令和8年3月12日 予算特別委員会

健康医療計画におけるライフコースアプローチ

中村 康弘

健康医療計画について、健幸アプリすぎなみチャレンジについて、また骨粗鬆症について質問いたします。使う資料は、さきの代表質問における区長答弁と区政経営計画書を使います。
 まず、健康医療計画について伺います。
 健康医療計画では「ライフコースアプローチを踏まえた健康づくりの推進」とあります。ライフコースアプローチとはどのようなものか、御説明をお願いいたします。

健康推進課長

胎児期から高齢期に至るまでの人の一生の様々な段階において、健康づくりの課題を的確に捉え、継続した支援、対策を行うことでございます。

中村 康弘

来年度の健康施策において、このアプローチは具体的にどのような形で進めていくのかお伺いいたします。

健康推進課長

ライフコースを踏まえた健康づくりの推進は、大きく子供、成人期、高齢期、女性の健康づくりの推進を図っておりまして、来年度所管としては、特に成人期と女性の健康づくりの推進に向け、健幸アプリの充実や、女性のLINE相談の拡充に取り組んでまいります。

中村 康弘

計画では、区民意向調査により健康であると感じている区民の割合の数値を計画の目標値としております。現行、これは令和5年度の数値ですけれども83.6%。これを令和9年度までに88%に、そして12年度までに90%まで引き上げるということが目標とされております。健康を測るこの指標に主観を入れているというのはどのような意義があるのか、御説明をお願いいたします。

健康推進課長

主観的健康感が高い人ほど、将来の要介護リスクが低く、また認知機能の低下も起こりにくいといった相関関係や、その後の生存率も高いことが示されているため、重要な指標であると考えております。

中村 康弘

先ほど来出たフレイルも、身体的、認知・心理的、また社会的というそれぞれのフレイルの要素がありまして、今課長のほうからも御説明ございましたとおり、主観的健康感の向上を目指すということは大変意義があるというふうに思っております。
 ただ一方で、主観となると、個人の価値観とか、また生活環境に左右されやすく、医療のみならず福祉や介護、また孤立対策、まちづくりなど複数分野に関係するため、この施策との因果関係が見えにくい、施策の結果との因果関係が見にくいということで、そういう意味におきまして政策評価とか先日お話ししましたEBPMを行うためのロジックモデルが立てづらいという、そういう課題があるというふうに思いますけれども、このことについての区の所見はいかがか。また、その上で主観的健康感を向上させるためにはどのような取組が必要と考えているのか伺います。

健康推進課長

委員の御指摘のとおりの様々な難しい点は区としても認識してございます。主観的健康感は、先ほども委員おっしゃっていただいたように身体的な健康だけでなく、精神的、社会的な健康も深く関係しており、また、地域での社会参加や孤立防止といった多分野にまたがる取組と密接に関わっていることから、今後も社会参加の機会づくり、地域活動への参加の支援など、関係部門と連携して総合的に取り組んでいくことが必要と考えております。

中村 康弘

分かりました。よろしくお願いします。

健幸アプリすぎなみチャレンジの仕組みと目的

中村 康弘

 次に、健幸アプリすぎなみチャレンジ、以下なみチャレというふうに呼ばせていただきます。昨年10月1日から運用開始したこのアプリですけれども、このサービスの仕組みと目的を改めて確認させていただきます。

健康推進課長

歩数や健診の受診、各種健康のイベントやボランティアへの参加など、日常の健康行動にポイントが付与されて、たまったポイントは電子マネー等に交換ができます。また、日々の記録機能や健康情報、イベント情報などの発信などを通じて、区民が楽しみながら無理なく健康習慣を身につけ、ウエルビーイングの向上を図ることを目的とした杉並区のオリジナルのアプリでございます。

