28年度決算と持続可能な財政運営の仕組み
財政についてと公会計について。資料は20番、21、22、294、295、296、区政経営報告書、28年度の財務書類を使います。あと、途中でパネルを提示させていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、財政について伺ってまいります。実はことしの予算特別委員会でも申し上げましたが、区が今現在見直しを検討している持続可能な財政運営の仕組みに関して、今回も28年度決算の状況を確認しながら、新たな事前統制的な財政運営の仕組みづくりについて、私なりの提案も交えて質問をしてまいりたいと思います。
まず最初に、28年度の区の財政状況について、改めて総括をお示しいただきたいと思います。
若干繰り返しになるところもございますけれども、財政指標から見ますと、公債費負担比率は1.4%ということで23区平均の半分であり、実質収支比率は5.9%となってございます。こちらは昨年より0.1%下がっておりますが、もともとこの適正範囲3%から5%となってございますが、予算の適正な執行管理を行った結果のものと考えてございますので、こちらは問題ないものと考えてございます。
ただ、先ほどもお話しさせていただきましたとおり、2年続けて70%台を維持してきました経常収支比率、80%を超えてしまったということで、こちらは残念な結果ではございますけれども、保育需要の高まりを受けて待機児童解消に向けて全庁一丸となって取り組んだ結果、先ほど申し上げたように分子がふえて、一方、分母が減った結果ということで考えてございますので、他の自治体と比較した場合でも、一定程度の弾力性は図られた健全なものであったというふうに認識はしてございます。
今御説明ありました経常収支比率に関連して、特に5年間右肩上がりで増加傾向でありまして、特に今ありましたとおり扶助費、その中でも特に児童福祉費の伸びが著しい。その背景については保育園関連経費というふうなことでありますけれども、そこで、資料296番を出していただいておりますが、28年度決算における保育関連経費、これは、施設整備費と運営費の両方の総額の標準財政規模に占める割合が、当区では19.5%だった。他区の18区から回答がありましたけれども、他区と比較しても当区の割合は非常に高い、かなり上位のレベルにあります。
時代の変化に伴う区民ニーズへの対応ということで、この間の区の保育所増設の対応は評価しますが、一方で、地方自治法でも定められている最少の経費で最大の効果という経済性や効率性につきましても、区はしっかりと追求していかなければならないということであります。
そういう意味で、このたび個別外部監査報告を受けましたけれども、この場では、財政への影響という点について、同報告書に関する区の率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。
財政の観点からということですので、私のほうからお答えさせていただきますが、24項目というとおり、かなり細部にわたり御意見をいただいたと思ってございます。加算金、補助金などは実態、実情に合わせて支出すべきという点はもちろん、その効果をしっかり確認できる仕組みを構築すべきだというような点、また、公立保育園、私立保育園との役割分担をしっかりと明確にした上で、効果の高い財政的な民営化を進めていくべきといったような御指摘は、まさに区がしっかりと取り組んでいかなければならないものというふうに考えてございます。
また、そのほか、それを進めるに当たりましては、理由をしっかり、説明責任を果たした上で取り組むべきだということで、財政削減の観点だけではなく、適正な財政運営を進めていく上でも貴重な御意見をいただいたものというふうに率直に感想を持っている次第でございます。
28年度の状況で1つ特徴的に著しいのが、前年度から比較して債務負担行為の額が急増しております。その背景について、どういうことかということを御説明いただきたいということと、そのこと自体、実はどういう意味を持つのかということ、その上で、今後の区の財政運営でどのような対策を考えていくのか、その辺に関してはいかがでしょう。
確かに昨年度、債務負担行為がかなりふえてございますが、こちらにつきましては、1つ、高円寺地区の小中一貫教育の学校を建てるということは、小中2校分の建設費がかかるということで、また天沼三丁目複合施設などの建設が始まったため、その分の施設建設がふえたということと、その他の部分でございますけれども、こちらの指定管理者に伴う債務負担につきまして、平成24年度から新たなものを計上するような形にしてございます。今年度も新たに指定管理が始まったものもあるんですけれども、24年以前に始めていたものがちょうど更新期に当たったことから、今回新たにそちらを計上した結果、かなり大規模な増となったものでございます。
