災害時情報システムとBCPの現状認識
1点目が情報システムについて、2点目、それに関連して区のホームページリニューアルについて、3点目に職員の育成について。
では、まず初めに情報システムに関してお伺いいたします。
今回の一般質問で、私、BCP(業務継続計画)に関して一般質問させていただきました。災害時にも区の行政サービスを継続しなければならない、そのように思われる業務を事前に洗い出して対応を計画化していくことについて、そのときの区長の答弁でも、その必要性を十分認識している旨のご答弁をいただきました。
最近、大型地震を経験した地方のほうの自治体で、そのような事例を通して、震災直後には具体的にどのような業務継続に関する需要があったのか、マスコミ等の報道もございますけれども、何か把握されておりますでしょうか。
災害時の業務の優先順位ということになるかと存じますが、被災者生活再建、復興支援ということで申し上げさせていただきますと、預金の引き出し等々に必要な住民票の発行、あるいは健康管理ということで健康保険とか、あるいは介護認定の関係で介護保険証の発行業務、あるいは罹災証明の発行業務等々、その中で、保険会社へいわゆる保険の請求というような形で納税証明なんか出てきてございます。そういったものがソフト系になってくるかなと。あるいは被災者が早く復興しなければいけない中で、応急保育の実施など、そういったものがこれまで行われているところでございます。
一般質問で私も、区の情報システムの、今言った行政サービスを行う上でのデータ保存の災害対策として質問させていただきましたけれども、そのときに答弁として、データ保存のバックアップ体制については、現状は週単位でカートリッジ磁気テープをデータに書き込み、それを地層の固い埼玉県のデータセンターに保存していると。今後の対応についてご答弁があった中で、ホストコンピューターシステムの見直しを含めた、より適切なデータ管理の方法を検討する、そのように言及されましたけれども、ホストコンピューターの見直しというふうにお話しになったわけですが、これはどういうことでしょうか。また、その見直しはどのような理由で行われるのか。
ホストコンピューターの見直しについてのご質問だと思います。こちらのほうは、現行のホストコンピューターはACOSというホストコンピューターになってございます。基幹業務を取り扱っているコンピューターでございますけれども、こちらのほうは昭和53年から導入をしまして、その都度新しい機器に改修をしているわけですけれども、30年ほど経過してございます。現在、業務の高度なニーズですとか、あるいはこの間、制度改正からシステム改修までの期間が以前と比べて短くなってございます。そういった理由に対してなかなか対応し切れない現状のホストコンピューターシステムでございますので、オープン化の方向でシステムの最適化を図るよう見直したいと存じております。
ちなみに、ACOSのホストコンピューターの維持管理及び運営にかかるコストは年間でどれぐらいか。ちなみに昨年度の決算額では幾らでしょうか。
昨年度、19年度ですけれども、電子計算組織運営で、こちらのほうが9億8,972万6,000円余でございます。
約9億9,000万円ですね。ちなみに、これには人件費は含まれていないと思うんですが、それ以外にも人員として大体何人ぐらいの人員が年間そのホストコンピューターの管理に携わっているのか、何名ぐらいでしょうか。
私どもの情報システム課のホストにかかわる職員は、約20名ほどでございます。
20名ですから、そのコストとしては大体2億弱、1億7,000万とかだと思うんですけれども、この経費と合わせれば約11億強のコストがかかっております。非常に莫大な予算であり、莫大な事業でもあると、そのように思われますが、その見直しを行っていく上で、先ほどのご答弁にもありましたし、情報化アクションプランでも言われておりますけれども、オープン化の検討というふうにあります。素朴な質問なんですけれども、オープン化というのは何なのか、また、現行のACOSからオープン化に変わる、具体的に何がどう変わるのか、簡単にご説明いただけますか。
ホストからオープン化の、簡単にということですので、受注生産で行われたホストコンピューターに対しまして、オープン化、サーバー系のシステムへ移行し、再構築しまして、システムの仕様ですとか、あるいはそういったものが明確化になって、そして、複数の機器ですとかあるいはソフトの組み合わせが可能になるようなものが、ホストからオープン化というような中身でございます。
