減税基金条例と減税自治体構想の意義
減税基金条例について。
まず、冒頭に際しまして、昨日、南米チリでマグニチュード8.8の大規模地震がありました。甚大な被害が出ているとの報道があります。亡くなられた方々に対しまして、心より哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
さて、本日の集中審議に当たりまして、まず、区長にお伺いをしたいと思いますが、今回の減税基金条例及びその基礎となる減税自治体構想について、区長はこれまでどのような問題認識を持って、またどのような施策を経て今回の提案に至ったのでしょうか。そして、本構想を実施することは、杉並区及び杉並区民にとりましてどのような意味を持つのか、提案者である区長ご自身のお考えを、まずお聞かせいただきたいと思います。
このたびご提案申し上げております減税基金条例及び関連の予算につきましては、私の3期目の公約でございました。その3期目の重要な公約に掲げた経緯を簡単に申し上げたいと思います。
私が就任いたしました平成11年のときには、どの自治体も国も大変な財政状況でございました。それをどうにか改善をするということが私に与えられた使命だ、こう思って2期取り組んでまいりました。当初は、借金も942億円、また、それに伴う経常収支比率は95%にも上るという状況でございまして、新たな行政課題に対応するということには、大変厳しい財政状況でした。
その中で、固定費が95%を占めているということは、その固定費を崩していかなければならない、と同時に、サービスも向上させなければならない、こういった思いで、固定費の重要な部分を占めておりました人件費の削減に取り組んでまいりました。当時4,700人の職員を10年間で1,000人削減するという目標を掲げ、行政支出を減らし、そしてまたサービスを向上し、民間に任せるものは任せて、8年間やってまいりました。その結果、942億円あった借金も、数年後にはゼロになるという見込みを立てることができ、貯金も増えてまいりました。
これでよしよしということなんですけれども、しかし、8年間の経験を考えると、二度とこういう状況は杉並区にもたらしてはならないという思いを大変強くしておりまして、長い目で見て杉並の健全な財政の基盤というものをつくっていくということが私の最後の3期目の使命だ、こう思って、この減税自治体構想を掲げたわけです。
財政再建から長期的な杉並の繁栄につなげていくというためには、予算をその年のものを全部使い切ってしまえば、必ず、税収が減ってきたときに借金の積み重ねになっていく。これはどこの自治体もそうでしたし、また国も、その結果、あんなにバブル期には税収が多かったにもかかわらず、その税収はどこに行ったのか雲散霧消してしまいまして、結局大きな借金だけが残りました。私は、そういった根本の原因は使い切り予算にあると考えておりまして、何とか一部を積み立てていくというダム式の経営をしていく必要がある、財政のダムをつくっていく必要がある、こう考えておりました。
そして、その財政のダムを、今度はいざというときにはそれを使う。と同時に、そのダムの水、財政のダムをうまく活用していくことによって、将来の人の負担も下げるというために、減税基金というものを積み立てていって、将来その利子によって負担を軽減していく。それも遠い先ではなくて、なるべく5年や10年の間にその目標を達成するということができれば、これから負担が増えてくるとされる我々の子ども、また孫の時代には、その人たちの負担も下げ、そしてサービスも低下させないということができるんじゃなかろうか。こういった意味で、使い切りをやめ、そしてその積み立てていった基金を利用して将来の減税に充てることによって、将来の人の負担を下げ、そして福祉の向上も図っていく、継続的に図っていくということが必要だ、こう考え、この減税基金条例を提出するということになりました。
その上、チリの大地震もありましたけれども、日本もいつこういった事態に見舞われるかわからないという状況の中で、この基金を積み立てていって、大地震のような災害にはいち早く行政がこの基金を取り崩して、そして対応するということも、我々が今やるべきことだろうというふうに考えております。
そういった使い切りを改め、将来の人の負担を下げ、そしていざというときの備えをするということを将来の杉並区の目標にしていけば、私は恐らく、そういう歩みをしていくことによって、今の杉並も発展をするだろう、こういうふうに考えます。どこの自治体も税金を下げるということはなかなか行っていないわけですけれども、それをやることによって、また将来それが行われるだろうということを通じて、杉並区に多くの人たちが集まり、そしてまた、そこが杉並区の活力、発展のもとになってくる。高額納税者が杉並に居を移すことによって税収も増えていく、それがまた、今生活に困窮されている方へのサービスの向上にもつながる。いろいろな意味で、この構想を掲げることによって杉並区のあすの発展が約束される、こういうふうに考えておりまして、長くなりましたけれども、今回の条例提案になった次第であります。
