債務負担行為の現状と将来的な負担
私のほうからは、区の財政全般について、特に債務負担行為と、あと、財政指標とか財務諸表についてお聞かせいただければと思います。先ほどの島田委員の内容と、また午前中の質問等に若干かぶる内容もあるかと思いますが、できるだけ角度を変えて、また、私の知りたい角度でご質問させていただきたいというふうに思っております。基本的には、監査報告書と財政白書をベースに質問させていただきます。
ことしの4月に当選いたしまして、初めての決算特別委員会の参加でございます。一生懸命頑張ってやっていきたいと思いますので、どうかお手やわらかによろしくお願いいたします。
まず、債務負担行為についてお聞かせいただきたいと思うんですが、午前中、また先ほどの質疑応答の内容を聞かせていただき、また監査報告の結果も見させていただきながら、当該年度の杉並区に関しては、財政的には非常に好調であった、また、改善もしたと。一方、将来的には、さまざまな不明確な要因がありまして油断はできない、一言で言えばそういうことなのかなというふうに私も理解させていただいたんですが、では、そういう意味におきまして、将来的にこの杉並区、将来的な債務の負担ということに関しては今どういう現状になっているのか、そういうことで債務負担行為についてお聞かせいただきたいと思うんです。
この財政白書の資料によりますと、債務負担行為の支出予定額に関しましては、平成14年度から公会堂のPFIもスタートいたしましたので、昨年度で413億円まで増額している、そういう状況でございます。
ちなみに、基本的な質問なんですが、この債務負担行為の総額とは、将来予定している、義務が発生する、杉並区としての将来の各年度の現金支出額、いわゆるキャッシュのアウトフローの合計額と、そういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
おおむねといいますか、そのように認識してございます。
ということでありましたら、この債務負担行為の額、これだけ見ると、えらい借金が増えてしまったように見えますけれども、ただ、一方、財政白書の次の27ページでは、将来にわたる財政負担との、そういう分析がございます。この分析によりますと、区債もそういう意味では同じ区の借金であります。債務負担行為も借金であると同時に、区債も借金であります。区債に関しては、もう皆さんご存じのとおり、減っている。また逆に、これまで積み上げてきた基金は、将来への貯金というふうに考えられます。借金と貯金、その3つを合算して、その推移を見ていくことが総合的な判断であり、妥当、それが当然だと思うんですが、区としてもそういう意図でよろしいんでしょうか。
全く委員ご指摘のとおり、私どもも同様な認識でございます。
そういう観点では、将来への財政負担力というふうなことに関しましては、18年度末の段階ではどういう状況になったのか。将来の負担力ということに関してはどういうふうに分析、評価しておられますか。
将来にわたる財政負担についてのお尋ねです。財政白書の27ページ記載のとおりの18年度の状況でございまして、基本的には、私ども計画的に財政運営を行い、そして、将来に向けて財政の健全化、弾力的な、柔軟な財政構造をつくっていくという基本的な大きな目標がございます。それに向けて、気をつけてといいますか、留意していかなければいけないことは、将来に向けての将来の負担、次世代への負担というものをできるだけ削減していく。そのために地方債、起債残高の発行抑制とあわせて、起債の償還、債務の償還を進めていく。一方で、将来への不透明な要因、そういったものに十分にこたえ、変化する区民ニーズにも柔軟に対応できるように、また、計画事業も着実に実行できるようにということで、特に財政調整基金などを中心に基金を積み立てて、そういったものに対応していくということで、区債の償還、基金を積み立てていくということで、計画的に、確実に、将来安定した財政運営ができるようにということで運営をしているところでございます。
基本的な質問なんですが、この分析では、地方債の残高と債務負担行為の総額、それプラスというか、マイナスで、基金残高を合計合算したものを標準財政規模で割っておりますけれども、これは一般財源の実額ではなくて、標準財政規模で割っているというのは、すみません、ちょっと教えていただけますか、どういう意図なんでしょうか。
これは意図といいますよりも、普通会計に基づきます将来の財政負担ということで、たしか地方財政白書でもこういう形で毎年記載をしてございまして、1つの基準といいますか、パターンということで、普通会計に基づくものについては、標準財政規模をベースにして数値を出しているという状況でございます。
これが一般的な通例というふうなことなんですけれども、その通例に反するような形でちょっと質問させていただきたいんですけれども、そもそもこの分析は、将来払っていく金額、将来のキャッシュアウトフロー、それを今の区の財政力で割って、その比率で過去の時系列にどうなっているのかというのを分析していく、そういう意図の割り算だと思うんですね。そういうことであれば、債務負担行為の総額と区債残高の合計というのは、厳密に言うと、現在価値で割り引き換算する必要があるんじゃないんでしょうか。
