平成23年3月2日 予算特別委員会

公衆無線LAN事業の進捗と概要説明

中村 康弘

公衆無線LANについて、行財政改革について、この2点について伺います。
 まず、公衆無線LANについて伺います。
 このテーマについては、昨年の決算特別委員会も含めて、これまでたびたび、数回にわたって質問をさせていただきましたが、これまでの本区の取り組み、また現在の進捗状況に関してご説明ください。
 あわせて、もう一度本事業の概要をわかりやすく、どういうものなのかということも含めてご説明いただきたいと思います。

情報システム課長

これまでの取り組み、現在の進捗状況でございますけれども、これまでの議会の経過、また区民の要望も踏まえまして、昨年から複数の通信事業者とコンタクトをとりまして、導入に向けて準備を進めているところでございます。設置予定箇所でございますけれども、既に回線状況等確認済みでありまして、設置可能な場所で今月から各施設へ設置していく予定でございます。
 また、本事業の概要でございますけれども、新たに設置費用が発生しない施設を選定いたしまして、各施設へ順次設置していくわけでございますが、自宅にいるのと同じような回線環境を実現しまして、インターネットを行うことができる環境を整えることでございます。

中村 康弘

要は、どこにいてもインターネットが使える環境というふうなことを、公共スペースでもしっかりと整備を区が行っていこう、そういうことだと思うんですが、現在の我が国の携帯電話の市場が年間で4,000万台近く出荷されておりまして、その中でも無線LANによって活用されるスマートフォンと言われる機種が、今年度の出荷台数ベースでは前年比の約200%近い、400万台を超える台数が市場に出ており、爆発的に増加をしている状況です。将来これが携帯市場の約半数近くになると言われておりますが、これからの新しい主要コミュニケーションツールの1つになることは間違いないと思われます。そのような状況を踏まえて、本事業を本区が行うことにどのような意義、また事業の目的があるとお考えか、お聞かせください。

情報システム課長

今委員おっしゃるとおり、スマートフォン等爆発的な勢いで普及しております。そういったことを含めますと、区民が皆さんそういったものを持てる時代になることも間近であると思います。そういった意味では、公共施設を利用する区民の利便性の向上、また、窓口での待ち時間の有効活用等を図っていくことが目的になるかと思います。

中村 康弘

今課長も若干述べられましたが、行政である杉並区が本事業を行うに当たってのメリット、またデメリット等、もし考えつくところがあれば、どのようなことが考えられるでしょうか。

情報システム課長

メリットでございますけれども、公衆無線LAN、大変速いスピードでつなげることができます。電話回線がふさがっているときでもつなげる。要は、アクセスポイントがあれば複数のアクセスができるということでございます。そういったことは、スピードが速いことと相まって、区民にとっては利便性が高まる1つでございます。
 また、回線スピードが速いということは、データ容量もかなり送れるものでございますから、会議の手法、またイベントなどの催しにおきまして、新たな発展性が考えられると考えております。
 また、デメリットの部分というのは、今回各施設に設置した場合でも、電気代は1日1円程度で済むことですから、大きなデメリットはないものと考えてございます。

中村 康弘

いろいろな意味で、コミュニケーションという形がまた広がっていくのかなというふうに思います。
 公共施設や公共スペース等へ公衆無線LANを、アクセスポイントを構築、設置していくことでありますが、具体的に本区においてはどのような施設を今検討されているのか、また、それを実施するに当たっての課題、技術的なことも含めて、どのようなことに今直面しているのか、お聞かせください。

情報システム課長

現在のところ、設置予定箇所としましては、区民センター等、本庁も含めてですけれども、人が多く集まるところを二、三十カ所想定してございます。
 設置するに当たっての課題でございますけれども、施設の環境、回線の状況、ロケーション等によって設置できない場合もございますので、そういったものも課題でございます。
 また、利用するものが微弱電波のため、設置場所によっては利用者が届かない場所もあり得るために、そういったものも考慮しながら進めていかなければいけないこととなっております。
 それと、同時につながる端末数もある程度、これは技術的にどういったものを設置してもそうなるのでございますが、設置数が限定されるということも今後の課題の1つかと思います。

