平成28年9月30日 決算特別委員会

平成27年度杉並区財政指標の評価

中村 康弘

財政について、公共施設等総合管理計画について、あと財務書類に基づいて、何点か質問をさせていただきたいと思います。資料に関しましては、いただいている資料ナンバー001、区政経営報告書、27年度の杉並区の財務書類、区立施設再編整備計画第一次実施プラン改定案を使う予定でございます。
 まず、午前中もさまざまございましたけれども、27年度の従来の財政指標、いわゆるフロー指標ですけれども、経常収支比率、公債費負担比率、実質収支比率、これらを見る限りでは、いずれも27年度は良好な数字でありまして、また過去5年の推移で見ても、非常に安定している。むしろ当該年度はわずかながらもよい方向へと推移をしているので、27年度のこれらの財政指標に関しては特段問題ないと考えますが、改めて区の見解を求めます。

財政課長

区におきましては、昨年、基本構想の実現に向けまして、区民福祉の向上を図るという観点のもと、保育施設の関連の整備ですとか高齢者関連施設の整備等で、福祉関連経費の伸びは大きなものがございました。ただ、一方で、先ほどもちょっと御答弁させていただいたんですけれども、地方消費税率の引き上げの影響が平準化したことによりまして、前年度比54億円増ということや、区税収入につきましても増加することができましたので、歳入歳出に関しましては、かなり金額は高額、最高額となっておりますけれども、健全な財政状況を維持することができたというふうに考えてございます。

中村 康弘

一方、ストックといいますか、基金と区債のバランスに関して伺います。
 資料ナンバー001で、標準財政規模と対比した当区の基金積立額と区債残高の割合を、これは23区を並べて結果を示していただいたものが001の資料でありますけれども、27年度の結果は、本区においてはどういう状況であったか。また、同じ内容の資料、23年度のものも以前出していただいたことがありますけれども、23年当時と比べて27年度は、基金と区債のバランス、どういう状況に変わっているのか。

財政課長

23年度との比較でございますけれども、区債に関しましては、23年につきましては12.45%と非常に低く、23区でも21番目に少ない、いい状況でございました。一方で、基金残高につきましては31.05%ということで、23区で逆に20番目に少ないという状況でございました。
 こういったちょっとバランスに欠けた状況でございましたが、それが昨年度のものにつきましては、区債に関しましては、17.73%と若干比率は上がりましたけれども、順位もまだ少ないほうの17番目ということでございます。一方、基金残高につきましては、36.69%と比率は上がっておりまして、順位的にいいますと23区では21番目と、その順位は変わっておりませんが、双方のバランスはだんだんいい方向に来ているというふうに考えてございます。

中村 康弘

23区それぞれ、5年前と比較して、積立金をふやして区債を減らすという動きが、これは全体的な動きでもありますので、今課長が述べられたとおり、相対的な順位はほぼ変わっていない状況でありますけれども、ただ、杉並区として比べたときには、区債発行残高の比率も変わって、また積立額が少ないといったところも、ある意味偏っていた状況にありましたけれども、これらを是正していくという方針が当時立てられまして、この間取り組みを進めまして、27年度は、結果として区が目指してきた方向に進んでいるというふうに言えると思います。
 この点を踏まえて、27年度の区債と基金の残高の管理についてどのように取り組んできたのか、総括を確認したいと思います。

財政課長

より強固で安定した財政基盤を築くための財政のダムの構築に向けまして、27年度につきましては、財政調整基金を取り崩すことなく約37億円の積み立てを行うほか、区債の繰り上げ償還を実施し区債残高を減らすとともに、発行額の精査に努めまして約13億円と低く抑えるなど、基金と区債のバランスのとれた財政運営を行ったというふうに考えてございます。

