどんどん非常に変化しておりますから、金利のある世界におきまして、この運用のよしあしが、リターン、収益格差、プラスマイナスを生むというのは非常に大きな影響を与えてしまいますので、そうしたことを我々は頭に入れながら、いろいろ研究しております。収益拡大とリスク管理、このバランスを取らなきゃいけないので、それについては引き続き研究してまいりたいというふうに考えております。