財政危機管理と被災自治体への財政支援の変遷
危機管理について、これは財政面からの危機管理について、それとデジタル化と区民課窓口業務について伺います。資料は184番、あと監査の審査意見書、そして西宮市発行の「震災復興10年・西宮からの発信」、これらを使います。
では、まず危機管理という角度で、財調基金の在り方について、前回からの続きで行きたいと思います。
被災した西宮市では、発災後の10年間で震災関連経費が総額で4,300億円発生しました。その財源内訳は、国庫支出金が39.9%、西宮市では市債と一般財源合わせて47.3%の負担をしております。阪神・淡路大震災の後、我が国では東日本大震災をはじめ、幾度も大規模災害が発生しました。この間、被災自治体に対する国による財政支援はどのように変遷してきたのでしょうか。
阪神・淡路大震災時では、例えば、国による災害復旧工事における公共土木施設の補助率、これは10分の8という形で被災自治体が一部を負担しまして、その費用を地方債などにより財源を確保する。そして、その地方債の償還費用の90から95%が交付税措置をされるという、そういった仕組みでございました。その後の東日本大震災では、阪神・淡路大震災の建物倒壊と火災の被害、こちらに加えまして大津波、原発被害からの避難と、未曽有の大震災ということで、復興特区の創設による対象地域を限定といたしました税、財政、金融上の支援、また復興交付金の創設、地方交付税の加算に伴う地方の復興財源の手当など、こういったものが創設をされたというところでございます。また、国による補助、先ほど御説明したものにつきましては震災特別交付税、こういったものが措置をされ、自治体負担分がゼロになる仕組みということもございました。
ただし、この仕組みもずっと継続されるというものではなく、大規模災害の都度、復興法により方針等が示される、そういった単発のものというふうな認識でございます。
分かりました。たびたび大規模災害を経て、国による財政支援は厚くはなってきているというところでありますけれども、ただ、地方の都市が被災するということと首都圏が被災するということは、状況が大きく異なります。杉並区が災害により大きな被害を受けるときには、行政機能や経済が集中している首都全体が大きな被害を受けている可能性が高いと思われます。国からの財政支援に頼るのではなく、自立した考えを持つべきと考えますが、区の考えはいかがでしょうか。
委員御指摘のとおり、国の中枢機関が集まっている首都東京で大震災が起きた場合は、首都機能が麻痺し、自立した区の動きが求められること、これが想定されるというところでございます。このため、区の地域防災計画にありますように、区では発災後道路閉塞などにより一時的に区外からの救援や物流が滞る場合であっても、発災後3日は区で乗り切れるよう区内備蓄等を進めているのと同様に、財政面でも将来的には都や国への支援を受けるにしても、まずは杉並区で自立した考えを持つべきであると、このように考えております。
南海トラフ巨大地震が発生したときには、最大で約239万棟の住宅が喪失するとされております。それに対して、現在の我が国で1年間に建設される住宅は85.9万戸で、資機材と労働力が圧倒的に不足し、復興は長期化するとの見立てがあります。また、復興需要による物価上昇、加えて復興の財政規模が国、地方合わせて161兆円と見積もられておりまして、現在の国の財政状況から、そのほとんどを国債に頼らざるを得ず、結果、国債の利払い負担が増え、国債の価値が下落し、急激なインフレと金利上昇という経済的な危機の発生も考えられます。
すなわち、現在財政調整基金の基準は、災害対策150億円、経済変動対策200億円と分けておりますけれども、これら両方が同時に発生するということも考えられます。こうしたことを踏まえて、危機管理としての財政調整基金の在り方について、改めて伺います。
