健康づくり推進条例の意義と取り組み
健康づくり推進条例について、私立幼稚園について。資料は、保健福祉計画と27年版保健福祉事業概要、いただいた資料269番です。
まず、健康づくり推進条例について伺います。
この条例は、昨年7月に施行された条例でありますけれども、改めてこの条例を制定した意義、そしてその後約1年以上たっておりますけれども、これまで区としてどのような取り組みを進めてきたのか、ご説明をお願いいたします。
制定の意義でございますけれども、前文におきまして、生涯にわたって健やかで生き生きと暮らせる健康長寿の地域社会の実現を掲げまして、区民、事業者等の責務、それから協働の推進の取り組み、行政としての継続的な取り組みなど、健康づくりを進めていく骨格を条例で制定をしていただいてございます。この制定に伴いまして、健康づくりの取り組みを広げ、加速させていく、そういった効果があろうかと存じます。
また、成果でございますが、本年3月にこれを実行するための目標、指標を設定いたしました。
27年度の取り組みでございますが、庁内の連携といたしましては、スポーツ振興課と特定健診のデータを利用しました事業を開始したほか、区民周知に向けてのパンフレットの作成を今行ってございまして、フェスタのほうで配る準備をしてございます。それから、健康づくりを行っていただいています団体の表彰の準備を進めているところでございます。
今、課長のほうからも目標を設定したというふうなご答弁ございましたけれども、この目標が保健福祉計画に掲載されております。全体目標と4つの分野にそれぞれ個別に目標がかなり細かく設定されておりますけれども、全部言うとあれなんで、概略で結構なんで、どういった目標を今回設定したのかお示しください。
まず、全体目標でございますが、健康寿命の延伸ということを掲げまして、条例で掲げてございます身体の健康、心の健康、歯と口腔の健康、健康づくりを支える社会環境の整備ということで、4つの分野で目標、指標を掲げてございます。
まず最初の分野1の1という身体の健康、生活習慣病の予防という項目に関しまして、がん対策とメタボリックシンドローム対策及び糖尿病の重症化の予防、またCOPDへの対策が中心課題というふうに項目が挙げられておりますけれども、なぜこの4つにしたのか。また、COPDという説明もあわせて、今の4つの目標についてご説明をお願いしたいと思います。
設定をした理由でございますけれども、健康増進法に基づきます基本的な方針、健康日本21に示されてございますが、生活習慣病の発症予防と重症化予防を徹底的に行うということがございまして、その中に、ここに掲げましたがん、循環器疾患、糖尿病、COPDを重点的に置くというふうに定められてございまして、これを受けまして、区も同様に設定をしたというところでございます。
また、COPDについてでございますが、これは慢性閉塞性肺疾患の略でございますけれども、病気の内容としますと、肺の組織が破壊されまして呼吸が困難になってきて、重症化をしますと、酸素ボンベ等の携帯が必要になってくるというような病気でございます。こちらのほうは年々患者数が増加していること、また、喫煙対策等の推進により個人での予防も可能であること、早期の適切な治療により重症化が予防できるということがございまして、目標として掲げたものでございます。
がん検診の受診者数に関しまして、この事業概要にも掲載されておりますけれども、26年度の実績を、過去から比較して26年度どうだったのか、お示しいただきたいと思います。午前中答弁がありましたので、乳がんと子宮頸がんは結構です。それ以外のがんに関して。
がん検診の受診者数でございます。胃がん検診につきましては1万2,342人、肺がん検診が2万2,593人、そして大腸がん検診が6万7,929人となっております。前年比で特に伸びておりますのが胃がん、肺がんでございまして、それぞれ6,367人、1万7,906人増で、2倍、約5倍の増となっております。
すごいですね。ずっと過去5年の実績がありますけれども、胃がん、肺がんに関しては、26年著しく伸びましたね。これはどういう要因で、どういう効果があったのか、その辺どう分析していますか。