ありがとうございます。私ども杉並区議会公明党は、会派として、また個々としても、本構想につきまして、これまでさまざま研究をし、真剣に検討を重ねてまいりました。本構想を、単にお金をためる、ためないだけの議論ではなく、これまで進められております地方公共団体の公会計制度の改革や財政健全化法の制定など、フローからストックへという財政運営のあり方、また、コストや投資効果を重視した公共経営という考え方、さらには、国への依存や横並びといった体質を排した自立へという地方分権の流れ、こういった地方公共団体を取り巻く時代の変化も見据えて、自治体の財政運営とは何なのか、また、税金を徴収して行う行政サービスとはどうあるべきかなどのテーマとあわせまして、研さんを進めてまいりました。と同時に、多くの区民とひざ詰めの対話や地域での会合などを通しまして、本構想につきましても、さまざまな形で区民とのコミュニケーションに取り組んでまいりました。
そういったさまざまなプロセスを経まして、先日の本会議で会派代表質問でも表明をさせていただきましたが、我が会派といたしましては、本構想の考え方には賛同できるとの結論に立っております。
では、その主な理由は、1つ、本構想は、単年度主義の使い切り予算から脱却し、これまでの自治体財政運営のあり方に一石を投じる構造的な改革であること。2つ、長期的な構想のもと、積み立てを行い、減税を目指しながらも、いわゆる財政のダムを構築することで、大規模災害などの大幅な減収といった事態にも備える、安定的な公共サービスの提供を可能にする仕組みであること。3つ、将来世代のために正の遺産を残すことが、地方分権の時代にありまして、杉並区独自の高付加価値サービスとなり得ることであります。
本区の区債残高ゼロがいよいよ現実味を帯びてきたこの時点におきまして、その先にある将来に向けて、全国初となるこの試みを、この杉並区においてぜひとも成功させていきたい、そのように考えております。
その上で、本基金条例案の中身と、構想を運用するにおいての個別具体の内容について、時間の許す範囲でさまざま質問をさせていただきたいと思います。
まず最初のポイントといたしましては、基本方針について伺います。
条例案の第2条第1項に基づきまして、恒久的な減税を計画的に実施するための基本的な方針を策定するということになっております。この基本方針に基づいて、一定額を毎年度の予算で積み立てていくことになります。今回の基本方針の案として示されているものは、1、恒久的減税の実施時期は10年後、2、その減税の規模は10%相当額、そして3、積み立て方針は一般会計当初予算額の1割を目途とする、こういった内容で構成をされております。いわゆる約10年間にわたる中長期スパンの大きな枠組みであります。
では、そもそも基本方針とは何なのか。行政計画上の体系的な位置づけというものにおきましては、この基本方針はどのような位置にあるのか、確認をさせていただきたいと思います。
ただいまお尋ねの基本方針は、条例2条に掲げてございますように、恒久的な減税を行い、区民の負担軽減を図る、それを計画的に実施するためのものでございまして、そのスパンも非常に長期に及ぶことを考えれば、当然、基本計画に位置づけるものであるというふうに考えてございます。
現在の基本計画は22年度までとなってございますので、新しい基本計画の策定時には、そうした考えで臨んでまいるべきだというふうに考えてございますし、また、今回の予算に基づく実施計画の修正には、減税自治体構想の推進ということを明記してまいりたい、かように考えてございます。
基本計画に位置づけられるという確認をさせていただきました。
この基本方針の策定、また変更につきましては、条例では区長が行うということになっております。その際、その時々の区長の判断により、ある区長は積立額の基本方針を予算の20%にします、また別の区長は、いや、私の任期中は積み立てをゼロにしますと、このようなことも議論としては、可能性としてはあり得るわけであります。減税の規模や実施時期についても同様であります。
今後さまざまな状況が考えられると思いますが、いずれにしましても、このような計画推進の基本的な内容につきましては、区長の専権的な判断のみにゆだねるのではなくして、民主主義としての議会や区民の意思が反映されるべきであると考えます。この点につきましては、さきの代表質問でもこの点を指摘させていただいたときに、区長も重要であると考えると答弁をしていただきましたが、ここで改めて、この点に関しての区の認識を伺いたいと思います。また、どのようにしてそのことは担保できるのか、どのようにお考えか、お示しいただきたいと思います。