中村 康弘

今議会の一般質問で、私も、今後の財政運営において、包括的でかつ事前統制的な意味合いを持つ公会計情報も活用して、新たな財政指標、運用ルールを検討してはどうかというふうに提案させていただきました。その際、区は、今後検討していくというふうな前向きな御答弁をいただいたわけでございます。
 また、こういった趣旨の問題提起、質問に関しましては、これまでもたびたび行わせていただいたこともありまして、そういった区とのやりとりから、区は、次の総合計画の改定にこういった新たな財政指標、運用ルールを考えていくのではないかというふうに私は受けとめておりますけれども、そういうことであれば、これから数年間かけて検討していくという形になると思います。改めて、財政指標あるいは運用ルールに関しましては、今後具体的な検討をしていく時期、方法、また検討していくときの課題等々、現段階で区はどういう認識を持っているのか、その辺に関してはいかがでしょう。

財政課長

御指摘いただきましたとおり、今度の指標の改定等につきましては、総合計画の改定に合わせて、重点的にはその時期に行うことになろうかと考えてございますが、具体的に第三者機関を新たに設けてやるのか、既存のものを活用するのか、あるいは区内の内部組織でやるのか、そこまでちょっと現時点で具体的に定めているところではございませんけれども、そういったことで、今後、その期間まで確実に検討を進めてまいりたいと思っております。
 検討していくべき課題といたしましては、地方公会計制度を全ての自治体で導入され、フルコストの把握に加えまして、それを他の自治体との比較にも活用できるようになりますので、将来の財政負担、財政状況を示した上で、区の実情はどうなっていて、持続可能な区政運営を進めていくためには、区民にとってもどうしていくべきかわかるような指標を掲げていきたいというふうに考えてございます。

中村 康弘

今るるお話ございましたけれども、今後検討していく上において、他の自治体の先進事例の研究とか、あるいはさまざまな専門家の意見を聞くといったことも確かに有意義ではあると思います。ただ、やはり一番大事なのは、当事者である区の担当職員がしっくりとくる、何かよくわからないけれどもこの数字がいいらしいよという感じじゃなくて、本当に区の職員が実感が湧くような、そういった指標が一番大事じゃないかなというふうに思っております。
 今課長のほうからも御説明ありましたけれども、公会計については、会計管理室長とか会計課の職員の方々は十分お詳しいと思いますけれども、その他の部署の職員、幹部職員も含めて、公会計を自分のものとしていくということがまずは大切ではないかというふうに思っております。
 ちなみに、会計課以外の職員に対しての公会計についての研修等の体制は、現在どのように行っているのでしょうか。

会計課長

公会計についての研修でございますけれども、所管課の会計事務担当者を中心といたしました職員に対しまして、職員の意識改革ができるような形で、夏季の予算決算の研修、年末の財務会計の研修などによりまして、財務書類の見方、財務書類から読み取れる区の財政状況などについての講義をしているところでございます。

中村 康弘

2年前に、杉並区議会として、公認会計士協会杉並会の方々の協力をいただきまして、公会計に関する勉強会を開催させていただいたことがございます。区の一般職員向けとして、杉並会の御協力をいただいて勉強会を開催してみるというのは、その辺に関してはいかがでしょうか。

会計課長

今後、財務書類を活用した財政運営ですとか、それから日々仕訳も見据えていかなければなりません。複式簿記や発生主義というのは非常に難しいところがございます。そういった意味で、職員の能力開発、育成のことも考えますと、人類最大の発明の1つと言われます複式簿記についての知識を得るために、専門家の方の協力を得た研修なども考えていかなければならないと思っております。