今後の対処方針ということでございますが、将来これぐらいかかるという目安になりますので、それをしっかり踏まえた財政運営をしていかなければならないということではございますけれども、例えば指定管理1つにしましても、実際上直営でやっている場合にはその職員費というのはこういう形で出てきませんけれども、それを行革の観点から指定管理をすることによって、逆に減っているんですけれども、こういった形で債務負担行為で載るということで、逆に言えば、将来負担の透明化を図る意味では、効果の1つというような形で考えております。
基金・区債に関する財政運営ルールの進捗
続いて、基金と区債について伺います。
現在の区の財政運営の基本的な考え方としては、今後の財政運営のあり方という形で5つのルールを24年度から採用しているわけでございます。その当時の、ルールを設定した課題の認識といたしましては、標準財政規模に対する積立基金の低さというのが挙げられておりまして、それは、基金を取り崩して区債発行を抑制してきたことに起因するというふうな認識が示されておりました。そのことを受けまして、財政のダムを構築するために、標準財政規模に対して積立基金の総額50%といった当面の目標を立て、また決算剰余金の2分の1以上の積み立て、そういったルールを設定したわけでございます。
そこで、資料295番を提出していただいておりますけれども、この5年間でそういったこの24年度に立てたルール、方針に対してどの程度取り組みが進んでいるのか、その辺に関しても概括的にお示しいただきたいと思います。
こちらの資料は、23年度と28年度の標準財政規模に対する基金と区債の割合を示したものでございますが、区債に関しましては、23年度当時12.45%と非常に割合が低く、23区でも21番目に少ないというよい状況でございました。一方で、基金残高に関しましては31.05%となっておりまして、100%を超える区が数区ある中で、23区中20番目に少ないという、バランスをちょっと欠いたような状況でございました。
それが昨年度は、区債に関しましては22.58%となりまして、順位も少ないほうから10番目となってしまいましたけれども、一方、基金残高は、実額にしますと480億円なんですけれども、こちらは普通会計ベースの資料となってございますので、444億ですと37.71%と比率は上がってございます。23区内ではこちらも22番目とまだまだ低い状態でありますけれども、双方のバランスに関しましてはとれてきているのかなと考えてございます。
また、480億円で計算しますと標準財政規模の40%を超えており、目標に近づいているなという認識は持ってございます。
さまざま厳しい状況はあるものの、そういった目標に向かっては、着実に歩みは進めているという状況でございます。それが28年度までの状況ということです。
そこで、これは前回も提案させていただいたんですけれども、今、基金総額50%という目標が1つありますけれども、その内訳を見ますと、財政調整基金と施設整備基金、この2つ合わせて、28年度末で86%この2つの基金で占めているということなので、総額というよりは、財政調整基金と施設整備基金、この2つは目的も大きく異なっておりますので、個別に管理するロジックを組み立てて、そして運営していくという仕組みにしてはどうかというように考えますけれども、区の考えはいかがでしょうか。
もともと基金にはそれぞれの目的がございますので、財政調整基金につきましては、年度間の財源の不均衡を調整するために設けられますので、多少の融通はききますけれども、ほかの施設整備基金にしろ減債基金にしろ、取り崩すための目的というのは決まってございますので、もともと別々に管理すべきものでございます。ただ、積立基金を標準財政規模の2分の1までとりあえず積み立てるということで、積立基金全体での扱いにしておりましたけれども、当然そういった形でそもそもの目的が違いますので、それぞれの目的に応じたものを今後もう少し分けた形でも設定はしていきたいと思っております。
それで、財政調整基金の1つのロジックの考え方として、今課長おっしゃったとおり、年度間の収支バランス、財政の調整機能というのが1つの大きな目的でございます。その財政調整機能が一番求められているのは、歳入と歳出に関していくと、一般財源の収入額の変動に対して一番財政調整機能が求められると考えられます。
そこで、財調基金の管理のロジックとしては、過去の統計から一般財源等の振れ幅をある程度予測を立てて、調整機能を担うのに必要なレベルをある程度分析をしまして、さらにそこに大規模災害への備えという視点を加えて必要な保有額を設定していく、そういう考え方について、区はいかがお考えでしょうか。
