令和4年3月10日 予算特別委員会

65歳健康寿命指標の採用理由

中村 康弘

65歳健康寿命について、がんの75歳未満年齢調整死亡率について、医科・歯科連携について、後期高齢者歯科健診事業について、そして最後に医療的ケア児支援について質問してまいります。使う資料は、資料ナンバー20、区政経営計画書、総合計画、杉並区健康長寿モニター事業最終報告書、以上です。
 それでは、65歳健康寿命について伺っていきます。
 区では、今までの総合計画から今回の新しい総合計画へと引き継ぐ形で、65歳健康寿命の数値目標を掲げて取組を進めております。この指標は東京保健所長会方式によるものでありまして、また一方で、国・厚生労働省は、サリバン法という計算方法による健康寿命の指標を用いて都道府県別の数値を公開しております。
 改めて、これら両指標の違いと、本区が65歳健康寿命の指標を採用している理由をお示しいただきたいと思います。

健康推進課長

保健所長会方式というのは、各自治体からの報告を基に毎年算出するものでございますけれども、65歳の方が要介護2を受けるまでの状態を健康と考えて、その認定を受けるまでの年齢を平均で算出しているというものでございます。
 一方、国のほうの計算は、国民生活基礎調査という中で健康上の問題の有無を尋ねる、それを基に、今おっしゃったサリバン法という計算方式によって3年に1度算出されるという方法でございます。
 区のほうで採用している所長会のほうの方式ですけれども、都内で共通の方式だということ、また自治体間の施策や成果の比較ができる、毎年算出されるということで、指標としては適しているだろうということで、さらには、介護制度という中のもので一定の客観性があるということで採用しているという内容でございます。

中村 康弘

その65歳健康寿命に関してなんですが、前回の総合計画当初の状況、その当時の区内の状況。その当時に掲げた目標、10年後の目標。そして、それに対して現段階、直近値としての実績。すなわち、過去10年間の推移はどういうふうになっているのか、その辺に関してお示しください。

健康推進課長

24年当時、男性については82.5歳、女性については85.5歳ということになっておりました。当時、平成でいえば33、令和に変わって3年度ということになりますが、そのときの目標値としては、男性が84、女性87としておりました。現時点では、最新値で2年になりますけれども、男性が83.6歳、女性が86.7歳ということで、24年当時と比較して、男性では1.1歳、女性では1.5歳延伸しているという内容でございます。

中村 康弘

この10年間で目標に対して、まだ最終的な結論には至っていませんが、ほぼ延伸してきていることは確かであるということであります。この状況を、区としての10年間の総括をどうしているのか。また、そういった延伸してきている背景について区はどのように分析しているのでしょうか。

健康推進課長

目標の数字にあと一歩、もう少しというところまで来ております。曲がりなりにも延伸してきた背景としては、生涯にわたって健やかで生き生きと暮らせる健康寿命の地域社会を目指して、区民の皆様、また事業者、関係団体、さらには区が協働というようなことで、例えば健診の受診率向上だとか生活習慣病の予防と様々な取組を行ってきた、そういったことが効果として現れたものと思っております。

中村 康弘

その上で、新たな総合計画ではどのような目標を設定したのか、改めて確認します。また、その初年度となる令和4年度は具体的にどのような取組を計画しているのかというのが1つ。
 もう一つ聞きます。平成26年に制定した杉並区健康づくり推進条例の規定に基づいて、1、身体の健康、2、心の健康、3、歯と口腔の健康、4、健康づくりを支える社会環境、この各分野において細かく目標、指標を設定してきております。今回、総合計画が改定されたことに合わせて、これらについても見直し、改定される予定なのか。そうであれば、現在の作業状況と今後の予定についてまとめてお聞きいたします。よろしくお願いします。

健康推進課長

令和12年というようなことで目標値を今やっておりまして、男性だと84.4歳、女性は88.2歳としてございます。
 4年度の取組でございますけれども、先ほどの答弁の中でもありましたが、着実に健康寿命そのものは延伸が図られているというのはございますから、基本的にはこれまでの取組を継続充実させていく。具体的には、区の総合計画、実行計画の中でも掲げておりますが、例えばオーラルフレイルだとかICTを活用した取組、オンライン講座の開催、さらには関係団体との協働の取組ということで、継続していろいろな取組をしていくというふうに思っております。
 また、条例に基づく目標、指標の改定作業でございますけれども、今回の新しい総合計画、実行計画に合わせて、来年度改定をいたします。今年度、目標数値の改定作業、準備そのものは取りまとめておりますが、さらに新年度で保健福祉計画の改定もございますので、それと整合性を図りながら、最終的に目標、指標、これらも改定してまいりたいと思っております。

