アクティビティBLOG

中村(なかむら)やすひろ

区長への要望書を提出

10月7日、杉並区議会公明党として、岸本聡子杉並区長に対して、令和5年度予算についての会派要望書を提出しました。

336項目(重点要望47項目)にわたる要望書です。

◆ 補聴器購入に対する助成制度の創設

◆ 幼稚園等送迎用バスの安全装置装備(閉じ込め防止)への支援

◆ 文化芸術活動助成の拡充

◆ ICTを活用した災害情報システムの構築の推進

の他、高齢者等の住まいを確保するための支援制度の充実、ヤングケアラーの実態調査と支援等、多岐にわたり要望いたしました。

岸本区長からは、要望内容をしっかりと調査した上で、対応を検討していく旨の話がありました。

席上、区長から、財政の健全性の確保と施策事業の拡充について、どのように進めるべきか質問を受けましたので、意見交換をいたしました。

***

10月5日からは、決算特別委員会が連日行われています。令和3年度の決算を審議する大変重要な委員会です。私は、委員長を仰せつかっています。充実した審議が行われるよう、公正公平な運営に努めてまいります。

同委員会は18日まで開催されます。

もっと読む
中村(なかむら)やすひろ

一般質問を行いました。

9月12日から、杉並区議会第3回定例会が開催されています。岸本聡子新区長を迎えて初めての区議会です。

本日、一般質問をいたしました。テーマは、財政運営についてと、ICT(情報通信技術)調達についてです。

長文になりますが、以下質問全文掲載します。

***

杉並区議会公明党の中村康弘です。会派の一員として、通告に従い、財政運営について、ICT調達について質問を行います。

区政経営改革推進基本方針では、「財政の健全性の確保と時代の変化に即応できる持続可能な財政運営の実現」を謳っています。そして、その具体策として「財政健全化と持続可能な財政運営を確保するための基本的な考え方」(以下、「基本的な考え方」と言います)で、次の5つの指標を定めています。①財政調整基金の年度末残高350億円の維持、②施設整備基金への毎年度40億円以上の積み立て、③公債費負担比率は5%を超えない、④行政コスト対税収等比率は100%を超えない、⑤債務償還可能年数は5年を超えない、以上の5項目です。

これらは、単年度の収支均衡と中長期的な財政の健全性、そして現金主義と発生主義のそれぞれの会計情報から、区財政を捉え、管理すべき数値を指標化したものであります。時間軸と会計方法という、2つの視点による財政分析と管理指標は、私自身、議会で主張してきたことであり、区がそれを採用していることは、率直に評価しています。

【1】 この「基本的な考え方」に対する区長の評価を伺います。これまで、代表質問でもご答弁されてきましたが、今後もこれを継続して採用する意向なのか、改めて確認いたします。

【2】  区長は、区長就任後職員から、区政の現状等を聞いていく中で、「安定した財政基盤を維持することが必要との認識を新たに」したと述べられています。では、それ以前は、どのような認識であったのでしょうか。また、安定した財政基盤が必要と認識するに至った最大の理由は何か、お答え下さい。

本区において、指標を設定し、健全な財政を確保する試みは、2012年度に策定した「財政の健全化と持続可能な財政運営を確保するためのルール」から始まっています。本年度からは、数値の達成にとらわれることなく、柔軟で機動的な財政運営を行うということから、「考え方」へと名称が変わりました。また、指標項目についても、幾度か見直しが行われてきました。

私は、かねてより、財政規律の仕組みの必要性は訴える一方で、過度に硬直的になるのではなく、むしろその時々の財政状況に応じて、直面するニーズや課題に臨機応変に対応することを是としています。その立場から、5項目の内容について、更なる改善も促しつつ、以下伺ってまいります。

まず、項目1と2、および『財政のダム』について伺います。項目1は、財政調整基金を維持する残高、項目2は、施設整備基金に毎年度積み立てる金額を定めています。これらは、それぞれの基金の目的や性格に応じて、適切に活用していくための目標です。

地方自治体の予算は、単年度で収支が均衡することを原則に編成されています。これは毎年の経済成長に比例して、自治体の歳入も右肩上がりで自然に増加している時代には有効であったのかもしれません。しかし、このような時代は、はるか昔のことです。未来を見据えた上で、後世にツケを回さず、状況の変化にも柔軟に対応できる財政運営でなければなりません。

私はこうした認識から、かねてより「財政のダム」の必要性を主張してきました。基金を「ダム」に例え、平時に可能な範囲で水を溜めておき、緊急時に放流することで、安定的に行政サービスを提供する仕組みを訴えてきました。

項目1で、財政調整基金350億円を維持するとしているのは、その考えが反映されています。大規模災害に備え、被災した自治体の事例を踏まえ一人当たりの災害復旧費を杉並区の人口に換算した場合の経費約150億円、そして経済状況の著しい変動に備え、リーマン・ショック時に、区が実際に基金を取り崩した約200億円を足した額となっています。

実際に放流した事例として、現在のコロナ対策があります。区は、コロナ禍を「大規模災害に匹敵する事態」ととらえ、必要な財源を積極的に投入するとの一貫した方針で、コロナ対応に当たってきました。その中でも、特筆すべきは、「入院・外来医療体制強化事業補助金」です。当時、コロナ感染が急激に拡大し、「医療崩壊」の危機という今まで経験したことがない恐怖に、私たちは包まれました。その最中、区は、区内4基幹病院に対して、予算額で合計22億2900万円、支払額として16億3005万円の財政支援を行いました。

