がんアピアランスケア支援の目的と内容
がんのアピアランスケア支援について、在宅医療・生活支援センターについて、子供の権利に関する条例について、もの忘れ予防検診について。資料は140番を使います。
それでは、がんのアピアランスケア支援について伺います。
昨年、本件については会派要望を出させていただきました。今回の予算案に盛り込まれたことは率直に感謝させていただきます。
改めて、がん治療により外見、アピアランスの変化が起こるということでありますが、具体的にどのような変化が起こるのか、そして、今回のケアの支援としてどのような目的があるのか、御説明願います。
がん治療に使用する抗がん剤ですけれども、細胞分裂が活発に増殖する部分に作用しますので、がん細胞だけではなくて、毛根にある毛母細胞にもダメージを与えてしまいます。そのために毛髪などの脱毛が起こります。また、乳がん患者の方が乳房を切除することもあり、外見上の変化が生じます。区は、このようながん患者の外見の変化で悩みを抱える方に対し、心理的、経済的な負担を軽減することによりまして、療養生活の質の向上、社会参加を支えるためにアピアランスケア支援を行うものでございます。
本事業に当該年度予算は600万円余が計上されておりますが、その費用の内訳と算出根拠を伺います。
予算の内訳ですが、がん治療に伴い、ウイッグや胸部補整具の購入またはレンタルに要する費用を、1人1回、3万円を上限に助成するものでございます。また、600万円の算出根拠でございますが、先行実施区の状況や製品カタログなどを参考にさせていただきまして、単価を3万円というふうに設定しました。先行実施区の実績に人口比を乗じて、200人分ということで計上したものでございます。
この事業は東京都の医療保健政策区市町村包括補助事業を活用しており、東京都より2分の1の補助を受けるものでありますが、本事業に当たって東京都から補助対象の範囲などの具体的な要綱は示されているのでしょうか。
現時点では、東京都から詳細の要綱は示されてございません。都の予算要求概要の通知の中で、アピアランスケア支援事業が当該包括支援事業の新規事業に入るということが示されてございます。
まだ詳細が示されていないということは、本区がこの事業を開始するに当たりまして、区独自で実施内容や要綱を定めるということになるのでしょうか。また、その際、後々都の要綱が明確になったときに、区の要綱と違いが出た場合どうなるのでしょうか。
この事業は、さきに御答弁した内容をベースとしまして、区として実施内容や要綱を策定してまいります。ただし、都の要綱で対象品目の具体例などが示された場合は参考にしていきたいというふうに思ってございます。
既に本事業について私のところに複数の御意見、御質問、御要望等をいただいております。例えば、この事業の中にアートメークを入れてほしいという声もありました。また、実際に抗がん剤治療により毛髪が抜けた女性の方から、その方はウイッグを使わずに──委員長、ちょっとよろしいでしょうか。
はい、どうぞ。
こういったすてきなバンダナ、自分で作られて使用されたそうでありますけれども、こういうような帽子等を使用していた方もございました。アピアランスケアといっても非常に多岐にわたるんじゃないかというふうにも想像できるわけでありますけれども、運用に当たりましては、患者に寄り添った形で柔軟な対応をしていただきたいと考えますが、区の考えを伺います。
本事業の目的は、先ほど申し上げましたように、がん患者の心理的、経済的な負担を軽減することを目的としてございますので、さきに御答弁しましたとおり、都の要綱やがん関係者の御意見などを参考にしながら、できる限り患者に寄り添った対応をしてまいりたい、そのように考えてございます。
よろしくお願いいたします。
具体的にこの事業を始めるとすれば、誰を対象に、どのような方法で周知を行っていくのか、お示し願います。
まずは患者御本人や御家族に情報が届くように、広報やホームページなどで掲載するほか、医療機関などにチラシを置かせていただくことなど工夫してまいりたいと考えてございます。また、がん相談支援センターなどの支援機関に対する周知も併せて考えてまいりたいというふうに考えてございます。
がんの生存率というのが近年非常に伸びておりまして、がん対策のフェーズというのは、がんとの共存、どう生きていくかということが大事なポイントになってきているかなというふうに考えております。そういう意味では本事業は、がん患者、がんを治療しながら自分らしく生きていく、そういう意味において大変意義がある取組だというふうに思っております。様々これから詳細決めていかれるということもありますが、しっかりと患者に寄り添った対応をお願いしたいというふうに思います。
在宅医療・生活支援センター設置の意義と目的
