令和5年度財務書類から見る財政状況
財政について、関連して区債発行、また、資金運用による金利収入。資料ナンバーは12、13、14、46、区政経営報告書、令和5年度財務書類です。
委員長に注意を受けないように、しっかり款を守ってやるよう努めていきたいと思います。よろしくお願いします。
まず、財政全般について伺ってまいります。午前中、質疑がありましたので、令和6年度の決算はおおむね好調である、健全であるというふうなことがおおむね話されております。私のほうからは、財務書類に基づいて、その状況を改めて確認したいというふうに思います。財務書類の貸借対照表全体の数字ですけれども、どのような状況か、聞かせていただきたいと思います。
まず、純資産は7,603億9,000万円余、前年度比189億7,000万円余の増、負債は679億7,000万円余、前年度比18億8,000万円余の減となりました。その結果、純資産比率は91.8%で前年度比0.4%の増、負債比率は8.2%で0.4%の減となりました。
そういった数字の変遷がありまして、今御説明いただいた貸借対照表と、それともう一つ、純資産変動計算書、この2つの数字から、令和6年度、世代間の公平性と持続可能性という観点で当区の財政をどのように見られるか、お聞かせ願います。
今お示ししました純資産比率、負債比率の結果からは、将来世代に残す資産が負債よりもおおむね9対1の割合で大きいことがうかがえます。また、純資産変動計算書、こちらも全体になりますが、こちらからは純行政コストは2,972億6,000万円余で、前年度比94億円余の増となりました。財源も3,140億7,000万円余と、前年度比141億8,000万円余の増となりました。その結果、本年度差額が168億1,000万円余のプラスとなったことから、現世代の負担によって将来世代も利用可能な資源が順当に貯蓄できたものと評価してございます。
区政経営報告書の68ページ、業務・投資活動収支(旧プライマリーバランス)の令和6年度の結果、これに関して過去5年間の推移を確認させていただきます。また、この業務活動、投資活動の収支とはどういったデータを指しているのか、改めて確認します。
まず、業務・投資活動収支の5年間の推移ですが、こちらは一般会計のベースとなります。令和6年度は91億円、5年度42億円、4年度152億円、3年度129億円、2年度37億円で、いずれも収入が支出を上回り、黒字となってございます。次に、業務活動、投資活動の収支でございますが、資金収支計算書から業務活動収支と投資活動収支のデータを使用し算出しております。なお、その際、支払い利息支出や基金積立取崩しに係る金額を除いて算出してございます。
今、説明いただいたわけでありますけれども、区が必ず毎年この数字を指標として報告に載せている理由は何か。また、この数字、今御説明ございましたとおり、黒字が5年間続いているということは、区財政の健全性についてはどのような状況であるということが言えるのか。
業務・投資活動収支は、その時点で必要とされる社会保障費や公共事業設備費等の政策的経費を、新たな借金によらずに税収等や国等の補助金などで賄えているかを示しております。そのため、財政の健全性をはかる指標の一つとして報告してございます。この数値が黒字であるということは、将来負担に頼らずに、現在の世代の税収等で政策的経費を賄えている状態を表してございます。
それで、名称に関して一応お聞きするんですけれども、この報告書にも書かれておりますけれども、統一的な基準による地方公会計マニュアル(令和7年3月改訂)で、今回、これまでのプライマリーバランスという名称から業務・投資活動収支と名称が変わったわけでありますけれども、これはどういう意図があるんでしょうか。
区では、総務省の統一的な基準による地方公会計マニュアルに基づいて、実は昨年度までこの指標を基礎的財政収支──プライマリーバランスとしておりました。しかし、国と地方自治体でプライマリーバランスの算出方法や概念が異なりますので、総務省のほうが設置している今後の地方公会計のあり方に関する研究会において名称の見直しについて議論がなされておりました。その結果、7年3月のマニュアル改訂で業務・投資活動収支と名称が変更されたものでございます。
今御説明ありましたけれども、国のほうのプライマリーバランスと、地方公会計による、旧ですけれどもプライマリーバランス、この計算方法が違うと言いましたが、簡単に言うとどう違うのか教えてください。