中村 康弘

健康寿命の延伸は10年前の総合計画で示されまして、また今回も、約10年後を目指す総合計画にも示されているということなので、通算すると約20年間にわたる本区の取組であるというふうにも言えると思いまして、そういう意味では、区政の最大主要課題の1つであると言ってよいのではないかなと思います。
 そういうところから、これまでの結果、先ほどお話がございましたけれども、区の施策としてその効果が現れたのかどうか、もしくは外的要因があったから延伸しているのかどうか、その辺のところ、なかなか難しいとは思うんですけれども、数値だけを見ればいいんですけれども、それが、区が行った施策に対してどういうふうな影響があったのかというところの因果関係というものもしっかりと押さえていかなきゃいけないと思うんです。そういう努力をしていかなきゃいけないと思うんですね。そうしないとPDCAサイクルがうまいこと機能しないということもありますので、その辺のアウトプット、今の健康寿命の数字というのはアウトカムですね。それに対して、プロセスとアウトプットがどうなっているのかというところの、いわゆるロジックモデルと言われるものですけれども、そこをしっかりと構築して、PDCAサイクルの精度をさらに高めていただきたいと思いますが、改めて所見を伺います。

健康推進課長

健康寿命延伸については、当然ながら医療技術の進歩進展、さらには社会環境の変化の影響、行政の取組に加えて、区民の皆さん一人一人の行動といいますか、取組の結果として延伸してきたというのが反映されております。
 今後につきましては、これらを総合的に捉えて当然分析をしていく。改定に当たっては、今委員、御指摘いろいろございましたけれども、その点も踏まえて取り組んでまいりたいというふうに思っております。

中村 康弘

よろしくお願いします。2019年1月に杉並区健康長寿モニター事業最終報告書も出ております。こういったこともしっかり加味していただきたいというふうに思います。
 その上で、この2年間、コロナということがありまして、区民の生活状況もかなり制限されて、特に高齢者ですね、そういったことが考えられると思うんですけれども、そういったことも受け止めた上で、これからの健康施策、どのように工夫して目標に向かっていくのか、その辺に関して御説明をお願いしたいと思います。

健康推進課長

今お話が出ました健康長寿のモニター報告、最終報告の中でもいろいろポイントを出されております。一例を挙げますと、80歳時点での健康な人だとか、口の健康が良好な方、頻繁に外出する人、趣味、社会活動が積極的な人、こういったことが健康長寿の可能性があるよということがありますので、それを踏まえて取り組んでまいるというふうに思っております。
 コロナ禍の影響というお話が今出ました。健康づくり条例の中での目標、指標づくりの改定作業の際にも、昨年いろいろ調査をしたところ、コロナの影響と見られるような、いわゆる外出自粛ですか、これらが影響して社会活動、運動への取組の指標が一部減少しているというような傾向が見られましたけれども、それらのものを改善していくといいますか、外出の機会、人との関わり、これが当然健康寿命の延伸をするためには非常に重要な要素だというふうに考えていますので、それらのものを再構築して働きかけをしていく。1人でもできる屋外での健康づくり、ウオーキングだとか、オンライン、そういったもので、対面は避けつつも人との関わりを行えるような取組、そういったものも踏まえていくというふうな考えを持っているところでございます。

がんの年齢調整死亡率改善要因

中村 康弘

続いて、がんの75歳未満年齢調整死亡率について伺います。
 これも65歳健康寿命と同様に、前回の総合計画と新総合計画において一貫した20年にわたる取組であるということであります。これまでの10年間を総括しますと、あえて私のほうで、数値だけ言います。平成24年度当時は、男性97.5、女性66.9。そのときの目標が、平成33年ということを仮定して、男性92.1、女性51.4。それに対して、令和元年度の実績は男性79.6と女性が52.6ということで、要は、この10年間でがんの年齢調整死亡率に関してもかなり着実にいい方向に進展しているということであります。
 この数字は東京都の数値と比較しても上回っておりまして、改めて、がんの年齢調整死亡率がこんなに目覚ましく改善しているという背景について、要因分析について、特に男性が目覚ましいわけでありますけれども、区の所見をお聞きいたします。

