公会計制度改革の意図と成果
財務書類について、資料は財務書類と区政経営報告書。2点目は、資金管理について、資料は資金管理方針、資金管理計画、あと資料をいただいたNo.006。3点目は、財政運営について、資料は行政経営懇談会や、また先日の総務財政委員会での資料を使用したいと思います。
まず、財務書類に関しまして。
公会計制度の改革を行ってから今回4回目の決算委員会になります。そもそも公会計制度の改革というのは、何を意図して、どのような改革がなされてきたのか、改めてご説明いただきたいと思います。
新公会計制度の意図するところでございますけれども、従来の公会計制度では欠落している資産とか負債のストック情報や、金利また減価償却などを含む、いわゆる真のコスト情報を把握すること、そうした財務書類を作成、公表することで、区民への説明責任を強化すること、また、区政経営の活用を図ってマネジメントの強化をすることというようなことと認識してございます。
今ご説明いただきました。そういった意義におきまして、本区において、これまでそういった目的といいますか意義におきまして、成果についての率直な区の感想と、今後課題と思われること、内容に関してご説明いただきたいと思います。
これまでの成果でございますけれども、4年間積み上げてきたことによって、経年変化を見ることができるようになったということが一番大きな成果だと考えてございます。
今後の課題でございますが、区の職員1人1人が、ストック、またコスト情報を常に意識しながら仕事をすること、予算編成とか実行計画の見直し、各種基本計画の立案にこのデータを生かしていくこと、マネジメントの強化を図ってつなげていくこと、そしてまた、よりわかりやすい公表に努めること、そのように認識してございます。
では、ちょっと内容に関して質問したいと思います。
まず、貸借対照表(バランスシート)、これは特別会計を含んだ単体のバランスシートです。資産、負債、純資産それぞれについて、22年度から比べて23年度はどのような変化があったのか。また、23年度末という数字を見たときに、今どのような区政のストック的な状況にあるのかというのは、どのように総括できますでしょうか。
単体についてのご質問でございます。単体では、22年度と比較いたしまして、金融資産では22年度末より36億円減っている状況でございます。一方で、負債合計も1年間で21億円減ってございます。こうしたことから、純資産、いわゆる負債の伴わない財産でございますが、これは対前年度で27億円増やしてございます。
金融資産と負債がともに減少するという傾向は22年度と同じでございますが、区民の正味財産というところの純資産は増加しており、財政のバランスという面ではまずまずだったと評価してございます。
今、金融資産に関して具体的にご説明、あと純資産に関してご説明があったんですけれども、全体の資産、負債、固定資産も含めて、全体の規模としてはどうでしょうか、去年に比べて。
金融資産につきましては、36億円の減で……
金融資産以外。
固定資産につきましては、前年度に比べまして43億円の増でございます。それでよろしいでしょうか。
そうですね、1つ1つ数字を挙げると時間があれなので。いずれにしても、全体の資産、負債、あと純資産の割合というのは、去年とほとんど差がない。
ただ、1つ特徴的なのは、今課長がおっしゃられたとおり、基金積立金が大きく減少していることも反映して、金融資産と、あと負債が大きく減っている。この傾向に関しては、平成19年度からずっと5年間この傾向が続いている。この5年間で、ちなみに、225億円の金融資産が減少し、一方で負債は280億円減っているということであります。
これは完全に基金の積み立てを取り崩して区債の償還に充ててきたというのが、この数字から見ても明白であるということであります。ただ、基金の積み立てに関してはまた後で質問させていただきますけれども、まずここでは、短期的な支払い能力に対して何か基金の取り崩しが影響しているのかどうかというところに関して、流動性の状況に関して質問したいと思いますけれども、流動比率の状況、この5年間でどのような推移があったのか。また、今23年度末での数字はどのような状況と認識しているのか。