では、具体的によくなる点、また、欠点というふうに思われる、現状から比べてデメリットになるかもしれないと思われるような、そういう点、それぞれどういう点が考えられますか。
オープン化のまず利点としましては、ホストのような受注生産ではございませんので、機器の性能、価格の選択肢が広がってまいります。また、ソフト面でも、地域情報プラットホームなど、共通の仕様書によって市場原理が働きやすくなります。また、市場の拡大に合わせて、先ほど申し上げた業務の高度なニーズ、あるいは短い時間でソフトを開発することに対しても、柔軟に対応が可能かというふうに考えてございます。
また、欠点としましては、機器と先ほど言ったソフトの組み合わせですので、どこからどこまでの機器、富士通なのかNECなのか、どこの機器が、ネットワークがいけないのかというようなことでの、ふぐあいが生じたときの故障箇所がわかりづらい、そういったことで安定性に欠ける点。また、ご存じのとおり、OSの市場は今マイクロソフトでほとんど独占されていますので、そういったことで、その切りかえ時期にその都度お金がまたかかるということのデメリットがございます。
コストとか柔軟性の意味で今後大きなメリットも考えられる反面、そういったところのふぐあい等に対する対策等が弱いのではないか、そのようなことも考えられますが、他の自治体では、ホストからオープンというふうな流れに関しては、今どういう状況でしょうか。
全国的にはまだまだホスト系で維持している自治体が多うございます。ただ、23区につきましては、もう8割方オープン系へ移行する計画を立ててございます。
今8割方というふうなお話がございましたけれども、それに関連して、この協定書をちょっと読ませていただきます。災害時における大型汎用電子計算機の相互支援体制に関する協定というのがございますが、この協定の中身に関してご説明いただけますか。
こちらの協定につきましては、千代田区、文京区、江東区、大田区、北区、板橋区、足立区、杉並区、この8区が、先ほど申し上げたホストシステムのACOSを使用している区でございます。災害時に、何かあったときに、区からのデータをその協定を結んでいる区に持っていって、何か全件リストを打ち出したり、そういった支援を相互に結んでいるものでございます。
同じACOSのユーザーということで、何かあったときにお互い助け合いましょうというものの協定だと思うんですが、23区のうちの8割がこれからオープン化に進んでいく、このうちの、今協定を結んでいる、災害時に何かあったら助けていただけるであろう7区に関しては、今どういう状況でしょうか。
7区ですけれども、平成22年度末にはすべてオープン化する予定でございます。
ということは、22年度末になると、この協定そのものが意味をなさないというか、だれも助けてくれる人がいなくなるのではないか、そういうような懸念が発生するわけでございますが、そういったときに、では、23年度以降、杉並区のほうとしては、災害時にデータ保存のバックアップ体制も含めて、どういうふうな体制をしていくべきだというふうにお考えでしょうか。
現行のシステムのやり方、ホストのやり方の災害対応の考え方と、そして、ホストの見直しをした後の新しいシステムでの対応策のほうを検討していくということが考えられます。
これから非常に重大な、大きな転換期を迎える時期に来ているのではないかと思いますけれども、しっかりとコストの面も含めて、セキュリティーの部分も含めて、万全な体制をこれから組んでいただきたいと思うんですが、そういうふうなことをこれから計画していく中で、やはりガバナンスの体制といいますか、人員の部分も含めて、これからそういったところをしっかり、だれがその辺の利点を感じながら管理をしていって、進めていくのか。その辺に関して、一般質問でもお話しさせていただきましたけれども、ITガバナンスに関しては、今どのようにこれから取り組むべきだというふうにお考えでしょうか。
ICT技術の活用というのは、区政の効率化のみならず、行政サービスの充実にも非常に大きく貢献をするという可能性を秘めたものだというふうに考えております。同時に、今、情報システム課長ができるだけわかりやすくお話しさせてもらったつもりですけれども、それでもかなり専門的な知識、用語、そういったものが必要ですし、また、この分野についての技術の進歩というのは非常に格段に早いものがございます。