中村 康弘

昨年、他の委員からも意見が出ましたけれども、中央図書館に関しては今どのような状況でしょうか。

情報システム課長

中央図書館を含めまして、図書館への設置でございますけれども、現在、主管課のほうと設置する方向で準備を進めているところでございます。

中村 康弘

ぜひ早急によろしくお願いします。
 他の自治体で先進事例、活用事例も含めて、自治体がやっている事例としてどのような事例がありますか、お聞かせください。

情報システム課長

これまで公衆無線LANを設置している自治体は非常に少ないのですが、都外においては茨城県、岡山県、また埼玉県戸田市など設置しておりますけれども、広範囲にわたって設置するというのは余り見受けられないようです。また、23区内におきましても、設置している箇所も何カ所かございますけれども、図書館に限定したりとか、そういった利用の仕方ですが、施設数をこれだけ多く設置するということは初めてではないかと思います。ただ同時に、渋谷、豊島、練馬などは、ある程度本区と並行して進めているという情報を得ております。

中村 康弘

我々公明党の杉並総支部の青年局として、この公衆無線LAN化は、我々の中では杉並まるごとWi-Fi化計画というふうに呼んでいますけれども、区内の20代、30代の若者に対して、現在の携帯端末やスマートフォンなどの利用状況などについて、さまざまなコミュニケーションツールに関するアンケートを行ってきました。トータルで区内の8,000名近い青年に状況調査にご協力をいただきましたが、その中で、現在約4割の人がスマートフォンなどの無線LANが活用できる端末を持っており、それ以外に約10%の方がこれから購入する予定というふうになっております。
 また、どのような形で利用するのか。ネット、メール、SNS等のコミュニケーション、また音楽、動画、ゲーム、趣味等、そのようなことが多かった。
 また、現段階において、アンケートの回答者、青年世代の約半数が、今回公衆無線LANを設置するとなると恩恵をこうむることができます。これは若者に対する青年政策として、本区には約18万人の20代、30代の人がいますけれども、約3分の1に当たりますが、有意義であるというふうに考えております。
 また、そのアンケートの中で、区内のWi-Fi環境につながると、杉並区の生活や地域に関するさまざまな情報が入手できるシステムをぜひ利用したい、また、そうであればうれしいと感じている人が約8割近くに上る、そのような結果も出ております。
 私も独身時代の経験からするとそうなんですが、20代、30代というのはなかなか行政とのかかわり合いが少なくて、公共サービスを受けているという実感が乏しい。そういった中に、彼らの日常生活の中に既に組み込まれているコミュニケーションツール、いわゆるスマートフォンやタブレット型端末の利用環境というものを、行政としても一端を担って整えていくということは、杉並、また地域にとっての若者世代の印象、また愛着という部分でも変わってくるのではないか。また、そういった双方向の情報交換をすることによりまして、新しいサブカルチャーとか、文化が醸成される土壌になるのではないかというふうに考えております。そのような意義についてどうお考えか。
 また、こういったインフラ環境を、特に若者に対する杉並ブランドの1つとしてアピールすることも1つの考え方であると考えますが、いかがでしょうか。

情報システム課長

ただいま委員おっしゃられたアンケートでございますけれども、サンプル数的にも、通常3,000超えれば有効であるということですから、非常に参考になる数値だと思います。ぜひそういった数値も参考にさせていただきます。そのうちの4割が利用できるということは、区民の4割と言っても過言ではないところでございます。そういった意味では、確かにこれからますます利用する区民の方が増えることが予想されます。
 と同時に、これからIT環境はますます普及していきます。今若者ということで委員おっしゃられていましたけれども、若者だけでなく、あらゆる年代で享受できるITが進んでいくと思います。そういった意味でも、こういったサービスを公共施設、行く行くは区全体に発展させていくことが非常に有効な手段ではないかと思います。また、そういった意味でも、こういったIT環境があるということをPRしていくことが我々に与えられた課題だと思っております。

スマートすぎなみ計画と行財政改革の検証

中村 康弘

今課長のほうで、今後将来的には世代を超えた活用ができるというふうなお言葉もございましたが、そう思います。1つは防災という観点でも、震災が起きますと電話回線が混雑する。阪神・淡路大震災のときに、ふくそうと言われるらしいですが、ぱっと集中して、電話がつながらなくなるふくそう状態が5日間続いた、そういったこともございました。そういったときに、電話は規制もかかりますから、安否の確認とか、またさまざまな情報収集、こういったところもふくそう状態を避けるためにも、これを設置することは1つの新たな改善という考え方もできますので、震災救援所等にもこういったインフラを整えて、震災防災という考え方、角度からも、そういうインフラを設置することも1つ意義があると考えます。これは一応意見として、また今後進めていただきたいと思います。
 続いて、スマートすぎなみ計画、行財政改革について伺わせていただきます。
 スマートすぎなみ計画、行財政改革大綱が今年度で10年の区切りを迎えます。ここで改めて、このスマートすぎなみ計画とはどういうものであったのか、またこの計画を策定した当時の時代環境、また、区政はその当時どのような状況に直面していたのか、お聞かせください。

