水害・コロナ対策の現状と課題
杉並区議会公明党の一員として、水害対策について、新型コロナウイルス感染症対策について質問を行います。
昨日、東京都の令和3年度予算要求概要が公表され、その中に、新たな調節池等の整備として、善福寺川上流調節池、基本設計との記載がありました。本事業の内容について、また今後の東京都及び杉並区の取組予定について、現段階で区が承知している範囲で御説明をお願いいたします。
私は、昨年の第4回定例会でも水害対策について質問をいたしましたが、善福寺川の特に上流部分では、これまで度々の水害被害や河川の氾濫に悩まされてきました。中流部で護岸未整備区間があり、上流部の河床の掘削ができないため、河川整備が完了するまで時間を要しているのが現状であります。
我が会派としては、都議会公明党のまつば多美子都議会議員と連携しながら、都と区に対して、善福寺川上流部への調節池の設置を要望、推進してまいりました。また、区も同様に、都と協議を重ね、設置に向けて尽力をしてこられました。
昨年の台風19号のときにも、調節池が機能し、善福寺川の溢水を防いだことからも、今回の都の発表は大きな一歩であります。今後の進捗を注視していきたいと思います。
では、次の項目、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
まず、区内のコロナ感染者数の推移と医療現場の状況に関して、何点か伺ってまいります。
杉並区内では、本年2月26日に最初の感染者が確認され、11月16日までで累計1,355人の感染者が発生しています。区内新規感染者数の週ごとの推移を振り返ると、3月下旬に、前の週から倍増し、その後2週間で累計数が一気に3倍にまで拡大しました。その渦中に行われた本年度の補正予算(第1号)に関する区長記者会見にて、同席した区内基幹病院の関係者から、集中治療室や救急医療の受入れができず、一般患者の治療が著しく制限されるなど、医療崩壊の危機に迫る緊迫した状況が伝えられました。
その後、4月下旬から徐々に減少し、5月、6月は1桁台に。しかし、7月に入ると上昇傾向になり、8月第2週には最多の98人を記録いたしました。8月下旬から減少したものの、10月からは再び上昇に転じ、その後増加傾向が強くなり、先週は80人となっています。
この間、増減の波が何度も繰り返されておりますが、区内感染者の属性、症状の程度や感染経路等の傾向性にはどのような変化があったのでしょうか。また、現状ではどのような特徴が見受けられているのか。これまでの他の議員の質問と一部重複しますが、改めて確認をさせていただきます。
一方、発生当初から現在までの期間、医療現場の状況はどのように変化してきたのでしょうか。区内の病院におけるコロナ患者への対応状況の変化と、それに伴う一般患者に対する医療提供体制への影響についてお聞かせください。
コロナ患者が重症化に至る割合、重症化率に関して、京都大学・西浦教授のチームが厚生労働省のデータを基に行った調査によると、1月から4月の間は全体で9.8%であったのが、6-8月は1.62%にまで低下し、年代別では、40歳代は3.43%から0.54%に、60歳代は15.25%から3.85%に、80歳代は34.72%から14.5%に下がっているとの報道がありました。
区内の感染者についても、この調査結果と同様に、重症化に至る割合が減少している傾向は見受けられるのでしょうか。仮に減少傾向にあるのであれば、どのような要因が考えられるのか、お答えください。
補正予算(第1号)が編成された当時は、区内の医療現場が逼迫し、病院の経営が急激に悪化する深刻な事態が明らかになりました。それに対して区は、区内4基幹病院に対する包括的補助や、発熱外来センターの設置とともに、派遣される開業医の診療所に対する補助など、いち早く財政支援を行いました。
独立行政法人福祉医療機構が全国の375病院に対して行った定点調査によると、本年5月時点での医業収益ディフュージョン・インデックスが、3か月前の調査から95ポイント低下のマイナス81%ポイントと、全国的にも医療機関の経営状況が急激に悪化しました。その後、減収となった病院の割合は減少し、収益もやや回復している傾向が見られているとのことであります。
区内4基幹病院においては、その後の経営状況についていかがでしょうか、お聞かせください。
PCR検査体制とインフルエンザ対策
次に、PCR検査について伺います。
区は、今年度8度の補正予算を編成し、多岐にわたるコロナ対策を講じてきました。その中で、PCR検査体制の強化も積極的に行い、1日当たりの検体を採取する能力として、発熱外来で40から70件、病院設置型PCR検査スポットで120件、移動式バスで40件、地域医療機関、診療所で200から300件、合計400から500件が可能な体制へと整備を進めています。
整備の進捗状況について、そしてこれら全てが整備されるのはいつ頃になるのか、お聞かせください。
また、1日当たり400から500件というのは、どういう根拠に基づくもので、どのような状況を想定してのものなのでしょうか、お答えください。