続きまして、在宅医療・生活支援センターに関して伺います。
ウェルファーム杉並内に在宅医療・生活支援センターが開設して間もなく丸5年がたとうとしております。改めて、このセンターがウェルファーム杉並内に設置された意義、そして目的を確認させていただきたいと思います。
ウェルファーム杉並ですが、くらしのサポートステーション、就労支援センター、杉並福祉事務所、社会福祉協議会などが入った複合施設となっておりますが、施設全体で誰もが気軽に利用できる福祉と暮らしのサポート拠点として設置されてございます。
ここに在宅医療・生活支援センターを設置した目的でございますが、これらの各支援機関をつなぐハブとなりまして、有機的な連携の下、ウェルファーム杉並全体で区民生活を支える拠点となることにあると思ってございます。また、ウェルファーム施設内の各機関が業務上の情報連携であったり事例検討ができるような場を、在宅医療・生活支援センターが主体となって定期的に設定してございますが、このような役割も支援機関間の連携を強める上で大変意義があると考えてございます。
このセンター、所長もセンターですけれども、在宅医療の体制の整備ということと、地域の相談機関への後方支援、今御説明がございましたいわゆる困難事例への対処、また地域支え合いの仕組みづくり、この3点について、この5年間でどの程度進めることができたのか、自己評価をお願いしたいと思います。その上で、現在直面している課題は何か、御説明いただきたいと思います。
まず、1つ目の在宅医療の体制整備でございますが、医療・介護関係者が地域特性に応じた課題の共有、検討を行う在宅医療地域ケア会議を開催してございますが、コロナ禍における経験を通じまして、この会議の場でもICTを活用した多職種連携の必要性について議論がなされるなど、その他の取組とも併せまして、医療・介護の連携に対する意識が強まってきていると評価してございます。ただし、課題といたしましては、今後少子高齢化が加速する中で、増加する在宅療養者を限られた人員でどのように支えていくかということについて、医療のIT化の動向も見据えながら考えていく必要があるというふうに考えてございます。
次に、困難事例を抱える相談機関へのサポートについてでございますが、支援会議、専門支援員への助言などを通じまして、相談支援機関へのバックアップ体制が浸透してきているものと感じてございます。課題といたしましては、包括的相談支援体制のさらなる強化を目指しまして、各機関の役割を整理し共有することや、あるいは人材育成等が課題であるというふうに考えてございます。
最後、3点目の地域支え合いの仕組みづくりについてでございますが、こちらは他の委員への御答弁でも申し上げましたけれども、事業開始から4年を経てございまして、現在、2つの地域に地域福祉コーディネーターを配し取り組んでおりますが、実施地区においては地域づくりへの関心が醸成されてきているというふうに感じてございます。課題といたしましては、生活支援体制整備事業など他の事業との役割分担の下で、今後の事業の展開について考える必要があるというふうに感じております。
この5年間、開設後5年になりまして、そのうちの3年間はコロナであったわけであります。現在も進行形でありますけれども、コロナ前と現在にあって、区の在宅医療の推進体制に何かしらの変化は見られているのか。例えば、センターでこれまで行ってきた在宅療養者への後方支援病床、協力病院との連携についても、令和3年度と令和4年度に関しては、コロナ患者への病床確保のための転院支援事業なども行ってきた、そういう経過もあります。こういったことも踏まえた上で、区内各医療機関との関係性というのは強化されてきたのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
委員御指摘のとおり、ポストコロナ患者に対する転院支援事業を通しまして、センターにおいても、各協力病院との連絡をやる機会が以前に比べて増加してございます。中には、区外の基幹病院から杉並区民の方のポストコロナ患者の転院について相談がある場合もございますが、そのような相談につきましても、センターの医療相談調整窓口を介しまして、区内の協力病院と転院調整をすることもございました。また、先ほど申しました在宅医療地域ケア会議でも、退院支援をテーマに、病院と在宅医療・介護の連携の重要性について討議した地域もございまして、今後、病院を含めた在宅医療・介護連携の体制がますます強化されることを私どもとしても期待するものでございます。
子ども権利条例制定の意図と意義
次に、子供の権利に関する条例に関して伺います。