もともと、財政調整基金を中心に積立基金の残高を標準財政規模の2分の1にする前提といたしましては、御指摘いただきましたとおり、財政の調整機能のほかに、災害時の備えとなる財政のダムとしての意味合いも持たせるという委員の御指摘につきましては、そのとおりでございます。ただ、金額設定につきましては、今御指摘いただきましたとおり、過去の統計をもとに調整機能を担う必要なレベルを設定するということは、逆に言えばそれは説明もしやすい、説得力のある数値になりますので、そうしたものにつきましては、今後検討させていただきたいと思います。
災害への備えという点につきましては、いざ首都圏で大規模災害が発生すると、国による被災団体への財源支援措置が相当入ってくるというふうなことは、区長も常々述べられているとおりであり、そのとおりだと思います。しかし、阪神・淡路大震災のときの被災自治体であります西宮市等の事例では、震災後著しく財政が悪化し、それが約20年たった今でも影響を受けているという状況があります。経常収支比率、実質収支比率、公債費負担比率等の推移から見ても、明白でございます。
これは、当時、国や県から相当額の震災復興事業を受ける一方で、市独自としても市債を発行して対応せざるを得なかった部分が少なからずあり、その元利償還コストが長年にわたり同市の市財政を圧迫し続けている、こういう状況があります。したがいまして、財政運営上の災害への備えという視点は、やはりこれは重要であるというふうに思います。
しかし、一方で、じゃどの程度あればよいのかという積算根拠が確かに難しいというのも事実であります。そういうことで、もう少しこの部分に関しては研究がかなり必要であるかと思いますけれども、ただ、これは重要という観点でありますので、改めて区の、どういう考えかというのをお聞かせいただきたいと思います。
確かに、震災時どの程度の予算がなければならないか、シミュレーションのもとに持っていくというのは大切なことだと思っておりますが、また、都市の現状というのは御指摘いただいたとおりでございまして、まず補助金等いただきましても、全国一律のものですと使い勝手の悪い補助金が多いということと、また、国の支援が大体補助金だけではなくて起債を、通常起債充当率といいまして7割とか8割あるところを、災害時には100%まで起債していいですよと、そういった支援になりますので、そうしますと当然、その部分につきましては公債費という形にはね返ることになりまして、御指摘いただいたように長期にわたって財政上悪化するようなことになってございます。
具体的にそういったシミュレーションをしなければならないということなんですけれども、激甚指定された場合、国の予算をどれぐらいかけるか、国がどういう内容にするかによっても変わりますし、また、例えば今地震被害シミュレーションでいろいろ減災対策を進めていくと、それによって被害も大分変わってくるような中で、じゃ一体幾らが必要なのか。前もお話しいたしましたように、なかなか難しいというのが正直なところです。ただ、西宮市と規模的にはほぼ同じようなところで、西宮市につきましては、災害があった場合、起債した場合でも、一定割合につきましては、元利償還分を交付税措置されることになりますけれども、区としましてはそれもないということですと、西宮を参考にしながらそれ以上の備えは必要かなというのが、正直なところ思っているところでございますが、そちらの研究につきましては、引き続きこちらのほうでもいろいろ取り組んではいきたいと思っています。
私も、しっかりこの部分に関してもさらに研究していきたいと思います。
施設整備基金と将来の財源需要
次に、もう一つの大きな基金、施設整備基金について伺います。
これも予算特別委員会でも述べましたが、この基金を考える上では、3つの要素が関係するというふうに考えられます。それは、1番、現在の区債の発行状況、2番、将来の施設整備に必要な財源需要額、3番、フリーキャッシュフロー、この3つであります。1番の区債の発行状況については後に回しますが、まず2番目の、将来の施設整備に必要な財源需要額に関して伺っていきたいと思います。
資料21番でお示しいただいておりますけれども、起債充当率というのがあります。まず、この起債充当率の説明をいただきたいのと、そして財源需要(残存部分)というところに対する財源の手当てについて説明いただきたいと思います。
起債につきましては、世代間の負担の公平性を確保するという意味合いもございますので、例えば全額起債してしまいますと、将来世代への負担の先送りとなってしまいますので、総務省のほうからも、施設に応じまして、例えば補助対象となる学校は90%ですとか体育館などは75%といったような、施設の性質によって充当できる割合を定められておりますのが起債充当率でございます。その残りの部分につきましては、一般財源を充てるのか、またそのときの行政需要の観点からあるいは施設整備基金を取り崩して充てるのか、そういった形で行うような形になります。
休憩前に、先ほど課長のほうからは、起債充当率については、公共事業等の建設において起債ができる上限というかパーセンテージであるということ、残りのパーセンテージの部分に関しては、基本的には一般財源あるいは施設整備基金等から繰り入れるというのがその考え方であるというふうなことを御説明いただきました。