すみません、ちょっと簡単に説明するのは難しいんですが、政府が国内外に説明する際に用いているプライマリーバランス、今ちょっと内閣府によるプライマリーバランスの概念があるんですけれども、詳細は省略させていただきますが、生産輸入品に課せられる税や所得税、それから社会負担や財産所得、総固定資産等、これらのものから地方への補助金支出、社会給付、財産取得費、移転費用等の支払いを引くことによって算出しているということでございます。一方、地方公会計における旧プライマリーバランス、今の業務・投資活動収支でございますが、業務活動収支から支払い利息支出を除いたものと、投資活動収支から基金積立支出及び基金取崩し収入を除いたものを足して算出してございます。
かなり違う別物ということであるんですけれども、ただ、この業務・投資活動収支で黒字がと聞いても、これは一体何の数字なんだというのが、はっきり言ってプライマリーバランスよりもイメージが湧きにくいというふうに思いまして、何らかの形でこの数字が一つの健全性を示す指標というのであれば、何かもうちょっと分かりやすい説明がないのかなというふうに、これは国の研究会のほうも課題であると思うんですけれども、これはちょっと課題かなというふうに思っております。
話は変わりますけれども、それで財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方の指標の一つである行政コスト対税収等比率の令和6年度の実績はどうであったか、お聞かせください。
行政コスト対税収等比率の6年度の数値は92.3%でございます。
昨年度よりも改善したわけでありますけれども、このことについてどういう状況があったのか説明ください。
改善という理由でございますが、まず、6年度の純経常行政コストについてでございますけれども、給与改定による職員給与費などの人件費の増、こちらが6億円程度、それから情報システム等の運営委託料などの物件費の増が29億円程度、それから私立保育所や児童手当などの移転経費の増、こちらが42億円でございますが、それらの増がございました。一方、財源につきましては、先ほど来お話に出てございますように、特別区税、特別区財政交付金、地方特例交付金、株式等譲渡所得割交付金などが大幅に増加したことなどにより、結果として行政コスト対税収等比率の数値が改善されたということでございます。
財務書類の数字をかいつまんで御説明いただいたわけでありますけれども、これら全体の財務書類の数字を通して、会計管理室長から、この令和6年度の財政状況をどのように評価できるか、お聞かせいただきたいと思います。
全体ということで見ますと、純資産比率が91.8%と高い水準を維持しております。また、業務・投資活動収支(旧プライマリーバランス)、ちょっと委員からはどうなんだということもございましたけれども、これにつきましても例年同様、黒字を続けております。
また、ストックの面から見ますと区債残高は347億円余、これも近年、同水準で推移しております。これに対し基金残高は、昨年度958億円余であったものが、今年度が1,021億円余となってございまして、毎年こちらも着実に増加しております。こうしたことから、令和6年度の区財政は、総じて健全であるというふうに認識してございます。
昨年度の区債発行事業と概要
続きまして、区債の発行について伺います。午前中も若干ございましたが、昨年度、5事業18億余の発行がありました。それぞれの事業内容と発行額、引受先、償還方法、償還期間、利率について、資料ナンバー12を作っていただきましたが、概略、御説明いただきたいと思います。
まず、高円寺東保育園の移転整備事業でございますが、3億4,800万円を地方公共団体金融機構──こちら以下、機構と省略させていただきますが、機構から2.0%で、次に区立児童相談所の整備事業、こちらは3億8,400万円を区市町村振興協会から1.2%で、富士見丘中学校の改築事業、総額2億6,410万円のうち2億1,010万円を財政融資から1.9%で、320万円を同じく財政融資から利率2.0%で、残る5,080万円を機構から2.0%で借り入れたところです。中瀬中学校の改築につきましては、総額5億6,230万円のうち2億9,590万円を財政融資から1.9%で、8,400万円を同じく財政融資から2.0%で、残る1億8,240万円を機構から2.0%で借り入れました。最後、神明中学校の改築ですが、総額2億9,110万円のうち2億3,530万円を財政融資から1.9%、1,240万円を同じく財政融資から2.0%で、残る4,340万円を機構から2.0%で借りたところでございます。償還方法と期間でございますが、財政融資、機構につきましては借入れ全て25年半年賦元利均等方式、振興協会からの借入れは20年半年賦元金均等方式で借入れをしてございます。