これまでもご答弁してございますように、検診管理システムを活用いたしまして、国保加入者に関しましては、がん検診の受診券シールも該当するものを必ず同封するという発想、そういった工夫をしたことで受診者が伸びているというふうに考えております。
胃がん検診は倍増、肺がん検診は5倍ですね。これはすごいと思います。この事例を、今課長のほうからもご説明がありましたけれども、しっかり分析して、今までずっとやってきてできなかったのが、システムを私も見せていただきましたけれども、そんなにすぐれたシステムなのかどうかも含めて、すぐれていると思いますが、しっかりこれは分析していただきたいと思います。その上で、ほかの施策にも、やり方によると思うんですけれども、展開できるものがあるかもわからないですね、保健福祉だけじゃなくて。区全体のそういったことに関して、ぜひこの成功事例を参考にしながら、分析して参考にして共有していただきたいと思います。
胃がんに関してなんですけれども、国立がん研究センターが公表しました2014年度版の胃がん検診ガイドラインで、内視鏡による胃がん検診が今回初めて推奨されたわけでありますけれども、今後、区の検診における導入予定に関してはどういうお考えでしょうか。
ただいま国のほうのがん検診のあり方に関する検討会のほうから中間報告が出まして、ご指摘のように内視鏡の検査の導入が見込まれているところです。このため、28年度実施に向けまして、現在、医師会と協議を開始したところでございます。
ぜひ28年度から導入をしていただきたいと思います。私も実はバリウムが非常に苦手で、胃カメラ、内視鏡を大変楽しみにしているんですけれども、(笑声)ホームページ等で見ると、50歳以上というふうになっているんです。私まだ40代なんですけれども、この辺に関して区としてはもう少し幅を広げるとか、個人的に考えているんですけれども、どうでしょうか、その辺に関しては。(笑声)
この50歳という理由は主に2つありまして、40代の方のがんの罹患率が25年前に比べると半分に減っている、それに伴って死亡率も6分の1に低下している。それから、リスクファクターとして非常に重視されておりますヘリコバクターピロリ菌の感染が、特に若い方でどんどん減っている、こういった理由で50歳以上とされたというふうに聞いております。この対象の年齢につきましては、今後がん検診の指針を国が改めますので、それを踏まえた形で検討させていただきたいと思っております。
胃がんに関してちょっと関連してお聞きしますけれども、要精密検査率、要精検率と言われていますけれども、この事業報告によりますと、26年度倍増しましたけれども、その前まで、要精検、精密検査が必要ですと言われる方の割合が大体13%前後でずっと推移していたのが、26年度は受診者数も増えているんですけれども、要精検率が5.76%、半分以下に下がったということはどういうふうに受けとめればいいんでしょうか。
従来、検診の結果を異常なしと要精検と二分していたんですが、実際には要精検の中に胃炎などの有所見者、がん以外のものも含まれておりました。26年度にはこの部分を除きまして、真に胃がんが疑われるというケースだけをカウントした結果、実際に要精検率が5.76%まで絞られたということです。これは決して悪いことではございませんで、むしろ胃がん検診の精度が向上した結果というふうに考えております。
レセプトデータを活用した糖尿病重症化予防
続きまして、目標の糖尿病重症化予防。これは以前、我が会派の横山副議長がレセプトデータの活用を糖尿病重症化予防に活用してはどうかというふうな提案もさせていただきました。これまで区としては、レセプトデータの活用を通した糖尿病重症化予防に関してはどういう取り組みを進めてきたのか、また今後どういう展開を考えているのか。
平成26年度には、国保の医療費分析の結果、委員ご指摘のように、有病率とも関連する医療費が増加傾向にある糖尿病について、受診者に同意をいただきながら、特定健診の結果、糖尿病が疑われるにもかかわらず医療を受けていない、こういった方に対しまして、医療機関受診勧奨を行いました。今年度はこの取り組みをさらに発展させまして、糖尿病腎症重症化予防事業、こういったものに着手しております。
また今後ですけれども、この6月にKDBシステムが導入されましたので、特定健診とレセプトデータの突合、こういったものを行いまして、より効率的、効果的な糖尿病予防対策にしてまいりたいというふうに考えております。