委員御指摘の向き、当然あるかなというふうに思っておりまして、この間、今、先日来いろいろ御指摘、また御意見、また他の委員からも御質問いただいているところですけれども、まず、今現在の150億と200億という見立てがございます。災害対策として当然150というのがあるわけですけれども、それと併せて急激な経済変動のための200億というふうな目安がございます。この両立というか、同時に起きるということはやはり想定されるものというふうに考えております。首都直下地震が起きれば、首都ですので、やはり大きな経済変動または経済的な混乱というのが起きるということは容易に想像がつくかと思います。そのため、災害対策として必要な150億というのを使うのと同時に、それに伴って緊急的に必要となる取組、こういったものにも柔軟に対応していく必要がございますので、そのためにも財政調整基金として蓄えている分を活用することも大いに考えられるというふうに思います。
そうした点から考えますと、災害対策プラスアルファの要素、そうしたところを踏まえた一定の目安を持ちながら持っている財政調整基金の価値、意味というものは非常に大きいものというふうに考えてございます。
区長に聞きたいと思います。昨年の第3回定例会で、私の一般質問に対して、区長は、平時のときには基金を着実に積み増し、危機の局面にはちゅうちょなく活用すると、危機というのをどのように理解するのかが大きな課題であり、まさに議会でしっかりと話し合っていきたい、私たちはいつ危機を認識するのかまさに議会で丁寧に迅速に話し合っていきたいと述べられました。改めて、危機管理としての財政について、区長の考えを伺います。
危機管理としての財政についてです。大震災等の発災後に、被災状況に応じて緊急的対応とその後の復旧復興に取り組むことは、区民の生命を守るとともに、区民の生活を安定させていくために大変、非常に重要です。そのために必要となる財源を、国からの支援が届くまで時間がかかるということも想定しまして、区独自で確保していかなければいけないということがこの間も議会でも討論されてきていることだと思っております。
政経部長からも申し上げたように、自然災害だけでなく危機ということですけれども、例えば、さきのコロナ禍や、それ以前のリーマンショックのような急激な経済変動というのは、この経済的な面における災い、災害級の事案であったと考えております。このような状況に適切かつ迅速に対応することに備えて、いわゆる財政のダムを確保することが必要なことと認識しております。
そして、一方で、こういった財源の確保だけでなく、ふだんの備えが必要という中には、不燃化や耐震化、そしてそういった不断の取組が必要ということも併せて申し上げたいと思います。
危機管理と財政とのことですけれども、申し上げてきたとおり、基金としての備えをしっかりと行うとともに、事前復興にもつながる不断の取組を併せて行っていく財政運営が重要であると認識しております。
デジタル化推進と情報セキュリティ部門の組織体制
分かりました。よろしくお願いします。
続いて、デジタル化と区民課窓口業務について伺います。
先日、他の委員の質疑で、審査意見書のDX化推進部門と情報セキュリティー部門の役割を明確化し、有効に機能する組織体制で取り組まれたいとの意見に対して、デジタル化を推進していく部門とチェックをかける部門が同じ、あるいは近しい場合は望ましくないとの意見が監査のほうから示されました。改めて、この監査の意見、答弁を受けまして、所管課から現在の組織体制について御説明いただきたいと思います。
区の情報管理部門でございますけれども、情報管理課の配下に情報システム担当と、あとデジタル戦略担当を配置しているというところでございます。また、情報管理課のほうはセキュリティー等に関することなどを担っておりまして、情報システム担当は住民情報系システムや、あと内部情報系の内部業務系システム等に関すること、それからデジタル戦略担当のほうは区のデジタル化の推進等に関することなどを所管としているところでございます。
今の御説明を受けまして、デジタル化推進本部長である副区長に伺いたいと思います。監査からの先ほどの意見をどのように受け止めているでしょうか。
この世界といいますか、まさに情報部門というのは日々本当に動きが早くて、私は本部長という職を仰せつかっている身ではありますが、ちょっと油断すると本当に自分はそれこそ何をやっているのか分からない状態になりかねないということで、これは日々しっかり一生懸命やっておりますけれども、これまで監査の御指摘もいただきまして、そういった動きも早いというのもありまして、これまでやっぱり人的、物的なリソースの問題もありまして、これを一体的にやって、所管の部課長あるいは職員が本当に一生懸命頑張ってくれて今に至るというところなんですけれども。