同じく21番の資料において、28年度を起点として、29年度、今後3年間の施設整備事業の起債では充当できない財源需要額、それに対しての28年度末時点での施設整備基金の額、その保有割合をまとめていただいておりますけれども、これらの数字について説明をいただきたいと思います。
ただいま御指摘いただきましたとおり、この資料につきましては、平成29年度から31年度までの実行計画事業とされている施設整備費の計画額から、国・都支出金や想定する起債額の特定財源を引いて、残りの必要額について、その金額に対する施設整備基金の割合ということで、計画の合計額が111億で、基金残高が51億となっていますので、その差で割合を計算しますと46%という数字になってございます。
つまり、必要額に対して46%の額が積み立てられている。残りの54%、額にすると60億に対しては、一般財源から充当しないといけないということですけれども、それが果たして十分可能かどうかということで、この目安となるのが財務書類の資金収支計算書の業務活動収支と財務活動収支の合計額で、これがいわゆる公共施設等の整備に充てられる最大のフリーキャッシュフローと定義できると考えます。
ちなみに、26年から28年の同じ期間の3年間のフリーキャッシュフロー額をお示しいただきたいと思います。
26年度、27年度は、基準モデルによる単体の財務書類における経常的収支と財務的収支、そして28年度は、統一的基準による全体の業務活動収支と財務活動収支の数値を引用して計算いたしますと、約361億円でございます。
361億円のフリーキャッシュフローに対して、では同じ期間、実際どれだけの額を公共施設の整備に費やしてきたのか、これも同じく資金収支計算書から教えていただきたいと思います。
先ほどの質問と同様に、26、27年度は基準モデルの単体の財務書類、28年度は統一的基準による全体の財務書類の数値で計算いたしますと、過去3年間の差額は約103億円となりまして、業務活動収支と財政活動収支の合計額が多かったというところでございます。
361億円のフリーキャッシュフローに対して258億円が費やされたということで、過去3年間ではフリーキャッシュフローが103億円上回ったという実績であったということであります。
このキャッシュフローの収支モデルがこれからもずっと続くのであれば、当面の資金繰りは問題なさそうだとも言えます。しかし、将来のそういったことは不確実で、また、今3年間でしたけれども、年度によってはばらつきもあります。したがいまして、できるときに一定額を積み立てておくという考え方が必要になってくるわけであります。今申し上げたような数値を参考にした上で、そういったことを施設整備基金の管理ロジックという形で運用していってはどうかと思いますけれども、それに関してはいかがでしょうか。
現在、財政調整基金積み立てのルールがございますけれども、ただいま御指摘いただきましたとおり、今後の施設改修の予算を積算して管理していくためには、こうしたフリーキャッシュフローがどれぐらいあるか、それをいかに積み立てていくかについて基準にして算出していくということも1つの有効な考え方と思いますので、こちらにつきましても、先ほど同様、検討していきたいと思っております。
区債償還可能年数と財政力
よろしくお願いします。
続いて、区債について伺います。
区債残高が、区の財政力、いわゆる債務償還能力に対してどの程度のレベルになるのか、また、それによってどれぐらいまで今後借金が可能なのかという点につきましては、前回も述べましたが、償還可能年数という指標が参考になると考えます。資料20番でその数値を出していただいておりますけれども、改めて、償還可能年数という指標についてと、また28年度はどういう実績だったかということについて御説明いただきたいと思います。
こちらにつきましては、区の実質的な債務を、実際の業務に要した費用から収入を引いた、いわゆる業務活動収支の黒字部分を償還に充てた場合、何年で償還できるかをあらわしたものでございまして、数値は、将来負担額から充当可能な基金残高を控除した実質的な債務額を、さきの業務活動収支で割って算出したものでございまして、区政経営報告書に掲載しておりますものは、一般会計と特別会計を合わせた全体での年数ですが、28年度の状況としては、2.0年となってございます。
2年に対して、一方で、同じく資料20番で、現在発行済みのというか、28年度末発行済みの区債の償還年数を出していただいております。この数字も御説明いただきまして、28年度の状況をお示しいただきたいと思います。
こちらの資料につきましては、平成28年度末に残存する区債残高につきまして、起債ごとの発行額に償還年数を掛け合わせたものを総起債発行額で除して算出したものでございまして、28年度の償還年数を加重平均したものとしましては、17年となります。
