平成29年10月6日 決算特別委員会

データヘルス計画の期間設定と第2期計画策定状況

中村 康弘

データヘルス計画について、在宅医療について、生活習慣病対策、がん対策について質問をいたします。使う資料は、28年度実績の保健福祉事業概要、杉並区データヘルス計画と、厚労省のデータヘルス計画作成の手引きなどを使います。
 それでは、まず、データヘルス計画について伺います。
 現計画は27年度から29年度の3カ年計画となっておりますが、作成されたのは28年3月でありまして、したがいまして、実質は28年、29年の2カ年計画と言えます。何ゆえこのような期間設定となったのか。また、30年度以降の第2期の計画期間はどのようになるのか。また、現在の第2期計画策定への取り組み状況もあわせてお示しください。

国保年金課長

第1期の計画期間ですが、委員おっしゃるとおり、完成時期がおくれてしまったということがありました。初めてのデータヘルス計画の策定ということで、国保連の評価委員会の評価が少しおくれてしまったことと、データの分析に少し時間がかかってしまったことというのがございました。
 第2期の計画期間につきましては、指針の改定により、同時期の改定のタイミングを迎える特定健診等実施計画、これは第3期になりますけれども、こちらと連動し、一体的に計画を策定することが可能となったことから、30年度から35年度までの6年サイクルとなります。
 現在の取り組み状況ですけれども、第1期の評価、振り返りということで、レセプト情報等のデータ分析を行っているところです。

中村 康弘

今ありましたとおり、特定健診等実施計画第3期の期間と合わせて、30年度から35年度の6カ年というふうに設定されるということでありますけれども、そもそもデータヘルス計画事業と特定健診及び特定保健指導との関係性については、どのように位置づけられるのでしょうか。

国保年金課長

データヘルス計画と健診等との関連性のお尋ねでございますけれども、まず、特定健診と特定保健指導を実施していく中での必要な実施体制や実施方法、成果目標等を定めたものが特定健診等実施計画となります。今回策定をするデータヘルス計画につきましては、少し範囲がそれよりも大きくて、杉並国保が保険者として取り組むべき保健事業全体の実施計画というふうになっております。

中村 康弘

レセプトのデータ分析がデータヘルス計画の基本的な作業となるわけでありますけれども、対象となるレセプト情報のデータは、どの程度のボリュームなのでしょうか。例えば件数等わかればと思いますけれども、また、どのように収集して、どのような視点から、どのような手法でそういったデータを分析するのでしょうか。

国保年金課長

レセプト情報のデータでございますけれども、杉並国保の被保険者の28年4月から29年3月までの診療分、件数にして約210万件ほどになります。
 データをどうやってという形なんですけれども、国保連のほうからデータの提供を受けまして、健康状態や総医療費、医療費に占める生活習慣病の割合、糖尿病に起因する透析患者数等を把握することにより、健康課題や医療費適正化の視点で分析を行っております。
 手法としてなんですけれども、全部ではありませんけれども、特定健診の結果のデータとレセプトの情報を突合して、組み合わせて分析を行うということになっております。

中村 康弘

国保のデータベース、いわゆるKDBにつきましては、インフラ環境は整ったのか、万全と言えるのかどうかということ。ちなみに、後期高齢者医療制度や介護保険についても、同様にデータ収集の体制が今整えられているというふうに理解していますけれども、これら両保険のレセプト情報のデータベースの整備状況についても、あわせてお示しいただきたいと思います。

国保年金課長

KDBシステムの環境はどういう状況なのかということなんですけれども、国保情報につきましては、ちょっとスタートが早かったものですから、過去5年間、25年度から29年度のデータ取り込みが終わっておりまして、今回の分析のほうでも活用しているというところです。
 後期と介護のほうですけれども、本年1月から参照可能というふうになりましたけれども、過去のデータを取り込むのに少し時間がかかるということで、介護も後期も、状態が確認できるのが本年12月からということで、フルに活用できるような環境が12月から整うことになります。

中村 康弘

そのデータを収集した後、分析作業を行うわけでありますけれども、これは当然ながら専門業者が行うと思いますけれども、今、現行の第1期ではどのような業者に委託をしたのか、また第2期では同じ業者なのか、それとも異なる業者なのか、あわせて選定状況についてもお聞かせいただきたいと思います。

国保年金課長

第1期の事業所でございますけれども、健保組合のデータ分析の実績はあったものの、自治体国保の分析のほうは初めてということで、そのため、先ほど申し上げましたが、少し分析に時間がかかってしまったということがございました。
 第2期でございますけれども、自治体国保のデータヘルス計画の策定の実績があり、レセプトを活用した医療費分析において、正確に集計、分析できる特殊な技術、特許を持った、第1期の事業所とは別の事業所にお願いして選定したということになってございます。

中村 康弘

厚労省の公表しているデータヘルス計画作成の手引き(改訂版)によりますと、第2期では、目標の数値化、PDCAサイクル、また費用対効果の検証といった点が特に強調されているようでありますけれども、こういった点につきましては、区としては今回どのように工夫をして策定をしているのでしょうか。