中村 康弘

ちなみに、山口県の下関市では、平成23年度から、市長や市職員が講師を務める簿記研修を実施していると。対象職員の3分の1に当たる約600人がこれまで受講し、そのうちの22%が簿記検定資格を既に取っている。そういうふうな職場全体で簿記を勉強していこうと、そういう自主学習をしているような自治体もございますので、ぜひ杉並区としても、今後積極的にこういったところにも頑張っていただきたいなというふうに思います。
 話は変わりますけれども、先ほど述べたとおり、財政の健全性を示すさまざまなフロー指標に関しましては、一定、27年度に関しましては健全性が保たれているということが見受けられると思います。ただ、これも一般質問でお聞きしたんですけれども、これからが非常に心配されるところでありまして、特にここ最近で急激に財政の逼迫度が増しているように感じられます。これからの動向、具体的には28年度以降が気になるところでありますけれども、一般質問でこうした区の認識を問うた際、幾つかの区の認識が要因として示されました。
 その1つが、特別会計に対する繰出金でございます。介護保険や後期高齢者医療事業に要する経費が大きく伸びているということで、27年度は特に一般会計から国民健康保険事業会計への繰出金が非常に大きく増加している。3特別会計への繰出金の額が、23年度では149億円であったのに対して27年度では190億円、約40億円伸びているわけでありますけれども、この増加の背景について説明をいただきたいと思います。

財政課長

それでは、3会計にわたることでございますので、私のほうからお答えさせていただきますが、特に国民健康保険事業に関しましては、保険基盤安定繰入金の改定がございまして、保険料軽減分等の拡充がなされまして、これに伴いまして国からの負担金もふえましたけれども、一般会計の繰入金もふえているものでございます。
 また、介護保険事業会計につきましては、被保険者の増加に伴いまして、法定されている繰り入れなければいけない金額というのがございまして、被保険者がふえればふえるほど繰入金がふえていく、そういう関係と、また後期高齢者医療事業会計につきましても、対象者の増加に伴いまして、広域連合のほうに支払います費用を一部繰入金で入れるような形になっていますので、その増加とともにふえているという状況でございます。

中村 康弘

3会計、全体的に増加傾向にある中でも、特に国民健康保険事業会計への繰出金が、23年度は54億円であったのが27年度は80億円というふうな形に増加しておりまして、特に顕著な状況であります。
 今課長からの御答弁にもございましたとおり、国民健康保険事業会計への保険基盤安定繰出金というのがあります。これは16億円から22億円にと大きな増加でありますけれども、この繰出金の拠出の内容はどういったものなのか。また、この繰出金は今後も継続する内容のものなのか、その辺に関して御説明いただけますか。

国保年金課長

今お尋ねの拠出金ですけれども、保険料の軽減の対象となった被保険者の数や軽減額に応じて、その軽減分を公費で補填するというもので、国費、都費、区費がそれぞれ法定された割合で繰り出されているというものでございます。
 27年度、国費の補助が大分拡充されたという関係で、大幅な増額というふうになってございます。平成30年度の国保制度の改革後も継続されるということになってございます。

中村 康弘

今課長のほうからも、30年度の国保制度の改革ということでお話ございましたけれども、これは、平成30年度から国民健康保険の保険者が、従来の市区町村から都道府県に移管するというふうなことで決定しているということだと思いますけれども、当区に関しても、保険者が区から都へ移管するということで、具体的にどのような運営形態になっていくのか。また、これは当然ながら区と都で協議をしていると思いますけれども、現在の状況はどのような状況なのでしょうか。

国保年金課長

この制度改革のポイントとしましては、国民皆保険制度を維持するためということで、都道府県が財政運営の責任主体となるということで、国保制度を安定的に運営するというものでございます。具体的には、都全体の国保の医療費等の見込みを東京都が立てまして、区市町村ごとの納付金の額を決定したり、その納付金を賄うための区市町村ごとの標準保険料率を算定、公表するなどが、今、財政的な仕組みとして想定されてございます。
 検討状況ですが、昨年度から東京都国民健康保険連携会議というのを都のほうで設置しました。27年に3回会議が開催され、28年度は6回の開催予定の中で、既に3回開催されておりまして、先ほどお話ししましたように、各市町村ごとの納付金や標準保険料率の算定方法、それから都と区市町村の役割分担の詳細について、現在検討を行っているところでございます。来年1月には、区市町村ごとの納付金や標準保険料率の試算を公表する予定となってございます。