今の御説明で、28年度末の時点で17年で返さなきゃいけない借金に対して、最速で2年で返せる財政力が28年度末の段階であるというふうなことがわかります。ただ、これをさらに長期的に見ていくとどうなのかということであります。
そこで、参考となる指標として、有形固定資産減価償却率があると考えます。区政経営報告書にも書かれておりますけれども、区の有形固定資産の減価償却率について、28年度末までの5年間の推移をお示しいただきたいと思います。
有形固定資産減価償却率の5年間の推移でございますが、24年度は51.3%、25年度52.8%、26年度52.6%、27年度54.2%、28年度54.6%でございます。
一方で、別の指標になります、健全化判断比率にあります将来負担比率について伺います。
この指標の分母と分子、そしてこの指標はどのような意味を持つのか、その御説明をいただいた上で、過去5年の推移と28年度の状況をあわせてお示しいただきたいと思います。
こちらにつきましては、標準財政規模に対する将来負担すべき実質的な負債の額の比率をあらわすもので、計算式を簡単に、分子につきましては、地方債の現在高に福祉施設の建設助成ですとか公会堂PFI事業といった債務負担行為に関する経費、また職員の退職手当額などの将来区が負担すべき債務額を足し上げて、それから、債務に充当可能な基金額と国庫支出金などの特定財源分、また地方債現在高に係る基準財政需要額、歳入見込み額を減じた金額を、いわゆる分母の標準財政規模で割って算出したものでございまして、簡単に申し上げますと、将来支払っていく可能性のある負担と現時点での残高を指標化して、将来財政を圧迫する可能性の度合いを示すものでございまして、こちらの数値でございますが、現実的には将来負担額、上回ってございませんので、仮に算出した数値ではございますが、記載されているとおり、24から順に、マイナス112.4、マイナス102.2、マイナス91.3、マイナス86.7、マイナス77.2というような状況になってございます。
先ほど御説明いただいた固定資産の減価償却率と、ただいま御説明いただきました将来負担比率、この2つ、別々の指標を組み合わせて分析することで、長期的な財政ニーズとそれに対する長期的な区の財政力の関係性が見える化できるのではないかと考えます。
この2つの指標をグラフ化してみました。ここで、委員長、資料の提示をよろしいでしょうか。
はい、提示してください。
これが今申し上げた2つの指標のグラフ化でございます。縦軸が将来負担比率、横軸に固定資産減価償却率というような形で、経年ごとに過去5年間をプロットしております。これで見る限りにおきまして、減価償却も経年に従ってふえている、また将来負担比率も毎年ふえていっているということで、これから資産の老朽化、それに対して負担していかなきゃいけない将来負担というのが、年々、過去5年間でいくと右肩上がりになっているということで、これをさらにもうちょっと長期にしていくと、長期的なトレンドが見てとれます。先ほどの区債のことに関しては現在の償還能力、これに関しては将来の負担の可能性、こういったことがグラフ化できるので、こういったことも参考にしていいのではないかというふうに思います。
こういったことを今るる御説明させていただきましたけれども、施設整備基金の管理、また区債の発行状況とそれに対する財政力、また今お見せしたグラフ等を使用することによりまして、短期、そして中長期の区の将来負担の状況を総合的に捉えることができると考えますが、区の考えはいかがでしょうか。
今後、そういったさまざまなものを使いながら、どうやって将来負担ですとかをあらわしていくかということにつきましていろいろ御指摘いただきまして、施設の更新費用等につきましては、今後の財政運営に大きな影響を与えるものでございますので、将来負担が低くても、行うべき施設の更新がなされていないのであれば、それは問題がありますし、一方で、将来負担は多くても、きちんと計画的に施設の更新をされていることによって生じる、必要性のある適正なものであれば問題は少ないことになりますので、先ほど御提案いただきました基金、区債の発行状況ですとか財政力の状況を活用することによりまして、御指摘いただきましたとおり、中長期的な財政負担の状況をより客観的にお示しすることができるかなというふうに私どものほうでも考えております。
これまでも区は、先ほど午前中の質疑にもありましたけれども、総合計画の改定のタイミングに合わせて、新たな財政運営の仕組みを検討していくというふうな考えが示されていると理解しておりますけれども、現段階における検討の状況、予定はいかがでしょうか。
こちらにつきましても、前もお話しさせていただきましたとおり、総合計画策定のときに、新たな指標として、将来、区の全体像を示すような指標を検討していくということで、来年度、総合計画の改定がございますので、それに合わせまして、今言ったような指標をどういった組み合わせをしてより客観的に示すか、そういったものを検討するようなスケジュールで今考えているところでございます。