午前中もございましたが、この当該年度、発行総額の縮減に努めたというふうなお話がありましたけれども、その他も含めて令和6年度の区債発行に関して工夫した点、留意した点は何かありましたでしょうか。
まず、金利状況を踏まえまして、当初予算編成段階では、適債事業全てを起債するのではなく、一部の事業のみに起債を活用することとしたところでございます。また、最終補正段階では、先ほど答弁させていただきましたが、金利動向やその時点での歳入状況を踏まえまして、主に民間資金で調達を予定していた事業を中心に一部起債を見送るといった工夫をしたところでございます。
分かりました。今、金利の話も出ましたが、この資料ナンバー46で、令和2年4月以降の各月における区債の発行利率の推移を示していただいております。ではまず、令和2年4月から直近の今年9月までの金利はどのように変化してきたか。また、令和6年4月、令和6年度の当初から出納整理期間の今年5月まで、どれだけの金利差があったか。これは財政融資25年の数字を引用して御説明いただきたいと思います。
まず、金利の推移でございますけれども、財政融資25年借入れの金利で申し上げますと、令和2年4月時点では0.3%だったものが、令和5年度には1.0%を上回るような形になってきてございます。その後も上昇が続いた結果、直近、令和7年9月は2.4%ということになってございます。御指定のあった時期ですけれども、令和6年4月の金利は1.3%、また、出納閉鎖となります令和7年5月の金利は2.0%ということになりますので、年度を通じて0.7%の金利差が生じた形となってございます。
今ございましたとおり、この3年間、4年間で金利がかなり上昇していると。また、この令和6年度だけを見ても相当上がっているような状況で、当然ながら金利上昇局面においては、これは予特のときにお話をしましたけれども、できるだけ早いタイミングで起債したほうがいいわけですよね。ただ、毎年、大体区債の発行というのは、今回もそうですけれども、年度末ぎりぎりか5月の出納整理期間に発行されている。改めて、なぜこのタイミングでしか発行できないのか、御説明いただきたいと思います。
こちらは、工事の額ですとかそれに対する国庫補助金の額が確定するのが年度が明けてからとなることが多いこと、もう一点は、借り入れた区債の償還日、9月と3月というのが多いんですけれども、できるだけ借入時期を遅らせることで総利子支払い額を抑える、そういった点から、基本的には5月に借入れを行っているところでございます。
でも、金利が毎月上昇しているというような状況であれば、例えば今の御説明にもよりますと、例えば工事と国とか都の支出金の額を確定して残りの部分を起債するというふうな計算式の順番があるということであれば、工事検査プロセスを前倒しをして、竣工検査のスケジュールを工夫して、年度内の早い時期に前倒しできるような発行をしてできないのかということとか、事業の進捗に応じて借入れを分割して、金利が有利な時期に一部を早めて発行する段階的な借入れとか、あるいは3月、9月の償還日を待つというのであれば、例えばその待つことによる金利発生と、あと金利上昇リスクと、それと金利期間を縮めることによる金利の発生を抑制する、この辺のところの比較をシミュレーションして、どちらか有利なほうを選択するとか、そういった様々な工夫ができると思うんですけれども、これに関してはいかがでしょうか。
まず、今、様々な工夫の御指摘をいただいたかと思います。まず2点目にいただいた事業の分割ですけれども、こちらは事業を分割した場合も、国庫補助額が確定する時期は変わらないというところがございますので、なかなか工夫が難しい点かなと。
1点目、工事時期の前倒しでございますが、複数年工事の場合の初年度や中間年度、こちらは工期がどうしても3月末になりますので、早めることが難しいという状況かと思います。ただ一方、最終年度に当たる工事だったり単年度工事につきましては、竣工の時期によっては、現状においても年度内の早い時期で、例えば事業費や国庫の額が確定することは今もある状況です。ただ、こういったケースにおきましても、借入時期を柔軟に対応することは可能なんですけれども、その後の金利上昇リスクをどう捉えるか、どう見込んでいくか、ここにやはり難しさがあって、現状は総利子支払い額が抑えられる5月としている状況かなと認識してございます。