基本方針の策定、また変更についての手続でございますけれども、これにつきましては、基本的に区長が案を策定し、最終的に区長が決定をするということになりますが、そのプロセスにおきましては、このたびもそうでありましたように、あらかじめ区議会のほうに案をご報告、ご説明をし、その後、区民の皆様へ意見を聞くということでパブリックコメントも実施してまいります。そこで得られたご意見を十分拝聴し、反映できるものは反映した上で、最終的に区長が決定するというような手続で考えてございます。
今るるご説明ございましたが、民主的な判断をしていくという中で、減税基金委員会の活用というのも1つの選択肢ではないかとも考えております。この減税基金委員会とは、条例案の第10条でその設置が定められておりますけれども、ここで改めて、同委員会の設置目的、役割等について、概略をお示しいただきたいと思います。
基金委員会の役割、性格でございますけれども、基金委員会につきましては、区長の附属機関、第三者機関として設置されるものでございます。
設置の理由でございますけれども、基金の残高が将来的に巨額になること、また、その場合に区に資金の運用の専門家がおらず、資金運用の知識や実務の実績というものが十分にあるとは言えないこと、また、資金運用の透明性、客観性を確保する必要があること、このような観点に立ちまして、専門性、透明性、客観性、独立性ということを高めるために、冒頭申し上げましたように、第三者機関として区長の附属機関として設置するものでございます。
今、減税基金委員会の透明性、客観性、独立性等、そのような意義を持って設立をあわせてする予定だとご説明がございましたが、例えば基本方針の変更につきましても、何らかの形で、委員会が独立した形として関与していくということに関してはどのようにお考えでしょうか。
今ほど、この委員会の役割ということをご説明申し上げましたが、やはり金融関係の専門家に基金の管理、処分について専門的な見地から答申をいただく、また必要に応じてご意見をいただくという役割でございますので、対して、基本方針につきましては、減税の実施時期や規模、また積み立ての方針ということで、極めて政策的な判断の要素が強い面がございます。こうしたことから考えますと、基金の管理、処分と同列に考えて同じように委員会の所掌事務に当て込んでいくということは、その性格上なじまないのではないかというふうに考えてございます。
さまざまあると思いますけれども、2つ目のポイントに行きます。
我々はこれまで、将来の減税が現在の区民に対する行政サービスの低下を犠牲にしてまで行われることがあってはならない、それでは本末転倒ではないか、そのように主張してまいりました。この点については、区側も同様の認識を持っている旨を何度も議会での質疑の中でも確認をさせていただいてまいりました。こういったことは本構想の前提条件であると私どもは理解をしておりますけれども、将来の減税が現在の行政サービスの低下という犠牲の上に行われてはならない、この前提条件につきまして、改めて区側の認識をここで確認をさせていただきたいと思います。
今ほど委員のほうからお話がございましたとおりでございまして、私どもとしましても、その時々の行政需要には十分に対応しながら、言いかえればしっかりと今を固めながら、その一方で、計画的に将来を見据えて一定額を積み立てていく、このようなことを意図しているのが減税自治体構想でございまして、今回それを具体化しようとしているのが基金条例ということでございます。
今確認させていただきましたけれども、ただ、この原則論は、理念という形で掲げるのは簡単です、そういうことを言うのは。現実的にそのことが実行されているかどうかをいかにして検証し、また証明していくか、これが非常に大切になってくるんじゃないかなと思います。ただ、個別の行政需要を見て、これが達成されている、されてないとか、それだけを見て判断することは、区民それぞれニーズが異なりますから、全体観に立った意見ではないと、私どもはそのように考えております。
それにおきまして、杉並区の行政サービスのレベルを全体として客観的に検証し、そして先ほどの前提条件を確保していく、この仕組みについてはどういった形でそれを実行していくのか、その辺をお示しください。
これにつきましては、区では、平成20年度から区政経営報告書というものを、従来の決算説明資料にかえて策定をしております。これには、区のすべての施策、また事務事業の決算額にあわせて成果指標を掲げてございます。つまり、こういうものを使いまして、区の行政サービスが前年度に比べて成果指標としてどの程度伸びたのか、またそれが他の自治体と比べてどのレベルにあるのか、これが1つの客観的な指標になるかと思います。こういうことをよりわかりやすく、より区民の皆さんの生活に直結したような、そういう指標をピックアップしてお示しするなどしていくことが検証につながりますし、冒頭申し上げた、区民サービスを維持しながら積み立てを行っているという安心感を与えることにつながるというふうに考えてございます。