中村 康弘

そういった動きもある中で、3特別会計は、これまでもずっと右肩上がりで伸びてきまして、27年度は190億円ということで、一般会計の1割を超える額が繰出金として出されているわけでありますけれども、各会計の独立採算性という考え方、また一般会計からの繰り出しで補填していくという考え方、この辺の関係はどういうふうに連動しながらそれぞれ決定しているのか、その辺の仕組みに関してちょっとお示しいただけますでしょうか。

財政課長

3会計とも独立採算性をとるというのは当たり前なんですけれども、先ほど申し上げましたとおり、一定程度繰入金を入れざるを得ないということから、今後も、例えば高齢者の人口増とともに繰入金の額は伸びていくと考えております。一方で、国保関係につきましては、景気の変動によって、よくなれば社保に変わって、その分低所得者がふえたりということもありますけれども、いずれにしましても、こちらの関係は国のほう、将来的に、法定内は別にして、法定外の繰入金をゼロにしろというような方向で行っていますので、今後どうしていくかというのは課題と思っています。
 その関係性でございますけれども、現時点でそういった関係で、特段決まりということではございませんで、年度末当初に繰り入れ、繰り出しの見込みを見て、ちょっと足りなくなりそうなところを予測して、補正予算で入れている、そういうような状況でございます。

中村 康弘

先ほど来、急激に財政が逼迫しているという状況の要因、また別の要因として、前回の一般質問の答弁では、保育運営費の伸びということが示されました。答弁では、5年でこの運営費の伸びが2倍になっていると。また、毎年、前年比20%ほど伸びておりまして、平成29年度では一般会計歳出予算の1割を超えるとの事例が示されました。改めてこの状況を、27年度決算の数字も含めて、これまでの推移と今後の見込みについて、今2倍とか20%とか1割とかありましたけれども、具体的な金額をちょっとお示しいただきたいと思います。

財政課長

数値でということでございますので、まずは5年前の22年度運営費に関しましては、61億2,616万ほどでございました。これが27年度決算におきましては117億6,068万円ほどで、倍率といたしまして1.92倍。23年度におきましては65憶8,861万円ほどのものが、5年後の28年度、今年度でございますが、このままでは145億円を超えることが予想されておりまして、2.02倍ほどの伸びとなってございます。そういった現在の定員をふやしていく状況を計算いたしますと、29年度は181億を超える見込みということで積算しているものでございます。

中村 康弘

ちなみに、今年度の保育の緊急対策で、区有地を保育園運営に貸し出すスキームが多く採用されております。緊急対策の第一弾、第二弾を合わせて、どの程度の用地面積を今回区有地を民間に貸し出すことが予定されているのか、ちょっと教えていただけますでしょうか。