債務負担行為の支出額413億円とありますけれども、これは来年一括して413億円支払うのと、30年間分割ローンで413億円払うのでは、同じ413億円でもお金の価値が違うと思うんですけれども、これは通例ということなんでしょうけれども、この分析ということに関しては、現在価値を使わない理由は何かあるんでしょうか。
この算式といいますか、基準なんですけれども、これは普通会計をもとにした決算統計というのを、総務省のほうの基準に基づいてつくっています。これは、一般会計といいますか、各自治体の会計がそれぞれさまざまということで、1つの統一基準に基づいて各自治体の財政状況を分析し、自治体間の状況も比較できるというような考え方に基づきまして、決算統計に基づいてこういう形で算出をしているというものでございますので、そこら辺はご理解いただきたいと思います。
わかりました。横並びの比較をしなければいけないということですので。ただ、その割には、その情報というのが、ここに時系列しか書いてなくて、では、実際問題、負担力というのは、ほかの指標を見ればわかるんですけれども、将来の借金負担ということに関して、23区で今どういう位置なのか、全国平均から比べるとどうなのかという情報がないんじゃないかなと思いますので、その辺もご配慮いただければと、そういうふうに思います。
財政調整基金の役割とリスクヘッジ機能
続きまして、区税収入のリスクヘッジという角度で、財政調整基金について伺わせていただきます。
財政調整基金は、経済事情の変動により、先ほどから議論がございますけれども、財源が著しく不足する場合に、貯金を取り崩し、不足を補うことを目的としており、いわば一般家庭でいいますと普通預金みたいなものだと、そういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
おっしゃるとおりです。
この監査報告書によりますと、財政調整基金が平成18年度末で219億円、この5年間の推移で1.8倍になっているという状況でございます。
監査委員の方にお伺いしたいんですが、この財政調整基金の急速な伸び、2倍に増えたということに関してはどのように評価されておりますか。適正値とかいうのはございますか。
特に適正値というのはございませんけれども、やはり状況の変化、それから景気の影響を受けやすい財政構造、こういったことから、財政調整基金を有効に使っていく、将来のそういった備えである、こういうふうに見てございます。
適正値が明確なものがないという今のご答弁は、そのとおりでしょうか。
そのように理解しておりますけれども。
財産管理の適正化と基金監査の評価基準
今回の監査報告書の最初のところに、今回の審査の主眼というところで、財産管理の適正ということも主眼を置いて今回は監査をいたしましたと。これは去年なかった言葉だと思うんですけれども、基金は財産のうちの1つだと思うんですが、その適正かどうかというのを、適正値がなくてどうやって監査したんでしょうか。
ここの部分は、財産管理、一般的な財産ということで、建物、土地、こういったものを、今回、管理についてどうかということを載せたものでございまして、特に基金について触れたということではございません。
では、基金は財産じゃないということでよろしいんでしょうか。
財産でございますけれども、その積み立て、またその運用等については特に問題がなかった、こういう認識でございます。
監査委員はそういうお話ですが、要は適正なのかどうかわからないと、私はそういうふうに理解しているんですけれども、財政課としては、基本的な財政調整基金積み立てのルールとか積立額の算定、これはどういうふうな根拠に基づいて、どういう指標をベースに、どういった計算式で算出されているのか、お聞かせいただけますでしょうか。
非常に難しいお尋ねなんですけれども、基本的に財政調整基金は、先ほどご答弁申し上げましたけれども、年度間の財政といいますか、財源を調整して、長期的な視点から健全な財政運営を行うということで、条例で設置をしてございまして、条例に基づいてそれを活用するということになってございます。
積み立てですけれども、基本的には前年度の繰越金などがあれば、もちろん、必要な区民生活に一方ではその繰り越しなどは充当しつつ、財政調整基金にも一定額を積み立てて、そして将来の不測の事態に備えていくということで、そのルールですとか計算方法ですとかというものは、特段明確なものはございません。それぞれその時々の年度年度の財政状況、執行状況などを踏まえまして、その資源をどこにどのぐらい配分していくか、そういう中で総合的に判断をして積み立ててきたものでございます。
財政運営における適正値の科学的算出と扶助費の評価