流動比率のご質問でございますけれども、この5年間でございますが、19年度が88.95%、20年度が142.56%、21年度が93.77%、22年度が89.26%、23年度が86.73%でございます。これは19年度以降、区民の負債というものをできるだけ増やさないようにしながら、必要な行政ニーズにこたえるべく支出したことの反映の1つと認識してございます。
企業では100を切ると資金難と聞いてございますが、それでは、公会計ではどうなのかというところでは、正直わからないところでございます。
非金融資産の変動と区の資産構成
すみません、今の流動比率、これは分母と分子、逆じゃないかなと思います。100%切ってはいないと思うので。ちょっとその辺、後で精査してください。
それでは、非金融資産はどうでしょうか。本区の資産の内訳の特徴としては、今金融資産の話をしましたけれども、資産全体で1兆5,000億あります。そのうち金融資産は4%程度、604億、残りの1兆4,450億に関しては、土地、建物、固定資産、圧倒的に非金融資産が多いというのが特徴でありますけれども、非金融資産については、23年度はどのような変化があったでしょうか。
非金融資産につきましては、22年度末から43億円増えて、1兆4,453億円となってございます。
その中で、1兆4,450億のうちの4,300億が事業用資産と言われるものでありまして、これは主に土地の評価替えが3年に1回あるわけでありまして、23年度、当該年度は評価替えの時期ではなかったので、それも、余りバランスシートそのものに大きな変化がなかったということの1つの理由でもあると思うんですけれども、一方で、1兆円を超えるのがインフラ資産であります。
そもそもインフラ資産というのはどのような資産か、ご説明をいただきたいと思います。
インフラ資産でございますけれども、その存在自体が行政サービスとなる道路とか橋梁とか公園、横断歩道橋をいいます。言いかえれば、原則として、行政以外が代替することができない資産というような定義でございます。
1兆円規模のインフラ資産のうち、今出たのが、公園等が主なところだと思いますけれども、大体何割ぐらいが道路の資産であり、残りは何割とか、そういう数字は今簡単に示せますか。
公共用財産、用地のお話でよろしいわけですね。──主な構成としましては、道路の底地が8,680億円で全体の85.85%を占めます。公園の底地が1,218億円で12.85%でございます。
ほとんどが道路、公園ですね。それで、今底地のお話がありました。値段の評価に関しては、どのような方法でバランスシートに計上されているのでしょうか。
評価の方法でございますけれども、原則は取得価格でございますけれども、私ども、開始台帳作成に当たっては、開始時の固定資産税の評価額、単価をもって算出する再調達価格を使用したものでございます。以後は、事業用資産用の土地と違いまして、再評価してございません。
その下の部分で、底地以外の部分、いわゆる公共用財産施設と言われている、これが180億円ありますけれども、この部分は一体何の金額をあらわしているのか。また、その価格評価の方法はどのような方法で行っているのか。
底地以外の部分でございますけれども、道路の舗装部分とか公園の増設整備部分、先ほど申し上げました橋梁、横断歩道橋などでございます。
それから、価格評価の方法でございますが、当該インフラ資産の価格評価方法も、原則としては取得価格を開始台帳の価格といたしまして、翌年度から直接資本減耗していくものでございます。
取得価格とおっしゃいましたよね。取得というか、これは道路の舗装部分とかなので、取得というよりは工事費ですかね。ちょっと確認で。
おっしゃるとおりでございます。失礼いたしました。
先ほどの課長の答弁からも、この部分に関して、簿価は事業用資産のさっきの4,300億の部分の建物、物品が減価償却されて減っていくのに対して、インフラ資産の公共用財産施設に関しては、直接資本減耗という方法が採用されております。この直接資本減耗というのはどういうことか。また、なぜ減価償却をとらず、このような会計処理の方法がとられているのか、お示しいただけますでしょうか。
これは物の決め方でございますけれども、インフラ資産につきましては、その価格減少、いわゆる原価に対応する収益の発生が予定されていないので、減価償却相当額を費用として計上しない。よって、行政コスト計算書ではなくて、純資産変動計算書に計上されているところでございます。
