平成27年3月6日 予算特別委員会

地域包括ケアシステムの進捗と課題

中村 康弘

地域包括ケアシステムについて、認知症への取り組みについて、家族介護者支援について、介護保険事業者の指導監督について、がん対策について、健康づくり推進条例について等々、時間の許す範囲で。
 それではまず、地域包括ケアシステムについてお聞きしたいと思います。これまでも再三質問に出ておりますので、なるだけ重複しない形で質問を進めていきたいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、総括とこれまでの進捗状況、2025年を視野に入れて、システムの構築に向けて25年度から、今年度のモデル事業も含めて、取り組み検討を進めていると思いますけれども、これまでの状況をお聞かせいただきたいと思います。

地域包括ケア推進担当課長

この2カ年、モデル事業等の実施をしてまいりました。地域ぐるみでの認知症の勉強会や高齢者の居場所づくり、あるいは活躍の場づくりなど、高齢者の生活を支援するさまざまな取り組みを行ってまいりました。まだまだ完全ではございませんが、一定の成果を上げております。これも、担当者を置いてケア24が一体となって地域づくりに取り組んだ成果であると考えてございます。

中村 康弘

言うまでもなく、包括ケアシステムの構築の核となる働きが期待されるのが地域包括支援センター(ケア24)でございます。区は、27年度に地域包括ケア推進員を各センターに配置するということでございますけれども、昨日の質疑では、その推進員には、地域とのパイプ役、またシステム構築に向けてのまとめ役を期待するということが答弁でもございました。具体的な役割として、区政経営計画書によりますと、認知症地域支援推進員、また生活支援コーディネーター、さらには医療と介護の連携機能、そういった機能を備えていくというふうなことが記載されておりますけれども、今申し上げた3つの、認知症地域支援推進員、生活支援コーディネーター、医療と介護の連携機能、具体的な業務としてこの推進員はどのようなことをしていくのか、どんなことをすると想定しているのか。

高齢者施策課長

1つ目の認知症地域支援推進員の機能ということでございますが、区の職員が認知症地域支援推進員になりますけれども、地域包括ケア推進員にもこういった機能を持たせまして、認知症の方の相談、また関係課との連携調整、支援のための情報収集等行ってまいりたいと考えております。
 それから2つ目の生活支援コーディネーターでございますが、午前中の今井委員のご質問のときに、生活支援コーディネーターについて、ちょっと予算上のことだけで答弁してしまいました。実質的には、地域包括ケア推進員に生活支援コーディネーターの機能を持ってもらうことを考えております。生活支援コーディネーターには、地域のニーズをきっちりと把握してもらって、そのニーズに合った資源開発、そういったこと、また関係者のネットワークを構築してもらうことを考えております。
 それから3つ目の医療と介護の連携機能を備えるということでございますが、こちらに関しましては、地域包括ケア推進員には、事業者の主任ケアマネジャーと連携しながら、在宅医療に積極的な先生方を中心に在宅医療の体制をつくっていく、そういったことを連携しながら行っていくという役割がございます。

中村 康弘

今ご説明を聞いただけでも、大変多忙な仕事になるというふうなことが想像されます。当然ながら、推進員は、有能でなおかつ関連分野にも精通した経験豊かな人材の配置が求められると思います。この推進員は何らかの資格が必要になってくるのか、また、そういった人材の発掘、採用、場合によっては養成も必要になってくると思いますけれども、こういったことは誰がどのようにこれから行っていく予定なのか。

地域包括ケア推進担当課長

地域包括ケア推進員の配置に関するお尋ねですが、既に地域包括支援センター等で従事したことのある経験豊富な社会福祉士あるいは保健師、主任介護支援専門員等、いずれか1名を地域包括ケア推進員として配置する予定でございます。
 人材の養成につきましては、職場のOJTを初め、これまでのモデル事業のノウハウを生かし、また、区が実施する研修とか地域包括ケア推進担当の連絡会で進行管理をしっかりやるなど、区も十分なバックアップをしたい、そういうふうに考えてございます。

中村 康弘

この推進員の人件費については、費用負担は誰がどのようにして行っていくのか、また財源は、また27年度のトータルの予算額はどのようになっておりますでしょうか。

地域包括ケア推進担当課長

27年度の予算といたしましては、地域包括ケア推進員の3つの柱の事業を行うために、委託料として介護保険事業会計から1億2,000万円を計上しております。介護予防事業ということですので、区の負担部分は、その中の12.5%というふうになってございます。