中村 康弘

私も参加させていただいておりまして、毎食毎食カロリーを入れさせていただいておりますけれども、そのことに関して代表質問の答弁では、昨年12月時点での総登録者数が6,512名、年度末まで目標としていた4,000名を超えて、その後も予想を上回るペースで増加しているということでありますけれども、大変出だしとしては好調なようにお見受けしますけれども、このことの背景はどのように捉えているのでしょうか。

健康推進課長

アプリというデジタルツールを活用したことで、気軽に始められることや、ポイント付与といったインセンティブをつけたことから、若い世代を含む働く世代の利用につながったものと考えてございます。

中村 康弘

今お話しございましたとおり、この代表質問でも登録者のうちの約76%が60歳未満の世代、働く世代ということで、これまで従来働く世代というのは時間の制限とかもありまして、区が様々な実施する施策にも参加しにくく、一般的にアプローチが難しい世代であるというふうに課題があったというふうに思っております。そういった中で、今回働く世代の利用が多くあるということは、意義は大変大きいというふうに評価できると思います。
 こうした特性を踏まえて、区は、このサービス利用の継続が実際に生活習慣の改善につながっていくかどうか、どのように把握して、今後どのように推進していく考えなのかお伺いいたします。

健康推進課長

サービスの利用状況については、歩数やログイン頻度、イベントの参加、健診受診、施設利用などの状況を経年的に把握し、利用実態や行動変化の確認をしてまいりたいと考えております。あわせてアプリ内でアンケート調査をすることにより、主観的な健康意識の変化も捉えていく考えでございます。今後ですけれども、利用者が多い場所での健康イベントの開催とか、重点的に区として取り組んでいただきたいことの健康行動にインセンティブを強化するなど、外出の期間や健康行動を促す取組をしてまいりたいと思います。

中村 康弘

区では、ちょっと若干派生しますけれども、移動サービスを統合する杉並区産MaaS「ちかくも」というデジタルサービスを昨年1月より実施しております。先ほど主観的健康におきまして、健康とは他者や社会との関わりにも大きく関係しているということを確認しましたけれども、外出や社会参加という要素は健康と密接に関係しているわけであります。これらの「ちかくも」と健幸アプリなみチャレ、これらのデジタルサービスを連携させることで、外出機会の創出や健康行動の促進につながるのではないでしょうか。この2つのアプリは、それぞれ形態やID管理の仕組みが異なっているため、直ちに一気に統合するということは容易ではないと思いますけれども、データ連携とか、あるいはポイントの連動など、部分的、段階的な形で連携は検討できるのではないかと思いますけれども、見解を伺います。

デジタル戦略担当課長

ちょっとテクニカルな話なので私のほうからなんですけれども、できなくはないかなというふうに思うんですが、現行、別個にこのシステムが運用されている中においては、コスト面であったりだとか、技術面のハードルは非常に大きいかなというふうに思います。ただ、もっとも今行政のDXが進む中で、てんでばらばら、所管が各サービスを運用していると効率的でもないですし使いにくいという、区民のメリットがあまり感じにくい、そういったところは我々も課題として受け止めています。
 そうした認識の下、令和8年度は区のデジタルサービスの情報を集約したポータルサイトを設置したい、そういった予算案を計上しているというようなところでございますので、まずはデジタルサービスの見える化を行い、その上で、親和性が高いものについては集約可能かどうかというところについてはデジタル戦略部門が一定程度コントロールできるよう今後の宿題として受け止めてまいりたい、そのように思います。

中村 康弘

よろしくお願いします。大きな青写真で、また戦略的な取組をしっかりとやっていただきたいと思います。
 その上で、行動変容に伴うポイント付与、これは今健幸アプリですけれども、事業形態は高齢者向けに、以前から長寿応援ポイント事業があります。ただ、これはデジタルではなくて紙にシールを貼るという形態でございます。長寿応援ポイント事業については、これまでもデジタル化の提案というのを行ってきましたけれども、高齢者にはデジタル機器の利用が難しい方が多いということで実現には至っていないということでありますけれども、しかし、今回のなみチャレの登録者のうち、逆に裏を返すと60代以上の方が24%、これを人数にすると1,500人以上いるんです。年齢が高い層においても一定程度デジタルサービスの利用が進んでいる実態が伺えるのではないでしょうか。当面は現在の紙ベースの形態を継続する必要があるかもしれませんが、長寿応援ポイント事業についても、なみチャレにひもづけていくということも検討できないでしょうか。その辺いかがでしょうか。

