在宅医療・生活支援センターの機能と令和元年度の取組総括
在宅医療・生活支援センターについて、あとは地域医療について。使う資料は、保健福祉事業概要と、頂いている資料91番です。
ウェルファーム杉並に在宅医療・生活支援センターが開設して、令和元年度を終えまして丸2年が経過いたしました。先日の本委員会の質疑でもあったとおり、このセンターは3つの機能があり、1つは在宅医療の体制整備、2つ目が地域の相談機関への後方支援、3つ目が地域支え合いの仕組みづくりといった機能、役割を有しているということでありますが、改めてこの3つの機能について、令和元年度の取組の総括を伺います。
まず、在宅医療の体制整備ですが、医療・介護従事者が参加する在宅医療地域ケア会議を区内7圏域で開催しておりまして、年間約1,300名が参加しております。顔の見える関係づくりを築くことができ、課題解決策を共に検討する仕組みづくりを進めることができたと考えております。
次に、地域の相談機関への後方支援ですが、ケア24等の相談機関から寄せられた困難事例等の相談が173件ございました。こうした相談に対し、相談機関や専門家が参加する支援会議を適宜開催することにより、解決に至るケースが増えております。
最後に、地域の支え合い仕組みづくりでは、地域福祉コーディネーターを1名モデル地区に配置し、定期的な相談会を開催するなど、住民からの福祉に関する様々な相談を受け、延べ361件の活動を行ってまいりました。関係機関、地域住民が協力して課題解決につながった事例も出ております。
今述べられた中で、今日は特に在宅医療の体制整備について伺っていきたいと思います。
まず、在宅医療相談調整窓口の相談対応件数について、保健福祉事業概要によると、元年度は407件あったということで、延べ相談件数は近年ほぼ横ばいの状態が続いておりますけれども、ただ、この横ばいの状態の中でも、質的な変化、傾向性等についてはどのような分析をされているでしょうか。
在宅医療の相談窓口で受けた相談の特徴ですが、相談者が近年、本人からの相談が増加しておりまして、年齢層が20代から50代の方が増えている傾向にございます。
また、相談内容ですが、がんや難病といった疾患の療養相談が増えておりまして、一方、認知症の相談が減少傾向でございます。
在宅医療に関わる人材の育成というのもございますが、令和元年度はどのような取組を行ったのでしょうか。
令和元年度ですが、医療知識に関する研修や事例検討、グループワークを交えた研修を3回実施しております。延べ241名の受講がございました。精神障害や認知症、パーキンソン病の治療や、災害時の非常用発電機の起動実習など、医療・介護従事者の要望が多いテーマを取り上げて実施してございます。
資料91番で、在宅医療診療所、また訪問看護ステーションの数の、平成27年度から5年間にわたる推移を示していただいております。この5年間でそれぞれの施設、どのように変化しているでしょうか。
診療所数の変化でございますが、27年度から申し上げますと、123か所、121か所、118か所、118か所、125か所でございます。訪問看護ステーションの数は、34か所、36か所、42か所、47か所、50か所でございました。
今のお話のとおり、訪問看護ステーションは、この5年間で区内、大きく増えております。ただ一方で、在宅医療診療所の数はほぼ横ばい、さほど変わっていないということで、これにはどのような背景があると見ているのでしょうか。また、高齢化はこの間着実に進んでいると思いますけれども、在宅医療の需要に対して現在の状況はどのような位置にあるのか、お示しください。
訪問診療所の推移につきましては、区内の診療所の多くが1人の開業医の先生で行っておりまして、在宅医療を担うことがちょっと困難な状況にあると、背景として考えております。
また、現在の訪問診療の状況は、何とか患者さんと診療所のマッチングができておりますが、高齢化の進展を踏まえますと、将来的には現在の診療所数では対応困難な状況になると認識してございます。
今御説明ございましたとおり、在宅医療の診療所に関しましては、特に個人経営、お一人経営の診療所に関しては、24時間365日の対応が求められるということもありまして、主治医の先生の負担が大変大きいということが課題と思われます。
この課題について、そういうこともあって増えにくいのかなという状況がありますけれども、区としてはどのような対策を取っているのか。例えば、以前私もお話ししたことがありますけれども、副主治医制の導入など、こういったことに関してはいかがお考えか。
主治医の負担軽減に関しましては、区としては後方支援病床による対策を講じているところです。
御指摘の副主治医制の導入については、医師会等と検討を進めているところでございます。
同じくこの資料で、在宅医療に関して、要介護高齢者の在宅療養率というのを出していただきました。平成27年、28年、29年度の3か年にわたって示していただきましたが、この間、在宅療養率に関してはどのように推移しているでしょうか。