こういった点に関して、私も議員になってから常々訴えてきたことでございますけれども、やりっ放し、使いっ放しとかいうのじゃなくして、今おっしゃられたように、事業1つ1つをしっかりと検証し、よくなっているのか悪くなっているのか、それを分析し、また言われたとおり区民にわかりやすく情報公開し、それをもっていわゆるPDCAをしっかりと守っていく、この仕組みは今本当に大事だと思っております。そういう意味では、改革の途上ではございますけれども、さきの経営報告書のような、そういったことは非常に重要である。これからもこういった制度をさらに充実させて、透明性を高めて情報公開も高めて、しっかりとした検証、確認できるような形でこれからも推進をしていただきたいと思います。
杉並区における大規模災害時の財政措置
続きまして、3つ目のポイント、災害対策という点について質問させていただきます。
本構想につきましては、恒久減税の財源を運用益で賄うという側面がクローズアップされておりますけれども、私どもといたしましては、この構想のもう1つの機能、すなわち大規模災害や急激な区の収入の悪化にも対応する、いわゆる財政のダム機能につきましても、その重要性に着目をしております。
これまで災害対策について論じられるときには、阪神・淡路大震災のときのデータがよくこれまでも引用されております。現段階において、この東京杉並で大規模な地震が発生した場合、杉並区において必要な追加的財政措置はどのように見積もられているのか、改めて現段階の認識を確認させていただきます。
これにつきましては、さきの阪神・淡路大震災のとき、人口規模が杉並区と最も近かった西宮市、当時42万の人口がございましたが、その西宮市が発災後5年間で追加的に要した経費が、災害救助費につきましては当初だけの経費になりますが、それを除くと、5年間で3,300億円という結果が公表されております。
42万の人口の西宮市で3,300億。単純な比較はできませんけれども、54万人の人口規模の杉並区に人口比で置きかえてみますと、4,200億程度は必要だという結果になります。もっとも平成17年に中央防災会議が、首都圏直下型地震が起こった場合、最も大きい経済的被害の予測として112兆という数字を示しております。これは阪神・淡路の9.9兆の10倍以上ということですので、今私が述べました数字というのは、最も少なく見積もってもということになろうかとは思います。
今、西宮市の震災後5年間の3,300億という数字が提示されましたが、もう少し突っ込んで聞かせていただきます。この財政支出の国、県、また市独自、さらにはそれ以外のも多少あると思いますけれども、どのような負担割合であったか、ざっくりと概略で結構です。
この負担の割合でございますけれども、大まかに申し上げますと、国庫支出金で約4割、県、これは兵庫県になりますけれども、県は自らも被災自治体ということでございますので、2%程度しか支出がございません。残りの6割につきましては、市債の発行、寄附金、また市の一般財源というような割合になってございます。
ということは、市その他含めて支出した額としては3,300億の6割ですから、2,000億弱というところですかね。その財源について、今、市債の発行というようなことを言われましたけれども、どのような形で対応したのかというところ、もう一度詳しくご説明いただきたいのと、また、そういった財政措置がその後の西宮市の財政にどのような影響を及ぼしてきたのか。例えば5年とか10年後までどうだったのか、今に至ってどうなのか。市債の発行状況やまた経常収支比率等、できればデータもお示しいただきながら、その後どのような影響を及ぼしているのか、お示しいただきたいと思います。
西宮市の例でお話し申し上げます。西宮市は、震災発生前の平成5年度の決算では、普通会計ベースで968億円の市債残高でございました。これが、復興経費、また市民サービスも維持しなければいけないということで、その後の5年間、平成10年度には、平成5年度比で3.2倍の3,132億まで膨れ上がってございます。さらに申し上げますと、平成21年度決算見込みでも、いまだに平成5年当時の2倍の1,800億余の残高が残っておる、このような状況でございます。
このような財政支出、区債残高、区債の発行ということによりまして、市の財政状況はかなり硬直化してまいりまして、もともと西宮市は発災前は地方交付税の不交付団体ということで、いわゆる富裕団体だったわけでございます。これが平成6年度には交付団体に落ち込みまして、経常収支比率はその前の78.7から87.1、その翌年、平成7年度にピークを迎えまして105.1ということで、さらにその後10年以上、経常収支比率は95%以上で推移しているという状況でございます。この間の全国の推移が85%前後で、平均しても84.7%ということから見ると、14ポイントぐらい高い状況で後年度の負担が出ているということが言えるかと思います。
その後長きにわたって財政が逼迫している、そのような状況がありました。
先ほど、西宮市の42万人の人口から54万人に計算をしまして、当区においての4,200億という数字が示されました、仮定としての数字ですね。ただ、この計算はかなり雑駁な計算という印象を受けます。