健診担当課長

この数値の改善傾向でございますが、様々な要因が合わさった結果と捉えております。この間、社会保険の適用範囲の拡大ですとか、企業、官公庁の定年延長の動きなどもありまして、職域健診の受診者などが増えてきたとか、人間ドックの利用者ですとか、あるいはかかりつけ医を持つ人の増加など、健康に対する意識が高まり、また取組も高まったということも要因の1つと考えております。
 また、当区のがん検診の観点で申し上げれば、平成25年度から費用をワンコインの500円にしたというようなことや、平成26年度からは検診業務管理システムというのを導入しまして受診勧奨に取り組んだというようなことで、受診しやすい環境づくりということに取り組んできたということがございます。
 なお、男性の数値の改善につきましては、たばこを吸う人の減少ですとか、特定保健指導などによって生活習慣病対策が進んできたというようなことも要因の1つと考えております。

医科歯科連携の効果と区の所見

中村 康弘

区のがん対策については、これまで本当に一生懸命区はやっていただいているというふうに評価しております。ありがとうございます。
 その上で、先ほどの65歳健康寿命と同様に、改めて因果関係というものもしっかりと分析していただきたいと思います。なかなか答えの出る話じゃないと思いますけれども、そういったことで精度を高めていくという努力は、これからも引き続き継続してやっていただきたいというふうに要望しておきますので、よろしくお願いいたします。
 続いて、医科・歯科連携について伺ってまいります。
 歯の健康と全身疾患との関わりについて、これまで議会でも何度も取り上げてまいりました。世の中的にもこのことについての理解がかなり進んでいると思います。先ほども他の委員から、歯と口腔の健康、成人歯科健診、かかりつけ歯科医等の質問がございました。私のほうからは少し角度を変えて聞いていきたいと思います。
 まず、医科と歯科が連携することの効果について区の所見を伺います。

歯科衛生担当課長

医科・歯科連携の効果についてでございますが、御指摘のように、全身疾患と歯科疾患の関係などについて科学的に明らかになってきております。医科と歯科の連携によりまして、歯科疾患と全身疾患の発症・重症化予防、こういったものが期待できます。また、誤嚥性肺炎と口腔内の清掃環境との関係なども明らかになってきております。
 医科と歯科が連携して患者さんを多角的に診察、治療することで、疾病の効果的な治療だけではなく、療養生活等の改善など、QOLの向上に大きく貢献するものと考えてございます。

中村 康弘

それで、歯周病がリスク要因となる可能性が考えられる全身疾患はどのようなものがあるのか、またその代表的なものを、歯周病と全身疾患との関連性のメカニズムを教えていただければなというふうに思います。

歯科衛生担当課長

歯周病と全身疾患との関係等についてですが、狭心症、心筋梗塞などの心血管疾患、また脳卒中、脳梗塞、認知症などの脳疾患、糖尿病との関係というのが代表的なものでございます。このほか、早産、低体重児出産などとの関係性が示唆されているところでございます。
 発症機序についてでございますが、まず、歯周病菌、口腔疾患の原因菌が毛細血管に侵入するところから始まってまいります。血中に移行しました細菌は、菌体外毒素と呼ばれます細菌の細胞外へ出される毒素や炎症性物質を産生いたします。炎症性物質がインシュリンの働きを阻害いたしまして、糖尿病を増悪させていきます。
 また、細菌そのものとこれらの物質がコアとなりまして、血栓を形成するということがございます。これが心筋梗塞等の梗塞性疾患の原因となってまいります。
 あわせまして、菌体外毒素等が各臓器へ蓄積すること、また細胞組織に影響し、疾患の発症や増悪、また早産の惹起などに影響してまいるということでございます。