この事業は、その後第三者による検証が行われ、今年の3月に検証結果が公表されました。その報告書によると、対象となった一昨年の4月~6月期は、4病院ともコロナ対応によって、大幅な減収となり、病院経営が圧迫される状況にありました。現・預金等の残高が前年3月末比で5割以下に激減し、キャッシュフローの悪化が心配されましたが、区からの補助により、深刻な事態が回避できたことが報告されています。国や東京都からの補助金が入金されたのは秋口であり、スピードを重視した、この区の包括補助が、まさに救いの手となったのです。当事者である医療機関からは、「真っ先に杉並区が包括的に支援を打ち出したことで、医療に専念できた」、「杉並区と共同で社会的な使命が果たせた」との声が寄せられました。

【3】 入院・外来医療体制強化事業補助金についての検証結果を受けて、改めて、区としての同事業の総括を伺います。

この事業を皮切りに、この間、14回にわたり合計103億円の財政調整基金の取り崩しが行われ、その内の大部分がコロナ対策の財源に充てられてきました。

【4】 基金の取り崩しにより対応してきた、これまでの対策の内訳をお示し下さい。併せて、一連の区のコロナ対策に、財政調整基金が果たしてきた財政面からの役割について、どのように評価しているのか、お聞きします。

今後、首都直下型大地震等の大規模災害が区内で発生した場合は、事態はさらに深刻であると予想されます。以前、一般質問にて、阪神淡路大震災の被害が大きかった兵庫県西宮市の事例を紹介したことがあります。同市では、震災直後からの18年間で震災関連経費の合計額が4485億円に上り、その4割弱の1700億円を市債発行により対応しました。結果、20年以上を経た現在でも、市債の償還が重い財政負担となっています。

高岡法科大学の野口のり子教授は、「昨今の災害の被害の複合化、多様化そして大規模化によって、災害の応急対策から復旧・復興への過程が長期化し、対策の連続性への財源確保が今、地方自治体に求められている喫緊の課題」であると述べています。財政のダムは、「いつか」のための特別な措置ではなく、通常の財政運営の中に組み込まれるべきものと考えます。

【5】 緊急対応に備えた財政運営のあり方について、一層の研究を重ね、より精度の高い、効果的な「財政のダム」の構築に努めていただきたいと思いますが、区の所見を伺います。

次に、項目2、施設整備基金への毎年40億円以上の積み立てについて伺います。将来の財政負担を予測し、平準化させる取組みであり、これも一種の「財政のダム」と言えます。40億円以上という数字は、「区立施設再編整備計画(第2期)」に基づき、今後40年間の区立施設の長寿命化も含めた改築・改修等に要する経費に対して、施設整備基金からの繰り出しに必要な年平均額を算出したものです。

今年の予算特別委員会で、私は、このスキーム自体は理解できるものの、40年間という対象期間が長すぎるのではないかと指摘いたしました。将来の物価変動や、国や都による施設整備への補助制度が変化していくことなども考えられるため、例えば総合計画の2030年度までを対象とした方が、より現実的ではないかと、問題提起をいたしました。それに対し、区は、柔軟に見直していくとの考えを示しました。

【6】 項目2、施設整備基金への積立計画40年間、という期間についての、私の指摘に対して、区はどうお考えか、改めてお聞かせ下さい。

続いて、項目4、行政コスト対税収等比率100%以下について伺います。これは、経常的な行政コストが、税収や補助金等の歳入に占める割合を示したものです。100%を下回るということは、単年度の収支に資産形成や財政のダム等に回せる弾力性があることを意味します。本区の実績は90%代で推移しており、財源がコストを上回っています。

【7】 しかし、2020年度は、95.4%で、それまでの平均的な値より数%ポイント上昇しました。区は、この要因について、どのように分析しているのか、確認します。

次に、項目3、公債費負担比率と、項目5、償還可能年数について伺います。これら2つの指標は、区債発行に関するものです。まず公債費負担比率について、5%を超えないと設定しています。一般的には5%でもかなり低い数字ですが、区の過去の実績に基づいて、より抑制的な数値となっています。

しかし、公債費負担比率は、果たして財政規律を維持する事前統制的な指標になり得るものか、予算特別委員会で、私はこの点についても質問しました。なぜなら、公債費負担比率とは古くは20年、25年も前に起債した区債の元利償還金等の一般財源に対する比率であり、正確な数字は決算後に明らかになるからです。

対して、財政課は、この指標は、中長期的なシミュレーションをし、起債の調整を行うことにより、予防的措置への活用が可能との考えを示しました。この財政課の考えが実行できれば、まさに単年度の収支均衡と中長期的な財政の健全性を図るというコンセプトに合致します。しかし、それを実際に行うには複雑な作業と多大な労力を必要とし、前提とするシミュレーションの精度も、課題になると想像します。