例えば、先ほど副参事のほうからもお話ございましたけれども、本区におきましては、地域防災計画という計画が立てられておりまして、かなり具体的な被害予測の上に綿密な応急対策の計画、復興計画が立てられております。例えばこれらの計画をベースに、いざとなったときの財政需要に関しまして、綿密な財政的なシミュレーション、積み上げ方式の計算というのももしっかりとやっておくべきではないかと考えますけれども、ご意見いかがでしょうか。
先ほどご答弁申し上げましたけれども、国の中央防災会議におきましては、首都直下地震におきましての経済被害額につきまして、112兆円ということで公表しておりますが、当区に関して、具体的な個別のデータというものが示されてございませんので、この額に基づいた計算につきましては、現段階では困難というふうに考えてございます。したがいまして、首都直下に近い状態で起きた阪神・淡路大震災での西宮市の状況につきましては、正確ではございませんけれども、ある程度の目安としてはつかめるというふうに考えてございます。
確かに計算は難しいと思います。阪神・淡路の約10倍の被害予測、これは全体という形ですけれども、かなり難しいとは思いますけれども、ただし、そういったことを前提にこれからしっかりとためていくのであれば、単なる42で割って54を掛けるという計算ではなくして、防災計画の中で、これからやっていくアクションプランというのがあるわけですね。そういった中で当然ながら、どれだけの費用がかかるのかというのは、大まかなくくりでは可能ではないか。それが正しいかどうかは、何回も検証を重ねていかなければならないと思いますけれども、そういったこともあわせてしっかりと計画を立てていくことが大事じゃないと言っているんですけれども、そのことに関してもう一度ご意見お聞かせください。
当区におきまして、杉並区のオリジナルの防災計画に基づきますシミュレーションを行うことにつきましては、ある民間シンクタンクで確認したところ、可能であるというようなことは聞いてございます。ただ、現在示している被害想定以外に、いろいろなデータを入れなくちゃいけないという部分に関しては、かなりフリーハンドな状況になるということで、ちょっとした項目が違うだけでも数億額が変わってくるということをまた一方で聞いてございますので、そういった額をシミュレーションする上で慎重に検討していかなくてはならないというふうに考えてございます。
おっしゃるとおり、慎重にしていかないと、数字だけひとり歩きしてもしようがありませんので。ただ、こういった努力は継続的にこれからもあわせてやっていくべきではないか、そのようにお伝えしておきたいと思います。
私のほうから最後ですけれども、実際、震災が起こりましたと。災害対策基金をためておきました、それを実際に取り崩して、そしてそれを財政出動するというふうなプロセスに関しても、しっかりとしておくべきではないか。
例えば処分をするには委員会の意見を聞かなくてはいけない、これは基金条例に書かれています。なおかつそれを補正予算として議会で承認、可決しなければならない。これも議会の開催をしなければならない。震災時においてそういったことができるのかどうか。またさらには取引先の金融機関のBCP、いわゆる事業継続計画、震災時に対してもしっかりとした現金化の業務をしてくれるのかどうか。我々としての業務継続計画、また取引先の事業継続計画(BCP)に関して、こういったこともしっかりとシミュレーションを立てた上でやっていく必要があるんじゃないかと思いますけれども、財政の計算とあわせて、そういったことの実質的なリアリティーを持った計画というのが必要ではないかと思いますけれども、その点に関しても、最後、ご意見をお聞かせいただきたいと思います。
委員ご指摘のように、その辺のプロセスを精密にきちんと構築しておくことは、極めて重要なことだというふうに認識しております。
まず、基金の処分につきましては、基金委員会の意見を聞いて、議会にお諮りして決定するということになりますが、この処分につきましては、発災後直ちに処分ということにはならないと考えてございます。といいますのも、震災発生後は、直ちにやらなければいけないのはまず人命救助、そして生活物資の支援、またライフラインの確保ということになります。100億単位の処分が必要になってくるのは復興計画においてだろう、インフラの整備、インフラの復興ということになってこようかと思います。これにつきましては、さきの阪神・淡路の例でも、数カ月かかってつくって議会の承認を得て計画的にやるというような手順を踏んでおりますので、これにつきましては、その間に委員会を開催し、意見をいただいて議会の決定をいただくということは可能だろうというふうに考えてございます。
また、議会の開催につきましても、震災がいつ起こったかによりましては、当然、臨時議会等を開いて迅速に決定をいただくということはあろうかと存じます。