政策経営部副参事(伊藤)

スマートすぎなみ計画でございますけれども、今年度で終了ということになります。
 まず、策定当時に関して申し上げれば、平成11年、前区長が就任した当時の状況を考えれば、区政の行財政運営の状況というところで考えますと、経常収支比率も94%、財調基金も19億というふうな状況でございますし、区債残高も非常に高い状態、そういう意味では、財政面では非常に危機的な状況だったということが言えるかと思います。そういう状況から脱して財政を再建し、また健全化していこう、そういった目的をもとに立てられたものというふうに考えてございます。
 また、そういうときに、目標として、高い目標という形で1,000人削減というふうなことを中心とした目標を掲げて、その目標達成に向けた取り組みをしてきたということかと思います。その高い目標を掲げて、それに向けて進めていくということで、職員自身の意識改革であったりとか組織の体質の改善とか、そういったところにもつながっていった結果として、現在の効果を生んできたのかなというふうに考えてございます。

中村 康弘

今副参事がおっしゃられたとおり、私もその当時のスマートすぎなみ計画を読みましたら、今この予算委員会でもさまざま理事者の方からもコメントされておりますけれども、まず、景気、特別区税の歳入の落ち込みが当時も続いていた。また、今後どうなるのか、将来見通しも依然として不透明であると。これは今も全く同じような感じであります。ただ一方で、逆に違ったのは、今まだ財政状況が健全ではありますけれども、その当時は経常収支比率が95.8%、硬直化が来るところまで来ていた、そのような緊急事態という状況に直面していました。
 その中で区が、その当時、これまでの右肩上がりの時代における行財政運営の体質を払拭し、少子高齢化が急速に進む成熟社会に対応し、社会経済環境の激しい変化を見据えて、これまで以上に踏み込んだ抜本的な行財政システムの構造改革が必要であると、その当時そういうふうに考えて問題意識を持っておりました。これまでも、平成12年前にも、当然区は行財政改革に取り組んでいたというふうに思うんですけれども、また、平成12年当時ですから、バブル崩壊からもう10年近くたっていたわけで、急激に何かが変わったという状況でも──若干、山一證券の問題とか、さまざまアジアの金融危機とかありましたけれども、ただ、バブルの崩壊からはもう10年近くもたっていた。そのような中で、それまでの、平成12年前の行財政改革とその後のスマートすぎなみ計画、先ほども若干おっしゃられましたが、一番何が変わったというふうにお考えでしょうか。

政策経営部副参事(伊藤)

まず、スマートすぎなみ計画以前におきましても、杉並区としては行財政改革には取り組んでまいりました。古くになりますが、行財政改善計画というふうな形で、3年ごとの計画を立てて進めてきたところでございます。それを踏まえてということもありますが、ただ、バブル崩壊以降、IT環境というものが進んで、インターネット環境が普及して、経済のグローバル化というところも含めて始まってきたこと、また、少子高齢化という点に関しては急速な進展があったということ、また行政ニーズというものが、そういったものを背景にしながら非常に多様化してきたという背景もございます。そういったところを踏まえて、行財政改善というものがより一層必要になってきた。そういう時期が来て、たまたまその時期も含めて、平成11年、12年という時期が来たのかなというふうに考えております。

中村 康弘

行財政改革に対するアプローチとして、12年前、その前の行財政改革とスマートすぎなみ計画、環境はさまざま違うと思いますけれども、アプローチとしてはどういう違うアプローチに変えたのか。

政策経営部副参事(伊藤)

計画自体はそれ以前の計画でも立ててまいりましたけれども、より高い目標を掲げたというところにあるかと思います。特に再建と健全化というところを含めて、平成22年という10年後までを見据えた行財政改革大綱を立てて、高い目標を掲げて、それに向かってどのようにしていくか。また、体質改善、意識改革というところにまでかなり広い範囲に向かって目標を掲げてきたというところが大きく変わってきたのかなというふうに思います。

中村 康弘

そうですね。10年を約半分に分けて、前半の5年で財政再建、残りの5年で健全化というふうな形で10年間取り組んできました。結果に関しては、昨今の財政指標からも健全化が進んだというのは自明であると思います。
 この10年間の行革効果は、全部で幾らぐらい効果が出たというふうになっているでしょうか。