直接資本減耗の金額が、23年度は14.8億でした。前年度も大体15億前後で、この5年間で153億円が減耗されている。この金額、要するに23年度は14.8億、この金額はどのような形で計算されているのでしょうか。
科目は違いますけれども、計算方法は事業用資産と同じで、定額法で計算してございます。
そうですね。もう言っちゃいますけれども、道路は48年、橋梁は60年、立体交差75年、公園は40年、そういうような形の期間で割って計算して引かれているということですね。
一方、それだとどんどん減っていくだけになってしまうんですけれども、資産の積み増しに関しては、例えば道路がほとんどですけれども、道路の維持補修や改修あるいは拡張とか改良等さまざま日常的に、道路は48年ですけれども、48年に1回工事するわけじゃなくて、しょっちゅう行われているわけでありますけれども、この費用ですね、毎年行っている維持補修等に関する費用は、資本の増加として積み増しされるもの、いわゆる資本的支出という部分に該当するものと、一方で、当該年度のコスト、費用として計上されるもの、修繕費のようなものでありますけれども、この工事費等に関しての立て分けというのはどのように計上して、どのようなルールで計上しているのでしょうか。
ルールでございますけれども、都市計画道路の道路幅員の拡張とかそういうものとは別として、道路の維持補修、改修というのは、行政コスト計算書の物件費に維持補修費として計上されるのみでございまして、資金収支計算書において、資本的支出として扱われることはございません。建物の使用可能期間を延長したり価値を高めるような、そういう修繕につきましては、資本の増加ととらえまして、資金収支計算書において、当該年度の資本的支出として計上してございます。
固定資産の老朽化と資産更新への対応
ところで、前年度の区政経営報告書では、区の有形固定資産の取得年代別減価償却の累計額と減価償却率が資料として掲載をされておりました。いわゆるこれまで区が保有している、これは事業用資産の部分だけ、道路とか橋梁とか関係ないんですけれども、こういったところ、大体取得してから減価償却がどれぐらい進んでいるかというものをあらわしている資料でした。22年度の末では減価償却率が51%ですので、大体、全体として区が保有している固定資産の半分以上が既に減価償却済みということがわかりました。
ただ、この資料が今年度の報告書には入っておらず、資本の老朽化の状況、すなわち、将来必要な資産更新への情報を一覧できるというふうな資料でもあるんですけれども、今後、ちょっと今年度は載ってないんですけれども、インフラ資産、直接資本減耗、これは減価償却と全く同じ扱いはできないと思うんですけれども、いずれにしても、本区のインフラ、また事業用資産がどういう形で老朽化が進んで、財政的にこれからどういうふうな資産更新が必要なのかということを一覧できるような、また経年変化できるような指標、推移、そういった資料をこれから掲載していただきたいと思いますけれども、会計課のお考えはいかがでしょうか。
今委員にご指摘いただきましたので、検討させていただきます。
よろしくお願いします。
総行政コスト増加要因の分析
次に、行政コスト計算書に移ります。
まず、総行政コスト、いわゆる経常費用と言われるもの、これは21年度がトータルで2,085億、22年度が2,130億、23年度が2,190億と、年々、実は上昇している状況にあります。
このコストは、内訳を見ますと、大きく分けて2種類、経常業務費用と移転支出に分類されますけれども、経常業務費用の中で、また大きくその中でも分類されていまして、人件費はこの数年横ばい、物件費に関しては、去年から比べてマイナス19億。増えているのが委託費等の経費、それと、その他の業務関連費用が大きく、22年度に比べて増加しているということでありますけれども、この増加要因については、区はどのように分析しているのでしょうか。
増加要因でございますけれども、経費につきましては、主に委託料や当該年度中の不納欠損額の増見合いで貸倒引当金繰り入れが増えたことにより増えてございます。
移転支出につきましては、社会保障関係等の移転支出が生活保護費の増等によって増えている、そのように分析してございます。
