平成28年3月9日 予算特別委員会

電気自動車充電設備助成と地域包括ケアシステム特養整備の見込み

中村 康弘

電気自動車と地域包括ケアシステム、特に特養整備に関連して。
 まず、電気自動車に関しましては、28年度予算、充電設備の設置助成と区立施設に設置ということで、これは平成24年度の決算特別委員会で私のほうでも訴えまして、区長からも具体的に検討していくという旨の答弁をいただいておりましたので、この場をおかりいたしまして、感謝を申し上げたいと思います。大変にありがとうございました。
 質問に関しましては、先ほどの質問と重複しておりますので、割愛をさせていただきます。
 それでは、地域包括ケアシステムの特養整備に関連してお聞きします。
 これまで我が会派の委員が質疑をしてまいりましたけれども、まず、総合計画に基づく特養の定員増の目標、平成33年度で2,307とありますが、現時点においての達成の見込みをお聞かせいただきたいと思います。

高齢者施設整備担当課長

現在1,538床確保してございまして、今事業者が決まった床数が360ございますので、1,898ということになりまして、それを29年度までに整備してまいります。ですので、2,307の目標に向けまして着実に達成していきたいというふうに考えております。

中村 康弘

それ以外にも、土地の件とかさまざま話題に上がっている部分を、概算ですけれども、足し込んでいくと、2,307というのは、平成33年度見えているのかなというふうな感触を受けておりますので、引き続き努力をしていただきたいと思います。
 特養の収益性に関して伺います。
 一定程度の規模がある程度必要であると。収益性の分岐点が80床以上というのが一般的に言われておりますけれども、改めて確認しますが、80床以上という根拠について、区の認識を伺います。

高齢者施設整備担当課長

特養ですけれども、長期にわたりまして安定的に運営していただく必要があると考えておりますので、経営的に余裕があることが必要だというふうに考えております。ですので、一定の規模が必要だというふうに考えておりまして、全国的な調査によりますと、80床を区切りに、赤字になるラインと黒字になるラインが大きく変わってくる、そういうふうに認識してございます。

中村 康弘

80床が一つの統計的な分岐点ということでありますけれども、ちなみに、区内はどうかということで、全体で幾つの特養がありまして、そのうち80床以上の施設は幾つあるのか。

高齢者施設整備担当課長

杉並区には14施設ありまして、80床以上については4カ所でございます。

中村 康弘

ということは、それ以外の10施設に関しては80床未満ということでありますけれども、そういう意味では、区内にある特養の大部分が、一般的に、全国的に言われる損益分岐点よりも小さいというのが現状であると思います。こういった小規模といいますか、80床未満の特養に関しての経営状態については、区はどう認識していますか。

高齢者施設整備担当課長

先ほど答弁いたしましたけれども、80床未満が多いという状況は今確認してございます。ただ、杉並区といたしましても、いろんな支援をしてまいりました。施設を整備する際には施設整備補助、それから法人の借入金に対します補助ですとか、また土地の貸し付けにおける減額ですとか、いろんな支援をしてまいりましたので、そういったところで安定的な運営に寄与していただいているのかなというふうに考えております。

中村 康弘

寄与していただいているのかなというだけではなくて、しっかりとその辺も押さえていただきたいと、押さえていると思いますけれども、明確にしていただきたいと思います。
 ちなみに、先ほど課長が少し触れられた全国的な調査に関しまして、そのレポートを私も読みましたけれども、特養運営という事業そのものが、全国的に人件費の比率が60%以上ということで、非常に労働集約型といいますか、人件費の比率が高い事業である。私も財務諸表で調べましたけれども、区内の特養もほぼ、特養を運営している法人も60%以上が人件費という状況であります。そういう意味では、確かに規模が大きいほうが定員配置も効率的にできるわけでありまして、そういう部分におきましては、結果的に経営効率も大規模なほうがいいというのはよく理解できる、そういう論理であります。
 今申し上げました14カ所の特養、10法人が運営しておりますけれども、それぞれの26年度の財務諸表を読みました。1法人以外は、施設ごとの財務諸表がなくて、法人全体のものなんですけれども、見たところ、10社のうち2社が26年度赤字決算だったんですけれども、その辺に関しては、区はどのように背景を理解しているか。

高齢者施設整備担当課長

詳細につきましては承知しておりませんけれども、一つの施設につきましては、26年度に開設した施設でございまして、それで一時的に支出がふえたことによりまして赤字になったというふうに認識してございます。また、もう一つの事業者につきましては、御指摘のありました人件費比率が高まったということと、稼働率が若干下がっていたという状況がございまして、赤字になったというふうに認識してございます。