一方で、検体分析を行う検査能力としては、区は保健所生活衛生課分室において、全自動核酸抽出増幅検査システムやリアルタイムPCR検査装置など、独自の検査体制の整備を進めています。これまで手配してきた装置の整備が完了した際には、1日当たり90件程度の検査が可能になるとのことです。検体採取能力が400から500件であることと比較すると、数字的に大きな開きがあるようですが、区が行う検査とそのほか東京都や民間の検査機関で行う検査と、どのように使い分けられるのでしょうか。
また、現在では、都内の民間の検査機関だけでも1日2万3,000件以上の検査キャパシティーが確保されているという状況にあって、区が自前で検査体制を整備することの意義について、区の考えをお聞かせください。
PCR検査を行う目的は、コロナウイルスに感染の疑いのある方を特定して、感染結果を判定し、その結果に基づいて適切な処置にまでつなげることであると理解します。相談の受付を行ってから、調整、検体採取、検査機関への輸送、分析、結果のフィードバック、陰性、陽性それぞれに応じた対応、そして適切な医療行為まで、それぞれのプロセス間での連携がスムーズに行われなければ、幾ら個々のキャパシティーを上げたとしても、ボトルネックが発生し、全体としての能力は上がりません。
区がPCR検査の体制を整備する際には、最初の工程である相談の受付から医療に至るまでの時間、いわゆるリードタイムをいかに短縮するかが、プロセス全体を最適化することであり、区民の安心につながるものと考えます。こうした考えに基づく体制整備について、所見を伺います。
検査対象者については、現在では、発熱やせきなどの症状があったり、濃厚接触者等、感染の疑いがあると認められたりする方が行政検査の対象とされています。区では、行政検査の対象外の方への検査は、感染者が発生した高齢者施設、障害者施設及び児童福祉施設の従事者のみに実施していますが、それ以外の対象外となる方へのPCR検査の実施について、またそれに対する補助等の支援についてはどのような考えなのか、この点についても再度確認をさせていただきます。
コロナと季節性インフルエンザについて伺います。
これからの季節は、季節性インフルエンザの流行拡大期に入り、例年では、12月から翌年の1月下旬ぐらいまでがピークとなります。仮に新型コロナウイルスとの同時感染拡大、いわゆるツインデミックが起これば、医療現場は一気に逼迫する事態となってしまいます。
統計によると、今年のインフルエンザ患者は、全国的に異例の少なさで推移しているようですが、本区における季節性インフルエンザの感染は、例年に比べてどのような状況なのでしょうか。
さきの補正予算(第8号)を受けて、65歳以上の高齢者等には、インフルエンザ予防接種の無償化対応が行われ、10月1日より接種が始まっています。これまでの接種状況を確認いたします。
その後は、医療従事者、基礎疾患のある65歳未満の人、妊婦、乳幼児から小学校2年生までの希望者など、優先的な対象者への接種の呼びかけが行われ、その他の方々についても、時間差を設けて接種の受付が行われているところです。接種希望の増大や一時的な集中によりワクチンの供給不足が心配されますが、現状どのような対策が取られているのでしょうか。
一方で、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症を臨床的に見分けることは、現在の医学的知見からは困難なため、発熱患者に対しては、インフルエンザとコロナの両方を疑わなければならず、PCRとインフルエンザの検査を同時に行うケースも増えてくると思われます。その際は、唾液採取ではなく、鼻の奥を拭って採取するとなれば、それに伴い、適切な個人防護具(PPE)や衛生材料が必要となります。医師や医院スタッフのコロナへの感染予防のため、区としても、PPEの確保には重厚な支援を行うべきと考えますが、現状はどのようになっているのか、お聞きいたします。
かかりつけ医制度と相談体制の強化
次に、外来診療と相談体制について伺います。
11月1日、区のホームページの新型コロナウイルス感染症情報の相談窓口のページが更新され、掲載内容が変更されました。それによると、これまで帰国者・接触者相談センターが主要な窓口として発熱外来や検査機関などを案内していたものが、発熱等の症状がある場合には、かかりつけ医に相談するとなりました。そして、かかりつけ医がいない場合や相談する医療機関に迷う場合は、帰国者・接触者相談センターから名称が変わった杉並区受診・相談センターまたは東京都発熱相談センターに相談するとされています。
この変更は、9月4日付の厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部からの事務連絡に基づくものと理解しますが、改めて、この事務連絡の内容及び意図するところを確認いたします。