【8】 先に、区が答弁した公債費負担比率を用いた予防的措置について、現段階での検討状況と、今後の取組み予定について伺います。

項目5の債務償還可能年数については、私は常々、発行済区債の平均償還年数と、対比して見ています。現状、区債の平均償還年数は、17、8年程度、対する債務償還可能年数は、ほぼ2年未満というのが実態です。つまり17、8年で返済する借金に対し、数年で返せる財源を保有しており、財源から見れば、本区の区債発行余力は、まだ十分にあると私は考えます。

一方、金利状況も区債発行の大きな検討要素です。超低金利の時代が続き、過去5年間で本区が起債したもので最も高い利率は0.4%でした。そのような背景から、私は、昨年度と今年度、区債充当事業を拡大するなど、区債を最大限活用するよう提案し、区はそうした起債方針を採用しています。しかし、いずれ金利が上昇局面に転ずるリスクはあり、金利動向が急激に変化した場合でも、柔軟かつ機敏に対応できなければなりません。

【9】 区は、区債発行に伴い、金利変動リスクに対して、どのような対策をとっているのでしょうか。

実態として、全国の自治体の中でも、他の特別区とともに杉並区の財政状況は相対的に優良です。しかし、現下では、コロナ対策に引き続き万全を期すことが求められ、長期的には、人口減少、少子高齢化、災害、税制度の改正など、いくつもの課題、あるいはリスクを抱えています。そのような中で、杉並区が、これからも永きにわたって、区民福祉の向上を推進していくには、健全な財政が必要不可欠であることを改めて訴えたいと思います。

【10】 引き続き、区民サービスの向上と健全財政の維持の両立に尽力していただきたいと思いますが、所見を伺います。

次の項目、ICT調達について伺います。

このグラフは、2020年度までの過去10年間の、本区の情報システム運営コストの推移です。具体的には、情報システム部門が直接管理する内部情報系と住民情報系のシステム関連と、ネットワークやセキュリティ等の全庁的な情報インフラに関連する経費を示しています。棒グラフは各年度の決算額で、2011年度は15億7700万円、2020年度は11億2700万円でした。

一方、折れ線グラフは、一般会計における割合であり、2011年度は1.0%、2020年度は0.4%となっています。点線の部分は住民情報系のメインフレームシステムの再構築に要した、3年間で合計約20億円にのぼった投資的経費であり、今申し上げた数字には含まれていません。

さかのぼること15年前の2007年度は、24億8000万円で、一般会計に占める割合が1.6%と、金額では倍以上、割合では4倍という状況でした。

情報システムは、専門性が高く、複雑になればなるほど、適正価格の検証や効率化を図ることが難しい分野です。にもかかわらず、情報システム部門が直接管理する範囲については、着実にコストの縮減が図られてきており、評価に値するものと考えます。

【11】 改めて、過去15年にわたり、情報システムの運営に関わる経費が着実に縮減されてきた経緯、所管が行ってきた取組み等について、確認します。

【12】 一方で、情報システム部門が直接管理していない、各所管における情報化も進んでいます。全庁的な状況は把握しているのでしょうか。また、システムの全体最適化を図るためには、情報システム部門が各所管に対して積極的に関与することが必要と考えますが、所見を伺います。

今や、ICTやデジタルの情報・技術が社会や生活の形を変える、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の時代へと移っています。本区においても、今年度より「デジタル化推進基本方針」に基づく、「杉並区デジタル化推進計画(第1次)」の実行期間に入っています。

【13】 ICTの効率的な導入・運営を図りつつ、戦略的にICT分野への投資を進める局面へ入っていると理解しますが、改めて、DX時代における、ICT・デジタル分野への投資に対する区の考えを伺います。

デジタル化推進基本方針では、「デジタル技術を活用した区民サービスの向上」と、「行政内部のデジタル化による効率化の推進」という二つの大きな方針を掲げています。つまり、区民サービスの向上と行政の効率化が、本区におけるデジタル化の目的です。

「杉並区情報システム調達ガイドライン」では、ICT調達においては、「業務全体を俯瞰して全体最適化に向けた検討」や、「業務フローや事務処理方法とあわせた改善の視点、ビジネスプロセス改善(BPI)、ビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)」、さらには「サービスデザイン思考」をめざしていくと謳っています。我が会派としても、訴え続けてきた内容であります。

【14】 これらの概念はどのように具現化するお考えでしょうか。また、具現化の過程においては、現状や進捗の見える化が必要であり、「区民サービスの向上」と「デジタル化による効率化」の状況を把握し評価する数値的な成果指標(KPI)を設けるべきであると考えます。このことにより、より合理的、客観的に、ICT投資における可否の判断や優先順位付けが可能になると考えます。所見を伺います。

現在、区では、4名のデジタル戦略アドバイザーによる意見・助言を受け、経費精査では監査法人の情報システム部門によりコンサルティングを受ける等、それぞれの局面で外部専門家を活用しています。

【15】 デジタル化やICT投資・調達には、信頼性・安全性・有効性の確保に加え、リスク対応など全体を俯瞰した形でも、外部専門家の知見が必要ではないでしょうか。最後に、この点についての区の所見を伺って、私の質問を終わります。