中村 康弘

三ツ木課長、ワクチンのほうでも大変お忙しいですけれども、さすが専門分野であって、かなり勉強になりましたというか、まだまだ理解し切れない部分はありますけれども、歯と口腔の健康は大事だということですね。
 その上で、周術期等口腔機能管理とは何かということと、最近、がん治療においてそういったことが行われているということでありますけれども、区内医療機関での実施状況に関して、周術期等口腔機能管理の状況についてお示しいただきたいと思います。

歯科衛生担当課長

周術期口腔管理とは、全身麻酔の手術前後、またがん治療におきます化学療法、放射線療法の治療時に口腔清掃、歯科疾患治療などを行うことで、全身麻酔後の呼吸器症状の抑制、化学療法、放射線療法時の口内炎の重症化予防、また敗血症などの感染症の発症予防を図るものでございまして、2012年4月の診療報酬改定から保険診療報酬の中に位置づけられております。
 また、周術期等の取組、区内の状況でございますが、杉並区では2015年より、荻窪病院と杉並区歯科医師会との連携協力の下、入院患者さんを中心に歯科治療、口腔ケアに取り組んでいるというところでございます。

中村 康弘

区民の健康増進、またがん患者等のQOLの維持向上という観点から、ぜひこの事業も区内でもさらに推進していっていただきたいと考えますけれども、区としてどのような取組がこのことに関してできるのか、お聞かせいただきたいと思います。

歯科衛生担当課長

病院との連携推進についてでございますが、まず、この取組の効果を区内病院へ周知することが必要でありまして、効果的な方法につきましては、検討していく必要があると考えてございます。
 また、患者、一般区民を含めまして、周術期等口腔管理の必要性の普及啓発も必要でございまして、区は、リーフレット「命を守る『口腔ケア』」というものを作成いたしまして、区医師会、薬剤師会、歯科医師会及びケア24、在宅医療・生活支援センターへ配布いたしまして、医療機関等関係機関も含め、普及に努めているところでございます。

中村 康弘

後期高齢者歯科健診事業についてまとめてお聞きいたします。ポイントを覚えてください。
 まず、令和2年度に開始されておりますけれども、同事業の概要と目的。そして、令和2年度は初年度492名の方が受診されました。10.8%の受診率。この数字について区はどのように評価しているのか。また令和3年度の見込みはいかがか。そして、令和4年度の事業予定について、受診率向上に向けてどのような取組を行うのか。よろしくお願いいたします。

歯科衛生担当課長

まず、この事業でございますが、高齢者の口腔機能の維持向上を図り、健康寿命の延伸を目指すために、区内在住の76歳の方を対象に、令和2年度から実施しております。内容につきましては、問診、口腔内診査、口腔機能の評価、健診に基づく指導となっております。
 次に、実施の実績と評価でございますが、受診率10.8%でございますが、こちらのほうは、新型コロナウイルス感染症の拡大によります感染の不安から受診を見送ったことが1つの要因として考えられます。このようなことから、一時的な減少と思われます。今後、高齢者の増加が見込まれ、また加齢によります心身機能等が低下することが予想されることから、できるだけ多くの対象の方が本事業を受診し、健康増進、早期の歯科疾患や口腔機能の低下に取り組んでいただけるよう、受診率の向上に努めてまいりたいと考えてございます。
 令和3年度の実績でございますが、現在の取組状況から、11.5%程度の受診率になると見込んでおります。
 最後に、受診率の向上についてでございますが、引き続き「広報すぎなみ」や区の公式ホームページ等で区の健診事業を周知しますとともに、区が実施します歯科保健関係事業や、歯科医師会、歯科技工士会、歯科衛生士会などの歯科関係団体や区民との協働事業などの機会を捉え周知に努め、受診率の向上を図っていきたいと思っております。

中村 康弘

がっちり、どうぞよろしくお願いいたします。

医療的ケア児支援法の背景と区の責務

中村 康弘

 最後に、医療的ケア児の支援について伺ってまいります。
 このテーマにつきましては、当会派の山本ひろ子副議長が、当事者家族等からの意見等を真摯に伺いながら、一貫して推進してきている事業でございます。
 昨年施行されました医療的ケア児支援法には、地方自治体の責務が明記されております。法制定の背景と区の責務を改めて確認いたします。