中村 康弘

来年度から施行される介護保険法改正のポイントの1つとして、予防給付によるサービスの一部、いわゆる要支援1、2の方々の訪問介護と通所介護が区の地域支援事業に移管されるということが1つのポイントでございますけれども、この点については、きのうの質疑の中でも、区はしっかり準備を進めていくんだ、そのようなお話がございましたが、改めて、この移管というものに対しましては、狙いは何にあるのでしょうか。

高齢者施策課長

このたび介護予防給付から地域支援事業に移行した狙いは、区としましては、全国一律のサービス基準ではなくて、杉並区の実態、実情、都市生活の中で必要な支援サービスは何かというところをきちんと把握した上でサービスをつくっていく、そのためのサービス提供者も、指定事業者だけでなく、地域のいろいろな機関とか資源とかを活用しながらしていくということで、保険者として非常に裁量が増えたということは考えております。そうした意味で、地域包括ケアシステムを進めていく上で1つの大きな要素になっていると考えております。

中村 康弘

現状、移行対象となる訪問介護、通所介護のサービスの利用実態、件数とか給付費はどの程度なのか。また、サービス給付全体に占める割合としてはどの程度のものなのか。

介護保険課長

移行します現在の要支援者の訪問介護、通所介護のサービス利用実態でございますが、件数で申し上げますと、訪問介護につきましては、25年度で2万8,235件、通所介護につきましては、2万2,238件となってございます。
 それから給付費、経費のほうでございますけれども、訪問介護、25年度1年間で4億9,800万、通所介護につきましては6億8,200万。そのパーセンテージ、予防給付全体に占める比率でございますけれども、予防訪問介護のほうが25%、予防の通所介護は35%となっております。

中村 康弘

介護保険の事業としてこれまで実施してきた両事業でございますけれども、これを区としてどう評価、検証して、それを区の事業としてどう発展させていくかというところが、これからの区の力量が問われるというふうに思っております。これまで行ってきた事業の利用者の満足度をどう高め、そしてさまざま要望、希望があると思いますけれども、区としてそれにどう対処していくのか。つまり、ニーズの把握とそれに対処し得るサービスの創出、これに対して区はどのように検討を進めていくおつもりか。

高齢者施策課長

介護保険制度そのものが、地域支援事業を含めまして自立支援という理念がございます。そういった意味で、特にこれまでの介護予防給付は、適切なケアマネジメントのもとにサービス提供がされてきたと思います。ちょっとした支援で自立生活ができる、そういったことですごく安心感にはなっていたかと思います。そういった視点はずっと引き続き続けていきたいと思います。
 ただ、それ以外に、かなり生活ニーズは多様化しておりますので、そういったニーズに合うような、いわゆる生活支援的なサービスというものが何が必要かということについて、今後設置します協議体の中でも検討していきたいと今考えているところでございます。

中村 康弘

地域支援事業の担い手に関して伺いたいと思います。
 これも午前中質疑が若干ありましたけれども、改めて、今回の制度改正によって担い手に関してはどのような変化が今後起きていくのか、区はどのように想定しているのでしょうか。

高齢者施策課長

これまでにも既に地域の中には、さまざまな生活支援のためのサービスを提供しているような団体、また活動が存在してございます。そういった活動も、これからも継続していただきたいと思いますし、これから地域のニーズに合ったサービスが新しく必要とされるものかどうかというところについても、十分に考えていかなければならないと思います。
 そういった意味で、多様なサービス提供主体が可能にはなりましたけれども、今回の総合事業に位置づけるべきかどうかということについては、慎重に検討していきたいと考えております。

中村 康弘

今後、多様なサービス提供主体が考えられるということでございますけれども、それに関連して、協働という部分に関しまして、区は、従前のNPO支援センターをすぎなみ協働プラザというふうに改めまして、地域で活動するさまざまな団体の相談窓口という機能にしていくと。また、地域団体間の仲介や調整役として、中間支援機能の強化を図っていくという考え方が示されております。協働の推進という角度としましては、地域包括ケアシステムの充実とも密接なかかわり合いがあると思いますけれども、両施策の連携あるいは連動に関してはどのように今考えているのでしょうか。