分かりました。その中で、先ほど御説明あったとおり、令和6年度に発行した区債の中で区立児童相談所3億8,400万、これは区市町村振興協会が引受先だと。この協会の利率は、ほかの財政融資とかと比較して、25年と20年の違いはありますけれども、大体0.7から0.8%ぐらい低いんですよね。これは例年、大体7掛け、8掛けの利率で借りられるということで、この協会をもっと引受先として、優先的にまず発行すればいいんじゃないかと思うんですけれども、この協会を引受先とする発行の際の条件についてお示しいただきたいと思います。
この区市町村振興協会は、都内62区市町村の振興、また、住民福祉の増進に資することを目的に設立された公益法人ということです。こちら、公的資金である財政融資資金の場合は、調達資金を得るために国債を発行して、利払いをつけて原資を獲得している。ただ、この振興協会の原資は、サマージャンボ宝くじ収益金を原資にしておりますので調達コストがかからない。そういったところから低利で貸付けが行われているというところかと思います。こちらの協会から借りる場合ですけれども、期間は20年以内、半年賦元金均等方式で借り入れるということになろうかと思います。
この協会のホームページを見たら、資料によると、長期貸付予算額というのが毎年全体で110億あるんですね。これを東京都内の区市町村で分割して借りていく。当区に関しては令和6年度は3億8,400万だったと。これはどういうふうな形で各区の割当てが決められているんでしょうか。
こちらの配当基準は実は示されてございませんで、その時々の振興協会の決定次第という状況でございますけれども、近年、杉並区では、2億円から5億円ほどの割当てで推移をしておるという状況でございます。
ちょっと低利で借りられるということもあるので、ぜひ何とかかっちり確保できるように頑張っていただきたいなというふうに思います。
一方で、この利払いのほうで、また逆に今度、利子収入に関しても伺っていきたいと思います。これは基金と資金の運用益ということに具体的になります。これは午前中も他の委員がかなり詳しくされておりましたので、できるだけかぶらないような形でやっていきたいなと思いますけれども、ただ、ちょっと質問の流れの中で、再確認という意味もあって聞かせていただくこともあるかと思いますけれども、ぜひとも御了承いただきたいと思います。
令和6年度は1億7,000万円の余の運用収益がありました。運用益が大きく増額した背景と、積立基金の運用先について、これは資料ナンバー13に基づいて御説明いただきたいと思います。
基金の運用収益でございますが、令和4年度以降、毎年ほぼ倍に近い増益となってございます。この背景でございますが、まず基金残高自体が増加していること、それから市場金利が上昇局面にあったこと、それから、金利の動向に合わせて基金運用を柔軟に対応したことなどが考えられます。
それから、令和6年度末における積立基金の運用先でございますが、定期性預金と普通預金を合わせた預金が約400億円、それから公共債や事業債等の債券が約615億円、総額で1,015億円を運用してございます。
この預金400億円というふうに、令和6年度から割合じゃなくて金額で設定していますよね。残りの分を先に運用していくというような方針を令和6年度に書いたと思うんですけれども、この400億円というのは、もう一度確認させていただきたいけれども、何に基づいて400億円としているのかということ。というのは、これは令和2年度末の資料によると、令和2年度末の預金の額は289億円、令和3年度末は362億円だったにもかかわらず、今400億円に設定していると。これは資金の流動性が関係してくると思うんですけれども、その当時、令和2年度とか3年度と今と、流動性に関してはどういう違いがあるのか、御説明いただきたいと思います。
まず、預金額を400億円程度としている根拠でございますが、財政健全化等の基本的な考え方に基づきまして、財政調整基金の年度末残高を450億円の維持ということに合わせて、流動性に優れた預金で400億円保有することによって、災害等の緊急時に備えてございます。令和2年度、3年度当時の資金の流動性についてでございますが、当時の財政健全化等のルールにおきまして、財政調整基金の年度末残高350億円の維持ということがルール化されてございましたので、預金と債券の償還額を合わせて350億円の流動性維持に努めたところでございます。
5年満期の債券に関しても、ラダー型、先ほどありましたけれども、これも80億円としている。これもさっきの財政調整基金という考え方で80億円の根拠としているということでよろしいでしょうかね。──分かりました。