政策経営部副参事(伊藤)

まず、22年に関してはちょっとまだ決算が出ていないので、正確な数字がないんですが、21年度決算ベースでいいますと、累積ということで申し上げれば、1,490億ほどとなります。

中村 康弘

約1,500億ですね。行革効果がこの10年間の平均として、区財政の約1割を区債の償還と基金の積み増しに使うことができた、これが1つの成果かなというふうに理解しておりますが、一方で、この行革のスローガンは、区民とつくる小さな区役所で五つ星のサービスというのがスローガンでした。すなわち、小さな区役所、人員コストの削減、一方で五つ星のサービス、すなわち仕事の質、サービスの内容は落とさない、むしろ上を目指していくんだという考えで行ってきたというふうに思います。このコストの削減とサービスの向上、この取り組みについては10年間でどの程度達成できたと、サービスの向上という角度は特にどうでしょうか。

政策経営部副参事(伊藤)

まず、コストの削減に関しては、先ほど来から申し上げているとおりの効果があったかなというふうに考えてございます。効果額が出てきたというふうには考えています。
 また、区民サービスの向上という点に関しましても、これまでさまざまな取り組みをやっていく中で、この10年間の中で、南北バスの開通ですとか、保育園の保育需要に対応したりとか、そういったことでさまざま区民サービスの向上には努めてきたというふうに考えてございます。計画はさまざまありましたので、何%とかそういう数値ということでは、正直言ってまだないんですけれども、これまでの取り組みに関しては、おおむねそれぞれ達成してきたのかなというふうには思っています。

中村 康弘

私自身は4年前から議員していますので、一部しか存じ上げませんが、この10年間、本当に10年後のあるべき姿というものに向かって、区が一丸となって並々ならぬ努力をされてきた。区の職員の皆様には本当に頑張ってこられたんだなというふうに想像します。このことについては私自身も敬意を表したいと思いますし、また、胸を張っていただきたいというふうに思います。
 しかし、一方で、大事なのはこれからであると思います。これからの10年、これまでの10年間と同じ、否それ以上の覚悟で行財政改革への取り組み、数字的なものは今後詳細を詰めていかなければ何とも今言えないというふうに思いますが、大切なのはそれだけの、これまで一生懸命財政危機から立て直して健全化まで持ってきた、こういう思いを今も同じような思いでいるのか、もしくはある程度の達成感にひたっているのか、これによって大きく違うと思います。
 この点について、区長のこれからの行革に対する意気込み、決意をお聞かせいただきたいというふうに思います。

区長

中村委員から、行革に対する今後の取り組みについてということで。
 行政改革は常に取り組んでいかなきゃならない課題だというふうに思います。1つの仕事をできるだけ効率よく実施していく、それからサービスの質を高めていくというような観点、あるいはまた、区が直営で直轄でやっていくということだけではなくて、区民の皆さんとの協働というような形で進めていったほうがいいのではないかという分野もあるでしょう。行政改革にはいろいろな形の視点があるだろうというふうに思います。一方で、特に事業を縮小・廃止、こういう分野になりますと、その部分にかかわる区民の皆さんには痛みを伴うという現実も出てくるだろうというふうに思いますね。そういういろいろな観点から常に検討を加えていって、必要なことはしっかりやっていくということが大事だろうというふうに思います。
 ただ、世の中の景気が悪くて非常に萎縮しているような、つまり民需が非常に停滞をするような時期は、やはり公的な部門がある意味で頑張らなきゃならないということも、これ事実でありますし、セーフティーネットもしっかり張っていかなきゃならないということも、これは現に起こってきますよね。ですから、トータルで物を見ていくということが私は必要だろうというふうに思います。
 これだけ世の中が混迷してくる中で、いろいろな不満が至るところにうっせきをするという状況があるだろうと思います。そういう中で、きのうもいろいろ議論がありましたが、1つのことに単純化して、何かそれが達成されればすべてが解決するかのようなプロパガンダというのは、そういうある意味で大衆を扇動していくという意味では、歴史的にもそういうことはあったわけですけれども、少なくとも区政に責任を持つという立場から言わせていただければ、ある意味でそういう刺激も確かに必要なこともあるかもしれないけれども、やはりトータルで物を見ていくということが何よりも重要なことだろうというふうに私は思っております。行政改革もそういう視点に立ってしっかりとやって、区民の皆さんに、区政はしっかりやっているとご評価いただけるように頑張っていきたいというふうに思っております。