今、移転支出に関しても先に答弁いただいたので、今聞こうと思っていたんですけれども、おっしゃるとおり、特別会計での国保と介護保険の保険給付と、あと生活保護費が大きく増加しているというのが、移転支出増の、全体で62億円増加しているんですけれども、これらの増について、所管課から、ちょっと時間もありませんので、23年度の決算をベースとした現状分析と今後の対応策について、国保、介護保険、生活保護に関して、簡潔にコメントをいただけますでしょうか。
国民健康保険につきましては、この表の中で、医療の現物給付や現金給付に関するもの、また、後期高齢者の支援金や介護納付金などに関するものが大きく伸びているというふうに考えています。これらは、少子高齢化とか医療技術の高度化による医療費の増加が要因というふうに考えておりますので、今後とも医療費の適正化などによって増加を抑えてまいりたいというふうに考えております。
資金収支計算書におけるプライマリーバランスの意味
続いて、資金収支計算書、いわゆるキャッシュフロー計算書に関して伺います。
経常的収支と資本的収支を足したもので、基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスとここにも掲載されております。よく国の財政でもプライマリーバランスの均衡あるいは黒字化というところがずっと言われているわけでありますけれども、キャッシュフロー計算書におけるプライマリーバランスの数値については、どのような意味を持っているのでしょうか。
プライマリーバランスでございますが、過去5年間を見ますと、区のプライマリーバランスは黒字を維持してございます。プライマリーバランスは、ご案内のように、経常的収支と資本的収支の合計でございますが、支出が収入を上回れば、その不足分を補てんするために借金をしなければなりません。そうすると、結果、将来世代の負担が増えるということになりますので、黒字を維持するということは、区にとって重要なことと認識してございます。
それで、区の、当該年度はプライマリーバランスの黒字17億円でした。ただ、これは黒字でよかったんですけれども、19年度開始当時からずっと黒字は続けているんですけれども、20年度からその黒字の額が年々減っている。ちなみに、20年度は157億の黒字、21年度は66億、22年度は45億、そして当該年度は17億、このように年々下がり続けておりますけれども、区はどのようにこのことを見ているのでしょうか。
49ページ記載のお話かと思いますけれども、プライマリーバランスの状況につきましては、毎年起債せずに、基金の取り崩し等によって区民ニーズにこたえてきた、その結果でございますけれども、プライマリーバランスの数値が減り続けることはいいことではないと考えてございます。プライマリーバランスの数値は、今後注意して見ていく必要があると認識してございます。
財務書類の予算編成・財政計画への活用とマネジメント強化
冒頭、会計課長のほうからもお話がございましたとおり、財務書類に関して、いろいろなところでもっともっと私自身も勉強して、有効的に活用していくべきだというふうに考えております。
具体的には、財務諸表の、例えばキーとなる幾つかの、さっきのプライマリーバランスも、あと流動資産の問題もそうですけれども、数値を幾つか管理して、財政運営上の指標としていく。つまり決算で、結果として今お話ししておりますけれども、予算編成や財政計画の策定段階で、どのような形でこういったことを、財務諸表の情報というのを役立てていくかというのが1点目。
2点目は、これも課長言われましたとおり、マネジメントの活用、いわゆる将来の計画や事業の現状分析やシミュレーションを通して、財政的な視点からの意思決定にどういうふうに役立てていくか。マネジメントの活用、すなわち管理会計的な活用をどうしていくかというところ、これらの今後の展開につきまして、財政当局あるいは企画当局の考えを伺いたいと思います。
財務書類につきましては、作成することが目的ではなくて、言うまでもなく、それを活用することが目的であるわけですから、その活用方法の1つとしては、区民への説明責任、アカウンタビリティーということがあると思いますけれども、さらに一歩進めて、今委員ご指摘のように、予算編成や事業、計画の分析、評価、見直しといった、いわゆる区政のマネジメントへというところに活用できるように今後努めてまいりたいというふうに考えております。
区の資金管理体制の概要
では次に、資金管理について伺います。
先ほど来述べているとおり、本区は600億円を超える金融資産を保有しています。これをいかに有効に活用、運用、管理していくか、これは非常にこれから大切な点であるというふうに思います。