やっぱり、そうは申しましても、今御指摘いただいた監査の御所見というのはごもっともなことかなと。これだけ動きが早く、かつ新たなことがどんどん出ているときだからこそ、しっかりそういったものを分けて管理していくというのはやっぱり必要なことだなと私も思いましたので。具体的に、では何をどうするという組織の在り方も含めまして、その辺につきましてはちょっとまた所管とも話をしまして、今後のあるべき姿についてちょっと考えてまいりたいと思います。
区民課窓口業務の繁忙期と閑散期の対応件数比較
よろしくお願いします。
続いて、区民課のほうにお聞きいたします。資料ナンバー184番で、令和3年度、4年度の月ごとの各種窓口の対応件数を出していただきました。転入転出の手続や証明書の発行等について、対応件数が最大となる3月と、それ以外の最も少ない月の差はどの程度あるのかお示しください。
委員御指摘のとおり、対応件数が一番多い月が3月となってございます。少ない時期ですが、こちらは8月、9月あたりが少ない時期となってございます。その差ですが、おおむね2倍から3倍となってございます。
そうですね、月ごとで異なって2倍から3倍の対応量が違うということで、この状況に対して現状、区民課としてはどのような対策を講じているのでしょうか。
区民課では、本年2月から始まりました区役所に来ないで手続ができるマイナポータルを利用したオンラインでの転出届の取組や、窓口及び入力用の端末台数の増設、また、他課からの応援体制や臨時会計年度職員の増員による体制づくりなど、繁忙期における対策を講じているところでございます。
昨年度、区民課窓口での利用者の待ち時間短縮と混雑解消を検討するため、区民課の業務モニタリング、そして調査分析を行ったと理解しております。その内容について、また、それを受けてどのような検討を行ったのかお示しください。
区民課窓口に設置している発券機データの分析などを行った結果、転出入の異動届について処理時間を大きく費やしていることや、あと、職員が休憩等に入ります昼の時間で、そちらのほうは窓口のほうがちょっと手薄になるというところもあり、そちらの処理が積み重なることなどによって、3月や4月の繁忙期においては最大で4時間程度の待ち時間が生じていることなどが分かりました。これを受けまして、待ち時間短縮ですとか、あるいは区民の手続の簡素化に一定程度期待できる窓口業務支援システム、いわゆる書かない窓口、そちらのほうの導入を検討しているところでございます。
区民課窓口における転出入手続きの業務フロー
忙しい時期に4時間も役所で待たされるというのは、もうこういうのは絶対改善していかなきゃいけない内容だというふうに思っております。
その中で、今御説明ありましたとおり、それを短縮するすべとして、まず、1つは対応量を平準化していくということと、それと、1回の処理に要する時間、いわゆるサイクルタイムと言われるものでありますけれども、これを短縮化していくということが必要であるというふうに思います。
ところで、現在の区民課窓口における転出入の手続の業務フローを御説明いただきたいと思います。
転出入の手続の流れでございますが、お客様がまず来庁されましたら、案内スタッフがその御用件をお聞きいたしまして、記載台のほうに御案内しております。記載台で届出書の御記載をいただいて、番号札を発券していただく。そして、順番が参りましたら番号でお呼びいたしまして、窓口で御本人の確認、本人確認ですね。それから申請内容の確認を行って、書類をお預かりします。書類をお預かりした後は、今度はバックヤードのほうでそのデータの入力、そして点検を行います。その後に、転出の届けであれば転出証明書等の書類を作成し、複数職員でまた点検をして、また再度お客様をお呼びして内容を確認していただいた上で書類の交付という、そういう流れになってございます。
区民課長、今手をおけがされているんですね。すみません、そういうちょっと不便な中答弁いただいて申し訳ございません。