昨年度は年度当初から7月に利上げがあって、逆に金利が暴落したと。そのとき債券購入を控えた。この資料によりますとですね。その後、10月には金利上昇局面に入ったので購入を再開したと。1月にはまたさらなる金利上昇があって債券購入を加速したというふうな説明がこの資料でもあるわけでありますけれども、年度間でも、先ほど管理方針と管理計画を併せてやっていくというのが、令和6年度から迅速性ということでやっているんだと思うんですけれども、この6年度だけを見ても、債券の購入をブレーキを踏んだり、アクセルをかけたりと、いろんな形で迅速に運用方針を変えていったというふうに理解しております。
この意思決定について、先ほど基金管理監の意見も聞きながらというのがありましたけれども、最終的にこういった運用方針の変更というのは、誰がどのタイミングで、どのようなプロセスを経て行ったのか、お聞かせいただきたいと思います。
資金運用につきましては、委員おっしゃいますように、目まぐるしく変化する金利の動向に合わせて、迅速、柔軟に対応する必要がございました。会計管理室におきましては、毎週の基金管理監の会議におきまして、日経平均やTOPIXなどの株価、それから為替、日米の国債の金利、イールドカーブ、それから政治経済、国際情勢等のデータや数値を基に、今後の金利見通しや対応について管理監の助言を受けながら議論をしておりますが、決定ということでは、会計管理室長、会計管理者が、方針というか、方向性を決定してございます。
当該年度は非常に金利の変化が激しかった中で、柔軟に対応したということは評価できるというふうに思っております。実際、そういった御努力もありまして、令和6年度に戻りますと、昨年度は1億7,000万余の運用収益だったというような結果がありましたと。令和2年度はたった2,600万だったんですよね。1年間かけて運用したのが2,600万で、今1億7,000万ということで、かなり大きく膨らんだわけでありますけれども、これを区債発行と償還による利子払い総額との比較で見ると、もう一回言いますけれども、この資料に基づいて、区債発行と償還による利子払いによる総額と運用収益との比較はどのように推移しているか、それに関してお聞かせいただきたいと思います。
御提示している資料が令和2年度から令和6年度のものになりますので、それぞれについて各年度の運用収益を1といたしまして、その場合の利子支払いの額の比率を申し上げます。まず令和2年度ですが10.34、令和3年度が6.29、4年度が3.91、5年度が6.19、それから令和6年度が2.81でございました。
そうですね。ざっくり言うと、令和2年度は利子による収益が1に対して利子の支払いが10以上あったと。ところが、令和6年度は収益1に対して支払いは2.7ということで、大分差が縮まったということでありますけれども、当然、区債の発行とかいろんなタイミングを無視して単純に考えれば、利払いよりも利益収入のほうが多いにこしたことはないわけでありますけれども、この双方の利益収入と利払いとの関係性というのは、会計当局としてはどのように考えているでしょうか。
すみません、区債の発行にも関わりますので、こちらのほうからと思っておるところです。委員御指摘いただいたように、その年度の利回り収入で、その年度に発行する区債の総利払い額を上回る形にすれば、一定の効果があるだろうというところはおっしゃるとおりかなと思いますけれども、一方では、利子支払い総額に、その年度の運用収益額の範囲内となるように区債発行額を納めるということにした場合は、逆に、その区債発行を見送った分だけ、一般財源だったり、場合によっては基金の取崩しにつながるという可能性もございますので、運用収益と利子支払い総額を直接的に連動させることは少し難しい側面があるかなと思っておりますけれども、区債発行をするときの要否を検討する際の一つの判断指標としてそういったものを見ていくということは、一つ有用なことなのかなと感じておるところでございます。
分かりました。そういったことも踏まえて、今後の金利動向の見通し、また、それに加えて、区のそれに伴う財政運営戦略に関して伺っていきたいと思います。今るるお話しございましたとおり、この令和6年度に関しましても、一番多かった区債発行は財政融資資金ですよね、長期で。財政融資資金というのは、基本的に、先ほどお話がございましたとおり、国債発行により資金を調達しているということなので、財政融資基金による区の調達利率というのは、必然的に国債の利率に連動するというふうに言っていいと思うんですよね。
令和6年度の期間において、令和6年4月から今年3月までの期間において、国債10年物の金利はどのような変動があったのか、概略をお聞かせいただきたいと思います。