推移でございますが、27年度29.2%、28年度32.1%、29年度35.4%でございます。
この3年間でも、着実に在宅療養率が上昇しております。この上昇している背景については、区はどのように見ているのでしょうか。
背景についてでございますが、在宅療養率なんですけれども、自宅での療養だけでなく、特別養護老人ホームやグループホーム等の施設に入る医療も含まれております。
在宅療養率の上昇の背景としては、在宅医療と介護サービスが充実し自宅で医療が受けやすくなったこと、またそのほか、特別養護老人ホーム等の高齢者の施設整備が進むことによるものと分析してございます。
特養整備も着実に進んでおります。その中で、後方支援病床ということについて伺います。
保健福祉事業概要では、後方支援病床、28年度以降元年度まで、11か所で推移しておりますけれども、具体的にこれはどこの病院か、またどのような形で区は後方病床というのを確保しているのか。
11病院を申し上げますと、河北総合病院、荻窪病院、城西病院、東京衛生病院、佼成病院、越川病院、救世軍ブース記念病院、浴風会病院、浜田山病院、山中病院、寺田病院でございます。
また、この11病院とは協定書を締結し、病床を確保しているところでございます。
協定を結んでいるということで、この後方支援病床の利用実績というのは、実態はどのような状況なのでしょうか。
利用実績でございますが、4件でございます。
元年度が4件ということですね。少ないという印象なんですが、区が実際に調整しているのが今11か所の病院でしたけれども、この後方支援病床というのは、区が調整している以外にも、運用というのはどのような形で実際は在宅医療に関しては使われているのか、その辺に関してはいかがでしょうか。
区が調整する制度を使わずに、医師から直接病院へ入院の打診をして入院ができている場合もございます。また、特別養護老人ホーム等の施設は、協力病院として契約をしておりまして、入院をお願いしているというところもございます。
その辺の、区調整以外の部分に関しては、明確に今のところはデータとしてはお持ちじゃないということで。じゃ、それはまた改めて調べていただければと思います。
それで、もう一つ別の角度で、自宅死、自宅で亡くなるということについて、これも資料91でデータをそろえていただきました。データで可能な平成28年度、29年度の本区の自宅死の状況について御説明いただきたいということ。また、自宅死率について、平成29年度の実績を23区それぞれ率を挙げていただいておりますけれども、本区は他区と比較して、自宅死に関してはどのような状況なのでしょうか。
自宅死ですが、平成28年度は763人、29年度は751人でございました。また、29年度の自宅死率、杉並区は17.2%で、23区の平均は19.1%でございます。
若干低いんですよね。特にこの資料の中で、葛飾区が23.3%、新宿区が22%と高くて、それ以外にも20%を超えている区が4区あります。こうした自宅死率の高い区というのは、何か区として具体的な、特徴的なものとかあるのかどうか、その辺に関してはいかがでしょう。
葛飾区でございますが、在宅でのみとりの件数が全国でも有数な診療所の医師がおりまして、在宅医療を牽引しているということが要因だと聞いてございます。あと、20%を超える江戸川区についても、葛飾区と同じ法人の診療所がございます。また、新宿区については、後方支援病床1床を365日確保しておりまして、在宅医のサポートを行っているほか、在宅医療と介護従事者をつなぐICTのネットワークづくりを積極的に進めているという特徴がございます。
今お話もございましたが、みとりに関して、区民の意向というのがどのようなことか、区は把握しておられるでしょうか。
自宅でのみとりに特化した区民の意向調査については実施しておりませんが、平成28年度、東京都が実施した意識調査では、約4割の方が自宅で最期を迎えたいと回答しておりまして、区も同様の傾向であるものと考えてございます。
人生の最期をどこでどのように迎えるかということについては、本人の希望をかなえる選択ができる環境を整備していくというのが、現在の地域包括ケアシステムの基本的な考え方であるというふうに思います。
今この質問の中で様々定量的な状況について伺ってきましたけれども、在宅療養者や医療、介護、看護の専門職の満足度については、区はどのように把握しているでしょうか。
在宅療養者については、高齢者実態調査において介護サービスの満足度は把握しておりますが、医療、介護、看護従事者の満足度については、特段まだ行っておりません。今後どのようなやり方で把握するのがよいかなど、検討してまいりたいと存じます。
ぜひそういったところの、量的な部分も含めて、質的なところも把握するような努力をしていただければと思います。