そうした状況も踏まえて、今後の情報化施策を考えていくときには、委員、この間質問されたことも含めて多くの課題がありますし、また、ランニングコストも含めた膨大な経費がかかります。それだけに、今後の情報施策の推進に当たりましては、戦略的で計画的な対応が必要だというふうに考えておりまして、こうした認識から、最先端の技術や知識、経験を有する専門家の活用も含めて、情報化施策の戦略的な推進と、情報資源の効率的、効果的な活用、それから適正な管理、適正な運用、こういったことを行っていけるようなITガバナンスの体制の強化というものが必要であると存じておりますし、そういった点で、これからもアクションプランに従って体制強化に臨んでいきたいというふうに考えております。
今の部長のご答弁で大変強い意気込みを感じました。昨年、決算特別委員会で、我が会派の委員の質問に対して区長もご答弁していただきましたけれども、情報化政策というのは、常に業務の効率化と一体となっている、ここで一度総括をしてスタートしてみたい、そのようなご答弁もいただいておりますので、これからしっかりとその辺の、今のご答弁のとおり取り組んでいただきたい、そのように強く期待申し上げる次第でございます。
先ほど、他の委員からのご質問がありましたとおり、e都市ランキングという中で、そういう意味でもかなりことしに関しては飛躍をした。それはいいことではないかと思うんですけれども、そのときの背景として、ホームページに関して聞かせていただきますけれども、1つは、区民の情報のアクセシビリティーに対する評価というのが、杉並区、この1年で相当点数が上がっていますよね。その辺に関してホームページについて聞かせていただきたいと思うんですけれども、7月からリニューアルをしておりますけれども、どういうところに着目をしてリニューアルされたんでしょうか。
リニューアルの視点なんですけれども、これについては、わかりやすさ、トップページは、ちょうどホームページの入り口になりますので、見やすさ、わかりやすさ、それに力点を置いて、また、アクセシビリティーというところを配慮して文字の拡大等の配慮等をしてきたところでございます。
そのようなわかりやすさ、また区民に配慮した、そういう改善をされたということでございますが、まだ2カ月、3カ月の状況ですけれども、これまでの新しいリニューアルに対して、そういう質問も過去あったかと思うんですけれども、今、区民に対してはどんな感じで評価をされているのか、どのように認識されていますか。
ホームページには、もろもろ、今までご指摘ございましたように課題はあろうかと思いますけれども、この間にいろいろリサーチで寄せていただいた意見の中では、文字が大きくなって見やすくなった、そういうご意見もございます。反面、アクセシビリティーに配慮してボタン操作等を大きくした、逆に若年層からすると、それが不便を感じるというようなお声もいただいてはございます。
どんどんこれからも改善をしていくと思うんですけれども、いろいろいい反応もあれば、これからの課題というふうな要望もあると思うんですけれども、今後、このホームページに関してはどういった形で見直しをしていく方向性なんでしょうか。
これについては、平成11年にできてもう10年ぐらい経過します。根本のアクセシビリティーのところはまだいじってございません。そうしたところも根本的に変えていかなければいけない。また、検索機能も一層強化していく必要がある。そうしたことからすると、やはり一から見直していく必要があるだろうということで、これを近々に俎上にのせていきたいというふうに考えてございます。
ぜひよろしくお願いします。
検索機能に関しては先ほどもご質問があったような感じで、しっかりとこれから取り組んでいただきたい、そのように思います。
トヨタ式人材育成導入の背景と目的
次に、職員の育成に関してお聞きいたします。
先日の職員向けの広報紙の「区りえい人」に、7月に職員向けにトヨタ式人材育成で必達五つ星区役所という講演会の開催の記事がありました。私も前職がメーカー勤務でしたので、記事は概要ですけれども、非常に興味深く読ませていただきました。今回、トヨタ方式の講師をお招きして講演会を開いたこの背景には、どのような問題認識を区のほうでは持たれていたんでしょうか。