10年物の金利でございますが、令和6年度入り後は金利が堅調に上昇し続けまして、7年度末の10年物の国債の金利は1.07%に達しました。しかし、同時期に、日銀が政策金利を0.25%に引き上げた直後に国債金利が急落いたしまして、一時期、10年物ですと0.78%まで下がりました。再び7月末のこの水準に戻るまでには3か月以上を要しました。その後、金利は上昇を続けまして、年明けには日銀が政策金利を0.5%に引き上げたことなどを受けまして、年度末における10年物の国債金利は1.55%に達してございます。
長期金利に影響を与えるとして、今もございましたけれども、日銀の金融政策の変更というのがあります。昨年から今年にかけて、日銀もかなり激しいいろんな動きを示してきたというふうに思いますけれども、ちょっと具体的にかいつまんで、この当該年度の期間、どのような日銀の金融政策の変更があったのか、概略をお聞かせいただきたいと思います。
日銀の金融政策決定会合の主な決定事項だけかいつまみますが、まず令和6年3月にマイナス金利政策の解除、イールドカーブコントロールの撤廃、それから、金融市場調整の操作目標を無担保コール翌日物に変更いたしまして、同レートが0.0から0.1%程度で推移するよう促すこととしております。また、6年7月には政策金利を0.25%に引き上げ、それから、日銀による国債買入れ額を4,000億円ずつ減額することといたしました。また、7年1月には政策金利を0.5%に引き上げるということを決定いたしましたが、その後、政策金利については据え置かれている状況でございます。また、7年6月には日銀による国債買入れ額を4,000億円減額から2,000億円減額へ変更してございます。それから、直近ですと7年9月には、ETF、REITの売却を決定、このような内容が主な決定事項となってございます。
金利に直接関連するということで、日銀のオペレーションで行われる無担保コール翌日物、これも日銀が意図的に、誘導的にそれを決めていくと。ただ、その10年物とかの長期金利に関しては、これはあくまでもマーケットの需給によって決まっていくということなので、必ずしも全く同じ動きをするとは限らないけれども、ただ、両者は密接に関連している、そういうふうな位置づけがあるというふうに思います。
昨年度を見ても、7月の段階で政策金利を0.25%に引き上げた直後、逆に国債の金利は急落したということがありました。ただ一方で、今年の1月に入って、それを0.5%に引き上げたときには、逆に金利は上昇したというふうなことがあって、0.25に上げたときには下がったんだけれども、0.5に上げたときには今度また上がったということで、全く別の反応があったというわけでありますけれども、この市場の反応の違いに関しては、会計当局としてはどのように見ていますでしょうか。
昨年7月と今年1月の利上げ後の市場の反応の違いでございますが、金融政策に対する市場の先行きへの期待感が異なっているということが理由に挙げられると考えてございます。まず、7月の国債金利の急落でございますが、日銀の利上げ幅が市場予測よりも限定的と受け止められたこと、それから、日銀による国債買入れ額の減額ベースが市場予測よりも緩和的であったことなどもあって、市場金利が低下したものと考えてございます。一方、1月の利上げでございますが、市場予測どおりだったこと、それから、日銀が今後の金融政策の方向性を明確に示唆したため、市場が将来の利上げ期待感を強めて、市場金利が上昇したものと考えてございます。
今後の金利動向に関する区の見立て
では、これからどうなっていくのかというところで、先ほども若干ございましたけれども、一応9月の政策決定会合では金利のさらなる引上げは見送られたと。ただし、一部の2人ぐらいの審議委員の方はそれに反対して、上げるべきだというような主張もあったので、全体的に見れば、下手したら今月の政策決定会合で、また次なる引上げがあるんじゃないかとも見られているわけでありますけれども、また来年になってくると、春闘の結果とかを見ながら、またさらに上げていくんじゃないかということで、金利は上昇局面にあると見るのが今の正しい見方かなというふうに私は思うわけでありますけれども、ただ、一方で不確定要素ということで、アメリカのFOMCに関しては、先ほどもありましたけれども、逆にこの金利を引き下げていくというふうな動きになって、かなりトランプ政権によって圧力がかかっているということで、日銀が利上げをして、米ドルが利下げをしてということで、日米のドルと円の金利差が縮まってくるというふうなこともありますので、これからの日本の需要も含めた経済動向、あと、そういったことに対して大きく影響を受けるだろうと。