中村 康弘

その行革に関してですけれども、第3次と第4次の行財政改革実施プランに関して、区の業務の6割を協働化、経常収支比率を80%、職員トータルで1,000人削減、この3つの戦略目標に取り組んできたわけであります。この3つはすなわち、1つが人件費の削減、また2つ目が事務事業の抜本的な見直し、3つ目が区債の繰り上げ償還を通しての公債費の削減、こういった3つのアプローチで徹底的に推進するということで財政の健全化を達成しようとしたものでありました。これまでの10年間、特に五、六年前と今では、これから先の話ですけれども、この3つのアプローチのカテゴリー、この部分の伸び代の部分でも、これまでしてきたこととこれからというのはまた環境が当然違うと思うんですけれども、その辺に関してはどのような認識をお持ちでしょうか。

政策経営部副参事(伊藤)

今までの数値がこれから先も継続して取り組む数値かどうかというところについては、また新しい計画を策定する中でということになるかと思いますけれども、行革そのものに関しては終わりがないものですし、先ほど区長からご答弁申し上げたとおり、常に取り組むべきものだというふうに考えてございます。そういう意味では、行革を進めるに当たって、すべての事業を検証、評価しながら見直しを図っていく。そういう意味でいいますと、まだまだ伸び代はあるというふうには考えてございます。

中村 康弘

ぜひ、これらの分野についてもさらに伸び代があるという認識でございますので、継続的に努力をしていただきたいというふうに思います。
 一方で、また新しい発想というか、行財政改革を推進していかなければならないという側面もございます。先ほどの区長のご答弁でもございましたし、昨年の定例会の際の所信表明演説でもお話しされましたが、多様で質の高いサービスを的確に提供していくことが区政の経営にとって重要な課題となる、民間団体、民間企業の活力を一層積極的に活用し、公共サービスを適切に提供する改革を進めることが必要と述べられております。個人、団体にかかわらず、今後は、地域における公共サービスの新たな担い手の育成というものがますます重要であると考えます。これは今までも言われてきたことでありますが、いま一層の新たな公共の担い手づくりを本格的に進めるべきであると考えます。これまで区は、市場化提案制度やすぎなみ地域大学など、この公共の担い手づくりについての取り組みはしてきたと思いますが、これまでの取り組みの成果と現状の課題、また、今後の方向性についてはどのようにお考えでしょうか。

政策経営部副参事(伊藤)

スマートすぎなみ計画というところから申し上げれば、協働化率6割というところで、おおむねの達成を今しているところかというふうには考えています。
 また、民間事業化提案というところで、民間のノウハウを活用してということで、指定管理者制度も含めて、さまざまな形で民間のノウハウを活用して、民間にお任せできるものについてはお任せしてきて、その中で、区民サービスの向上と行政の効率的運営というところには努めてまいったというふうに考えています。
 一方で、地域のほうの担い手ということで、さまざま育成支援という形で取り組んできたところでございますけれども、そういった民間事業への、民間へゆだねるというか、そういうところとはまた別に、さまざまな市場といいますか、担い手となるべき方々がいるその市場というものをきちんと把握していく作業というのも、一方で必要かなというふうに思っています。そういうところをきちんと把握しながら、今後受け皿となるべきものもきちんと把握しながらということで、民間にゆだねるものは総合的にまた検討していく必要があるのかなと、そういったところがまた1つの課題かなというふうには考えています。

中村 康弘

もう少し突っ込んで、実際問題、担い手づくりという角度でこれまでどうだったのか。市場化提案制度とか、そういった協働化率の数字だけではなくして、実際受け手として、受け皿としての育成という部分で――育成という言い方もおこがましいかもしれませんが、どの程度この杉並区では深まってきたのか、進んできたのか、その辺に関して今現状はどう認識されているのか。また、これからどういったところにさらに、方法論とかやり方とかあると思うんですけれども、やっていかなきゃいけないかというところに関して、もう少し突っ込んでご説明いただけませんでしょうか。

政策経営部副参事(伊藤)

受け皿という点に関しましては、これまですぎなみ地域大学のような取り組みをしていく中で、NPOの設立をして、そこで設立されたNPOの方々に区の施設のほうをお願いするというようなこともしてまいりました。そういうところで、受け皿づくりとあわせて、そこと協働して物事を進めていくというふうなことはしてまいったかなと考えています。