前、KDBのことに関して質問したときに、ちょっと準備の状況が遅くなっているというふうなことだったんですが、今は完全に6月からきっちりとしたデータが入手できるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
6月に導入されましたので、今年度につきましてはまだ直近のデータしかないんですが、データを蓄積していくことによって、より精密な分析ができるというふうに考えてございます。
ぜひよろしくお願いいたします。
あと、分野3に関してなんですが、歯と口腔の健康についてお聞かせいただきたいと思います。
歯と体の健康は密接なつながりがありまして、生涯を通した各ライフステージに沿った施策が必要であると考えております。具体的には、子どもの側から見れば、誕生から幼少、学童期、また成人期、老齢期、それぞれの時期において、26年度はどのような歯と口腔の健康に関する取り組みを行ってきたのか、お示しください。
各期ごとの取り組みということでございますが、出産から幼少期におきましては、妊婦の歯科健診、それから1歳6カ月児、3歳児の歯科健診等がございます。また学童期でございますが、学校の歯科健診のほか、口腔衛生の指導等を行ってございます。成人期でございますが、成人歯科健診を実施しているところでございます。
歯の健康は、今申し上げたとおり生涯にわたるものでありまして、食育と同じで、幼少のときからの生活習慣、また意識が非常に大事であるというふうに思っております。したがいまして、さっき言った各ライフステージの中での成人期の人々の歯と口腔の健康は、実は本人の健康保持のみならず、家庭内における教育という観点からも、私は重要であるというふうに考えております。そういう観点から、成人期に対する施策の充実の必要性は、区としてはどのように認識しているでしょうか。
ただいま委員おっしゃったとおり、歯の健康は一生涯にわたるものでございまして、特に子どものころからそういった習慣づけをすることが大切なことというふうに考えてございます。
それで、成人期を経て老齢期になったときに、実は、高齢者の死亡要因の上位に肺炎が来ますよね。その肺炎の中でも誤嚥性肺炎というのが死亡の原因となっているということで、それを予防する効果としても、歯と口腔の健康を保つということは非常に大事であるというふうなことも言われております。また、私も以前一般質問でもさせていただきましたけれども、認知症予防と歯の健康というものも密接な関連性があるという研究データもございます。
そういった中で、今、世の中自体も長寿命化が進んでおりますけれども、健康寿命の延伸、区も目標に掲げておりますけれども、そういった観点からも、成人歯科健診やかかりつけ歯科医の普及推進も当然充実していくとともに、特に、これから後期高齢者や介護高齢者の人口の今後の伸びを考えますと、訪問歯科診療の環境整備が望まれると思います。
本区における訪問歯科診療の現状、区内でどのように展開されているのでしょうか。
私どもで把握できている内容でお答えさせていただきますが、当区では、歯科医師会立の杉並区歯科保健医療センターを中心に、そういった訪問歯科診療が行われてございまして、26年度で2,100件余の実績等を伺ってございます。
これはセンターの自主事業で行われているわけでありますけれども、ただ、これから確実に需要は伸びてくると思います。また、地域包括ケアという観点からも、在宅の訪問歯科診療というのは非常に大事であると思いますけれども、区としてはどのような支援ができるんでしょうか。
区の支援ということでのお尋ねでございますが、まずセンター開設に当たりましては、センターの機能といたしまして、障害者であるとか有病高齢者、それから休日の歯科診療ということで考えてございまして、訪問歯科診療については、現状、歯科医師会の自主事業というふうに分類させていただいているところでございます。
また、ご指摘がありました、今後増加する訪問歯科診療のニーズに対しましては、患者さんに近いところである地域の中に歯科診療施設等が展開されることは望ましいものというふうに考えているところでございます。
区としてもしっかり支援していただきたいと思います。