加えて今、自民党総裁選が行われておりますけれども、新総裁、新総理の方がどのような経済政策を取るかによっても、またその影響も変わってくるというふうな、様々な不確実な要素があるとは思いますけれども、現在において、区は、今後の金利マーケット、金利動向に関しては、ぶっちゃけ、どのような見立てを立てているのか。それによってまたこれから変えていかなきゃいけないですから、その辺に関してどのようにお考えか、お聞かせください。
委員おっしゃるように、今、ニュースとかでは金利上げということがいろいろ叫ばれている状況でございますが、今後の金利動向を予測することは非常に困難であるということが正直な感想でございます。ただし、会計管理室における議論、基金管理監なども交えていろいろ話合いをするのでございますが、その中でいろいろ話が出ておりまして、日本の景気や物価の高騰のみを考慮すれば、利上げが当然な状況だと思われます。アメリカをはじめ世界的には利下げ方向にある中で、日本だけが利上げに踏み切ることによって、急激な円高や景気悪化を懸念する見方もあるということは事実でございます。
また、今日のようなインフレ下で財政支出を拡大するということは、需要の下支えとなりますので、さらに金利上昇圧力が強まる可能性もございますけれども、財政支出の財源を国債発行に置くと、今度、財政への懸念から、それもさらに金利上昇への圧力ということで、それで高まる可能性も考えられます。一方、金利上昇による急激な円高を進めたくないというような思惑が働く可能性もございますので、市場がどのように反応していくかは不透明な状況でございます。
私どものほうではいろいろ、先ほどありました日銀の政策決定会合の発表や国債金利の動向、それから、日本の金利はアメリカの金利に影響を受けることから、委員もおっしゃいましたように、FOMCの決定のほか、日米の雇用統計、それから消費者物価指数、景況感の指数なども注視しているところでございます。
ありがとうございました。そうですね、全く読めないですね。ただ、雇用統計もどうなるか分からないですよね、これからアメリカの状況も何か見えない部分がありますけれども、ただ、いずれにしても、やっぱり前提としては上がっていくんだという前提で物事を考えたほうがいいと思うんですね。これは基金の運用だけじゃなくて、区債の発行も上がっていくんだというふうな部分で、今まで、四、五年前までそういうことを全然気にする必要はなかったんですけれども、これからはそういうのもしっかりと、金利のある世界ですから、考えていかなきゃいけないなというふうに思います。
こういった金利変動リスクを踏まえて、資金調達や資金管理運用をいかに有利に行っていくのかというのが、これから求められる財務戦略じゃないかなというふうに思いますけれども、区の所見はいかがでしょうか。
現在、金利が上昇していると。今、見通しがございましたけれども、今後も場合によっては金利上昇が見込まれているという状況でございます。こういった状況においては、やはり資金調達を担う財政課と資金運用を担う会計課がより一層連携を図っていくこと、また、それぞれの部門で調達や運用に関する調査研究をしっかり行ってノウハウを蓄積していくこと、御指摘のとおり戦略的な財務運営を行っていくことが必要になるものと認識しておるところです。
この点、財政運営面で申し上げますと、今定例会で御提案した補正3号では、決算剰余金等を活用して、施設整備基金に目標の40億を上回る80億円の積立てを行うこととしたところでございます。この積立てでございますが、今後のさらなる金利上昇を見据えて、令和8年度予算編成において、場合によっては基金からの繰入額を増やして起債額を抑制すること、こういったことも一つの選択肢として取れるように、柔軟な財政運営ができるようにという意図も持って行ったところでございます。こうした工夫を図っているところでございますが、こうした点に限らず、どういったことができるのか、金利上昇の時代にふさわしい財政運営について、今後も検討を重ねていきたいと思っておるところです。
今、課長のほうからもありましたとおり、この財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方、これを来年度見直しするというふうに理解しておりますけれども、これまでの今の補正3号の話も含めて、この一、二年の財政運営の基金の運用というか、積み増しも含めて、今の現状の基本的な考え方、これをやっぱりアップデートしていかなきゃいけないなというのが、もう正直なところであります。
例えば区債に関して言いますと、今現状、この5つの基本的な考え方、区債に関してはどのような規定となっているのか、改めて確認させていただきます。