今回のコロナ禍で、施設入居者と家族の面会ができないという状況が生まれました。高齢期をどこでどう過ごすかについて、今回のコロナ禍を通して、本人、家族ともに改めて考え直した人も多くいるのではないかと思いますけれども、先ほど述べたとおり、選択肢をそろえるという意味で、地域包括ケアシステムの充実、とりわけその核となる在宅医療と介護の連携推進の必要性がいや増して高まってきていると考えますが、この項の最後に区の考えを伺います。
確かに、このコロナ禍によりまして、多くの方の考え方というのは非常に変わっていると考えております。この間、ある医療関係者の方からも、コロナ禍で訪問診療、訪問看護の依頼が非常に増えて忙しくなったという話も伺っております。その背景には、やはり入院すると面会ができなくなるといったことがあったように聞いてございます。
また、在宅医療の現場では、病院の医療崩壊を防ぐ、高齢者を在宅でしっかり見ていく、重症化しやすい等のために、医療崩壊にならないために、そういう思いで尽くされているというようなお話もお伺いし、本当に感謝の念に堪えない思いでおります。
こうした事例も日頃からの在宅医療と介護の連携体制の基盤があったからこそと考えており、在宅医療・生活支援センターのこうした取組は、ますます進めていかなければならないと考えております。
2040年には、医療と介護のニーズがピークを迎えることが予想されております。こうした中で、医療と介護が必要になっても、住み慣れた地域で人生の最期まで暮らし続けられる地域包括システムを推進していくためにも、医療や介護の関係者と協力しながら、在宅医療と介護の連携に力強く取り組んでいきたいと考えております。
杉並区内の医療資源と地域医療構想における機能分化の状況
続きまして、地域医療について伺います。
保健福祉事業概要では、令和元年度現在で、区内には、20の病院、7つの有床診療所、510の無床診療所がございます。地域医療構想では、高度急性期、急性期、回復期、慢性期と、4つの機能分化が医療施設には求められておりますけれども、本区内の医療資源をこの4区分で見ると、どのような状況になるのでしょうか。
30年度の数値しか手元にございませんけれども、区内で、有床の診療所も含めて2,778ございましたが、高度急性期は4医療機関で113床、4%、急性期が15の医療機関1,461床、52%、回復期が6医療機関で391床、14%、慢性期は9機関で813床、29%、そんな数字でございます。
今、病床数のお話がございました。約2,800弱あるということで、基本的に病床数については二次保健医療圏の単位で管理されていると理解しておりますけれども、本区内の病床数、2,800弱に関しては、区西部医療圏の中で何%程度に相当するのでしょうか。
同じ30年のデータでございますけれども、26.1%。他の新宿が57%、中野が16%、そういった数字でございます。
新宿の約半分以下ということで、病床数と人口との割合でいくと本区の状況はいかがか。また、今お話がございました中野、新宿と比較して、本区の人口に対する病床数の割合というのはいかがでしょうか。
同じ30年のデータで、例えば人口10万当たりで換算して比較してみますと、杉並区では486床、新宿が1,700床余り、中野が560床ということで、中野よりは若干少ないですが、新宿の3分の1というような現状でございます。
医療圏の中では、本区の人口に対する病床数が最も少ない、新宿の3分の1以下。さらに、杉並というのは中野より新宿からも離れておりまして、区民が入院する際、区内外の病院の割合について、そういったところのデータ、区内の病院か区外の病院か、そういったデータというのは区のほうではお持ちでしょうか。
例年調べるような定期的なデータではございませんので、平成20年のちょっと古いデータですと、当時区民の区内の病院への入院率というのは32%程度、あと西部圏のほかの病院には17%、そういったような数値になってございます。
これまで大体3分の1の人が区内の病院、それ以外の方は区外という形だということですけれども、ちなみに今回のコロナにおいては、個々の案件に保健所が深く関わってきたというふうに思っておりますけれども、コロナの期間、対応されてきたこの間、コロナに罹患された区民の方々で、区内医療機関に入院された方の割合はどの程度いるのでしょうか。
陽性になった区民の方のうち、中等症以下で区内の医療機関に入院された方は、およそ4割となってございます。少し分かりづらいんですが、区内の医療機関に入院されている方のおよそ8割は、区民の方となっております。
区内の病院の8割を区民の方が利用されたということで、今年度に入って、先ほど来出ておりますけれども、区内の基幹4病院に区は資本注入をしまして、財政支援を行いました。コロナに伴う経営悪化、最悪は病院の財政破綻を回避するための措置であり、独自の判断で迅速に対応し区内の医療資源を守ったというこの区の対応を、私は高く評価しております。仮にこれらの病院が経営難等から医療の提供に問題が発生した場合、区民はどのような影響を受けることが懸念されたのでしょうか。