高齢者施策課長

すぎなみNPO支援センターも、中間支援機能として地域活動団体をつなぐ役割を担っているかと思います。ケア24も、地域のいろいろな関係機関のつなぎをしているという意味では、中間支援的な役割を担っておりますし、今後設置する予定の協議体も、そういった中間支援的な機能というものの役割を持つかと思います。
 そういうことを考えますと、既に平成24年度からすぎなみNPO支援センター、また杉並区社会福祉協議会のボランティアセンターといった機関等含めて、区の中でも、地域課、協働推進課、高齢者施策課も一緒に入っておりますが、中間支援ネットワーク会議というのを開始しております。そうした中で、地域包括ケアシステムに向けた生活支援の体制整備の情報なんかも伝えながら、情報共有して、また必要な連携の仕組みなども考えていきたいと考えております。

中村 康弘

そういった高齢者を見守り、支えていくというその担い手に関しまして、これまでもさまざまな団体、また区民の地域の方々等、活動されていると思います。これからますますそういった方々の存在、また活動が一層重要になってくるというふうに考えておりますけれども、こういったことが、例えば義務感とかあるいは利害関係のみに基づくものではなくて、生活の豊かさとして、また他人を思いやる心としての支え合いの地域社会という形で実現していけばいいなというふうに思っております。実際現状でも、こういった思いで地域活動をされている方々がほとんどだと思いますけれども、区民、事業者、団体、また地域の存在というものに対して、区は、自主的な支え合いの地域活動をサポートとしていくという立場にあります。こういったことのサポートのあり方につきまして、今後の施策展開について区はどういう考えか、お聞かせいただきたいと思います。

区長

中村委員から、地域包括ケアシステムの構築に向けて、ご提案を交えてご質問をいただきました。地域包括ケアシステムというのは、一言で申し上げますと、例えば施設で医療とか介護サービス、それから生活の支援というものを受けられるわけですけれども、在宅において、自宅において、同じように不自由なくそういった医療サービスや介護の専門的なサービス、あるいは身の回りの生活の支援といったようなものを受けられるという安心感が確保されるような地域の仕組みということだろうと思います。そういう意味では、ご指摘のような、区民や地域の活動団体などを担い手として生活支援体制をつくり上げていくということこそ、地域福祉そのものではないかと思います。
 新年度、全てのケア24に相談員を配置するということにしておりますけれども、そこには、地域のいわゆるサービス資源というのが、これから時代の推移、状況の推移によって、いろいろなサービスの形というものが開拓、開発をされていくと思います。そういうものをネットワークしていく、そういった生活支援コーディネートの役割を担う、そういうことも配置の中で期待をしたいと思っております。
 それから、地域包括ケア推進員が20カ所の担当地域を中心に、区民主体の活動のほかに、民間のサービスなどを含めて、その地域の高齢者のニーズや、高齢者がその地域で暮らしていくためにどのようなサービスや支援が必要なのか、そういったサービスがどの程度存在をするのかということの情報をきちっと把握し、集約し、そしてそれを、そのサービスが必要な方にいつでも適宜提供できるようなつなぎをする、こういうことも大変重要だろうというふうに思っております。
 そういったことを通しまして、区が画一的に区民主体の活動をサービスするというよりは、それぞれの地域で実態に合った活動を応援して増やしていく、さらにそれが区全体に広がっていくという形で展開をしていければ、それが理想かというふうにも思っております。
 いずれにいたしましても、地域包括ケアシステムの構築に当たりましては、行政だけではなくて、民間や地域と手を携えて、その機能が十分に発揮できるように、いろいろ模索しながら進めてまいりたいというふうに考えております。

新オレンジプランと区の認知症対策

中村 康弘

ありがとうございました。大いに期待したいと思います。
 続いて、認知症への取り組みについてお聞きしたいと思います。
 ことし1月、政府がこれまでの厚生労働省所管であるオレンジプラン、認知症施策推進5か年計画を、このたび認知症施策推進総合戦略ということで新オレンジプランをまとめました。これで国家戦略という形に格上げといいますか、拡充したということでございます。
 今回の新オレンジプランの特徴といたしましては、認知症の人やその家族の視点が全体を貫いた内容になっているということ、また、科学的エビデンスに基づいた認知症の人の将来推計値、現状462万人と言われておりますけれども、2025年には、有病率が上昇した場合には730万人程度にまで増加するという可能性も指摘をされております。それに基づいた施策の立案をすることになったというふうなこととか、あるいは各省庁の横断的な認知症施策を行っていく等々、そういったことがポイントとなっておりますけれども、この新オレンジプランを受けまして、現在区が進めている認知症対策との整合性、これに対してはどのように区は受けとめているのでしょうか。

地域包括ケア推進担当課長

これまでも区では、認知症サポーターや地域で高齢者を支える取り組みをしてまいりました。これを承継するとともに、主なポイントである新オレンジプランの医療と介護の連携による高齢者の生活支援に力を入れてやっていきたい、そういうふうに考えてございます。