中村 康弘

一方で、担い手の逆に需要という部分も、新たな行政需要というものも顕在化しているのがここ数年の特徴かなというふうに思うんです。昨年発生した高齢者の所在不明問題、また児童虐待の事件など、一昔前考えにくかった事例といいますか、厳密に言いますと、ここに来て顕在化したとも言えるのかなというふうにも思いますけれども、実際、来年度の予算でも本区が取り組む予定の高齢者の安心おたっしゃ訪問事業とか、また児童虐待防止対策の拡充など、これらは人の命にかかわることでもありますので、行政にとっても真剣に考えていかなければならない分野であるというふうに思いますが、ただ、これまでなかった一種の新しい行政需要等もまた顕在化しているということも言えると思います。こういう新たな行政需要については、区はどのような認識、また、これからどういうふうな形で取り組んでいくお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。

企画課長

今例示いただきましたようなことも含めて、これから地域社会が人口動態も含めて変わっていく中で、そういったニーズを機敏にとらえて、それに向けて総合的、計画的に進めていくことが肝要というふうに思っています。そうした観点で、今回、新しい基本構想、総合計画の策定の中でも、さまざまな意見を聞きながら、今後核となるべき政策のありよう、あるいは施策の構築というところで組み立ててまいりたい、こんなふうに存じます。

中村 康弘

こういったさまざまな最近の社会における事例、根本的な原因は何なのか、背景はどこにあるのかということもしっかりと追及して、そこに対する対処も考えていかなければならない。対症療法的な形も当然緊急時には必要だと思いますけれども、抜本的に、一体これはどういう流れで、また区としてこういったことをどういうふうな形でとらえていって、どういった形でこういった問題解決を図っていかなければならないのか、そういったことにもしっかりと思いをはせていって、計画をしていかなければならないというふうに思います。
 1つには、さまざまな要因は考えられると思いますけれども、最近の、私みたいなのが社会の状況について全然わかっているわけでもありませんのでおこがましい言い方になりますけれども、ある意味、地域とか職場とか、場合によっては家庭においても、人間的なつながり、支え合い、心という部分が希薄化している側面もあるのかなと。また、忍耐をする力、能力というものも弱体化しているなどというふうに指摘する声もあります。
 実は、私ども公明党は、昨年末に新しい福祉社会ビジョンというのを策定いたしましたが、これからの日本社会の転換のキーワードは、孤立社会から支え合いの社会へ、というのが1つのキーワードになるという考え方を持っております。地域における支え合いの仕組みをつくる。個人間、また地域における連携を行政がサポートをして、背後から支えていくのが行政の役割であるというふうに位置づけております。
 これまでは、NPOとか町会など、一部、行政の補完的な役割をしていただくような位置づけというふうにも見られがちな部分もあったかなと思いますけれども、先ほど来申し上げている行革の1つの手段的な部分にとらわれがちな、そういった視点が結構強かったのかと思いますけれども、むしろ補完ではなくて、そういった方々が本来の社会のさまざまな問題を解決する主体者であるんだというふうな、そういった社会の1つの地域の力というものをいかに糾合していくかというところが、区が本腰を入れてこれから取り組んでいく1つの課題ではないかなというふうに思います。
 先ほど、最初に質問させていただいた杉並区の公衆無線LANに関しても、1つそういったところをきっかけ、仕組みをつくることによって、今まで地域とかこの杉並区というものに、また行政の役割とかというものに余り目を向けてこなかった方々にも関心をしっかりと抱いていただいて、また、そこにしっかりと問題意識を持っていただいて、場合によっては、そういった多くの方々のいろいろな知恵を糾合して問題解決を図っていく。そのインフラづくりと、またそういったシステムを構築していく、また仕組みづくりを構築していく。先ほど来、行政はコーディネーターなんだというふうな言葉も、答弁で理事者の方々からもお話ございましたが、こういった機能をしっかりと集中的に強化していく、そういう必要がこれから大いにあるのではないかというふうに思いますが、区の所見をお伺いいたします。

行政管理担当部長

委員ご指摘のとおりだと思います。先ほど言ったネットワーキングもまさにコーディネーターの役割として十分果たしていかなきゃいけないというふうに思います。何よりも、行政が直接のサービスの担い手というだけではなくて、それこそ多様なニーズに対してきめ細かに対応していけるような、そういう地域の社会というのをつくっていくのがまさに、公共、これからの協働の計画というか、理念というか、目指すべき方向になると思いますので、いろいろ公衆無線LANも含めて、そういったことの理想を掲げつつ、それをどう実現していくかという具体的な手法についても、いろいろな方の意見を聞きながら謙虚な姿勢でこれからも検討し、全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えています。