杉並区の資金管理については、今どのような体制で行われているのか、概要をお示しください。
杉並区では平成17年度から杉並区資金管理方針を定めてございます。管理方針では、何よりも安全性の確保というのを最優先にいたしまして、あわせて流動性を確保した上で、効率的な管理を行うこととしてございます。また、この方針に基づきまして、年度ごとに経済、金利動向や区の収支の見通し、そういうものを立てて、年度の資金管理計画を定めて、歳計現金や基金の運用、管理を行っているところでございます。
当該年度、23年度の、方針はずっとなんですけれども、資金管理計画、方針とあわせて、どのような体制で管理をしてきたのか、お示しください。
資金管理方針は毎年つくりかえるものではございませんけれども、管理計画におきましては、23年度は、この年度当初に発生した大震災の影響から、景気の下押し圧力が強いという状況にありまして、日銀は極めて緩和的な金融環境を引き続き維持していくという考えを示しておりました。年度当初は区税収入や保険料の減収が見込まれるわけでございまして、確実な日々の支出を行うため、慎重な見通しのもとに、歳計現金や基金を保管、運用することとしたものでございます。
23年度の金利動向に関しても、冒頭に、23年度、当該年度の見込みが書かれておりました。日銀の緩和的な金融環境を維持していく方針を通して、金利は上昇局面に転じる可能性は低いだろうというのが23年度の当初の考え方でした。ただ、実際、22年度の後半から、5年国債と10年国債の利回りが若干上昇局面にあったと思いますけれども、結果的に23年度1年間の金利の動向は、予想は当たったんでしょうか。
委員のご指摘のように、22年度の後半、わずか上昇した傾向はございましたけれども、23年度1年間通して見ますと、私どもの見通しのとおり、10年国債の利回りは、年度当初1.3%台から年度末には0.9%台になりました。ほぼ年度を通じて下降局面にございました。5年国債につきましても、年度当初は0.5%、これが年度末には0.2%台と下降いたしました。
ちなみに、23年度は、金利動向は上昇局面に転じる可能性は低いという前提で計画が立てられたわけでありますけれども、例えば上昇局面が予想されるというふうな状況になった場合、金利動向の予測が変化することによって、本区の資金管理の計画の基本的な考え方においては、原則どのように金利動向に応じて変更していくのが基本的な考え方なんでしょうか。
区の基本的な考え方でございますけれども、簡単に申し上げますと、基金につきましては、預金よりも利付債券による運用が増えて、それも長期の債券に向かうということになると考えてございます。
この計画の中で、歳計現金等における資金運用計画に関して、支払い準備金と余裕資金、2つに分けて運用するとされておりました。この支払い準備金の額は、23年度で幾らに設定されていたのか、またその設定根拠は何か。
さらには、計画の中では、支払い準備金の圧縮に努めるとありましたけれども、どれだけ圧縮されたのか、結果はいかがだったんでしょうか。
支払い準備金につきましては、一定期間の収支の見通しをできる限り精密に把握した上で、一定の余裕を見て決めておりますものでして、あらかじめ固定的に定めているものではございません。年度によって、また同じ年度でも月々によって変わってまいります。
また、支払い準備金の圧縮に努めるとは何だという後半のご質問ですけれども、これにつきましては、できる限り精密に支払い準備金を確保することによって、より有利に運用できる余裕資金を確保する、そういう趣旨でございます。
一方、積立基金の運用に関しては、流動性の観点から、預金による運用分と債券によるものに分けております。23年度預金によるものはおおむね30%から40%となっていたわけでありますけれども、ただ、資料によりますと、23年度末では44.4%ということで、過去35%程度で推移していたのが10ポイント上がっているわけですね。また、さっき言った30から40という計画よりも上回った結果になった。この理由について説明をいただきたい。
また、24年度の計画でも、これが当初30から40だったのが、40から50%というふうに割合自体も上げられております。これも関連した話だと思いますけれども、あわせてご説明をいただきたいと思います。