国保年金課長

今回出された作成の手引きにいろいろ書かれておりますけれども、保健事業の実施状況であるとか目標の達成状況を評価して、多面的に多くの視点で評価できるよう、また健康日本21や各種の指針等を参考に、具体的な数値の目標、こういったものを考えてございます。計画期間が6年の長期になることもありまして、3年ごと区切った上で中間評価を行って、PDCAサイクル、うまく回るように工夫をしていきたいというふうに思っております。
 費用対効果の検証という面では、医療費分析の結果、医療費削減等、効果の高い事業を取り入れる等、効果検証が可能な視点も考えて、工夫してやっていきたいというふうに考えております。

中村 康弘

第1期の計画では、糖尿病の重症化予防、それと特定健康診査・特定保健指導実施率の向上、健康意識の向上、この3つが計画の3本柱としてあるわけでありますけれども、これらの3本柱につきましては、第2期でも継続される予定なのでしょうか。

国保年金課長

この3本柱でございますけれども、第1期の計画策定時の分析によりまして、分析から導かれた課題を解決するための取り組むべき保健事業の柱立てでつくったということになっております。第2期の計画は、現在分析中の結果を踏まえまして、今後、推進会議等で検討していきたいというふうに考えております。

中村 康弘

ここで改めて確認しますけれども、データヘルス計画、この事業の最終的なというか、本来の目的は何でしょうか。

国保年金課長

最終的な目的というのは、被保険者の健康保持の増進と、もう一つ医療費の適正化、この2つになるのかなというふうに思っております。

中村 康弘

第1期の計画の3本柱のうちの2番目が、特定健康診査・特定保健指導実施率の向上、3番目が健康意識の向上、こういったことが柱なんですけれども、先ほどのデータヘルス計画の本来の目的と照らし合わせると、健診等の実施率、健康意識の向上等、こういったことを目標に置くということが本来の目的と合致しているのかどうかということが疑問というか、そこを考えなければいけないと思います。実施率とか意識が向上したことによってどのような効果が生まれるのかというところを本来数値目標化して、評価対象とするべきではないかと考えますが、区の意見はいかがでしょうか。

国保年金課長

委員お尋ねの特定健康診査・特定保健指導の実施率の向上や健康意識が向上することによって、結果的には生活習慣病が減少して、最終的に医療費が削減される、こういったことに結びつくのかなというふうに思っております。
 先ほどお答えしました2つの目標がございますので、今回の第2期の計画におきましては、医療費分析の結果から、実施する保健事業の具体的な数値目標を設定しまして、PDCAサイクルを回して、この2つの目標について全体として評価できるように、きちっと数値目標を設定して取り組んでいきたい、このように考えているところでございます。

在宅医療体制の再構築と連携推進の取り組み

中村 康弘

ぜひ第2期もよりよい計画をつくっていただきたいと思います。
 続いて、在宅医療について伺います。
 在宅医療体制の充実に向けましては、特に在宅医療・介護連携推進の体制という点と、在宅医療相談調整窓口及び在宅医療地域ケア会議に関して、28年度から29年度にかけて、体制の再構築が進められているというふうに理解しております。今申し上げた3分野について、この間の取り組み状況について概要をお示しいただきたいと思います。

地域保健・医療連携担当課長

まず、推進の体制でございますけれども、区が設置しております在宅医療推進連絡協議会、こちらは28年度、認知症とがん対策ということで2部会設置しておりましたけれども、このうち、がん対策部会を発展させまして、普及啓発研修部会ということで29年度設置をしております。さらに、新たに事業推進企画部会を設けまして、3部会構成というふうに機能強化を図っております。
 また、在宅医療相談調整窓口につきまして、この4月から保健所のほうに移管されているわけですけれども、4月から6月の間の約100件、非常に詳細に記録をとっておりますけれども、こちらの内容を質的な調査という形で分析いたしまして、結果をいただいているところです。窓口の活用状況が明らかになっておりますので、これらを関係者の方々と共有して、窓口の機能強化、さらなる活用につなげていくという予定でございます。
 さらに、在宅医療地域ケア会議でございますけれども、昨日も御答弁いたしましたように、7圏域で、今年度、共通テーマで開催をお願いしているところでございます。地域ごとの在宅医療・介護の連携の強み、特性、こういったところが明らかになると考えておりますので、今後の体制強化に生かしていただきたいというふうに考えております。

中村 康弘

区では、今年度の事業としまして、在宅医療需要供給等の分析という形で、先ほどのデータヘルス計画と同じように、国保、また後期高齢者医療、介護保険等のレセプトデータを突合して、在宅医療に関する現状分析や将来の需要予測に役立てるべく、現在作業を進めているというふうに理解しておりますけれども、現段階での進捗状況はいかがでしょうか。

地域保健・医療連携担当課長

現在、作業的には、これらのレセプトデータのひもづけ、匿名化のためのデータの整理を行っている段階でございます。近々、大学の医療管理学講座にこの分析の委託をするということで、契約手続を現在進めているところでございます。