保育課長

来年度につきましては、民間の保育所分でいいますと、約9,700平米ほどを貸し出すという予定になってございます。

中村 康弘

定期利用は、ちなみにどの程度でしょうか。

保育課長

定期利用については、約1,200平米余となってございます。

中村 康弘

このように、区が土地だけ貸し出して保育所運営は民間が行う、そういうスキームは、これまで区の中で実績があるのかどうか、その辺に関してはいかがでしょうか。

保育課長

2園ございまして、荻窪のりとるぱんぷきんず及び上高井戸の大宙みたけ保育園、この2園につきましては、土地を運営事業者に貸し出すというようなことをしております。

中村 康弘

今のは土地を貸し出すということで、例えば土地と建物は区の所有で、運営だけ民間に任せて貸し出しをする、そういう形態のパターンというのはあるのでしょうか。

保育課長

1園ございまして、清水にございます上水保育園の清水分園がございます。

中村 康弘

いずれもあるということで。今後の認可保育園の運営のパターンとして、5つの類型が考えられると思います。1つは、土地、建物、運営と全てを区が行っている区立保育園、2番目が、土地、建物、運営、全て民間で行う私立保育園、3番目が、土地は区有地、建物と運営は民間の私立保育園、4番目は、土地、建物が区で、運営だけが民間の私立、5番目は、土地は国あるいは都有地、建物と運営は民間の私立保育園というふうな形で、大きくこの5つに分類されると思うんですけれども、現在、27年度までは、定員数、施設数からいって、1番と2番が圧倒的に多いと思います。しかし、今回の28年度の緊急対策で、既に、今お話がありましたとおり、9,700平米近い区有地を認可保育所として転用することになり、また、今回出ている実行計画改定案でも、このスキームをどんどん積極的に展開していくという考え方が示されております。ということで、29年度以降は3のパターンが今後ふえてくるというふうに思われます。
 要は、何が言いたいかといいますと、1から5までの類型で、運営構造が全く異なるわけですよね。ということなので、そのコストとしても、いわゆる区民負担から出る税金からの支出という部分におきましても、1番から5番において、施設整備関係、いわゆる減価償却が入ってくるのか、場合によっては入ってこないのもあります。また、人件費が発生するものもあれば発生しないものもある。また、補助金の割合もさまざまになります。また、場合によっては、これはかなり将来の話になりますけれども、収入も、土地の借地料が発生する、あるいはしないとか、こういった収支モデルが、同じ区の認可保育園でも全然異なってくるということがこれから顕著になってくると思うんですよね。しかし、行っている事業は、同じ保育という形であります。これらの類型別の収支構造の中身をしっかりと、我々も含めて理解、把握していくということが大事じゃないかなというふうに思います。
 待機児童ゼロというのは、そしてそれを目指した上での保育所整備というのは、児童福祉法の考え方から、お金がかかるからやるとかやらないというふうな、かかるお金の問題ではなくて、当然やっていかなければならない事業であるのは明確です。ただ、一方で、今までるるお話ございましたとおり、保育所の運営というものがこれから区の一般会計の1割を超えるというふうな巨大な事業になるということも、ある意味、また反面事実でもあります。
 ということから、こういった運営実態の中身を、そしてまたその効率性というものを評価し検証していくという体制を充実させていくということは非常に大事じゃないかなと思うんです。ブラックボックスじゃなくて透明化をして、それでみんなで理解した上で、あるいは場合によっては区民の方々にも理解をしていただいて、ただやっていきますというふうなことを共有していく、こういう考え方が大事だと思いますけれども、区はいかがお考えでしょうか。

保育課長

今公表しているのは行政コスト計算書で、区立園といわゆる指定管理者の園は公表していくことになりますが、今委員御指摘のとおり、民間については、今までそういうスタイルでは示してこなかった部分もございます。おっしゃるとおり、今後は区有地を活用した設置例が非常に多くなるということで、当然、支出する補助金だとか賃料による収入、こういったものを区民の皆様に情報公開といいますか、公表していくという観点が非常に大事かなと思います。
 とはいうものの、コストの計算は、やはり民間の事業者の施設ですので、それを区が直接行うというのは非常に難しいので、どういう形で支出している金額または賃料による収入等をやっていくのか、方法だとか中身は、今後十分検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。