ご提出した資料の006では、今お話があったように44.4%でございますけれども、これには、積立基金のみではなくて減税基金についても入ってございます。積立基金のみでは36%、約40%でございました。
それから、24年度の計画で40%から50%に割合が上げられたというご質問でございますけれども、積立基金の中には、財政調整基金のように、その性格上、一定の流動性を確保する必要があるものがございます。24年度につきましては、財政調整基金や施設整備基金の取り崩しが予定されてございまして、このような場合にも流動性を確保するという意味で、預金の比率を高くする、流動性を持たせるという必要がございます。24年度の計画で比率が上がったのは、そういう理由でございます。
では、ちょっと時間も押してきましたので、財政調整基金の運用に関して聞きたいと思います。
ことしの予算特別委員会のときに、財政調整基金の運用ルール、これは積み立てのルールとあわせて、2階建て方式も含めて効率的な方法を検討していくというふうな考えが区より示されたと記憶しております。これは港区で先進事例があって、これを参考にするというふうな脈絡だったと思いますけれども、経営懇談会でも、港区の資金運用計画が参考資料として提示されていたと思いますけれども、2段階方式についてどういう考え方なのか、どういう方法なのか、説明をいただけますでしょうか。
港区の2段階方式、運用方式でございますが、債券による運用につきまして、財政調整基金の基金残高のうちの2分の1を限度にしまして、国債、政府保証債、地方債、地方債に準ずる債券により、運用期間を5年程度として運用していくというもので、2段階ということでございます。
そのときに、今後区も検討していくというお話がありましたけれども、現在の検討状況及び考えは。
財政当局、企画当局、資金を運用する会計課とも勉強会、検討会を内部でやってまいりました。ただ、港区の例は、港区自身が持っている積立基金の残高が約1,300億、標準財政規模に占める割合が165%というような状況の中でつくられた計画ということでございます。そういったことも含めて、今現在区の置かれている状況等かんがみながら、引き続き、どういう方法があるかについては、当面積立基金を積み立てていく中で考えていくということでございます。
財政のところに関して、基金の積み立てに関して質問させていただきますけれども、先日の総務財政委員会で、先ほどもお話ございましたとおり、基金積み立てについての考えが示されました。改めてその内容及び前提となる現状の認識に関して、大事なことなので、丁寧にもう一度、1、2、3とあったと思いますけれども、それも含めてご説明をしていただけますでしょうか。
積立基金の現状は、今申し上げたとおり5年連続で減り続けていて、当区は、2標準財政規模に占める割合は31%、23区の平均が63%の中、その約半分のような状態にある。こうした中で、まず第一歩としまして、積立基金全体の残高を標準財政規模の5割に上げることを目標としております。その中核となるのが、決算剰余金の2分の1以上を積むというルールを組み立てております財政調整基金を中心に規模の拡大を図っていくというものでございます。
ただ、財政調整基金につきましては、平成24年度から3カ年の実行計画の中で、160億円の繰り入れが予定されているところでございます。こうしたことから、当面、財政調整基金については、各年度末における最低限度を維持すべき残高として、170億のラインを設定する。こうした形で積み立てていった中で、標準財政規模の5割を超えた時点において、先ほど申し上げたさまざまなダムについての中長期にわたる保有すべき基金の規模だとか運用方法について方針を定めていくというものでございます。
今課長のほうからもご説明ありましたけれども、標準財政規模に占める基金残高の割合が、当区は31%、23区中20位とのことですけれども、一方で区債残高は、これも標準財政規模との割合で見ると12.45%。これは23区中、少ないほうから、上から3番目です。例えば基金積立額マイナス区債残高、例えばネット基金残高と称したらいいんでしょうか、こういったものを私自身もちょっと出してみたんですけれども、本区は、標準財政規模でネット基金残高が18.59%で23区中14位ということで、マイナスの区も6区ありました。区債残高が減ったということで公債費比率が低く、また予算編成上の弾力性も担保されているというふうな側面もあると思います。