昨年、こども基本法が制定されまして、来年度から施行される予定でございます。我が国が子どもの権利条約を批准してから実に20年以上が経過し、ようやく国内法の制定が行われたわけであります。そうした流れの中で、本区も子どもの権利に関する条例の制定に向けた検討を進めることは時宜を得たものと考えております。改めて、本区が同条例を制定することの意図するところと意義について所見を伺います。
区では、基本構想でも「子どもの権利を大切にし、子どもが主人公となるような取組を進める」という方向性を立てておりますが、この方向性の下に子供・子育て施策、事業の推進に努めているところでございますが、児童の権利に関する条約で定められた子供の権利の理念に基づく本条例をつくることによりまして、大人も含めた全ての人が子供の権利を理解して、日々の生活や活動の中に子供の権利の視点が取り入れられることが、これまで以上に子供の育ちを地域全体で支えるということにつながるのではないかというふうに考えてございます。
全国でも同様の条例を制定している自治体は多くあると理解しておりますが、ちなみに、都内の自治体の状況はいかがでしょうか。
私どもで把握している範囲でのお答えということとなりますが、都内の区市町村で、まず子供に関する何らかの条例をつくっているところというのが全体で11あります。この中で、いわゆる条例の名称を権利条例というふうにしているところが6つ、権利は使わずに子供条例というふうな形にしているところが5つございます。
ちなみに、東京都ではこども基本条例という名称です。また、昨日も議論になりました、本区が参考にしているという中野区は子どもの権利に関する条例という名称、ほかにも、今おっしゃられたとおり幾つかの名称もありますが、基本的に、基本条例というのと権利条例とでは、名称以外に、その趣旨や目的等、何か違いはあるのか、また、現在本区は権利に関する条例という呼び方を使っておりますが、この意図はどのようなところから来ているのか、御説明願います。
東京都のこども基本条例につきましても、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先すること、これを基本理念としております。ということから、厳密にはよく分からない部分はあるんですけれども、子供の権利に関する条例と大きく違うものではないのではないかなというふうに思っております。一方で、同じ権利条例という形であっても、いわゆる理念のみを定めているものもあれば、権利擁護を推進するための取組を規定しているようなものもございますので、そういった形で、内容に違いがあるのかなというふうに存じます。
なお、本区で権利に関する条例としている意図でございますけれども、子供の最善の利益を考える地域社会の実現に向けた子供の権利の理念に基づく条例でございますので、今回この名称を使っているところでございます。
今御説明がございました。先行して制定している自治体の中には、単に理念を定めたものもあれば、具体的な施策、取組について言及しているところもあるようです。本区はどのような条例をイメージしているのでしょうか。
具体的にどういった内容を条例に盛り込むかということについては、今後審議会の中で御議論いただくこととなりますが、今イメージとしましては、子供の権利擁護の考え方や、区及び区民等の役割などの理念に加えまして、相談支援の仕組みや子供の意見表明の場など、その理念を実現するための具体的な取組についても定めていかなければならないというふうに考えております。
既に制定済みの自治体においては、子供施策に関する取組や予算編成など、具体的に条例の制定前と後で量や質において何か変化は見受けられるのか、また、区は条例制定を契機に子供施策をどのように展開していくお考えか、御説明願います。
条例を制定したことによる変化ということ、ちょっと調べてみたんですが、なかなかそういった結果はございませんでしたので、一般論としてということでお答えいたしますが、条例により、子供施策を進めるためのその自治体の基本理念が明確化されるということとなりますので、各種施策、事業の構築、またその推進に当たってのしっかりとした基盤ができるのではないかなというふうに思います。本区におきましても、この条例を基盤といたしまして、基本構想の「すべての子どもが、自分らしく生きていくことができるまち」、この将来像の実現に向けた取組を着実に進めていきたいというふうに考えております。
ちなみに、東京都のこども基本条例は議員提案で上程されました。子供のことを政争の具にしてはならないとの考えの下、粘り強い協議を経て全会一致で制定された経緯があります。本区の条例については、中身はこれからという話であると思いますが、あくまでも子供の幸せのためという1点に立ち、できるだけ多くの方々が共感を得られる条例としていただきたいと思います。区の考えを改めて伺います。