中村 康弘

ぜひ検討していただきたいと思います。ある程度どういう形でやっていくかという、ひな形的なものも考えた上で、合理的であれば、どのような形でも区が考える上においてはいいと思いますけれども。
 今お話ございましたとおり、杉並区は22年度より毎年、事業別行政コスト計算書で、保育所の運営ということで公開しております。フルコスト、減価償却も人件費も含めて、園児1人当たりのコストがどのようになるかというのは毎年公表しております。ただ、これは1の類型だけですけどね。例えば、これをさらに5類型にそれぞれで分析していくということも考えられると思いますので、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 事業別行政コスト計算書に関してなんですけれども、これは今回、公会計がシステム更新されることによりまして、セグメント別の行政コストや貸借対照表の作成が可能になるということで、今、事業別行政コスト計算書を、ちょっと手作業感が満載の形でつくっているというのが、見ていてありありと感じるんですけれども、システムを更新することによって、その辺の作成手順というのは、分析はちょっと手作業でやっていかなきゃいけないんですけれども、数値を引っ張ってくるといったことは、結構比較的スムーズにこれからできるんじゃないかなと思うんです。そうすると、これは別に保育だけじゃなくて、あらゆるさまざまな、もっと広い範囲でこういったコストを、また現在のバランスシートの状況も出して、例えば区政経営報告書の主要施策の成果のところにちょっと添付するとか、そういったことによりまして、より決算の審議が深まるのではないかと思いますけれども、この辺に関しては可能なのかどうか、その辺いかがでしょうか。

会計課長

事業別、施設別の行政コスト計算書につきましては、区政運営に幅広く活用していくということを考えまして、企画部門並びに財政部門を中心といたしまして、現在連携しながら考えてございます。
 ただ、区政経営報告書への掲載ということでございますが、事業別、施設別行政コスト計算書の分量といいますか、そういうものも関係してくるんですけれども、出納閉鎖後におきましてそれを出すという形になります。計算書自体はそれほどの時間、日数をかけなくても出てくる可能性はあるんですけれども、ただ、それを分析して、経営報告書の中にしっかりと残していくということにつきましては、現在ですとちょっと日程的に苦しいかなというふうに考えている次第でございます。

中村 康弘

最初、分析の方法とかも、どの程度までするかにもよると思うんですけれども、1つ組んでしまえば、行政コスト計算書が上がってくると、そのまま自動的に流し込むということも可能なのかなと思うので、ちょっとこれは今後の課題として、会計課としても勉強していただきたいというふうに思います。
 話変わりまして、先ほど来の財政状況に与える要因として3つ目として示されているのが、区立施設の更新の問題でございます。これは区立施設再編整備計画作成時から、30年間で2,800億円、年間平均93億円、改築改修経費がかかるとされていると言われ続けている話でありますけれども、ちなみに、27年度の実績は幾らであったのか、お示しください。

財政課長

改築改修に関しましては、年度の波がございまして、昨年度に限りましては、今回区債発行を少なくしたことにもあらわれているとおり、施設の改築が妙正寺体育館のみという状況もございましたので、ここ5年で最少の50億1,907万6,000円というような状況でございます。

中村 康弘

再編整備計画では、この施設がどうなるんだとか、そういうふうな中身の問題に注目が集まっている、そういう節がありますけれども、こうした施設更新抑制に対して、全体的に取り組みの経過、また実績も含めて、今どういう状況か、お示しいただきたいと思います。

施設再編・整備担当課長

更新に当たりましては、施設の複合化、多機能化のほか、改築時の規模のスリム化等によりまして、施設規模の縮小を図るとともに、適切な維持管理による施設の長寿命化等に取り組んでまいりました。こういった観点から検討し、さまざまな取り組みを実施しているというところでございます。
 再編整備計画上の実績でございますが、具体的な例としましては、老朽化した保育園の改築を行う際に設置します仮園舎を、近隣の複数の保育園であわせて使用するというようなものによりましての削減、また、これは今後の取り組みにもなってまいりますが、老朽化いたしました永福体育館を更新するに当たりまして、統合後の学校跡地にあります体育館を活用する、こういったような取り組みを進めているところでございます。

中村 康弘

財務書類を見ますと、貸借対照表では、区の事業用資産、有形固定資産の建物の簿価が27年度末現在で913億円。これは区立施設の残存価値で、取得額が1,995憶円で、既に54.21%減価償却が進んでいるので、減価償却の累計としては1,081億円、残りが913億円というのが今の状況です。一方で、インフラ資産の公共用財産施設は、建設仮勘定分も含めて約155億円。先ほどのは区立施設、今言っている155億円というのはインフラ資産であります。このインフラ資産については、減価償却という形ではなくして、直接資本減耗という方法がとられておりますけれども、簿価が今155億円ということで、直接資本減耗のこれまでの累計額というのは出ますでしょうか。その辺に関していかがでしょう。