中村 康弘

しっかり整合性がとれているというふうなことで理解しました。
 私自身も、区の施策、区政経営計画書及び新オレンジプランを読み比べても、確かに、同じような言葉が載っていたりとか、整合性はとれているなという印象も持ちました。
 ということは、今後国レベルでもさまざまな戦略が事業として展開されることになった際、制度的あるいは財源的にも、今現在区が進めようとしている認知症施策が、国のほうからより強力に後押しをされていくというふうなことで、そういう流れが出るんだろうというふうに理解してよろしいのでしょうか。

地域包括ケア推進担当課長

ご指摘のとおりでございます。

家族介護者支援の現状

中村 康弘

わかりました。各論はきょうは聞きません。
 続いて、家族介護者支援について。
 家族介護者支援については、現在区の施策としてはどのようなものがあるのでしょうか。

高齢者在宅支援課長

家族介護支援サービスとしまして、代表的な介護用品の支給、おむつ代金の助成を初めとしまして、ホームヘルパーさんが訪問して家事代行を行う「ほっと一息、介護者ヘルプ」、徘徊高齢者探索システムなどの複数の事業をもちまして、介護者の支援を行っているところでございます。

中村 康弘

一般社団法人日本ケアラー連盟が行った調査によりますと、介護者の4人に1人が複数の家族を介護しているとの結果が出ております。いわゆる多重介護の問題でございます。区は、こうした多重介護の実態というのは把握しているのでしょうか。

高齢者在宅支援課長

数として実態については把握してございませんけれども、こういった多重介護があるという状況については認識はしてございます。そうした相談を、例えば地域包括支援センター(ケア24)が受けたり区が受けたりした場合には、先ほど申し上げました家族支援のサービスに結びつけたり、関係機関に結びつけるといったことで支援を差し上げているところでございます。

中村 康弘

例えば障害のあるお子さんと暮らしながら老親の介護をしている人などは、高齢者、障害者で支援制度が異なる枠組みの中で適切なサービスや周囲の理解を得られず、孤立するということも懸念されております。制度の谷間を埋める総合的な支援が求められると思っておりますけれども、この支援策、多重介護、またそういった制度の谷間を埋めるということに対しての総合的な支援策としてはどのようなことが考えられるのでしょうか。

障害者施策課長

昨年改定いたしました総合計画、実行計画の中で、高齢障害者の相談支援体制の充実というものを掲げました。これはもともと想定したのは、介護保険制度へのつなぎを中心とした、いわゆる高齢期を迎える障害者の相談支援体制を充実するということなんですが、この具体的な取り組みといたしましては、障害者の特性やサービス、介護保険のサービス、双方を十分に理解して相談支援に当たれる方々を増やしていくという取り組みを進めていくということでございます。
 こうした取り組みを進めるということは、ただいま委員のほうからご指摘がございました障害児、そして年老いた親の介護、双方に当たっておられる方の支援にも十分効果を発揮していくものと考えてございます。

中村 康弘

今課長から答弁がありました、一歩大きな前進だというふうに思っております。今後さらに実態把握にも努めていただきまして、さらなる支援策の充実を図っていただきたいというふうに期待したいと思います。

介護保険事業者の指導監督体制

中村 康弘

 続きまして、介護保険事業者の指導監督についてお聞きしたいと思います。
 介護保険法に基づく介護保険施設及び事業者に対しての指導監督の体制につきまして、現状どのような形で行っているのか、根拠となる法令、指針等あればお示しいただきたいのと、指導監督の体系的な仕組みについてお示しいただきたいと思います。

介護保険課長

介護事業者への指導監督でございますが、職員の体制としましては、今職員5名がこの事務に当たっております。また事業所数が非常に多いということもございまして、一部につきましては、東京都の保健福祉財団に委託も行っているところでございます。
 指導監督の根拠になりますが、法令としましては、指導につきましては、介護保険法23条に規定がございます。また監査という部分につきましては、各サービスごとに条文の規定がございまして、幾つか複数の規定がなされております。また、この指導、監査を整理した形といいますか、国のほうからは、平成18年に厚労省通知という形で「介護保険施設等指導指針」という指針が示されているところでございます。
 それから、指導監督の体系をお示しくださいということでございますが、指導につきましては、大きく分類しますと、集団指導と実地指導という2つに分かれます。実地指導につきましては、さらに内容としましては、運営指導と介護報酬の請求指導という2つに分類されますが、さらにこの指導につきましては、いわゆる監査という部分と一般行政指導という2つに分かれます。
 なお、監査でございますが、いわゆる改善報告、勧告、命令、指定取り消し、そういった内容になっております。