まず、コロナの患者を受け入れるために、病院側としましては、専用のベッドを確保するために、その他の一般病床を幾つも減らして、人手もかなりの数を確保しなければならないということで、多大な財政負担を強いられるというお話でございました。そうしたことから、当然、人員ですとか機材等の確保に支障を来しまして、そうすると、必然的に外来ですとか入院の患者の枠が減らされ、縮小、最悪の場合は停止をしてしまうということも想定されます。
そうすると、区民の方は当然、診療を受けられない、検査を受けられないということになりますし、検査を受けるまでに相当数自宅で待機をしなければならないですとか、遠くの、自宅から離れた場所の医療機関に、幾つもの交通手段を使って足を運ばなければならないといった事態も避けられないというような想定がされます。
また、救急外来も縮小してしまいますと、搬送に時間がかかって、適切な医療を受けられず、症状が悪化したり、最悪の事態を招きかねないというような事態も想定されます。
そうしたことから、経営難ということがもし続けば、医療の提供が困難になり、区民の生活を脅かすといったような危機感というものが懸念されたところでございます。
基本的に、病床管理については、これまでは区ではなく東京都の管理下にあるというふうに思っておりますけれども、しかし、今回の新型コロナ感染の拡大によりまして、病院の経営問題ということと、そして区民への医療提供体制といった、今まで経験したことがなかった課題が浮かび上がったと思います。今回のことは、4基幹病院が区内、そして身近な地域に存在することの意味について、改めて考え直す機会ではなかったかというふうに思っております。
また、先ほど来お話ししております地域包括ケアシステムや在宅医療等におきましても、生活圏域内での医療提供体制の充実強化が求められております。そのような事情からも、今後は、区と4基幹病院との連携を深め、病院側にも積極的に地域に目を向けていただきまして、また一方で、区でできること、都が行うことも整理した上で、地域と病院との関係性について改めて再検討してみてはいかがかと思いますけれども、最後に所見を伺います。
委員から御指摘いただきましたとおり、今回の新型コロナウイルス感染症によりまして、陰圧室ですとか特別のしつらえのない病院につきましては、本当に負担も大きくなるということと、また、感染症を避けるため受診控え、それから経営の関係が大きく関わってくるということ、また、こういう区民への医療提供体制を進めるためには基礎自治体たる区も率先して取り組んでいかなければならないということを学んでおります。
こうした中で、御指摘いただきました基幹4病院につきましては、未知のウイルスという状況の中でも区民のために様々な治療を行っていただき、本当に頭の下がる思いでございます。
こうした基幹病院と医師会の参加する感染症対策関係医療機関等連絡会というのを開催しておりまして、率直に現状の共有化ですとか、様々な取組について話し合う中で、これまで以上に率直な話合いができ、連携ができてきたと感じております。
また、基幹病院につきましても、PCR検査体制で医師会のほうから医師を呼ぶことによって、こちらもこれまで以上に情報交換もできたというふうに聞いております。こうした中で、コロナの困難に立ち向かう中で、結果的に様々区内の医療機関の強化を図ることができたと考えております。
委員から御提案ありましたとおり、こうして得ることができました連携関係を、今後の地域包括ケアシステムですとか在宅医療・介護連携にも生かしていけるよう、折を見てこういう基幹病院のほうにも話していきながら、区の中でもしっかりと検討してまいりたいと思います。
地域医療インフラとしての重要性と医師会長の言葉
最後に、4月の記者会見で杉並区の医師会長が話していた言葉が、私は大変印象に残っております。医療は医師以外の誰もできません、我々がやらなくては誰もしてくれません、私自身もコロナが怖くないと言えばうそになりますが、ここは勇気を振り絞って皆でこの難局を乗り越えたい、このような力強いお言葉を私も大変覚えております。
改めて、医療というのは、地域にとって、また区にとって大切なインフラである、医療資源であるということを再認識して、検討していただきたいと思います。
以上です。
以上で杉並区議会公明党の質疑は終了いたしました。
これをもちまして、一般会計歳出第4款保健福祉費、第6款環境清掃費、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療事業会計に対する質疑は全て終了いたしました。
ここで説明員の入替えのため、2時5分まで休憩いたします。
(午後 1時54分 休憩)
(午後 2時05分 開議)