今後の区財政運営の考え方
よろしくお願いします。
これまでも予算特別委員会等でも質疑をしてまいりました。これまでの、現状のあり方、また5つのルールでは、単体の指標だけでは状況をつかみにくいというようなこと、また長期的な視点での健全性をどうつかんでいくかというところ、また、事前統制的な仕組みをどうつくっていくかというところが今のルールの課題であるというふうに認識しておりまして、一方で、それに対して将来予測の難しさということも、確かにそれも1つ言えることがあります。ただ、財政運営のフレームワークとしては、単純に言うと2つでありまして、単年度における資金繰りに問題があるのかないのか、また中長期にわたる債務償還能力に問題があるのかないのか、こういった視点が基本になるというふうに考えます。
この項の最後に、改めて、こういったことを踏まえて、区の今後の財政運営に関する考え方をお示しいただきたいと思います。
以前にも御答弁させていただきましたが、変化が激しく、先行きが不透明な時代の中で、長期的な財政の展望を描くことはなかなか難しいことではありますが、だからこそ、中長期を見据えた安定的な財政運営をより一層志向していかなければいけないというふうにも考えてございます。
そのためには、委員の御指摘もございましたように、実質単年度収支ですとか実質赤字比率、また連結実質赤字比率などによって単年度の資金収支のチェックを行うとともに、あわせて中長期を見据えて、債務償還可能年数でありますとか、委員からも先ほどパネルでも御説明がありましたように、有形固定資産減価償却率と将来負担比率の組み合わせによる分析などによって、中長期の健全性についても常にチェックしていく必要があるだろうと思っています。
さらに、そうした指標を、経年変化を見ていくとか、例えば人口規模が類似している団体との比較を、これもまた経年で行っていくとか、そういうことを総合して財政の健全性を図っていく必要があると考えておりまして、これについては、先ほど財政課長からも答弁いたしましたように、来年度の総合計画の改定に向けて、さらに研究を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
ぜひよろしくお願いします。
私の質問の最初のころに出ましたけれども、基金が当区でもふえている反面、23区も軒並みふえているということで、計算しますと、28年度末で23区の積立基金の合計額が1兆7,000億円ということで、5年で4,500億円ふえているんですね。34%ふえている。1.3倍になっている。
実は地方公共団体も、全国的にもこういう傾向がありまして、こういった問題に対して、経済財政諮問会議でやり玉に上がりそうになっているというような状況もありまして、ややもすれば、また東京の基金がターゲットになりかねない。これは先ほどもありましたけれども、というような状況でもありますので、この辺の財政とか基金の積み立てということに関しては、しっかりと理論武装を今のうちからして、こういうことがあるから使途としては大切なんだということをしっかりと検討していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
新地方公会計制度の統一基準と区の取り組み
続きまして、公会計について質問してまいります。
28年度の決算から新地方公会計制度の統一的な基準が採用されました。これは先ほど来、他の委員からもございました。そのことを受けまして、私ども区議会といたしましても、有志による勉強会が発足しまして、僣越ながら私が座長を務めさせていただいております。その第1回目の勉強会を8月に、33名の議員の参加のもとで開催をいたしました。決算前の多忙きわまる時期に御協力をいただきました会計管理室長及び会計課長を初めとする職員の皆様に、この場をかりまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。
その上で、改めて、この間の統一的な基準に至るまでの国の動向及び区の取り組みについて、御説明をいただきたいと思います。
バブル崩壊後、少子高齢化社会などと相まって、財政破綻する自治体が発生する厳しい財政状況の中で、必要な公共サービス提供のために財源を確保するといったことから、財政の透明性を高めるとか、説明責任をより適切に、また財政の効率化、適正化を図るために、新しい公会計制度が創設されたものでございます。
まずは、平成18年、国の報告書による基準モデルでの財務4表が導入されたところでございますが、全国的な自治体での整備状況は2割弱程度といったところにとどまっておりましたことから、今般、基準モデルの簡易版として、国の通知による統一的な基準を用いて、平成29年度末までに全ての地方公共団体で財務書類を作成することとなったところでございます。