中村 康弘

今ご説明いただきました、大きく指導と監査に分かれるということですけれども、指導と監査それぞれの目的を明確にしていただきたいと思います。

介護保険課長

指導、監査ともに、介護給付のサービスの質の確保、また保険給付の適正化を目的として実施しているものでございますが、指導につきましては、利用者の自立支援、尊厳の保持ということを念頭に置きながら、また事業者の支援を基本としまして、介護給付の対象サービスの取り扱いとか介護報酬請求に関する事項を周知徹底させるということが指導の内容になっております。
 また、監査でございますけれども、不正もしくは著しい不当が疑われる場合におきまして、事実関係等を的確に把握、調査をしまして、公正かつ的確な措置をとっていくということが監査というふうに定義されてございます。

中村 康弘

先ほど、前の答弁にもございました集団指導というのはどういうものでしょうか。26年度の実施状況と、対象となる事業者と参加状況をお示しください。

介護保険課長

集団指導でございますが、内容としましては、介護給付サービスの取り扱い、介護報酬請求の内容、またその時々の制度改正の内容、また過去のいろいろな指導事例、そういったところを指導の内容としておりまして、サービスの分野別といいますか、種類別の事業者を一堂に集めまして、講習会方式で指導を行うというような内容になってございます。
 26年度の集団指導でございますが、これから3月18、19日の2日間を予定しておりまして、セシオンのホールで1日2回ほどの開催を予定しております。全事業所を対象に予定をしているところでございます。
 実績としましては、25年度の実績を申し上げますと、昨年の3月17から20日にかけまして開催しまして、出席した事業所数でございますけれども、497事業所、参加者の人数につきましては、591人というふうになっております。

中村 康弘

集団指導なんですけれども、一方的な講習会方式ということですので、参加された事業者がどこまでそれを理解して周知が行き届いているのかというのが不明だというふうにも思われるんですけれども、その辺の確認はどのようにして行っているんでしょうか。

介護保険課長

集団指導での周知徹底の方法でございますけれども、区のほうから伝えたい、周知したい内容につきましては、書面で印刷いたしまして、参加者にお配りをしております。また時間の関係がありますので、お配りした資料の内容、また説明の内容につきまして、疑義といいますか照会をしたいというような場合は、後日ファクス等で質問事項を区のほうに照会いただきまして、それにつきましては、区のほうで回答を書面で作成しまして、集団指導の際に配りました資料とあわせて、後日ホームページにアップをいたしまして、全ての事業者がそれを閲覧できるような、そういった体制をとっております。

中村 康弘

一方で実地指導、先ほど5名の職員で行っているということですけれども、これは具体的にどのようなことをしているのか。26年度もしくは25年度でも結構ですけれども、直近でわかる年度の実施状況、また対象となる事業者の選定はどのようにして行っているのか。

介護保険課長

実地指導の内容としましては、職員が事業所を直接訪問いたしまして、事業所の設備、衛生管理状況等を確認したり、また人員、運営状況、サービスの提供状況、報酬の請求状況等につきまして、書類の点検を行うとともに、必要に応じてヒアリング等も行っております。
 その実地指導の結果、区としてやはり改善が必要ではないかというふうに認めた場合につきましては、後日文書等によりまして事業所へ通知をして、その改善報告等を求めているというところでございます。
 26年度につきましては、現時点で68事業所に対して実地指導を行ったところでございまして、昨年度、25年度も1年間で68事業所という結果になっております。
 それから事業所の選定でございますけれども、600を超える事業所がございますので、おおむね5年サイクルを原則にしておりますが、地域密着型のサービスにつきましては、3年サイクルを原則に対象を選んでいるところでございます。
 また、区のほうへ苦情が寄せられたとか、前年度の実地指導でその後改善指導の確認が必要であるというふうな場合につきましても、重点的に対象の選定の中で考慮しております。

中村 康弘

25年度、26年度ともに68事業者とおっしゃいましたか。結果として、例えば実地指導した後、監査に行く場合もあれば、あるいは一般行政指導というふうな形、もしくは何もなしということもあるんでしょうか、こういった実地指導を行った結果というのは、26年度だとどんなふうになるんでしょうか。例えば何らかのペナルティーがあったとか、監査には何件行きましたとか、その辺に関してはいかがでしょうか。