障害者施策課長

法制定の背景でございますけれども、医療技術の進歩に伴い医療的ケア児が増加していること、また医療的ケア児の心身の状況に応じた適切な支援を受けられることが課題となっており、また家族の離職防止も課題となっているというところから、この法制定に至ったと捉えております。
 また、区の責務についてですけれども、国との連携を図りつつ、自主的、主体的に医療的ケア児及びその家族に対する支援の様々な施策を実施すること、また保育所や学校等の設置者に対し、医療的ケア児の適切な支援を行うということが責務として表されております。

中村 康弘

医療の進歩に伴いまして、医療的ケアが必要な子供が増加していると言われております。医療的ケア児の定義と杉並区内での現状をお伺いいたします。

障害者施策課長

医療的ケア児とは、日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠な児童です。杉並区の現状では、18歳までの医療的ケア児は約100名おります。

中村 康弘

区政経営計画書99ページには、「医療的ケア児の受入れ体制の充実」として、障害児指定園において集団保育が可能な医療的ケア児を受け入れていくとあります。保育所拡充とともに障害児受入枠を広げてきた本区だからこそ、こうした対応も可能なのだと思います。保育園の障害児受入枠の推移と区の所見を伺います。

保育施設支援担当課長

区では現在、区立保育園のうち15園を障害児指定園としておりまして、合計で65人の障害児の受入枠を設けております。
 近年の推移ということでございますけれども、平成31年4月に1所、令和2年4月に6所の指定園を追加しまして、先ほど申し上げた15園の体制となっております。これに伴いまして、障害児の受入枠につきましても、42人、47人、65人というふうに増やしてまいりました。
 その上で、医療的ケア児についてなんですが、障害児指定園において平成28年から受入れを始めておりまして、現在、女児の導尿や血糖値測定など4項目の医療的ケアに対応可としており、その上で本年4月からは経管栄養を加えまして、5項目対応可とすることとしております。
 これらの取組によりまして、区では、医療的ケア児支援法の施行以前から、医療的ケア児の受入れを進めてきたところでございますけれども、今般の支援法の施行を受けまして、今後さらに取組を強化充実させていかなければならないというふうに認識しております。

中村 康弘

ケアや支援が必要な児童を受け入れることは、まず安全第一ですけれども、それに加えて保育士の負担も増えます。また、保護者の理解など課題も多いと思われます。これまでどのように対応してきたのか、伺います。

保育施設支援担当課長

区では、医療的ケア実施ガイドラインというものを策定しまして、区公式ホームページ上でも公表しております。この中で、看護師の加配ですとか指導員による研修等の実施園における受入れ体制や、さらにリスクマネジメント等について定めるとともに、入所までの手続や受入れ後の医療的ケアの実施体制などについて明記して、保護者とも共有するようにしております。こういったことによりまして、円滑な受入れと安心・安全な預かりが保障されるように努めているところでございます。

中村 康弘

そして、区は来年度より、学童クラブや区立学校での受入れも開始いたします。コロナ禍で看護師不足の中、人材確保や調整等、苦労したのではないかと思われます。今後も一人一人に切れ目ない支援を提供するには、関連する所管課の連携が必要になってくると考えます。今後考えられる課題とその対応について区の所見を伺います。

障害者施策課長

課題についてですけれども、様々な分野、また所管にまたがる御相談が多いと思いますので、相談体制の整備、また情報共有の促進、看護師等の人材確保・育成、また受皿となる支援体制の構築など様々課題がございます。
 対応についてですが、医療的ケア児の実態把握を令和4年度実施していく予定でございます。また、庁内の関係所管との連絡会、また保健、医療、福祉、教育等、様々な関係団体が入った協議の場を設定する予定でございまして、そこで情報共有を図り、課題や対応策について検討してまいりたいと考えてございます。

中村 康弘

法律では人材の確保についても記されております。例えば呼吸器の管理、たんの吸引を行うということができるのはどのような方なのか、お示しいただきたいと思います。

障害者施策課長

法の10条で定められている人材確保というところですと、看護師等の人材が挙げられていることと、学校等における支援を行う者として、介護福祉士または学校に配置されている研修を受けた職員ということで、多分教員を想定されていると思いますが、そういったところが人材として挙げられているところでございます。