区といたしましては、平成20年度決算から基準モデルにて財務書類を作成いたしまして、28年度決算からは、全国的な自治体との比較が容易な統一的な基準によって作成しているところでございます。
今回からの統一的な基準ですけれども、これまでの基準モデルと何がどう変わったのか、主な変更点の内容についてお示しをいただきたいと思います。
主な変更点といたしましては、まず、有形固定資産の評価基準などの見直しがございました。例えば、大きなものではインフラ資産の道路底地などについて、昭和59年度以前に取得したものは備忘価額が1円になるなどがございます。また、減価償却累計額が明示されてきたこと。そして、純資産変動計算書が簡略化されたこと。また、連結対象団体が拡大いたしまして、一部事務組合ですとか広域連合などが追加されてございます。ほかにも幾つもあるところでございますが、主なところといたしましては、そのあたりでございます。
28年度財務書類の変更点
それでは、そういった変更点が、28年度の財務書類の数字上、具体的に何がどう変わったのか、4表それぞれ、どのように変更といいますか変わったのかということを、概要で結構ですのでお示しいただきたいと思います。
変更点としまして、4表の中で、まず貸借対照表に対しましては、インフラ資産の額が1円化した分減少いたしまして、影響額が約8,000億余でございまして、資産や純資産もその分減少したといったところがございます。また、建物などの償却資産については、減価償却の累計額が記載されるようになってまいりまして、そのほか行政コスト計算書や純資産変動計算書につきましては、インフラ資産の減価償却費がこれまで純資産変動計算書に計上されておりましたが、このたび、統一的な基準では、行政コスト計算書に計上されることになったというのがございます。また、資金収支計算書につきましては、経常的収支や資本的収支、財務的収支がそれぞれ、業務活動収支、投資活動収支、財務活動収支など名称が変更し、支払い利息支出が財務的収支から業務活動収支に計上区分が変更となったところがございます。
今御説明ございましたが、数字的な変更でいいますと、4表のうちの貸借対照表と純資産変動計算書に関しては、固定資産の評価方法が変わったということで、午前中もございましたけれども、8,000億という大きな目減りといいますか変更があったということ。ただ一方で、キャッシュフロー計算書と行政コスト計算書に関しては、組みかえとか順番とかは若干変更になったものの、大きな数字上の変更はなかったということでよろしいのか、もう一度その辺、確認をお願いします。
委員おっしゃるとおりでございます。貸借対照表、純資産変動計算書などは、おっしゃるとおり大きく変更になってございまして、行政コスト計算書、資金収支計算書は、組みかえが主だったところから、トータルとしてはそんなに大きな額ではないということでございます。
新しい今回の基準によりまして、今ございましたけれども、固定資産台帳が、いわゆる開始台帳という形で、28年度が最初の台帳というふうになりまして、資産、純資産の額が、27年度から表面上、額面上は著しく変化したように見える。しかし、これは変化というよりは、昨年度までとは全く別物の諸表でありまして、経年の推移を単純に比較するものではないということ、これは明確にしておかなければならないというふうに思います。一気に資産が目減りしたとかそういうのではなくて、計算内容が変わりましたよということですね。
有形固定資産の評価基準について、これまでの基準モデルは、原則として再調達原価で評価をし、事業用資産の土地は3年ごとに再評価をしていく、そういうのがルールでありましたけれども、今回の統一的な基準からは、原則として取得原価を採用し、再評価を行わないということでありますけれども、これはどういった考え方でこういった変更がなされたのか、その辺に関してはいかがでしょう。
委員からごらんになれば、事業用資産は再評価しないということで、一転後退したようにもごらんになられるかもしれませんけれども、私としては、より現実的なものに再整理されたなと、そんなふうに捉えてございます。
そもそも、今までの基準モデルができた、議論されたその背景というのは、各自治体がまだバブルの影響を受けていまして、各自治体とも、土地開発公社等に塩漬けの土地を非常に下落した価格で持っていたということで、各自治体のポテンシャルをはかるのには、しっかりその時価というか現実的な数字を見るべきだというような考えがあったかと思いますが、今般、統一的基準ということになりましたら、1,800の自治体が全員固定資産台帳を持つということで、これは負担の軽減というのもございますけれども、これまでの事業用資産につきましては、インフラ資産と同様に、会計主体の目的に直接、間接的に資する潜在的なサービス提供能力を有するものというように仕訳されております。そういうところで現実的なものになったかなと、そんなふうに捉えてございます。