以上

もっと読む
中村(なかむら)やすひろ

「手話言語」について

昨日、武蔵野プレイスにて開催された、戸田康之氏の「ろう教育実践」の講演会に参加しました。

戸田氏は、埼玉県立特別支援学校大宮ろう学校の教諭で、朝霞市聴覚障害者協会会長、NHK手話ニュースキャスターも務められています。

ろう学校で実践している教育内容や、「デフフッド」という概念を取り入れた教育実践の紹介がありました。

1.「日本手話」と「日本語対応手話」

まず前提として、「手話」と一口に言っても、何種類もあり、それぞれ文法や表現方法が異なります。代表的なものは、「日本手話」と「日本語対応手話」です。

日本手話 ・・・ ろう者による伝統的な言語。表情や口形、手の位置や方法、表現の強弱や速度にも意味を持たせます。文法が日本語と大きく異なります。

日本語対応手話・・・ 音声言語である日本語に、手話単語を対応させるもので、日本語の通りに口も動かします。中途失聴者や健聴者に受け入れやすい傾向にあります。

両者の違いとして、例えば、「~しなければならない」を表現する際、下の図のように、日本語対応手話では「やる」「ない」「必要」とするのに対し、日本手話では「やる」「必要」となるのです。

日本手話を第一言語としているろう者は、日本手話と日本語対応手話を相手や場面に応じて使い分けたり、併用したりしているそうです。

2.「ろう通訳」

上記の通り、日本手話は日本語とは構造、文法、表現方法が全く異なります。よく私たちが目にするのは、①【音声発言者】⇒②【聞き取っての手話通訳(=聴こえる人)】ですが、実は、さらに③【②の通訳】の必要性が注目されているそうです。

戸田氏によると、コミュニケーションの文化は、「ローコンテクスト」と「ハイコンテクスト」に分類することができ、「コンテクスト」とは「文脈」の意味で、ローコンテクストは言葉による『直接表現』に重きを置き、ハイコンテクストは言葉以外の『文脈』に重きを置くという、言語によるコミュニケーションスタイルです。日本語をはじめアジアの言語やフランス語、イタリア語などはハイコンテクスト、英語やドイツ語などはローコンテクストに分類されるそうです。日本手話は、日本語と異なりローコンテクストです。

例えば、病院で医師が最後に、「お大事に」と言うと、患者である私たちは「診察が終わった」と察知して、席を立ちます。一方、日本手話では、「お大事に。診察は以上です」までの説明で、診察が終わったことの伝達になるとのこと。

そのため、そうした日本手話の文化に「通訳」し直さなければ、本当の意味でのコミュニケーションにならないとのこと。

3.「デフフッド(Deafhood)」

これは、生まれつきのろう者であり、イギリス・ブリストル大学ろう者学センターの教員を務めていたパティ・ラッド(Paddy Ladd)が作った言葉です。ろうであること=「手話を言語として使う、ろう文化を生きる存在」ととらえ、ろうの世界と聴覚の世界の間で、ろう者自身の生き方をどのように探求していくのかを提唱しています。つまり、ろう者の「自分探し」なのです。戸田氏が勤める大宮ろう学校では、こうしたデフフッドの視点を教育にとり入れています。

***

手話、ろうの世界は深いです。これからも勉強していきたいと思います。

もっと読む
中村(なかむら)やすひろ

『1945.8.6』 視察報告

9月2日と3日の2日間、広島市と呉市へ会派の議員と視察に行ってきました。

8月6日、『広島平和学習 中学生派遣事業』で、杉並区の中学生が広島での平和記念式典に参加するなど「平和」の大切さを学んできました。この平和学習を区に提案し、実現したのは区議会公明党です。

今回、その行程をなぞる形で、広島市立本川小学校平和資料館 、広島平和記念資料館、呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)、海上自衛隊歴史館(てつのくじら館) の4か所を訪問しました。

◆ 本川小学校平和資料館

この小学校は、昭和20年8月6日の原子爆弾投下の際、爆心地にもっとも近い学校として大きな被害を受け、10名の教職員と約400名の子どもたちの尊い生命が一瞬で奪われました。下の写真は焼け野原となった市街地の模型です。中央の原爆ドームから、川の対岸にあるL字型の建物が、小学校です。

下は、被害を受ける前の校舎です。昭和3年に建築され、広島では初めての鉄筋コンクリート3階建てです。当時では最先端の洗練された校舎で、毎日大勢の子どもたちが、元気に通い、勉強に励んでいたのでしょう。

爆風をまともに受けた校舎は、窓枠は吹き飛び、壁は折れ曲がりました。運動場で遊んでいた児童たちは一瞬にして真っ黒に焦げ、強烈な爆風で吹き飛ばされました。教室の児童たちは窓ガラスの破片を体に浴び、炎に包まれ、逃げることができませんでした。生存者は、6年生の女子児童と女性教諭の2名のみでした。

『はだしのゲン』(作:中沢啓治)に登場する学校は、この小学校がモデルとなっています。

案内をしていただいたボランティア(写真中央で本を持っている女性)の方は、今は亡きお母様が被爆をされ(6人家族で1人だけ生き残ったそうです)、本人とお子さんも本川小学校の卒業生だそうです。

◆ 呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)