中村 康弘

一方、内部留保に関して伺いますけれども、26年度末の額ではさまざまばらつきがあるんですけれども、一番少ないところは、26年度のデータに基づきますと約2億円のところがある。多いところでは、これは大規模な法人なんですけれども、100億円の内部留保を持っているというのがありました。あくまでもこれは社会福祉法人なので、社会福祉を目的とする公益性と非営利性を担保された法人であるため、内部留保については、社会福祉事業等への、地域福祉に役立つ公益的な取り組みに使われるべきものであるというふうに考えております。この法人の中には区の所管でない法人も含まれておりますけれども、こういった内部留保の状況について、区はどう理解しているのでしょうか。

保健福祉部管理課長

現在、国会のほうで審議中でございますけれども、平成28年4月に施行予定の社会福祉法の改正ということでございますけれども、内部留保につきましては、社会福祉事業や公益事業への投資を行わなければならないというふうに改正をされるということになってございますので、御指摘のとおり、今後は使われるべきものというふうに認識してございます。

社会福祉法人財務状況の透明性確保と情報開示の促進

中村 康弘

しっかりと、これから法改正もありますので、ぜひ区民福祉の向上のためにこういった御協力もいただくという形で、区のほうでも期待をしていきたいというふうに思います。
 ところで、その10法人の中で、財務状況をホームページに掲載していない法人、直近のものを掲載していない法人があるんですね。これは公益性という観点から、最新の財務情報を開示するべきと考えますが、区はどうお考えでしょうか。

保健福祉部管理課長

先ほどの法改正ですけれども、もう1点、この部分もございまして、社会福祉法人につきましては、事業の概要、それから財務諸表につきまして、インターネットを活用して公表しなければならないという旨が今後規定されますので、今後につきましては、そのような形で公表すべきものということでございます。

中村 康弘

よろしくお願いします。
 話をもとに戻しますけれども、特養の規模に関しましてですが、経営という観点からはできるだけ大規模が望ましい、できれば80床以上が理想的というような状況でありますけれども、ただ、これまでさまざま議論されているとおり、本区においては土地の制約や、またさまざまな地域のニーズの観点から、将来的には地域密着型やサテライトといった小規模な特養が今後選択肢の多くを占めてくる可能性が高いというふうに思っております。
 そういう意味におきまして、仮に小規模な特養でありましても、事業者、法人が安心してサービスの充実を行っていただけるように、収益性の観点からも多様な支援メニューの充実をしていくべきと考えますが、区の考えはいかがでしょうか。

高齢者施設整備担当課長

現在も運営事業者に対しましては、施設整備補助ですとか、いろいろなメニューを用意いたしまして支援をしているところでございます。また、区有地を活用した場合につきましては、賃借料の減額なども図っておりまして、そういった支援を引き続き実施するとともに、併設の施設を促すことによって、効率的な運営をしていただくように、そういったところで誘導していきたい、そういうふうに考えてございます。

中村 康弘

大規模法人とか財政的に豊かな法人だけではなく、思いとか意欲のある法人がさまざま参入しやすくすることで、より区民福祉の選択肢、サービス運営の展開の選択肢が広がると思います。先ほど来北委員や山本委員等もお話ししておりますけれども、全国の理想的なサービスを行っている特養、さまざま視察もいたしましたけれども、運営法人の経営理念、経営者の理念、経営哲学というのが非常に大きく反映されているというのが実感です。特に地元愛、地元に対する考え方、また利用者という目線、こういったところが大事であるというふうに思います。
 増加計画、増床計画の数値目標を定めておりますけれども、単に数をつくれば終わりというわけではないと思います。特養に入れば、もしくは入れさせれば、それで全てハッピーというわけではありません。利用者はそこから新たな生活が始まるわけであります。そういう意味で、どういう運営理念による特養が理想的か、これから運営法人とも区がしっかりとコミュニケーションをとって進めていただきたいと思いますが、まず、現状はいかがでしょうか。

高齢者施設整備担当課長

一たび特養に入居すれば、それが住まいということになりますので、我が家というんでしょうか、従前の住まいのように過ごしていただける、そういうクオリティーの高いサービスを提供していただく、そういうことが必要になってまいると思います。現在も事業者の選定に当たりましては、いろいろとコミュニケーションをとりながら私どもの考え方を披瀝するとともに、法人の考え方なども伺いながら、連携して、事業者として高いクオリティーのケアを提供していただくように取り組んでいるところでございますので、今後も引き続き実践してまいりたい、そういうふうに考えてございます。

中村 康弘

今、区の考え方というお話がございましたが、改めて確認しますが、そもそも区は、特養の運営に関してどういう考え方、どういう特養運営が理想であるとお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