確かに、昨年までの基準モデルだと、それこそ資産が1兆4,000億、5,000億というような状況で、そのうちの大部分がインフラ資産ということでありました。これは、例えば資産としては保有しているんですけれども、ではそれを、財政が厳しくなったので売却できるかというと、道路とかそういったものは売却できないわけでありまして、実質的には、この指標で見ましても、例えば純資産比率とか負債比率というのが余りにもよく出過ぎているという部分があって、私自身は、この点に関しては何とかならないものかなということがありましたので、今回そういったことで変更になったということで、若干ではありますけれども改善といいますか、その辺の、余りにもよくなり過ぎているという指標が見直されたということで、より現実的な内容なのかなというふうに私も思っております。
その上で、有形固定資産の耐用年数について伺います。いわゆる減価償却の期間です。基準モデルでは、基本的には財務省令に基づいて減価償却は行うものとされておりましたけれども、統一的な基準では、耐用年数の設定は各自治体の判断で、場合によっては長い期間で設定することも可能というふうにされておりました。しかし、その議論が、途中でその考えがまた修正されまして、従前のやり方に戻るということで、省令に基づいてくださいということで、1回もとに戻ったというふうな考えがあります。この間、この変更の経緯というのは、どういうことがあったのでしょうか。なぜこういうふうにもとに戻ったんでしょうか。
耐用年数省令による耐用年数ではなく、地方公共団体が実際に資産を使用できる年数を用いることが適当ではないかという考え方がございましたが、平成28年10月に報告のありました地方公会計の活用のあり方に関する研究会におきまして、使用可能年数の設定方法について、自治体が独自に具体的かつ客観的に基準を定めるのは困難であるといったことなどから、償却資産の減価償却は、従前どおり耐用年数省令によることとなったものでございます。
とにかく今回の変更の目的は、1つはやはり全国でやっていくということ、大規模な自治体も小規模な自治体もできるようにという考え方があるので、さまざまそういったこともあったのかなというふうに思います。
その上で、固定資産とか建物の償却資産の耐震補強や改良補修工事の扱いについて伺います。統一的な基準では、資産価値が高まる、あるいは耐久性が増すと認められるものについては、これまでの維持補修費、いわゆるコストとしての計上ではなくして、資産形成として計上できるということが認められております。それはどこまで資産形成として認めるのか、もしくはコストとして処理するのか、それの運用基準は各自治体で定めるものというふうになっていると理解しておりますけれども、今回区ではその基準はどのように設定したのか、また、設定した根拠についてもあわせてお示しいただきたいと思います。
従来区では、予算上、施設の大規模改修など、おおむね500万円以上としていたことから、500万円を一定の基準といたしまして、この考えを踏まえて、500万円以上で、資産価値が高まる、あるいは耐久性が増すと認められるものは資産として計上するというふうにしたものでございます。
区政経営報告書における財務書類の記載改善
今回は開始台帳ということもありましたので、数字の中身は余り詳しく聞かなかったんですけれども、最後に、区政経営報告書について1点、質問といいますか、苦言といいますか、示させていただきたいと思います。
今回、区政経営報告書に掲載されている財務書類は、恐らくわかりやすさに重きを置いた構成としているのだというふうに思えます。確かに全体像の把握がしやすくなったというのはありますけれども、ただし、一方で、わかりやすさの追求とは反対に、各財務書類の項目が余りにも大ざっぱで、細かい内容が区政経営報告書にはほとんど掲載されていないというような状況で、実際、財務書類を見ないと細かいことはわからないということでありますけれども、実はこの財務書類が配付されたのは、きょうから数えて3日前ということで、これでは余りにも時間がないと思います。せめて昨年までの内容の財務情報を区政経営報告書に記載していただくか、あるいは区政経営報告書と近いタイミングで財務書類を配付いただくか、その辺に関して私のほうから改めて要望させていただきたいと思いますけれども、最後に所見を伺います。
財務書類をお手元に届けるのがおくれたことは、本当に申しわけないことと猛省しております。経営報告書をよりわかりやすくする一方で、財務書類でより詳しく補足するというつもりでございましたけれども、新しい基準の中で、注記の記載方法に迷い、また、連結となる新たな連結対象との真正な数値を求めるのに時間がかかりということで、思いのほか時間がかかり、じりじりとおくれてしまいました。次回以降は、財務書類の発行を少しでも早めるか、または経営報告書をより詳しいものにするか、いずれにしても、必ず改善してまいる所存でございます。