今おっしゃった意図はよくわかったんですが、ただ、そうすると、どうしても、変な言い方をしますけれども、鉛筆なめなめ幾らぐらいというふうなことにも、区民としては、その辺のバランスというのが非常に気になるわけですね。特に今年度は収支がよかった、お金もできた、では、私たちの福祉サービスにその分回してくださいよと、そういうふうな意見も明確にあるわけだと思うんですけれども、その辺のバランスをこれからとっていく考え方としまして、ちょっとこれはきっちりとした例えになるかどうかわからないんですが、私、前の仕事で安全在庫という考え方がありまして、日々出荷がある、その出荷にばらつきがありますので、それに対応するための安全在庫を確保しなければいけない。それをやれば出荷は問題ないんですけれども、ただ、そうすると、資産の無駄遣いというふうなこともありますので、その辺のバランスをどうとるかということで、過去のデータをとって標準偏差という形でばらつきを出して、そこに正規分布という分布図を書きまして、そこで1シグマだと68%、2シグマだと95.44%、3シグマだと99.74%、そういうふうな安全係数というのがありまして、それで、さまざまな変動していく要因をそこに当てはめて、そこで適正値の部分を確率論、統計学ではかっていく、そういうふうな手法もありました。
これは金融も、私は金融が専門じゃないので余りよくわからないんですが、ただ、金融業界もこういった安全性、リスクマネジメントというところで、資産活用の適正値というところで、科学的な統計学のそういうふうな手法も取り入れられているのが結構ありますので、そういったことも今後の検討課題として、そんな簡単にはいかないと思うんです、出荷とかそういう次元のレベルじゃないですから。本当に複雑なファクターがいろいろあって、単年度だけでは判断できませんし、そういうふうな要素もありますけれども、その辺を今後の検討課題として今後の財産運営をやっていっていただきたいなと、そういうふうに思います。
あと1つだけ、経常収支比率に関して伺います。
先ほど島田委員のほうからもありましたけれども、今年度非常に好調というふうなことなんですが、主に分母の税収が、一般財源が増えたというふうなことも、結構この改善の要素が大きいんじゃないかと、そういうふうに思うんです。ただ、先ほどの話の中で、一般財源、税収というものは、なかなかこれからの見通し、三位一体の改革とかふるさと納税とか今後の景気の動向とか、本当にさまざま複雑な要素がありまして、それを当てることはだれも難しいんじゃないかと思うんですが、ただ、分子に関しては、我々の努力でこれは管理していくべきじゃないか、そういうふうに思っております。
人件費、公債費に関しては、さまざまな指標で明確にモニターする体制ができているというふうに思いますので、それはよしとして、もう1つの大きな分子の要素であります扶助費に関してお伺いをさせていただきます。
扶助費に関しては当該年度はどういうふうな結果だったか、評価されているでしょうか。
私どものほうで把握している限りということでございますけれども、18年度は、ご指摘のとおり、扶助費は17年度に比べましておよそ9%ほど伸びております。その増減の理由なんですけれども、1つは生活保護費の増、また児童手当が制度改正などがありまして、それに伴います増というのが主な増の理由でございます。
参考までに、生活保護世帯は、昨年度に対して今年度は何%増えておりますでしょうか。
世帯数につきましては、前年度に比べまして221世帯増でございます。
この扶助費の問題に関しては児童福祉の問題もございますので、なかなか数字で計画的に管理をしていくというのは非常に難しいというふうなこともございます。ただ、野放しというわけにもいかないので、その辺はどういうふうな形ができるのかは、ちょっとこれからの検討とは思いますけれども、その分、人件費の抑制と公債費の徹底抑制に努めて、経常収支比率もしっかりとマネジメントしていっていただければというふうに思います。
最後の質問をさせていただきます。
区のほうでは、実施計画とかスマートすぎなみ計画とか、さまざま中長期的な計画という、支出のほうの計画というのはある程度明確に出ておりますが、トータルの、それを反映させた上で、財政計画という部分に関しましては、基本的に財政のほうでは何年間の計画というのを視野に入れながら、先ほどの監査委員の意見にもございましたとおり、将来も踏まえた財政運営というのをやられているんでしょうか。何年間をベースにやられているんでしょうか。
実施計画を支える財政計画ということで、実施計画は10年のスパンで立て、そして3年ごとに財政計画をつくってございます。基本的には私どもも実施計画は財政的な裏づけのある計画として実施していくということで、3年のスパンで財政計画をつくって、それに基づいて、各年度の予算にそれを反映させているということでやってございます。
その辺の透明性も、「ざいせい」という形で出されておりますけれども、区民、またさまざまな企業に対して、中長期的な、どこまでを見込んでの今年度の決算というふうなところも、ぜひ透明性を高めるPRのご努力もこれからしていただければと、そういうふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
渡辺富士雄委員、質問項目をおっしゃってください。