高齢者担当部長

今さまざま委員から示唆に富む御質問をいただきまして、大変ありがとうございます。
 理想の特養運営ということでございますけれども、委員御指摘のとおり、特養は、入居者にとっては住まいの場、住まう場というんでしょうか、生活の場であります。まずそういった基本的なところをしっかり押さえたものが基本軸にあってほしいと思ってございます。その中で入居者本人の尊厳が十分保たれて、在宅生活のいわば延長の場であるような住まいの場としての特養といったことが望ましいと思ってございます。
 そのためには、個人のそれぞれの人生経験がずっとあると思いますが、豊かな生活がしっかり守られるような、具体的に言うと、現在ユニットケアの推進を理念としてございますけれども、これは言いかえれば、個別のケアがしっかりと尊厳が保たれて実践されているということで、先ほどの山本委員のお言葉あるいは一般質問の御質問になぞらえれば、人に寄り添ったしっかりしたケアができる、優しいケアができるといったものがソフト面でしっかり保たれているということ、それがもちろん理想であると同時に、当然、施設設計の上でも、そうしたユニットケアを理念としたような設計がしっかりできているといったことがあると思います。
 今述べたようなことは、言ってみれば施設の入所、あるいは入所されている方あるいは御家族という面に向いた考え方でございますけれども、私どもは、加えまして、入居者の家族あるいは御本人だけでなくて、地域に開かれて、あるいは人々の交流があったりとか、そうした事業運営をしっかりやってくれるということ。それから、何よりも今区が進めています地域包括ケアシステムのしっかりした拠点となるような、そうした運営を御理解いただくといったこと。これは今中村委員のお言葉になぞらえれば、経営者トップのしっかりした思いとか理念とか、あるいは杉並の地でどういう経営をしたいんだ、運営をしたいんだという理念、杉並に対する愛情などもしっかりと持っているもの、そういったものが、いろいろ言いましたけれども、理想的な特養の運営というふうに思ってございます。

中村 康弘

ややもすれば、特養の定員数という量に偏ってしまいそうな考え方がありますが、今お話しになったとおり、質の部分もしっかり深めていただきたいと思います。ここは大変大事な部分であるというふうに思います。これから区としても、どういう特養運営をしていくのかということを本当に深め切っていただいて、運営する福祉法人としっかりとコミュニケーションをとって、そういう中身の充実も進めていただきたいと思います。
 1点、ちょっと話が変わりますけれども、介護つき有料老人ホームについて伺いたいと思います。
 資料4番でいきますと、27施設、定員数が1,500人も今区内にあるということで、区の特養とほぼ同数という形でありますけれども、ただ、これは全て株式会社なんですね。さらには、都の助成制度を利用したのは1施設のみで、区と国に関しては助成制度自体がない。これは完全なビジネスベースの施設でありますけれども、これからの時代、あらゆる資源を総動員していくんだという考え方でいきますと、ハード面、ソフト面におきましても、こういった介護つき有料老人ホームの施設も、地域福祉に役立てていく、活用していくという考え方も大事かと思いますけれども、その辺に関しまして、現状と区の考え方はいかがでしょうか。

高齢者施設整備担当課長

今委員御指摘いただきました有料老人ホームにつきましては、定員1,500人ということで、特養と同規模の、地域資源としては非常に貴重だというふうに考えてございます。私ども、そういった地域資源を有効に活用していきたいというふうに考えてございまして、より地域と交流もしていただきたい、そういうふうに考えてございます。
 実は、大宮前体育館の跡地の、あそこに認知症高齢者グループホームを整備してまいりますけれども、保育園も整備してまいります。そのちょうど南側に有料老人ホームがございまして、そちらのほうに御挨拶に行きましたときに、子供たちとの交流ですとか、認知症の高齢者の入居者の方との交流など、そういったものを図っていきたいという力強いお話もいただきましたので、地域に開かれた施設ということで、そういったところを一緒になって進めていきたいというふうに考えてございます。

中村 康弘

特養に関して、戻りますけれども、現行の計画、1,000床ふやしていく、1,307から2,307。これは、要は総合計画策定のときに、24年度の待機者が2,000人、緊急を要する人1,000人という、この需給ギャップを埋めるという考え方で増設が進められてきたというふうに考えております。いわゆる供給面をふやして需給ギャップを埋めていく、そういう考え方で現行の計画はあると思うんですけれども、これからは在宅ということを先ほど来申し上げておりますけれども、在宅の限界点を上げて、在宅をしっかりと充実させていくことによって、供給だけではなくて、需要を下げて、そして需給ギャップを埋めていくという考え方、そうしないと、これからさらに高齢化が進みますから、いずれ物理的な制約というのは必ず来ると思いますので、その辺もしっかりと取り組んでいただきたいと思いますけれども、その考え方に関しまして、最後に区の考え方をお聞きしたいと思います。