予防という観点から、歯科診療、いわゆる医療行為にとどまらず、口腔機能の検査、口腔ケア、またその指導、こういったニーズも予防という観点から重要であると思います。
そこで活躍していただくのが、歯科医だけではなくて歯科衛生士さんが大きく活躍される部隊になると思います。ただ、全国的に歯科衛生士の数が不足しているというふうなことも言われておりますけれども、本区内においてはどういう状況でしょうか。
歯科衛生士については、近年増加の傾向も見られるかと存じますが、区内の状況で申しますと、診療所数427に対して373名ということでございまして、1施設当たり1名に満たない状況ということでございます。都心区、他区と比較しますと少ない状況というのが見てとれます。
昨年公布されました医療介護総合確保推進法の中で、歯科衛生士法の一部も改正されました。この改正の中身を教えてください。
法改正につきましては、3点あろうかと存じます。
1点目は、歯科衛生士の行う業務についてでございますが、これまで歯科医師の関与の程度、直接指導のもとというふうに定められていたものが、指導のもとにということで、歯科衛生士の業務の拡大がございます。
もう1点は、その資格の規定の中で「女子」という規定がございますが、これを「者」ということで改定になりましたので、男性の歯科衛生士の拡大が図られるということ。
それから、専門職としての他の職種との連携ということについて、努力義務といいますか、それが規定されたということでございますので、業務の拡大が図られているというふうに認識してございます。
法的には業務の拡大ができるような環境になった。ただ一方で、本区においては数が少ないということで、在宅口腔ケアの充実ということで、今後どういった展開をしていけば効果的な施策の展開ができるというふうに区としてはお考えでしょうか。
今後の展開ということでございますけれども、歯科保健医療センターは、これまで訪問歯科診療について積極的に取り組みを行ってきていただいているところでございます。地域のニーズの変化に合わせまして、今後センターは、そういった診療のほか、在宅にいらっしゃると見られます歯科衛生士の復職に向けた人材育成であるとか、あるいは訪問歯科診療で蓄えましたノウハウを地域の歯科医のほうに広めていただくとか、歯科と医療の連携の拠点という役割を担っていただく、こういったことで業務の拡大といいますか、そういったニーズにお応えしていく方向かなというふうに考えてございます。
私立幼稚園の定員充足率と地域偏在への対応
最後に、私立幼稚園に関して1点だけ質問させていただきます。
資料No.269によりますと、全体の定員に対する充足率が86.3%なんですね。それに対して、幼稚園に入りたいんだけれども入れない、そういうお声を最近聞くようになってきたんですね。園ごとの資料を見ると、100%超えているところが幾つかある一方で、50%に満たない幼稚園がたくさんあるということで、この辺の地域的な偏りとか園ごとの偏りというのはどう認識しているのか、また、そういったことに対して何か打開策、区はどう認識しているのか、その辺に関してはどうでしょうか。
私立幼稚園の状況でございますけれども、確かに充足率については、園ごと、地域ごとに偏在しているということは我々も認識しております。ただ、私立幼稚園でございますので、宗教法人立、法人立、学校法人立等、そのときの建学の精神とかあるいは教育の理念とか、そういったことがございますので、保護者のほうも一種の選択が働いているのかなと。
そういう中で、私立幼稚園に対する支援につきましては、一昨年から、充足率というか、園の空き状況をホームページにアップしたということです。それから今般、杉並の子育てサイトの中にすぎラボというのがあるんですけれども、その中に「いまどき幼稚園事情アンケート2015」というのがございまして、その中で、各私立園にアンケートをとられて、それを全部回収してアップした。その中身については、例えば園ごとに、園バスを用意して送迎も可能かどうかとか、あるいは給食をやっているとか、あるいは駅から園は何分ぐらいだとか、そういった情報が全部アップしてありますので、そういったところも区民の方に見ていただいて、それで園を選ぶ1つの材料にしていただければと、こんな形で支援をしているところでございます。