呉は、戦艦「大和」を建造した軍港で、日本一の海事工廠のまちとして栄えました。館内に入ると、10分の1のスケールで忠実に再現した「大和」の模型が迎えてくれました。

10分1 でも、この迫力です。

「大和」は、構造がきわめて複雑です。今から80年以上も昔に、緻密な計画、厳しい進捗管理、徹底した機密保持の製造現場を構え、これだけの艦船を製造した日本の技術に率直に驚くとともに、感銘を受けました。

しかし、そうした知能と技術の粋を集めた「大和」は、全国から選りすぐりの3000名の優秀な若者とともに、海底に消えてしまったのです。

◆ 海上自衛隊呉資料館(てつのくじら館)

大和ミュージアムの向かいに位置しています。潜水艦と掃海に関する展示があり、海上自衛隊に対する理解の促進と地域との共生に貢献することを目的とした資料館です。海上自衛隊の潜水艦部隊や掃海部隊の活動内容が分かりやすく説明されています。機雷など海中の危険物を取り除き、航路の安全を確保するなど、掃海部隊は重要な任務を担っています。すでに用途廃止となった実物の潜水艦(写真)の中に入り、内部の活動状況や、船員の生活状況等を見ることができました。

◆ 広島平和記念資料館

2019年4月にリニューアルオープンした後は、初めての訪問です。

入ってすぐ、広島の街を鳥の目線のように上空から眺めたパノラマがありました。原子爆弾が投下される前後の状況をプロジェクション・マッピングで再現しています。緑豊かな街の中心が閃光に包まれ、一瞬で爆風が広がり、煙に覆われます。爆風や真っ黒な煙の動きをリアルに感じました。

市街地のほぼ中心の上空600メートルで爆発がおきました。爆心地から半径2キロメートル以内の地域はことごとく焼失。市内の約7万6000戸の建物のうち約92パーセントが被害を受け、1945年12月末までに約14万人が亡くなりました。

爆心地周辺の地表面の温度はセ氏3000~4000度に達するけたたましい熱線、直射を受けた人はほとんどが即死。爆心地から500メートルで1平方メートル当たり約11トンに及ぶ爆風は、人々を吹き飛ばし、木造家屋をなぎ倒しました。そして、放射線による被爆被害。

被爆の実相の展示では、あの日、立ち上がるきのこ雲の下で何があったのか。被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料が多数展示されていました。まさに地獄絵でした。涙が止まりませんでした。

***

改めて、核兵器の脅威と、戦争の残酷さを心に刻みました。この街には、笑顔で暮らし、懸命に働き、明日を楽しみに生きていた庶民が何十万といたのです。罪のない人たちの幸せを、一瞬にして無残に奪い去る権利など、誰にもありません!

今年は6月に核兵器禁止条約の第1回締約国会議、8月にNPT(核不拡散条約)再検討会議が行われました。そして来年、G7サミットが広島で開催されます。核のない世界への歩みが着実に進んでいくことを切に願います。

もっと読む
中村(なかむら)やすひろ

ロシアの「恐怖心」と「トラウマ」

ロシアによるウクライナへの侵攻から、約半年が過ぎました。

最近では、日本のメディアで目にする機会が減っていますが、未だ一般市民が犠牲になっている悲惨な現状は続いています。一刻も早い、ウクライナへの平和の訪れを心より願うものです。

ニュースキャスターで報道記者である豊島晋作氏(テレビ東京所属)の『ウクライナ戦争は世界をどう変えたか 「独裁者の論理」と試される「日本の論理」』 (KADOKAWA)によると、ウクライナへ侵攻したロシアの行動の根底にあるのは、「恐怖心」と「トラウマ」だそうです。豊島氏いわく、ロシアは「怯える国家」「被害者意識に囚われた国家」であると。ロシア政権およびそれを支持するロシア国民には、欧米・NATOに対する、そのようなメンタリティが根付いているのでしょうか。

近代以降のロシアの歴史は、他国との戦いと内政の混乱により多くの国民の命が奪われ、苦しみ続けた100年でした。

◆ 1914年 第一次世界大戦:ドイツ軍に対し、敗北と撤退を繰り返し、元は領土であったベラルーシやウクライナ地方を手放す。

◆ 1917年 ロシア革命:レーニン支持派と対抗勢力による凄惨な内乱により1000万人以上が犠牲に。

◆ 1918年 干渉戦争: 共産党国家に抗するため、イギリス、フランス、アメリカ、日本などが反革命運動支援に参入。

◆ 1941年 第二次世界大戦:「独ソ戦」は人類史上、最悪の激戦。当時のソ連国民の 1/7 にあたる2700万人の死者を出す。⇒  ロシアでは悪魔のようなナチスから自国を守った”聖戦”と位置付けられている。

◆ 戦後 スターリンの恐怖政治により、少なくとも800万人が処刑あるいは強制収容所送りに。

ロシアの人々が苦しんできた歴史は、絵画が物語っています。

上の3枚は、モスクワのトレチャコフ美術館に所蔵されているものです。

① 「トロイカ(徒弟が水を運ぶ)」 ヴァシリー・ペローフ … 貧しい生活を強いられている庶民

② 「1581年11月16日のイワン雷帝とその息子イワン」イリヤ・レービン … 王族にすら悲劇が

③ 「荒野のキリスト」イヴァン・クラムスコイ … キリストがロシアの苦難に絶望

ロシア文学者の亀山郁夫氏は、「20世紀のロシアという地域に、幸せな時代はほとんどなかったように思います」(朝日新聞デジタル2022年1月18日付)と述べています。

悪政により、最も苦しめられるのは、民衆です。

人間同士が殺し合う戦争は、愚かさの極みです。

もっと読む
中村(なかむら)やすひろ

フランスにとっての『セクト』とは?