高齢者施策課長

長寿応援ポイント事業については、令和7年度から見直し後の事業を実施しており、今後、令和9年度までの3年間の実施状況を令和10年度に検証することとしてございます。この令和10年度の検証を経て、今後の事業の在り方を改めて検討する考えであり、その際に委員御指摘のなみチャレとの連携を含めたデジタル化の可能性を考えてまいりたいというふうに考えてございます。

中村 康弘

先ほど山本委員の質問の中でも、様々な介護予防とかフレイル予防のプログラム、継続性が大事だというような、いかにそれを管理していくか、こういったこともデジタルをしっかり活用できると思いますので、その辺も検討していただきたいと思います。
 この事業に関して、アプリを活用することによって、利用者の利便性向上という利点がありますけれども、その一方で、逆に裏を返せば、区にとってもアプリの利用者の健康に関するデータを継続的に把握、蓄積できるという特徴があります。
 そこで伺いますけれども、アプリから得られるデータを事業の改善や今後の健康施策の立案や推進に生かしていく考え方について、区の所見を伺います。

健康推進課長

委員御指摘のとおり、なみチャレに得られる様々なデータは、区民の健康行動を把握できる大変貴重な情報であると区としても捉えております。現在はアプリ導入から期間がまだ短いこともあって、十分なデータ蓄積はない段階でございますが、今後データが蓄積されてまいりましたら、メニューの利用状況と年齢とか性別との関連分析とか、また行動変容がしやすい仕組みの検討などにも活用するとともに、アプリ内でアンケート等を組み合わせることで、事業の改善や、より効果的な健康施策の推進に生かしてまいりたいと考えております。

中村 康弘

よろしくお願いします。

骨粗鬆症が健康寿命に与える影響

中村 康弘

 次に、骨粗鬆症について伺ってまいります。
 骨粗鬆症とはどのような疾患か。健康寿命の延伸という観点から、日常生活において具体的にどのような支障や影響が出る病気なのでしょうか。

健康推進課長

骨粗鬆症は、骨の代謝やバランスが崩れて骨がもろくなる病気で、特に女性に多く見られます。また、症状が気づきにくいため、骨折をきっかけに発見されるということもあります。骨折は要介護の主要な原因の一つでもありまして、特に大腿骨付近の骨折は5年後の死亡率が51%となるようなデータもありまして、健康寿命に大きな影響を与えるものと考えております。

中村 康弘

区民における骨粗鬆症の発症割合、患者数、また罹患率等について、区として把握しているデータはおありでしょうか。

健康推進課長

区民のデータというのはまだないんですけれども、厚労省の患者調査では、骨粗鬆症の治療を受けている患者は、全国で約138万7,000人でございます。ただ、自覚症状が乏しいため未受診者の方も多くいらっしゃることから、40歳以上の推計患者数は全国で約1,590万人とされています。仮に、これを杉並区の人口規模に当てはめますと、約7万5,000人程度となることが見込まれます。あと、有病率で考えますと、女性は60代で5人に1人、70代は3人に1人、80代では2人に1人とされて、杉並区も同程度の方が見込まれる状況です。

中村 康弘

分かりました。骨粗鬆症に実際に罹患した場合、一般的にはどのような治療方法が行われているのでしょうか。また、治療期間はどの程度なのか。併せて、治療によって、そもそもこれは完全に治癒する病気なのかどうか、その辺に関していかがでしょうか。