会計課長

減耗の累計額は約681億円という状態でございます。

中村 康弘

27年度、当該年度は約12億円減耗しておりますけれども、ちなみに、残りの、今155億円あるわけでありますけれども、このインフラ資産の内訳、どういったものが155億円の内訳となっているのか。類型別に大きなくくりで結構ですので、多い順番にお示しいただけますでしょうか。

会計課長

道路が約71億円、公園が約42億円、橋梁が約24億円で、その他といたしまして、電線の共同溝ですとか防災無線のほうが約17億円というような状況でございます。

中村 康弘

今お話ありました道路、また橋梁、公園等々、実際の27年度かかった維持管理費はどういう実績であったでしょうか。

会計課長

計算額からで申しわけないんですけれども、道路が約22億円、公園のほうが約27億円、橋梁につきましては約3億円でございます。

中村 康弘

今のインフラ関係だけでも27年度が50億円以上、区立施設も今回維持管理50億円ぐらいでしたので、同じ程度かかっているというふうなこともあります。そういったことも含めて、今後、区立施設プラス、インフラも含めた施設の維持管理、更新に関するハード面全体の費用も、区財政にとって大きな課題であるということは論をまちません。施設やインフラを適切に管理運営していくということは、当然ながら安全性の問題や、また区民の快適な生活を保障するためには絶対欠かせないわけでありまして、ゆえに、しっかりとした、これも財源確保と効率的な執行というものにも努力をしていかなければならない、インフラと区立施設、両方やっていかなければいけないと思いますけれども、区の認識を伺います。

政策経営部長

区立施設、また道路、橋梁ともに、昭和30年代の後半から昭和50年代初頭にかけて、その多くが整備をされておりまして、今後とも次々と更新時期を迎えるという状況にございます。これらの施設等、いずれも委員御指摘のとおり、区民生活を支える重要な都市基盤でございまして、当然のことながら、常に安全で快適な状況を保っていかなければなりません。しかし一方で、そのために、維持管理や更新に多大なコストがかかるというのもまた事実でございます。
 そこで、まずは、予防保全型の維持管理によりまして長寿命化と、それによってライフサイクルコスト全体の縮減を図ってまいりたいと思います。さらに、施設につきましては、先ほど担当課長のほうからも申し述べましたけれども、施設再編整備計画に基づきまして複合化、多機能化や、また民間活力の導入等によりまして、運営の効率化も進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、来年度は施設白書を作成する予定でございますので、公会計情報も有効に活用して分析を行い、その結果を踏まえて、財政負担の平準化や計画的な財源の確保にも努めてまいりたいというふうに考えてございます。

中村 康弘

先日NHKのドキュメンタリーでも、とある自治体の状況ということで、財政難に陥って、L形溝が壊れているのがなかなか直せないとか、公共施設も、公共団地がなかなか維持できないというふうな、大変切迫した状況が報道されておりましたけれども、当然これはお金がかかることでございますので、今部長がおっしゃったとおり、しっかりとした適切な維持管理、また財源確保に努めていただきたいと思います。
 話は少しそれますけれども、今部長のほうからもお話ございましたが、29年度に施設白書を作成して、私の一般質問でも主張させていただきましたが、そこに公会計情報も組み入れていくというふうな考え方が示されております。
 その流れから、今、公有財産台帳がありまして、また一方で公会計の固定資産台帳という、全く別々のものでありますけれども、それぞれの情報というのは、多分今、完全に独立して管理されていると思うんですが、システムで直接的なリンクはしていないというふうに思うんですけれども、この2つの台帳の情報を一体化させることによって、どれか1つ更新、アップデートしたら全部にそれが行き渡るような、そういうシステムといいますか、台帳システムの一元化、一体化というものも有益になってくるんじゃないかと思いますけれども、その辺に関して、区の考え方はいかがでしょうか。