※ このブログは、あくまでも、私が個人的に調べた内容を記しているもので、見解は全て私見に基づくものです。

先日のブログで、フランスの「反セクト法」について書きました。(2022年8月13日ブログ)

2001年の同法の制定に先立つこと1995年7月、フランス議会はセクト調査委員会を設置し、12月に同調査委員会が報告書  No. 2468、通称「ギュイヤール報告書」* を提出しました。

* “Les sectes en France, Rapport fait au nom de la Commission d’enquête sur les sectes, № 2468”

フランス議会が、セクトについての調査を行った背景として、

1993年 (アメリカ) ブランチ・デビディアン事件(警察との銃撃戦の末、信者が焼死)

1994年 (スイス・カナダ) 「太陽寺院」の集団自殺

1995年 (日本)オウム真理教の地下鉄サリン事件

など、世界中でカルト教団による重大事件が発生し、危機感を強めていたことが想像されます。

「ギュイヤール報告書」には、セクトかどうかを判断する際、以下の10の指標が記載されています。

1. 精神的不安定化

2. 法外な金銭要求

3. 元の生活からの意図的な引き離し

4. 身体の完全性への加害

5. 児童の加入強要

6. 何らかの反社会的な言質

7. 公序への侵害

8. 多大な司法的闘争

9. 通常の経済流通経路からの逸脱

10. 公権力への浸透の企て

ニュースなどでも時々取り上げられています。しかし、ご覧いただければわかる通り、「公序への侵害」や「多大な司法的闘争」などはまだしも、「どうとでも取れる」内容のものが多いように見えます。あまりにも  抽象的 であるように感じます。

先日のブログにも書いた通り、この報告書には172(カウントの仕方では173だそうです)の宗教団体が、セクトとしてリストアップされています。

しかし、どういう基準に基づいて、これほど多くの団体を抽出しリスト化したのかー。実は、その点も、実に あいまい なのです。報告書には、『定義困難な現象(A.- UN PHÉNOMÈNE DIFFICILE À DÉFINIR)』との項目があり、”法律的に定義することが不可能(L’impossible definition juridique)”で、”流通している言語による定義が不正確で多様性(L’imprecision et la diversite des definitions issues du langage courant)”であるため、結局は、「世論がセクトの概念に与えている常識を考慮し (retenir le sens commun que l’opinion publique attribue a la notion) 」基準としているというのです。

つまり、個別具体の定義は困難なので、この報告書の作成者は、世の中の「常識」から判断してリストアップした、ということなのでしょうか??

先日のブログでも説明した通り、その後(2001年)立法化された「反セクト法」では、解散勧告などの何らかの法的措置は、具体的に犯罪行為を行い、法廷により確定した判決を複数回受けた「あらゆる法人」に対して適用されるとのことです。

ちなみに、セクトを監視しているフランスの民間団体が上のリストをアップデートしているようで、公明党の支持母体である創価学会のフランス組織は、2006年5月以降はこの団体のリストから外されているそうです。

[参考]

・ 小泉洋一 『フランスにおけるセクト対策と信教の自由—セクト対策の10年間を振り返って』 甲南法学, (46-4-75) 329-368, 2006年3月

・ 中島宏 『フランスのセクト規制法―敵対か?受容か?』 宗教法, (23) 31-52,2004年11月

・ フランス議会ホームページ  https://www.assemblee-nationale.fr

もっと読む
中村(なかむら)やすひろ

77回目の終戦記念日

77回目の終戦記念日を迎え、公明党アピールを発表しました。

『世界の平和と人類の繁栄へ』

◆ 核禁条約批准に向けた環境整備、着実に進める。

◆ 核廃絶への世界的なうねりを日本から。公明党は力強くバックアップ。

◆ 粘り強い対話の力を通じて、世界の平和と人類の繁栄に貢献する国づくりにまい進。

中村(なかむら)やすひろ

フランスの「反セクト法」

政治家と旧統一教会との関係が連日報道されています。反社会性のある団体ということを知っていながら、何らかの理由で付き合っていたとすれば、大きな問題です。一方で、一見、教会との関係性が不明な団体名もあり、一つ一つの相手の素性やイベントの背景を全て完全に調べて対応することは、実態として困難であったことは想像できます。それでも、今となってはもっと慎重さが求められたのでしょうが。。。

大事なことは、関係の有無の事実を公表するだけではなく、問題の本質を明らかにし、改善するべきことには迅速に対応していくことだと思います。

***

フランス下院の議事堂であるブルボン宮殿 (写真は外務省HPより)

今回の事件を受けて、”カルト宗教”を規制するための新たな法律を制定することについて、フランスの”反セクト法”(人権及び基本的自由の侵害をもたらすセクト的運動の防止及び取締りを強化するための2001年6月12日法律2001-504号) が注目されています。