介護保険課長

実地指導の結果でございますけれども、人員基準に関する事項につきましては、5事業所に対して改善を文書で指示をした、通知をした。運営基準に関しましては64事業所、それから算定基準に関しましては16事業所というような形で、改善の指導の文書通知などをしております。
 なお、監査につきましては、25年度、26年度まだございませんで、24年度に1件、監査をしたという実績がございます。

中村 康弘

一般行政指導、先ほど改善を要するものがあったとかありましたけれども、具体的なペナルティーという部分では何かあるんですか、一般行政指導に関しては。

介護保険課長

事業所の改善を図るということで、事業所の不適切な運用があった場合には、いわゆる報酬等の自主返還といいますか、そういったところを促すということはございます。

中村 康弘

今の流れで行きますと、まず集団指導をやりますと。それで抜き打ちといいまますか、5年サイクルで実地指導を行って、そこで何か問題点というか、そういう指摘される部分が見つかれば一般行政指導、そこには自主返還等のペナルティーも伴うものもある、そういう流れですよね。
 ということであれば、先ほど最初にお話しした集団指導、講習会方式で、あるいはその後ホームページ等で全て事業者がその指導内容を理解しているということが前提になってくると思うんですけれども、それがちゃんと沿った形の運営がされていないと自主返還等の何らかのことがあるというふうなことであれば、これはどうなんでしょうね、事業者としてはかなり縮こまってしまうといいますか、不安を感じるという部分は、その辺はどうなんでしょうか。
 その辺に関して区のコメントをお聞かせいただきたいということと、先ほどお聞きしましたけれども、指導の目的はあくまでも事業者支援ということで、制度管理の適正化と、よりよいケアの実現であるということ、これに対して一方で、監査はある程度厳格さを伴う、違反に対する改善というふうなことだと思いますけれども、その辺に関して区はどうなんでしょうか。もちろん、先ほど午前中もお話ありましたとおり、身体拘束も含めて、高齢者虐待の問題も含めて、不適切な運営、請求等は絶対あってはならないと思います。ただ一方で、事業者と区がお互い協力し合って、常に相談し合える、そういう体制で運営していただくというふうな形も必要ではないかと思いますけれども、それに関する区のご答弁はいかがでしょうか。

介護保険課長

事業者の指導につきましては、日常的にも、事業者からのさまざまな問い合わせにつきまして、区のほうとしては適切な対応をしておりますし、また実地指導、集団指導とあわせて、トータルな中で、法令遵守といいますか、その周知徹底を行っているところでございます。ご指摘のように、よりよいケアの実現を図るという意味では、事業者支援という側面もございますけれども、介護報酬改定という公費が充てられているという観点で考えますと、やはり基準を満たさないというような場合につきましては、区のほうとしては適切に、またあるときには厳格に事業者を指導していく必要もあろうかと思いますが、今後も、事業者支援も念頭に置きながら、事業者に対して適切な指導をしてまいりたいというふうに考えております。

中村 康弘

今、さまざま、地域包括ケアシステムに関しても含めて質問させていただきましたが、今後またさらに地域包括ケアシステムを構築するにおきまして、やはり高齢者1人1人の個人としての尊厳を守るきめ細やかな視点というのが、まず必要になってくると思います。また一方で、地域の特性や地域資源を最大限に活用したネットワークの構築ということも、両方で進めていかなければならない。まさに地域創造型福祉、先ほど区長のほうからもご答弁ございましたけれども、地域でしっかりと福祉というものを創造していくんだと。それをしっかり側面的にといいますか、区も主体者になって具体化させていくという取り組みが地域包括ケアシステムであるというふうに思います。
 こういった形で、区もさまざまな取り組みを進めている中におきまして──ちょっと資料よろしいでしょうか。私ども区議会公明党、また公明党杉並総支部として、地域の介護に関する実情、また区民の声というのをしっかり実態把握していこうということで、高齢者介護に関するアンケートを昨年からさせていただきました。支え合いの共生社会構築に向けてのアンケートということで。黄色の部分が区民一般向け、どのように将来考えているのかということ、またピンクに関しましては、要介護者、介護家族向けのアンケートでございますけれども、実態としてどのような問題意識を持っているのかということを、数千の回答もいただきまして、今しっかりとその内容に関して集計及び情報のデータの分析を行っているところでございまして、後日これを区に対する政策提言という形でまとめまして、しっかりと区長にもお届けをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

がん対策推進計画の目標と取り組み

中村 康弘

 続きまして、がん対策について伺います。
 平成24年度末にがん対策推進計画が策定され、総合的、計画的ながん対策の取り組みが始まりました。改めて、本計画に基づく本区のがん対策の基本的な目標と取り組み方針などにつきまして、概要をお示しいただきたいと思います。