まさに今委員がおっしゃっていただいたことを区としても大切にしていきたいというふうに考えています。一番大切なことは、子供の最善の利益を実現するというところにあると思います。確かに、子供の権利に関していろいろな考え方があるということは私も存じておりますけれども、大切なことは、子供にとっての幸せということが一番ですので、先ほど管理課長のほうから御答弁させていただきましたように、この権利条例を制定していくことによって、しっかりと事業推進の基盤となる、そうした理念を明確化することで今後の子供施策を推進していくことが一番大切だと思います。昨日も他の会派の委員の方にも御答弁しましたけれども、子供の権利に関してなかなか、大人がそれを日頃から意識していくということがどうしても欠けやすいところがあるというふうに私は考えておりますので、しっかりと基盤を築いていくことで、皆が子供の権利というものを意識して、そして子供の幸せのためにこれを実現していく、そのことをこれから推進していきたい、そのように思っております。
もの忘れ予防検診の概要と取組
チルドレンファーストの杉並をどうぞよろしくお願いいたします。
続いて、もの忘れ予防検診について伺います。
この事業について、概要とこれまでの取組を伺います。
この事業は、70歳の区民の方を対象に、認知症に関するパンフレットをお送りいたしまして普及啓発を行うとともに、その中の自分でできる認知症の気づきチェックリストでセルフチェックをしていただきまして、点数の高い方などに医療機関で受診をしていただくというものでございまして、認知症の前段階の軽度認知障害の方を早く見つけてフォローするということで、認知症の発症や進行を遅らせることを目的としてございます。これは令和3年度から始めまして、2年目の今年度は去年の10月1日から今年の2月28日まで実施してございます。
今御答弁がありました自分でできる認知症の気づきチェックリスト、これは具体的にどういうものでしょうか。御説明願います。
このチェックリストは、東京都が作成いたしまして、御自分でチェックをしていただくものでございます。財布や鍵などを置いた場所が分からなくなることがありますかというような御質問を10問ほどしまして、いつもそうだということですと4点になります。合計点40点でございますが、点数的には医学的な判断にはなりませんが、認知症の、機能障害ではないんですが、認知機能に支障が出ている可能性を20点以上というふうにさせていただいて、その方を検診の対象にさせていただいております。
資料140番の④、令和3年度と4年度、12月現在ですけれども、実績を確認させていただきます。
実績でございますが、令和3年度は対象者が5,070人、受診者が52人、認知機能障害の疑いありが6人でございました。令和4年度でございますが、対象者が5,080人、資料で、12月末では受診者数65人で、認知機能障害の疑いありが2名でございましたが、1月末の数字が出まして、受診者数が80人、認知機能障害の疑いが9名という実績になってございます。
認知機能障害疑いありと判定された人数が、令和3年度で6名、令和4年度、現在で9名ということで、一方で、65歳以上の全国民を対象で、MCI、軽度認知障害の方は4人に1人との推計もあります。これは単純比較するものではありませんが、本事業は認知症の前段階である軽度認知障害の方を早期に発見することが目的ということであれば、今現在の本事業の実績、これはどのように率直に受け止めておられるでしょうか。
この検診の実施に当たりましては、まずパンフレットをお送りさせていただいております。5,000人の方にパンフレットをお送りすることで普及啓発にまずつながっていると考えてございます。さらに、検診の実績でございますけれども、認知症の不安を抱えながら医療機関に足を向けていただいたということで、一定の成果というふうに捉えてございますが、検診に関わっていただいている専門医の方の御意見もお聞きしますと、妥当なところかなというふうに言われてございます。私どももそのように受け止めてございます。
この事業、現場で診療に実際に当たってくださっている医師の方から、面倒な自己採点などのチェックリストを省いて、70歳になったら全員に無条件で受診券を配布すればいいのではないかとのお声もいただいております。検診から発見、そしてフォロー等へ結びつけるという現在のプロセスについて、見直す必要について区はどのように考えるでしょうか。
もともとパンフレットをお送りするときに受診券は同封をさせていただいております。このチェックリストでございますが、御高齢者の方が御自身でチェックをして御自分で気づいていただくということには一定の成果があるというふうに考えてございます。令和4年度からは、チェックリストの点数にかかわらず、心配な方には受診をしていただけるようにはしてございますが、委員の御指摘の点も踏まえて今後の参考にさせていただいて、受診率の向上に努めていきたいというふうに考えてございます。