フランス語の「セクト secte」 は、英語の「カルト cult」に当たります。

法律名にもある通り、規制する対象は、「セクト secte」ではなく、「セクト的 sectaire」 としています。セクト的な団体とは、「活動に参加する人の精神的又は身体的依存を作り出し、維持し、利用することを目的又は効果とする活動を行うあらゆる法人」と定義しており、以下に挙げる違反について、刑事上の最終的な有罪判決を複数回宣告された場合、解散宣告をすることができる、と規定しています。

  •  【各現行法典に基づく】 生命侵害、人の身体的・精神的完全性に対する侵害、人を危険に晒させる行為、無知と脆弱な状態に付け込む不法侵害、略取及び監禁、売春斡旋、人間の尊厳に反する労働、死体に対する侵害、差別、人格に対する侵害、未成年者及び家族に対する侵害、盗取、強要、詐欺、背信、財産の法的状況の詐称、不法な医師・歯科医・助産婦専門行為、不法な薬剤処方、虚偽広告、詐欺、食物・医薬品についての虚偽並びに不法売買

「セクト的」としているのは、教義・思想・信条が規制の対象ではなく、反社会的(法規に反する)行動を組織的に行ったことが対象なのです。このことにより、宗教的中立性や信教の自由を保障するとしています。

山形大学人文社会科学部の教授である中島宏氏は、「その規模や教義の内容に関わらず宗教であると主張する団体に対する規制は、信敦の自由保障の観点から慎重且つ冷静であるべきであり、背景にある事情や法的伝統を見ずして反セクト法の安易な類似立法を求めるのは危険である」(中島 2014、p.972)と、日本において同様な法律を制定することについて注意を促しています。

つまり、フランスはフランス、日本は日本、それぞれの社会的、文化的背景をよく考慮せよということです。

フランスは、日本とは全く異なる宗教観があり、社会的背景があります。古くはカトリックの国であり、フランス革命以降、信教の自由の問題に関して数百年間にわたって紆余曲折を繰り返してきた歴史があります。現代でも、中東やアフリカからの移民に多いムスリムとの社会規範の違いが、大きな社会問題となっています。シャルリ・エブド襲撃事件もありました。国家と宗教の関係、公共と私的における宗教活動のあり方や、学校における宗教教育等については、同国の社会論争の一大テーマです。「ライシテ laïcité 」と呼ばれるものです。

その他、フランスではインテリ層でチベット仏教や禅が好まれており、特にダライ・ラマが’89年にノーベル平和賞を受賞した後、同国では東洋思想やチベット仏教が大ブームになりました。

ちなみに、公明党の支持母体である創価学会のフランス組織が、’80~’90年代にフランス政府により「セクト団体」(海外布教を展開する日本の他の主な宗教団体を含む172の団体がリスト化されました)と扱われていた時代がありました。現在は創価学会は「セクト」とは見られていません。反セクト法が制定される前のことで、上の「セクト的」な行動によるものではありませんので、決して誤解のなきよう。詳しくは、以下にリンクを貼ったフリーライターの前原政之氏のルポを参照して下さい。

私は学生時代、フランスに留学していたこともあり(’88~89)、この問題には高い関心を持っています。さらに学んでいきたいと思います。

***

[参考]

中島宏 『フランスのセクト規制法―敵対か?受容か?』 宗教法,(23) 31-52,2004年11月

中島宏 『フランス公法と反セクト法』 一橋法学,1(3) 345-409,2002年11月

前原政之 『仏『ル・モンド』の月刊誌がフランスの創価学会のルポを掲載――その意義と背景』 WEB第三文明 2013年6月25日

もっと読む
中村(なかむら)やすひろ

核共有について

〇ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、我が国では核共有の議論をするべき、との主張が一部の政党・議員より出ています。公明党は、日本が核共有することに対しては反対です。

〇悲惨な歴史を繰り返さないためにも、世界は核兵器の縮減・廃絶へと向かっていかなければなりません。

○現在、核共有(Nucrlear Sharing)のシステムを採用しているのは NATO です。冷戦下、西ヨーロッパ諸国は、ソ連の核に対して、圏域内のイギリスとフランスが保有している核兵器に加え、アメリカの核兵器を配備(共有)することを抑止力とする体制を構築しました。現在、ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコに配備されているとみられていますが、その抑止・防衛体制は、1)通常戦力、2)核戦力、3)ミサイル防衛能力の組み合わせにより構成されています。

〇核兵器自体を保管・管理・警備するのはアメリカ、そして、それぞれの NATO 加盟国は自国の核兵器搭載可能航空機(DCA)により、移動運搬を行うことが想定されているそうです。

○核使用の意思決定には、NATO 加盟国の全会一致の承認と、アメリカ大統領とイギリス首相の認可が必要です。意思決定がなされた後は、米欧州軍司令官の指令により、核兵器を管理する米軍部隊に核兵器移送の指令が下され、NATO 軍事委員会の承認を受けた欧州連合軍最高司令官と同盟国の DCA 部隊に指令が下される、というプロセスになります。

.