中村 康弘

分析作業を大学の研究機関に依頼して、その成果物については、どのタイミングで、どのような形で区に対して上がってくるのか、また、それを区としてはどのような形で活用していくお考えか、今後の見通しもあわせてお示しください。

地域保健・医療連携担当課長

今年度、まず、医療・介護のデータのいわばクロス集計、こういったものが行われます。例えば介護度別の医療の受診の状況、こういったあたりが明らかになってくるところでございます。年度内には分析結果が上がってまいりますが、それに先立ちまして、10月に、先ほど申し上げました在宅医療推進連絡協議会の事業推進企画部会で分析の方向性、また今後の活用等について、医師会や介護関係者とあらかじめ十分協議をしながら進めていくという予定でございます。

中村 康弘

本事業に関しても、ビッグデータから課題を抽出して、そして対策を考えていくという手法でありますけれども、そういう点では、先ほどのデータヘルス計画と類似している取り組みでございます。
 当該の2事業は、今回は別々にデータ収集と分析を行っているというふうに思いますけれども、データを収集し、加工し、分析、こういった方法につきましては、共通の情報基盤、すなわちプラットホームを整備することによりまして、今それぞれ進めている相互のデータの分析結果のやりとりとか、あるいはクロス集計、クロス分析等が行えれば、より有益な結果が得られ、可能性もどんどん広がっていくんじゃないかというふうに考えます。そうしたプラットホームを構築することは、先ほど課長から御説明ございました在宅医療と介護の連携推進にも寄与するものと考えますが、区の所見はいかがでしょうか。

杉並保健所長

今、非常に重要な点を御指摘いただいたなと思ってございます。医療と介護の連携ですとか、それから医療や福祉サービスを生活圏の中で、その受け手となる区民の方が主体的に選択されるというのは、具体的なイメージができるあるエリアの中で、予防と医療と福祉、こういったデータを一体的なものをお示しして初めて役割分担や、深まった具体的な連携や、主体的な選択ということができるのではないかというように思ってございます。
 今後、事業間連携ですとか、まだまだ医療経済学は特に非常に後発な分野でございまして、困難もございますが、そういった研究機関との連携もしながら、より充実した取り組みにしていくように対応してまいりたいと思ってございます。

中村 康弘

ぜひこれは研究を進めていただきたいと思います。地域包括ケアシステムの見える化にもつながると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

がん検診の受診率向上に向けた方策と影響要因

中村 康弘

 続きまして、生活習慣病対策、がん対策について伺います。
 先日の他の委員の質疑の中で、本区のがんによる年齢調整死亡率が全国平均よりも2割以上低く、また医療費も全国平均を下回っているとの新聞報道を通して、区のがん対策に一定の成果があらわれているとの話がありました。がん対策推進計画の策定を初め、一貫してがん対策を推進してきた私ども会派としましても、この報道は、率直に、大変喜ばしく思っております。これまでの区の取り組みを評価いたしまして、さらなる推進を期待したいと思います。
 その上で、がん検診について、これまでの取り組み効果を検証し、受診者数、受診率の向上に向けてのさらなる方策を検討するというふうな話が先日の答弁でもありました。受診行動に影響を与える3大要因について御説明いただきたいのと、また、その3大要因に沿って、区としてはどのような考え方で今後検討していくのか、御説明をいただきたいと思います。

地域保健・医療連携担当課長

3大要因でございますけれども、1つが意識の向上、例えば疾病や検診の意識に対する理解を深めるサポート、そして2つ目が障害の除去、費用やアクセスなど受診機会を整えていくこと、そしてさらに3つ目として、きっかけの提供、適切なメッセージというところでございます。
 区のこれまでの取り組みをこの3大要因に当てはめてみますと、例えば1番目の意識の向上につきましては、がん検診の普及啓発、講演等を通した普及啓発などにも取り組んでおりますし、また2つ目の障害の除去につきましては、自己負担の見直しであるとかクーポン事業といった取り組みを進めてまいりました。さらに、きっかけの提供につきましては、システムを導入して個別受診勧奨、最も効果があると言われているこういった方法も導入したところでございます。これら3大要因を踏まえて、今後きちんと検証してまいりたいというふうに考えております。

中村 康弘

ぜひよろしくお願いいたします。
 では、私のほうから最後の質問になります。生活習慣病対策に関連して、成人歯科健診について、1点だけ伺います。
 28年度の受診率に関しまして、成人歯科健診の受診率が低下をしております。また、特に50歳、60歳、70歳の受診率の下落が顕著とも見られますけれども、この傾向について、区はどのように認識をしているのでしょうか。

地域保健・医療連携担当課長

委員御指摘のように、残念ながら、50、60、70歳の年齢につきましては、0.7から3.1ポイント程度、27年度に比べますと低下しているところでございます。今後、この背景がどういったものなのか、研究をしてまいりたいと存じます。