健康推進課長

区のがん対策は、がんの死亡率の減少とがん患者家族の療養生活の質の向上を全体目標といたしまして、がんの一次予防の推進、がん検診の推進、たばこ対策の強化、がん患者家族への支援に向け、個々の事業を実施することにより、総合的、計画的にがん対策を推進しております。

中村 康弘

私も昨年一般質問でも聞かせていただきましたけれども、がん検診システムですけれども、今年度よりシステムを本格稼働しているということでございます。昨年いただいたご答弁では、特定健診対象者に受診可能ながん検診受診券を同封して、複数の検診を同時に受診できるようになったことで効率的な受診が可能になったと。特に肺がん検診の受診者が、このことによりまして3倍に増えている、そういうふうなご答弁がありました。まさにシステム導入が奏功している、効果を発揮しているというふうに思えます。
 がん検診電算システムの今後の有効活用につきましては、27年度どのようにさらにフル活用していくお考えなのか、その辺に関して区の考えをお聞かせください。

健康推進課長

来年度は、がん検診電算システムを活用いたしまして、今年度実施した受診状況調査結果に基づいて、職場での検診の有無や受診の動向などから対象者をリストアップして、きめ細やかな個別受診勧奨、再勧奨を実施する予定でございます。
 それから、26年度実施分のがん検診のデータが集積されますので、がん検診データを分析いたしまして、評価、検証を行い、がん検診のさらなる質の向上を目指してまいりたいと考えております。

中村 康弘

このシステムなんですけれども、他の自治体といいますか、23区内の他区でも結構これを使用しているというふうに聞きましたけれども、本区がシステムをより効果的に活用していくにおいて、他区との情報交換、連携もすごく有意義じゃないかなと思うんですね。このタイミングでこういう対象者にこういうものを送ればこういう結果が出たという、さまざまな区がいろいろなデータを蓄積しているんじゃないかなと思うんですけれども、こういったノウハウは、同じシステムを使っている区同士で情報交換をしていって、ノウハウの集積というものをみんなでしていけばいいかなと思うんですけれども、その辺に関しての取り組みというのはどうなんでしょうか。

健康推進課長

東京都のがん検診担当者連絡会などを通じまして、他自治体の好事例について、情報交換とか連携に努めているところでございます。今後特にがん検診のデータ分析に基づきます検診の質の向上について、他自治体の先進的な取り組みを参考にしながら進めてまいりたいと考えております。

がん治療における緩和ケアの必要性

中村 康弘

では次に、緩和ケアに関して聞きたいと思いますけれども、今回の27年度の区政経営計画書でも、緩和ケアの普及の推進というのを予定されております。
 緩和ケアといいますと、従来の考えでは、単に痛みをとるとか、終末期のみに行われるというふうなイメージがありますけれども、がん治療における本来の緩和ケアの必要性について、区の考えはいかがでしょうか。

地域保健課長

緩和ケアでございますけれども、従来のイメージは、今委員がおっしゃったとおりの状況だと考えております。ただ、現実には、がんだと診断されますと、そのときからご本人は非常に、身体的な苦痛だけではなくて、精神的な苦痛や心理的な苦痛ということ、あるいはお仕事のほうができなくなるというようなことも中にはあって、経済的な不安ですとか、社会的な面でもいろいろと不安な面が出てくると思います。
 そういう中で、従来の終末期医療のときだけ緩和ケアをすればいいということではなくて、がんと診断されたそのときから、緩和ケアというものがいろいろな面で実施される、そのことによって積極的に治療に向かっていけるというようなことになってくると思っております。

緩和ケア普及推進の具体的取り組み

中村 康弘

今課長から、私が次の質問で言おうと思っていたことをご答弁していただきましたけれども、まさにがんと診断されたときから提供されるべきものというふうに思います。WHOでも、今課長がお話しされたとおり、痛みというのは単に身体的な苦痛ではなくして、社会的苦痛と精神的苦痛、そういった全人的なアプローチが必要であるというふうにも言われておりまして、痛みというものはさまざまです。衝撃による痛みもあれば、いろいろなところに痛みを感じるのが人間自身でありますけれども、人間的な感性を壊して生きる気力を失うというふうなことも言われておりますので、まさに緩和ケアというものの大切さは、がん治療にとって非常に重要だということが従前より言われてきたわけであります。今回区も普及に努めるというふうにおっしゃっておりますので、これは高く評価したいと思いますし、ぜひ頑張っていただきたいと思いますけれども、具体的に27年度どういうことをされるのでしょうか。