職員の広報紙に載せておりますトヨタ式人材のカイゼンの研修講演会についてのお尋ねですけれども、内容としましては、そちらに書いてありますように、世界的にも成功しているトヨタのカイゼンの取り組みを取り上げまして、社員1人1人が自分の仕事の中で常に問題意識を持って改善に取り組むという、CSの講演会を実施いたしました。
このCSの講演会というものは、今回は受講対象者を区民満足の推進運動の推進員である係長職員としまして、その係長職員がトヨタ方式を用いた業務改善や人づくりについて学び、それを各職場の改善に応用することで、五つ星の区役所運動の推進に寄与することを目的に実施したものでございます。
今るるご説明がございましたけれども、私が特に興味深かったのは、今お話もございましたけれども、講師のお話の中で、GMとトヨタを比較して、過去10年間で両社の業績に今すごい差がついている、何ゆえこのような結果になったのか、ここをその講師の方は、両社の職員の改善に対する意識の違いをキーポイントとして述べられております。GMは専門の部署、人が改善を行うのに対して、トヨタは作業者も含めて全員が改善を行う、トヨタでは改善も仕事のうちであると、そのようにお話しされました。トヨタは指示待ち人間は要らない、自分で問題点を見つけて自分で改善するという風土が伝統として定着していると。
そういう意味でも、私も昨年の決算特別委員会で職員提案制度に関して、これは自ら改善をしていくという制度でございますけれども、もっと活用したらどうか、そのようなご質問をさせていただきました。午前中に他の委員からもご質問がございましたけれども、昨年度から職員提案制度に関しても、自課の提案をチャレンジプランにのせて結果を表彰すること、そのような改善がされています。すなわち、自ら改革、改善をしていくんだ、他人任せじゃないんだ、そういうふうな方向性が1つ明確になったのではないかなと、そのように思っております。
資料No.325番にもありますけれども、職員提案制度の過去5年間の提案数はどのような経緯で変化しておりますでしょうか。
職員提案制度による提案の応募件数の過去5年間の推移でございますが、直近の平成19年度につきましては843件、18年度が38件、17年度が32件、16年度が52件、15年度89件というふうに推移してございます。
職員育成のあるべき姿と目標
応募件数が増えたというのは1つの大きな進歩であるのではないかと思うんですけれども、この次の段階をまた見ていかなければならないと思います。例えば、1人当たりの件数の多い部署を掲示していくとか、いろいろございましたけれども、これを全庁として1つのマネジメントをしていくとか、もしくは静岡県庁で、私も本を買ったんですけれども、改善結果事例集というのを1冊の本にして出版している、いわゆる横展開ですね。これからそういったこともしていく仕組み、また、提案疲れにならないような、そういった表彰制度もしっかりとまた検討していっていただきたい、そのように思っております。
時間がないので、最後に、トヨタの方式も大いに参考にする1つの視点だと思っておりますけれども、今後の杉並区の職員の育成に関して、あるべき姿と育成の目標について、最後にご意見をお聞かせください。
まず、職員のあるべき姿についてのお尋ねですけれども、杉並区は少数精鋭の区役所を目指しているわけですが、その少数精鋭の区役所の実現には、今まで以上に職員1人1人の能力開発が必要になると認識しております。そのためには、まず行政のプロとしての高い意識と意欲、またプロとしての基本的知識の習得、そして時代の変化にチャレンジする意欲と能力開発、例えば問題解決能力であるとか、政策形成能力等々、最後に、協働の時代にふさわしい折衝対応能力などが重要と認識しております。
今後の課題につきましては、人材育成の課題は幾つかございますが、1つ目として、人事給与制度と関連した総合的な人材育成を行う仕組みづくりがまず重要と認識しております。次に、日常的な業務の中で成長することのできる職場を基本とした組織的、計画的な能力開発。そして、今も実施してございますが、集合研修の一層の充実。そして、非常勤職員などの区の業務に携わるすべての職員を対象とした人材育成計画等々、以上をこれから対応すべき課題と認識してございます。