かかりつけ医が電話相談などの一次対応を行うのであれば、重要な役割を担うことになります。区は、保健福祉計画において、地域医療体制の充実として、かかりつけ医の定着を推進してきていますが、改めて、かかりつけ医の定義、そして地域医療においてかかりつけ医が担う役割を確認いたします。また、区内においてはどの程度定着してきているのか、現状を表す定量的なデータがあればお示しください。
事務連絡によれば、新たに東京都に申請を行い、指定を受けた医療機関は、診療・検査医療機関として、発熱患者の外来診療や検査を行うことになっています。指定に当たっては、医療従事者の十分な感染対策に加え、必要な検査体制が確保されていることや、他の患者と接触しないよう可能な限り動線が分けられているなど、適切な措置が取られていることが必要な施設要件とされています。
現段階で、区内で診療・検査医療機関の指定を受けている病院、診療所はどの程度あるのでしょうか。また、指定医療機関として公表されると、発熱患者が集中することが懸念され、やむを得ず、申請に二の足を踏むところもあるのではないかと推察します。こうした点にはどのような対策が取られているのか、確認いたします。
一方で、指定を受けていないかかりつけ医が指定医療機関を紹介する際は、紹介先の受入れ状況を適時把握し、医院間で綿密に連携することが求められます。そのような情報共有と連携の体制については現状はいかがか、お示しください。
また、発熱や体調不良を訴えた人が、直接かかりつけの医療機関を訪れることも想定されます。雑居ビルなどに入居している診療所などは、物理的に動線確保や他の一般患者との隔離が困難であり、また、近隣の店舗や住宅等への対応を求められる場合もあるかもしれません。そうしたことから、かかりつけ医の中には、新たな体制に不安を感じているところも少なからずあるのではないかと思います。既に動き出している中で、医師会をはじめ現場からはどのような声が届いているのか、お聞かせください。
受診・相談センターは、帰国者・接触者相談センターから名称が変わり、かかりつけ医がいない場合や、相談する医療機関に迷う住民の相談窓口となりました。一次対応の窓口から後方支援へと役割が変わったようにも見受けられます。さきの補正予算(第7号)では、当時の帰国者・接触者電話相談センターでの事務量増加へ対応するため、保健師、看護師の人材派遣の経費が計上されております。センター業務の機能移行に伴う事務量の変化はどのように見込んでいるのか、お聞かせください。
いずれにしましても、今回の体制変更は、厚生労働省からの指示に基づいたものではありますが、医療現場が混乱し、結果的に患者がたらい回しにされるなどという事態だけは招かないよう、医師会等とよく協議を重ねながら、区民の安全と安心の確保を第一とした体制整備を強く求めます。改めて区の所見を伺います。
医療機関のデジタル化とHER-SYS導入
最後に、医療機関のデジタル化について伺います。
コロナ感染状況に関する情報収集体制については、厚生労働省が、情報の一元管理のため、本年5月末に新システムHER-SYSを導入しています。これは、全国の医療機関や保健所のそれぞれの端末から直接感染者の症状や行動歴などが入力され、一元的に管理された情報がインターネットを通じて関係者間で共有されるというシステムです。感染者等へのサポートの充実や保健所、医療機関等の負担軽減を目的として導入されたものの、入力項目の煩雑さや個人情報保護条例などとの関係から、まだ一部にしか普及は進んでいないとの報道もあります。
本区の保健所及び区内医療機関におけるHER-SYSの使用はどのような状況でしょうか。また、区が直面している課題等があればお聞かせください。
このシステムが当初のもくろみどおりに稼働し、各医療現場からスムーズに情報が収集できれば、保健所の負担も軽くなると思われます。さらに重症患者の情報を正確に早くつかむなど、それぞれの医療機関の病床を効率的に活用することも可能になり、医療機関同士の役割分担や連携も充実できると考えます。区は、医療機関と協力して、積極的に情報化を推進するべきと考えますが、所見を伺います。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、院内感染、クラスターや救急医療の制限など、私たちは、医療の危機という、これまで経験したことのない事態に直面しました。今も全国的に極めて高い水準で感染者が増え、第3波との見方もあり、予断を許さない状況です。
そのような中で、医療従事者の方々は、自身の感染や経営難のリスクと直面しながらも、最前線でコロナと対峙し続けています。今までは存在自体を当たり前のように感じていた近くの病院、診療所が、私たちの生命と健康にとっていかに大切な地域資源であるかということを、私自身、改めて認識しています。区は、区内の医療機関と一層強固な協力関係を築き、引き続き地域医療体制の充実に努めることを要望いたしまして、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。
答弁
理事者の答弁を求めます。
土木担当部長。
〔土木担当部長(友金幸浩)登壇〕