会計課長

公有財産台帳、決算に向けてのものとなってございますけれども、固定資産台帳、それぞれに目的、機能というものが異なってございます。こういったことも含めまして、委員おっしゃるとおり、効率的で一元的なということの重要性は十分理解してございますので、今後システムなどを含めまして、台帳の特性を損なわない、目的を損なわないような形でできるか、研究をさせていただきたいというふうに考えております。

公共施設等総合管理計画の概要

中村 康弘

では、続きまして、今のに関連して、公共施設等総合管理計画について伺います。
 平成26年4月、総務省より全国の自治体に、公共施設等総合管理計画を策定するよう要請がありました。まず、公共施設等総合管理計画とは、国から示されているのはどのようなものか、御教示いただけますか。

施設再編・整備担当課長

公共施設等がこれから大量に更新時期を迎えてくる中で、公共施設等の全体を把握いたしまして、長期的な視点を持って更新、統合、長寿命化など、計画的に行うことによりまして、財政負担を軽減、平準化するということと、最適な配置を行っていくということを目的としまして、公共施設等の総合管理を行っていこうということでつくる計画でございます。

中村 康弘

これは公共施設等というふうにありますから、先ほど来私申し上げております区立施設プラス道路、橋梁等のインフラ資産ということも含んだ形で、総合的に管理をしていくような計画をつくるよう要請があったということですね。
 この要請に対して、区はどういうふうな対応をしていくのか。この考えについては、区立施設再編整備計画第一次実施プランの改定案にまとめて載せられておりますけれども、改めて御説明をいただきたいと思います。

施設再編・整備担当課長

ただいま委員からもお示しいただいたとおりでございますが、公共施設等総合管理計画では、いわゆる区立施設再編整備計画で対象としております区立施設だけではなくて、道路や橋梁等のインフラ施設、こういったものもあわせて対象としているということから、本区におきましては、今回の第一期の計画と今回改定する第一次実施プラン、それと策定済みの道路舗装白書、橋梁白書、こういったものをあわせることによりまして、計画として求められている記載すべき事項が網羅できるということから、これらの計画をあわせまして、区の公共施設等総合管理計画ということで位置づけていこうという考え方でございます。

中村 康弘

計画自体つくることが目的でもないと思いますし、皆さんお忙しい中、さまざまやられているということもありますので、無理くり、国がこういうのをつくりなさいと言ったから、それに合わせる必要もないというふうに私も思います。しかし、区立施設再編整備計画もあれば、橋梁白書、また道路舗装白書等々、白書も計画もいろいろある。それを1つ計画というふうな形でいくのは、形式もそれぞれ異なるわけでありますし、考え方の期間や視点、アプローチもばらばらなものであるわけですね、それぞれの白書とか計画が。区が以前から言われております長期最適、全体最適という考え方から見ると、それぞれやっていくんですけれども、全体を統一した形で最適化を進めていく必要があるというふうに考えますけれども、改めて区の認識をお伺いしたいと思います。

施設再編・整備担当課長

長期最適、全体最適という考え方につきましては、今後も継続していくということでございます。御指摘のとおり、今回計画として位置づけます計画、白書につきましては、ばらばらの部分、正直あるかと思います。ただ、既存の計画等をうまく活用しながら、また全体的な視点から取り組みを進めていくということで、先ほど来委員からお話しいただきました視点からしっかり取り組んでまいりたいと考えてございます。

中村 康弘

ぜひよろしくお願いいたします。
 残りの質問に関しては、時間の関係上、また次のときにさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

大槻城一 委員長

それでは、島田敏光委員、質問項目をお知らせください。