健康推進課長

治療は、定期的な注射や服用による薬物療法が中心でございます。治療期間は個々の骨の状況とか環境にも影響がありますが、一般的に数年程度の期間が必要であるとされています。また、治癒に関してですけれども、治療終了後も定期的に骨の状況を把握することが必要で、また必要に応じて再治療というものを対応していくというものでございます。

中村 康弘

骨量は20歳前後で最大となり、その後は加齢とともに減少していくということでありますけれども、区として、骨粗鬆症の予防という観点から何歳ぐらいからどのようなケアを行っていくことが効果的であると考えているのか伺います。

健康推進課長

成長期から高齢期まで、各年代によって取り組むことというのはございますけれども、骨量は10代の運動や栄養で増加して、20代をピークに維持されると言われています。特に成長期、思春期世代への対策が重要でございます。成長期の運動習慣や適切な体重の維持、また骨を意識した栄養などの情報提供を通じて、将来の健康につながる行動を促す取組を効果的としています。

中村 康弘

成長期、思春期、10代からの啓発を促すのが大事だというお話でありましたけれども、ただ、その効果が、実際よかったというふうに実感されるまでには相当な時間的間隔が開いてしまいます。こうした特性を踏まえて、区として若い世代に対する骨粗鬆症の予防の啓発、周知についてはどのような工夫が必要と考えているでしょうか。

健康推進課長

委員御指摘のとおり、各年代を通じた長期的な生活習慣の継続が必要で、自覚もしにくい実情がございます。若いうちから将来の健康づくりの視点を持てるように、疾患の理解や日常生活で取り組みやすい運動、食生活のポイントを具体的に伝えていきたいと考えておりますが、例えば、美容など若者の方が興味を持つテーマを取り上げたりして関心を引く工夫もしてまいりたいと考えております。

中村 康弘

分かりました。代表質問の答弁では、骨粗鬆症に係る健診と予防を一体的に推進していく取組というふうなことで、今年度から具体的な検討を開始したというふうな御説明がございましたけれども、この一体的な取組とはどのような形を想定しているのでしょうか。

健康推進課長

健診によるリスク把握や早期発見だけではなく、先ほども御答弁しましたが、若い世代をはじめとする幅広い年代の方に普及啓発をしていくこと、これを一体的に実施することということで進めてまいりたいと思います。そうすることで、健診の結果、骨粗鬆症の患者さんが減るということを目指してまいりたいと考えております。

中村 康弘

分かりました。予算編成方針において骨粗鬆症検診の実施に向けて、検診システムの改修を行うという話がありました。骨粗鬆症に係る検診システムとは具体的にどのようなものなのか。また、この改修によってどのような機能が追加され、変更が予定されているのか伺います。

健診担当課長

現在、がん検診ですとか区民健診で利用しております区の健診システムを、新しく骨粗鬆症検診でも対応できるようにメニューとして実施できるように改修するものでございます。ほかの検診と同じく、個別の勧奨を行うための対象者の抽出ですとか、申込みや結果の管理、精密検査結果の把握等について一元的に情報を管理しまして実施ができるよう改修してまいります。

中村 康弘

分かりました。骨粗鬆症につきましては、以前は、私の認識では治らないというふうに記憶していたんですけれども、今の御説明ありましたとおり、最近ちょっと薬が開発されまして治る病気であるというふうなことも、医学の進歩はすばらしいなと思います。ただ一方で、私の知り合いの方でも治療されているんですけれども、薬がすごく高いということもありまして、先ほどの罹患率もありますので、しっかりとした予防というのが大事だなというふうに改めて感じておりますので、これからしっかり充実していただきたいと思います。
 以上です。

おおつき城一 副委員長

以上で杉並区議会公明党の質疑は終了いたしました。
 立憲民主党杉並区議団の質疑に入ります。
 それでは、てらだはるか委員、質問項目をお知らせください。