区債に関する基本的な考え方の内容でございますが、現在ですと、③で、原則として赤字区債を発行しない、建設債も必要性を十分検討して発行するとしております。また、繰上償還をする場合を除いて、公債費負担比率が5%を超えないように努めることとしておるところです。もう1点、⑤におきましては、債務償還可能年数、こちらが5年を超えないように努めることと設定をしておる状況でございます。
今、③と⑤を御説明いただいたわけでありますけれども、いずれにしても、今現行のこの基本的な考え方で区債に関して規定しているのは、あくまでも総額、総量、ボリュームに関してはこうしましょうというふうな考え方が示されているわけでありますけれども、金利に関しては、若干、繰上償還という記載はありますけれども、あまりちょっと具体的な話でもないので、金利という要素はこれまであまり重要視されてこなかった。現行では重要視されていないということで、しかし、今までるる述べてきたとおり、今後は、やはり金利も考慮すべき重要な要素の一つになってくるであろうというふうに思っております。それに伴って、財政調整基金や施設整備基金の積立ての方針も変わってくることになります。
施設整備基金に関しては、毎年度の積立額の前提となる──すみません、ちょっとパネルを使わせていただいてよろしいでしょうか。
どうぞ。
これは前にもお示ししましたけれども、今現状の40億、今もう60億、80億ですけれども、このブレークダウンの数式ですけれども、ここのこの区債の部分の割合というのも、このままでいいのかという話になってくる。これもやっぱり見直していかなきゃいけない要素になってくるのかなというふうに思っております。財政調整基金、施設整備基金に関しては、そういうふうな今後の積み増しという部分に関してどう考えていくのかと捉えていく部分が1つあると。
また、財政調整基金に関しても、これは今回触れませんでしたけれども、災害時や経済変動への対応という機能の精度をいかに上げていくかというところがこれから大事になってくるであろうというふうに思います。
こういった要素も含めて、最後に財政運営の基本的な考え方に関して、現下の状況も踏まえた上で、どのような課題認識を持っているのか。また、どのような考えで来年度見直しを行っていくのか、最後に意見を伺って、終わります。
この間、るるお話を伺ってきたので、最後にちょっと私のほうからも御答弁させてもらいます。金利のことについては、全く触れていないということ、確かに文言上はそうなんですけれども、低金利の状況にあっても金利動向はちゃんと見ていくというのは、一般的な考え方としてはあったと思います。しかしながら、この間ずっと低金利が続いてきたということもあって、一方の考え方としては、低金利だからこそ借りることをちょっと増やしてみたらどうだというふうな風潮もあったのかなというふうに思います。これがために区債残高が、現状、かなりの額になっているのも事実だと思います。
これから先、金利が上昇していくというふうな局面は確かにあると思っています。そこを踏まえたときに、先ほど財政課長から申し上げたとおり、選択肢を増やすような考え方を持って今回補正予算のほうも計上させていただいたというのがあります。そうしたことなども踏まえた上で、やはりこれから先、考え方を見直すというのはあると思うんですが、やはりルールや考え方というものを毎年のようにころころ変えていくというのも、またちょっと違うのかなというふうに思っています。ドラスチックな変え方、どういうふうにしていくのか。金利動向を見定めながら、ボリューム感だけではなくて、金利動向をしっかり見た上でどのようにしていくのか。そういったことの考え方は、やはり十分我々も検討していかなければならないというふうに思っています。
同時に、先ほどパネルをお示しいただいたんですけれども、こちらについては、たしか施設整備のための40億の試算をするときの計算式だったかと思います。毎年度の個別具体的な区債の充当、または基金の繰入額、これについては施設の規模や総額に応じて若干の違いが出てきますけれども、おおむねそれの平均額としての計算で試算をしていると思います。実際、これから大規模な施設の建て替えですとか、中規模以下のものが増えていくのかとか、そういったことによって少し試算の仕方も違う部分も出てくるかと思います。そういったことも踏まえながらで来年度の見直しというのは考えなきゃいけないと思っていますが、いずれにしても、金利の動向はきちんと見定めた上で、基金と区債をどのようにバランスよく配分して財政運営をしていくことで持続可能な財政運営につなげていくか、ここはしっかりと留意しなければならない。これが一番の課題だと思っていますので、それをしっかり念頭に置いた上での見直しを図っていきたいというふうに思います。