ただ、一方で、やはり基金が少ないということは突発的な財源が心もとないというのも事実でありますので、そういった状況をかんがみると、区が今回あり方の考え方の中で、万難を排して170億円を維持して増額に努めるという切迫性の高い表現を使用したことも、私自身、十分理解できます。
ただ、もう1つ認識をしておかなければいけないのは、財政はあくまでも行政活動をお金という単位であらわしているものにすぎず、それ自体が目的ではないということ。これまでも一貫して言ってきましたけれども、あくまでも区民福祉の増進、公共サービスの充実があっての財政運営であり、またそれを行うための基金であるというふうに考えます。
それらのことを踏まえて、改めて区の基金に関する考え方をお示しいただきたいと思います。
今いろいろご質問をお聞きしまして、昔話のたぐいになりますが――短くしますけれども、これを初めてつくったときは、民間でも当然行っていることを行政でもという、そういう動機というか、そういう気持ちからつくり始めて、今いろいろご質問を聞いていますと、この内容に沿って本格的なやりとりがされているという点で、私自身もいろいろなことを思い出しながらお聞きしておりました。
そういう中で基金の問題につきましては、今ネットでいろいろ計算してみるとというお話もありましたし、そういう点というのはなるほどなと、そういうふうには考えております。
ただ、現実に行政活動を行っていくその目的は、区民福祉の増進ということは全く同感でございまして、そのためにどうするのか。そうすると、キャッシュフロー倒産ではないんですけれども、キャッシュフローが1つの肝になってきているというふうに感じます。そのためには、当然ながら、キャッシュフローがどれぐらいあって、そしてまたプライマリーバランスの点からいって、起債をどういうふうに立てることができるのか、そしてまた、そういう中でも基金をどういうふうに積んで、キャッシュフローというものを確保していくのかということを総合的に考えていかなければならないということでございますので、区民福祉の増進、それが基礎自治体の使命だということを肝に銘じつつ、いろいろな財政運営についても今後考えてまいりたいというふうに思っております。
財政調整基金の長期目標設定の具体化
よろしくお願いします。ありがとうございます。
それで、今回の方針、1、2、3という、170億は絶対に下回らないという当面の目標、次に、標準財政規模の50%という次の目標、それを達成した段階で将来の目標という、いわゆる短期、中期、長期という段階を分けて構成されているというふうに私は読みました。
この点に関しては、私も以前、短期のダム、中期のダム、長期のダムをそれぞれ定義して検討してはどうかと提言したこともありますので、同じ考えかなというふうに思いますけれども、ただ、長期に関しては、50%が達成された段階で考えますというのではなくて、今のうちから、ダムとは何なのか、どういうことが必要なのかということも、何回も言いますけれども、これをもって具体的に実現可能なところとあわせて検討していくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
そういう検討をしていきたいというふうに思っております。しかし、というか、率直に言えば、やはり今一番悩ましいのは、先ほど申し上げたように、区民福祉の増進を図りつつ、そしてバランスよくいろいろな財源を活用しながら、そこで積立基金全体を標準財政規模の5割にするというのはなかなか至難のわざでございまして、正直言って、そこに今頭がいっている。何とかそれは早期に達成する中で、当然ながら、それに行く過程の中で検討してまいりたいと思っておりますし、またそういう努力はして、今後も続けてまいりたいというふうに考えております。
ありがとうございます。私もしっかりまたこれからも、さまざまな形で財政に関して意見を言っていきたいと思います。短期、中期、長期も含めた考え方、無駄の削減、またさらに、しっかりと区民福祉の増進、こういったこともあわせながら考えていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
以上です。
以上で杉並区議会公明党の質疑は終了いたしました。
民主・社民クラブの質疑に入ります。
それでは、山下かずあき委員、質問項目をお知らせください。