中村 康弘

しっかりと専門研修を受けた有資格者であっても、1人で責任を負うのは、そういった仕事のハードルは高いというふうに思います。また、現場を離れて久しい潜在看護師や、志がありながらも足を踏み出せないでいる方等も安心できる支援策として、例えば二次救急医療施設で小児救急外来を担っている河北総合病院等の協力を仰ぎながら、例えば学務課で実施している食物アレルギーホットラインのような、そういったバックアップの体制が必要ではないかなというふうに思います。
 また一方で、呼吸器管理が必要な医療的ケア児を受け入れる体制を広げるためには、わかばや障害児指定園の区職員が障害児保育園ヘレン等での実態を見学して、まずは状況を知ることが必要と考えるが、これらの課題について区の所見を伺います。

障害者施策課長

医療的ケアに関しましては、看護師等が今上げられておりますけれども、たんの吸引など、看護師のほかの職種にも広がってございます。医療的ケア児を受け入れていくための人材の確保は急務でございますので、委員の御提案のような医療的ケア児を受け入れられる施設等の見学や、従事する方への情報共有を図ることは1つの有効な手だてだと考えております。
 また、庁内の関係課とも調整しまして、病院等の医師や看護師に研修を依頼することも可能かと存じます。様々な手だてを講じながら、人材の確保・育成に取り組んでまいりたいと思います。

中村 康弘

遅滞なく人材の確保また育成を進めていただきまして、受入れ体制の整備をぜひともよろしくお願いしたいと思います。今後、中高世代の居場所とか、またこれから様々な視点から医療的ケア児の居場所の幅をぜひ広げていただきたいというふうに思っております。
 私からの質問の最後にお聞きいたします。今回の医療的ケア児支援法が施行される以前、支援が足りずにやむなく離職され、復職をかなえられないままの保護者や、居場所がなく置き去りにされている方がいないよう、一人一人の状況を調査して、今必要な支援、そして今後必要とされる支援のグランドデザインを描いていただいて、サービスの提供をお願いしたいと考えますが、最後に区の所見を伺います。

区長

医療的ケア児のグランドデザインということでございますけれども、日常的に医療的ケアを必要とする子供は、やり取りの中でもございましたように、全国で2万人、杉並区内で約100人ということでございます。今後増加傾向というふうに考えていいのではないかなと思います。
 こういうケアを必要としている保護者の方の中には、働きたくても働けない、やむなく仕事を辞めて離職せざるを得なかったという方々もおられるというふうに聞いております。
 区としてはこれまで、全国に先駆けて、障害児保育園ヘレンを誘致したり、重症心身障害児の通所施設わかばを整備したり、さらに、先ほど御紹介いただきましたけれども、区立の障害児指定園、保育園での医療的ケア児の受入れ、また令和4年度からは学童クラブでの受入れを開始するということにしておりますけれども、それでもまだ受皿が十分だという状況ではないだろうと思います。
 この間、預かる限り責任を背負うことになりますから、現場の職員が最初は非常に精神的にもプレッシャーがあったんじゃないかなと思いますけれども、そういう中で着実に受皿を拡充してきてくれたのは、まず私としても現場の努力を評価したいと思いますし、感謝したいと思いますし、皆さんもぜひ応援していただきたいなというふうに思います。
 医療的ケア児とその家族が身近な地域で安心して生活を継続していくためには、出産期とか乳幼児期、学齢期といったライフステージごとの課題というものがありますし、またニーズに対応した支援体制、それから保護者の離職防止に資する保育園や学童クラブなどでの支援体制の構築が必要だというふうに思います。また、看護師をはじめとする支援に従事する職員の人材育成は非常に大事なことで、引き続き取り組んでいかなければならない本当に重要な課題だというふうに思います。
 このため、これまで以上に各分野の所管が綿密に連絡を図って、ライフステージごとのいわゆるグランドデザインというものをしっかりと描いて、医療的ケア児とその家族に寄り添った支援体制の構築に、区としても全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。

中村 康弘

区長からの力強い御答弁、大変にありがとうございました。また、この課題に関しましては、部をまたいで様々な所管がチームワークを発揮しながら取り組んでいただいていることに、心より感謝申し上げたいと思います。しっかり我々も応援していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

渡辺富士雄 副委員長

大槻城一委員、質問項目をお知らせください。