区長

中村委員からいろいろ示唆に富んだ御質問をいただきました。また、公明党の委員の方からいろいろ体験に基づいた、大変参考になるお話を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 地域包括ケアシステムの充実という御趣旨だと思います。今、中村委員からお話があったように、私、区長就任以来、特養整備には特に力を入れてきたつもりでございます。おっしゃるように、需給のギャップは大変著しい状況がありましたし、将来を考えたときに、きちっと特養の整備に力を入れていかなければならないという、差し迫った課題だという位置づけでやってきたわけでございます。
 今後とも施設介護の受け皿整備はやはり相当必要だというふうに、現実問題として私は認識をしております。しかし、おっしゃるように、区内に特養を整備するということは大変コストがかかる。そして、一定規模以上の用地、これがそのコストの相当の部分を占めているということ。現実には、何とか10年1,000床ということはやらなければいけない、これは必須の課題だというふうに思っていますけれども、その先ですね、特養の整備がどこまできちんと計画性を持って実行できるか。もしそれを進めていくとしたときのコストということを考えたら、少し気持ちが重たくなる面も、正直言ってございます。であるからこそ、委員の御指摘のように、施設介護に行く限界点を上げていく、地域包括ケアシステムの充実ということを並行して、より力を入れていく、その必要性があるんだろうと思っております。そういう意味で大変重要な御指摘だというふうにも思います。
 そういった考えのもとで、地域包括ケア推進のかなめとも言われております定期巡回・随時対応型訪問介護看護や小規模多機能型居宅介護などのいわゆる地域密着サービスを整備しているところでございますけれども、生活圏域ごとにバランスよく整備していくということが理想でありますので、そうした在宅生活の継続支援につながるサービス基盤の整備にこれからも力を入れてまいりたいと思います。
 先ほどから再三の議論がありましたけれども、今、東北の大震災、それから東京オリンピックということが重なって、建設業界、土木業界は、大変工賃が上がったり人件費が上がったりという状況があるようでございまして、区の施設建設にもそれは影響が出てきているということもありますけれども、そういう分野と違うのは、保育もそうだと思いますけれども、医療とか福祉の分野というのは、需給で市場原理が働いて価格が決まるという世界ではなくて、公定価格があって、その範囲内で、一定の幅はもちろんあろうかと思いますけれども、そういう違いがある。しかし、その中でどうやっていいサービスを提供できるようにしていくかということに知恵を出していかなければならないと思っています。
 一つの考え方としては、区内で事業を行っている事業者の経営基盤が強化されていくという、言ってみればゆとりが出てくれば出てくるだけ、例えば人件費なり、施設の中身に対しても向上、改善につながりやすいし、同じ背中を押すにも、かつかつの状態の事業者の背中を押すのと、多少自力の強い人の背中を押すのでは、結果としてのサービスに差が出てくる。ましてや人材不足だということが言われていて、移民を受け入れなければならないんじゃないかとか、外国人労働者をもっと活用しなければならないんじゃないかということが真面目に議論をされているような今時代でありまして、そういうことからすれば、人材の取り合いということ、あるいは事業者の囲い込みというか、言葉はよくないかもしれませんけれども、そういう状況もあるんじゃないかなと。
 ですから、他の自治体と変な競争意識を持ってやるという意味ではないんですけれども、しかし、杉並の事業者はいずれもしっかりしている、あるいはしっかりしていくということは大事な要素じゃないかなというふうに思っていまして、その中でいろんな良質なサービスをどういうふうに展開できるようにしていくかということですね。それは非常に研究する必要があろうかと思っております。事業者の選択方法もいろいろ研究していく必要があるんじゃないか。
 区内で特養の事業者公募をすると、十数者、20者近く手が挙がる。それだけ、今の時点では、一定規模の施設をやろうとすれば、大変全国から力のあるところがばっと食いついてくるという状況があります。ですから、そういうことをむしろ見ながら、いい事業者をきちっと選定して、そしてその経営が強化されていくということ。そして結果として、サービスなり職員の処遇の向上につながっていく、そういうモデルを研究して開発していく必要があるんじゃないかなと思います。
 ちょっと長くなっちゃうのでそろそろ締めますけれども、このように、施設整備のハードと在宅生活の限界点を上げる、ハードとソフトの両施策を推進していくということが非常に大切でありますので、委員の御指摘の趣旨も十分に踏まえて、地域包括ケアシステムの構築に向けましてさらなる推進を図って、結果として特養待機者の解消につなげてまいりたいと考えております。