〇翻って、日本がアメリカの核兵器を「共有」することについて、私は以下の課題があると考えます。

◆ アメリカの立場

〇軍事評論家の小川和久氏は、こう述べています。「米国が、日本が敵地攻撃能力という『戦争の引き金』を持つことを認めるか、という問題を忘れてはならない。認めれば、場合によっては、米国は望まない戦争に引きずり込まれるリスクを背負い込むことになる。だから、何があっても米国のコントロール下にある形でしか敵地攻撃能力を認めることはない。」と。

〇そもそも、日本における核共有の議論のきっかけは、ロシアによるウクライナ侵攻です。「日本が攻撃された時にアメリカは来てくれるのか?」 という懸念です。上のNATOの事例のように、核使用の意思決定は日本が単独でできるものではなく、アメリカ次第となります。核共有をしたところで、アメリカが ”YES” と言わない限り、結果的に使用できない。結局は、ウクライナに始まる議論の前提と同じです。

〇日本の核共有のアメリカにとってのメリットは何か。わざわざ日本を意思決定に加えることに、どのようなメリットがあるのか、という視点です。

◆ エスカレーション・ラダー

〇ラダーとは、”はしご”です、「戦争に至る、あるいは戦況をエスカレートさせる階段」とでも言いましょうか。国際法で、自衛・防衛の戦争のみが認められている現代では、はしごを先に登ったのは誰か、が問われる時代とも言えます。つまり、攻撃できる理由・口実を相手に与えてしまった方が、負けとも言えるのです。日本に対して攻撃するような口実を与えてはいけない。実際、ロシアのウクライナ侵攻でも、「エスカレーション・ラダーを登ったのは(東方拡大を行った)NATO(アメリカ)である」が、口実となっています。

〇日本への核共有という行為は、相手国から見れば、緊迫した情勢下において、日米が先制核攻撃の準備をしていると映りかねません。日本が先にエスカレーション・ラダーを登ったとなる可能性があるのではないでしょうか。

◆ 地政学上の影響

〇日本が核共有を行った場合、他の地域(韓国、北朝鮮、台湾、アメリカ、ロシア、中国、ASEAN、インド、オーストラリア等)との国際関係に大きなインパクトが加わります。日本はロシア、中国、北朝鮮の核保有国に隣接しており、安全保障環境は緊迫しています。一方で、その先の ASEAN や大洋州などには、非核地帯が広がっています(東南アジア非核兵器地帯条約、南太平洋非核兵器地帯条約)。また、核保有国で NPT に加盟していないインドも加わっている QUAD(日米豪印)の枠組みもあります。非常に複雑で入り組んだ周辺環境の中で、微妙な安全保障のバランスが保たれていると言ってよいでしょう。ここに、日本に核兵器が配備されるという新たな局面が加わることで、このバランスがどのように変化するのか、影響は計り知れません。

.

○核共有を議論するということは、日本が長年にわたって「国是」としてきた非核三原則の放棄を議論することになります。リスクは小さくありません。

〇原爆投下の日を迎え、外交・軍事の素人の私なりに考えました。このブログを書くに当たって、公明党のいさ進一衆議院議員の YouTube も参考にいたしました。

『いさ進一チャンネル』 ⇒  https://youtu.be/s573PZpXZl4

.

もっと読む
中村(なかむら)やすひろ

核のない世界へ

人を殺してはいけない! (はず)

戦争などはあってはならない! (はず)

地球上の全人類を何度も抹殺してしまう核兵器などいらない! (はず)

.
この当たり前のことが、なぜなくならないのか。未だ世界は核の脅威に晒されています。単なる「きれいごと」でしかないのでしょうか?

核兵器を巡る世界の現状(ひろしまレポート2022より)

.

***

○NPT(核拡散禁止条約)の再検討会議が現在ニューヨークの国連本部で開催されています。NPTとは、世界の191の国と地域が加盟している国際条約(非加盟は、インド・パキスタン・イスラエル・南スーダン)で、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の核保有5か国(N5)に核軍縮に向けた交渉を義務づけており、その他の非保有国には核兵器の開発や保有を禁止しています。再検討会議は、5年に一度加盟各国が集まり、核軍縮の方向性について成果を確認する場です。

○現地時間の8月1日、岸田文雄総理が日本の首相として初めて再検討会議に出席し、一般討論演説を行いました。その中で岸田総理は、「『核兵器のない世界』という『理想』と『厳しい安全保障環境』という『現実』を結びつけるための現実的なロードマップの第一歩」として、核兵器不使用継続、核戦力の透明性向上、核兵器減少傾向の維持、核不拡散と原子力の平和利用促進、各指導者や若者の被爆地訪問の促進などからなる「ヒロシマ・アクション・プラン」を提唱しました。

⇒ 演説全文(外務省HPより)日本語  英語 

***

.

○「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない」 ー 今から40年近く前、当時の米国・レーガン大統領とソ連・ゴルバチョフ書記長により共有された言葉です。そして、今年1月にN5が発表した共同声明にも、この言葉が記されました。

○現実には、ロシアによるウクライナ侵攻で、核兵器の使用の危機が高まっています。しかし、「危機を危機だけで終わらせず、そこから立ち上がって新たな時代を切り開くことに、人間の真価はある」との識者の言葉の通り、「核のない世界」へ時代を動かしていかなければなりません。

.○唯一の被爆国である日本に現実的に求められているのは、理想と現実の「橋渡し」です。

○公明党の使命はますます大きくなっていると確信します。

.

もっと読む