もう一度お伺いいたしますけれども、証明書発行の業務フロー、今転出入の手続の業務フローを御説明いただきました。証明書発行はどういう業務フローになっているのか、大変恐縮ですけれども御答弁お願いいたします。
御心配いただきありがとうございます。
証明書類の発行につきましては、御案内から申請内容の確認までは転出入の手続と同様の流れとなりますが、その後御申請いただいている書類、証明書を作成し、内容、枚数等を確認した上で、お客様に証明書の交付を行っております。データの入力、そしてその点検、そういった部分がない分、お客様が来庁されてからお帰りいただくまでの時間は、先ほどの転出入の手続よりも短くなってございます。
先ほどデジタル戦略担当課長のほうからもお話がございましたけれども、これまで私自身も一般質問でもお伝えさせていただきましたが、デジタル化による書かない窓口の導入を検討しているということであります。今、るる御説明がございました、区民課のほうからございました現状の業務フロー、これに対してデジタル化を導入することによって、そのプロセスがどのように改善するのか、そのイメージが湧くような形で御説明をいただきたいというふうに思います。
今お話しありましたとおり、区のほうではこれからそのシステムの導入に向けて、これから綿密に検討していくといったところでございますので、ちょっと業務フローというよりも、ほかの自治体の例を挙げて申し上げますと、区民等による申請書の作成が不要となることから、処理時間、そちらのほうが平均25分ほど短縮され待ち時間が減少した事例ですとか、あと記載台の配置が縮減されたですとか、あと申請書の書き直し、そういったものがなくなったといった事例がありますので、区におきましてもこうした効果を期待しているところでございます。
そうですね、私も先日、深谷市のほうに行ってきまして、その書かない窓口の取組を見てきました。もう記載台自体がなかったですね。要は、業務に関しても、サイクルタイムに関しても、転出入の手続、またその証明書発行の手続、これは導入前に比べて半分になっていますね。そういうふうな形で、非常に市民サービス、市民の満足度も向上しているという、そういうふうなことを実感してまいりました。ぜひ本区においてもこうしたシステムの導入をお願いしたいというふうに思います。
それで、その書かない窓口に関しては、昨日、他の委員の質疑の中で、今後基幹システムの標準化をしていくとか、今後デジタル庁が行う自治体窓口DXSaaSの動向等を踏まえて、当初6年度に導入というふうな区の考えでおりましたけれども、これを6年度、7年度に検討を行って8年度に構築、実装していくと。そして、結果的には当初の計画から2年ほどこの導入が遅れるというふうなことの答弁があったというふうに思います。これは二重投資を回避するためというふうに理解しておりますけれども、ただ、できるだけ速やかな導入を一刻も早く進めていただきたいと思います。
改めてこのプロジェクトに対する区の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
私もちょうど中村委員とたしか1週間ぐらいの違いで深谷市のほうに行かせていただきました。この書かない窓口については、今ちょっといろいろ質疑がありましたけれども、これを入れることで、区民の方が申請書を書かなくなるということはまず実現できるんですが、この処理全体をやはり効率化するためには、住民基本台帳のシステムときちんと連携させることが必要です。今それを連携させれば、杉並区民のデータを持っている転出や転居の処理は非常に効率化されますが、転入については、杉並区にはデータがありませんので、マイナンバーカードを使ってやる場合は別ですけれども、基本的にはやはりその転入の入力というのは残ってきます。そういうことから、これが完全に効率化できるのは、やはり標準化を待ってやるのが一番適切ではないかというふうに考えています。
したがって、これは単に遅らせるということではなくて、できるだけやはり最大の効果を発揮して、先ほど担当課長も申し上げたように、記載台をきれいになくすことができるとか、案内スタッフも特に必要なくなるとか、区民課のバックヤードの事務処理も効率化できるとか、そういったやはり最大限の効果を発揮できるようにしっかりと検討し、導入に向けてやってまいりたいというふうに考えております。