地域保健課長

緩和ケアの普及でございますけれども、緩和ケアにつきましては、当然区民に対する普及啓発というものがまず大切でございますけれども、ただ、医療、介護、福祉の専門の方々でも、まだなかなか認識が十分なものとは言えないような状況かなというふうに思っております。
 これまでも、そういった専門職の方々のサポートブックをつくったりだとか、あるいは一緒にイベントを開いたりだとかいうことで、それぞれ顔の見える関係をつくってまいりましたが、1つにはそういうようなことも継続してやっていく必要がありますし、さらに、研修会や講演会など、一般区民向けの周知活動を積極的にやっていきたいと考えております。

中村 康弘

ぜひ全力でお願いしたいと思います。
 健康づくり推進条例に関して、簡単にちょっとお聞かせいただきます。
 協議会を立ち上げて、これまで検討、目標設定等に向けての活動をされてきたと思いますけれども、現在の進捗状況、また今後の具体的な施策展開についてお聞かせいただきたいと思います。

地域保健課長

健康づくり推進協議会でございますが、昨年の9月に立ち上げまして、これまで、健康づくり推進条例で定めることになっている健康づくりの目標や指標につきまして、協議をしてまいりました。この1月に開きました協議会におきまして、その案を固めまして、2月に区として決定をしているようなところでございます。
 今後、展開ということですけれども、実際に目標、指標をつくりましたので、今回改定しております保健福祉計画の中で掲げたいろいろな事業を積極的に行うというようなことのほかに、全庁的に組織横断的な健康課題というものを共有化いたしまして、地域保健や学校保健、あるいは職域保健というような面に、そういう立場からの展開を今後図っていきたいと考えております。

中村 康弘

次世代育成基金に関して1点、ちょっと言及させていただきたいと思います。
 これは、私は本当にすばらしい施策だというふうに大変高く評価しております。次の世代に何を残していくのか、負の遺産ではなくて正の遺産を残していくんだという考え方、これは単にお金だけを残していく施策ではないというふうに思っております。今の時代、失望感とか諦めとか虚無感とか、子どもたちにこんなものしか残せない社会では絶対いけないというふうに思っております。夢を求める心、希望を追求していく心、また世界は広いんだよ、頑張ればいろいろなチャンスがあるよ、そういうことを、杉並区の大人たちが杉並区の子どもたちみんなを応援していくんだという、これはメッセージだというふうに思っておりまして、これからさらに推進していただきたい。私もこれを地域で話しますと物すごい評価が高い、皆さんの反応はすばらしいというふうに思っております。
 その中で、具体的な運営が始まってもう3年目になりますけれども、きょうは教育長来られていませんけれども、この間教育長のご答弁で、第1期の卒業生の高校生からはがきが来て、将来に向けて頑張ってまいりますというふうなお話がありました。またスポーツ振興課長も、この間の委員会でも、1期目の台湾に遠征に行った野球部のメンバーが2期目の後輩たちの、去年の試合で、喜んで進んでボランティアに参加していただいた。そういうすばらしい教育的効果も含まれた事業であると思っております。卒業した人が自分が受けたものをさらに次の世代に、また応援していこうという心のメッセージ、私、勝手に循環型システムというふうに呼んでおりますけれども、次世代育成基金の循環型システムをこれから拡充して、検証してもっと充実していってはどうかなと思うんですけれども、それに関して区のご意見はいかがでしょうか。

区長

中村委員から、次世代育成基金に対して大変高い、温かいご評価をいただいて本当にありがとうございます。
 おっしゃるように、杉並区の大人たちが次世代の人材を育てていく、子どもの健全な育成をしていく、そういうことを目指してつくった制度でございます。もちろん予算もありますけれども、区民の皆さんから毎年大変多額なご寄附をいただいて、その財源にしているわけですが、まさにおっしゃるように、体験した世代が自分の体験を自分の後輩たちに、次の代の人たちにも体験してほしい、そしてそれには自分も今度は応援する側に回っていきたい、そういうことは非常にこの制度の趣旨に合致するもので、まさに循環というか、いい意味での継承ということ、これがずっと末永く末広がりになっていくことが大事な、目指すべき理想かなというふうに思っています。これからもいろいろな事業を募集するということも始めることになっていますので、いろいろなアイデア、ご提案も含めて、これからも末永くご指導いただければ大変ありがたいと思います。